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本日紹介いたしますのはこちら、「走馬灯株式会社」第1巻です。
双葉社さんのアクションコミックスより刊行、漫画アクションにて不定期連載されています。

作者は菅原敬太先生。
本作は菅原先生初の単行本となるようです。

さて、本作は各エピソード毎に違った主人公が登場し、それぞれの人生を振り返って運命の分岐点を迎える……という作品。
後味の悪い話からオカルティックな話、ハートフルな話まで幅広く収録しています。

可愛いわが子を亡くし、後を追うように妻まで病死してしまうと言う不幸に見舞われた杉浦。
彼は何もかも失った喪失感を埋めるかのように、かつて家族で旅行に来ていた場所を1人で訪ね歩いていました。
ふらふらと町を歩いていると、ふと目に留まった一つの建物。
そこは「走馬灯株式会社」と書かれたこぎれいな家屋でした。
そこから出てきた家族らしき一団が満足していると言った旨の会話をしているのを聞き、何をしているのか気になって立ち寄ってみる杉浦。
するとそこには館主の神沼と名乗る美女がおり、
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ここでは自分の人生を振り返ることが出来ると説明してくれました。
宗教か何かかと思った杉浦は帰ろうとしたのですが、映画や芝居を見るようなものだと考えて10分でも良いから見てみてはどうかと薦められます。
もはや自暴自棄となっていた杉浦はこれが宗教でだまされたとしてもどうでも良いかと受付を済ませ、奥の部屋へと通されるのでした。

通された部屋にあるのは机と椅子、そしてテレビくらい。
本当に映画でも見せる気なのか……と思った矢先、神沼が両腕に大量のトールケースを抱えてやってきました。
中に入っているのはDVD。
見たくない部分などがあれば手元にあるリモコンで飛ばせるので、見るも見ないも自由……と言い残し、大量のDVDを置いて神沼は去りました。
DVDの再生が始まってもなぜか何も映りません。
真っ暗な画面に映りこむ自分を見ても面白くない、と席を立つ杉浦ですが、その瞬間ぼんやりと画面に何かが映り始めました。
それは赤子をあやすような動作をしている杉浦の両親!
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なんとこのDVDには自分自身の視点で自分自身の人生が録画されていたのです!!

内線を使って頼めば食事が出てくる上、室内にバストイレ完備という恵まれた環境もあり、杉浦は一週間もの時間を使って食い入るようにDVDを見続けました。
楽しかった少年時代、バカをやった青春時代、後に妻となる少女との出会いと再会、そして恋愛……
やがて子供も生まれ、DVDはとうとう39巻目……つまり39歳の時点まですすんでいます。
その巻に現れた一人の美女、玲子を見るなり杉浦の顔色が変わるのでした……

玲子は一言で言えば杉浦の不倫相手。
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積極的にアプローチをしてきた玲子と関係を持ってしまい、ずるずるとはまり込んでいく泥沼。
やがて玲子は杉浦に妻と離婚するように迫り、それが出来なければ杉浦の人生を滅茶苦茶にしてやると脅すのでした。
玲子と関係を持ってしまったものの、別に家族に不満があるわけではなく、むしろ何よりも大切にしていた杉浦は追いつめられ……
2人きりの不倫旅行と見せかけて玲子を連れ出し、
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首を絞めて崖から突き落としたのでした!!

この事件を転機に坂を転がり落ちるように絶望の人生となる杉浦。
子が水死し、妻が病死し……逃げるようにDVDを早送りすると、画面には延々と「テレビを映しているテレビ」が映り続ける画面になっていました。
現代に追いつき、今まさに録画中の画面になったのです。
そこに神沼が現れ、杉浦に「もう帰りたい気持ちになっているようだがこの特典ディスクを見ていってはどうか」と一枚のDVDをプレイヤーに挿入して去っていきました。
そこに映し出されたのは高いところから美しい景色を眺めている風景。
やがてその画面の中に杉浦の姿が映し出され、つい先ほども聞いたような会話が流れ始めます。
そして映像の中の杉浦が近寄ってきて、首に手をかけて……
そう、このDVDは玲子のものだったのです!

撫ぜこんな自分の殺害現場を見なければならないんだと憤る杉浦。
ところがDVDはそこでは終わっておらず、
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酷い傷を負いながらも自宅に帰りつく様子が映し出されていました。
玲子が生きていたことに驚きを隠せない杉浦ですが、DVDには更に驚くべき映像が映し出されます。
降りしきる雨の中、川べりを1人歩く杉浦の子供に近づいていき、その手を伸ばして……!
衝撃の事実が明かされ、物語は恐怖の結末を迎えます!!


と言ったように、自分の人生が映し出されているDVDを使っておのおのの人生、または気になる人物の人生を振り返って行く本作。
ある者は絶望を深め、ある者は自分の過ちを認め、ある者は信頼する人物の本性を知り……
各エピソードにどんでん返しが用意されており、毎回驚きを与えてくれます!
人生を映したDVDと言う珍しい設定に目が行きますが、各主人公も職業性別生い立ちは多種多様、年齢だけでも上は43歳から下は1歳までバラエティに富んでおり、それぞれしっかりと構築されたした物語も要注目!
違った味わいのストーリーを堪能できますよ!

人生をDVDで振り返ったそのあとに待つ運命は……?「走馬灯株式会社」第1巻は全国書店にて発売中です!
見た感じ無料のサービスで広告もないのに株式会社!!
株主さんの実態が気になりますね!!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


走馬灯株式会社(1) (アクションコミックス)
双葉社
菅原 敬太

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