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本日紹介いたしますのはこちら、「ワルタハンガ ~夜刀神島蛇神伝~」第1巻です。
秋田書店さんのプレイコミック・シリーズより刊行、プレイコミックにて連載されています。

作者は藤澤勇希先生。
藤澤先生は88年に小学館コミック大賞少年マンガ部門佳作を受賞しデビュー。
その後ビッグコミックやガオなど様々な雑誌で連載をしますが今ひとつ結果が出ませんでした。
ですが99年から週刊少年チャンピオンで連載した「BM~ネクタール~」は高い評価を得て一気に知名度を上げました。
その後も秋田書店さんの雑誌を主戦場にパニックホラー的なものを多く描いておられます。

さて、本作はやっぱりパニックホラーものです。
隔離された状況で未知の怪物に襲われる恐怖を描く、これぞパニックホラー!といった物語となっています!

ある日突然勤めていた会社が倒産し、未払いの給与や退職金などもろもろ合わせて20万を渡された主人公、八尋。
貯金もなく、歳も30過ぎでこのご時世。
どうしていいかわからない状況に陥ってしまいます。
そんな彼が趣味としていたのが未確認生物……UMA。
会社がつぶれたその日も今後に悩みながらもマニア向けの番組を観賞していました。
その番組の終了後、気になる告知が放送されます。
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それは参加費20万でツチノコ探しツアーを決行、ツチノコの発見者には5000万の賞金を与えると言うもの。
八尋はなけなしの20万を払い、なんとそのツアーに参加することにしたのです!

ツアー当日、八尋は意外な人物と出会います。
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それはつぶれた会社の同僚、笠原でした。
実は彼女もUMAマニアで、同じ番組を見て20万の使い道を決めていたのです!
他の参加者はキャンプ的な目的で参加したファミリー層……だけではなく、ツチノコ探しに人生をかけているような本気の人が大勢。
それだけこのツアーの主催はUMA界に強い影響を持っている番組と言うわけです。
そしてこのツアーの企画責任者、影山はツアーの開始前に携帯電話や通信機能のあるゲーム機などの通信手段を全て自分達に預けろと言い出しました。
今回の行き先である孤島は確かな筋から極秘に手に入れた情報で、外部に情報を漏らすことだけは避けたいらしいのです。
最初は文句を投げかける参加者達ですが、ツチノコ探しに全てをかけている笠原が真っ先に携帯を預けたことをきっかけに結局全員がそれに従うことに。
1人の参加辞退者もなく目的の島へとつくことになったのです。

着いた島の名は夜刀神島。
そこはUMAファンの間では伝説とされている島で、昭和初期に国がツチノコを確認したと伝えられる島でした。
影山はその島が夜刀神島であるという情報を掴んで、自分達の持つCATV局の進退までもかけたこの企画を計画したのです!

基本的には自由行動となる島での生活。
安全や健康のことを考え、毎日午後6時に炊き出しと1人当たり3リットルの水の支給は保障されています。
ですが
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10日後に迎えの船が来るまで帰ることは出来ないのです!
何が起こるかわからない絶海の孤島で10日間のキャンプ。
不安は禁じ得ませんが、参加者のほとんどはツチノコ探しに燃える人々だけあって、捜索開始の合図とともに駆け出すのでした!!

八尋は笠原の荷物持ちもかねて二人で捜索をします。
そう簡単にツチノコが見つかるわけもないのですが、どこかから悲鳴のようなものが聞こえてきたではないですか。
鳥の声と聞き間違えたのかもしれないし、見に行っている時間もないから……と午後6時の支給に戻る二人。
すると1人支給にやってきていない人物がいることがわかりました。
帰ってきていないのはツチノコハンター暦35年とすごいのかすごくないのか良くわからない自慢をしていた人物です。
しかし偉そうな態度で周囲から良く思われていなかったこともあり、いい大人なんだからそのうち戻ってくるだろうとほって置かれてしまうのでした。
……しかしその夜、彼が帰ってくることはなかったのです……

心配になった八尋は笠原を説得して声が聞こえた気がする地点からツチノコ捜索をするように促します。
そんな二人の目の前に現れたのは
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無惨な姿となったその人の骸でした……


と言うわけで、本作では得体の知れない謎の凶暴生物の姿が見え隠れする恐怖を描いてます。
早速1名死亡してしまい、彼意外にも数名の人物がそれに襲われてしまいます。
凶暴なその生物はいまだ姿を見せていないものの、それらしい抜け殻のようなものが発見されることに。
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それはカンブリア期に生息していた奇怪な生物「パージェスモンスター」を思わせる姿をしていました。
加えてこの島は非常に珍しい地質や地形をしていることが判明。
太古の生命がそのまま生態系を保っている可能性まで明かされました。
八尋たちの大人たちだけではなく、子供達も独自に行動をはじめ、謎の生命体の姿は徐々に白日にさらされていきます。
が、同時に恐怖の惨劇も広がっていくのです……

徹底したモンスターパニックものとしてのストーリー展開はホラー好きならたまらないはず!
藤澤先生得意のグロいモンスターや、見るだけでイラッと来るようないやな大人たちもその味わいをより深いものにしています!
ホラー好きでなくとも楽しめる……かどうかはちょっと微妙ですが、不安をはらんだまま進むドキドキの展開は読者を「あぁ、そんなことしちゃダメじゃない!?」とヤキモキさせてくれることうけあい!
今後の展開しだいではありますが、第1巻ではパニックホラーの王道といえる展開で楽しませてくれますよ!!


王道的モンスターパニックホラー漫画、「ワルタハンガ ~夜刀神島蛇神伝~」第1巻は全国書店にて発売中です!
このまま王道的に突っ走るのか、一味ひねった驚きの展開が待っているのか……そのあたりに注目しても面白いのではないでしょうか!
全ては藤澤先生の匙加減ひとつ!
とはいえここは藤澤先生の得意ジャンル。、どっちに転んでも面白く仕上げてくれるのではないでしょうか!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


ワルタハンガ 夜刀神島蛇神伝 1 (プレイコミックシリーズ)
秋田書店
藤澤 勇希

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