画像

本日紹介いたしますのはこちら、「バチバチ」第2巻です。
秋田書店さんの少年チャンピオンコミックスより刊行、週刊少年チャンピオンにて連載中です。

作者は佐藤タカヒロ先生。
佐藤先生と本作第1巻の紹介は09年9月8日の記事にて記載しておりますので、そちらもご参照ください。

さて、第1巻で相撲の道を歩み始めた鯉太郎。
相撲部屋生活が始まります!

鯉太郎はこれから入門する空流部屋の力士、阿形にボコボコにされ担がれるようにして部屋にたどり着きました。
そのまま倒れこむように眠りこける鯉太郎ですが、どうやら親方の娘はあの火竜の息子である鯉太郎の入門に反対のようで、元気になったらすぐ出て行ってもらうと言い放ちます。
腫れ上がった顔を冷やした手ぬぐいで冷やしていた親方の娘ですが、ついうとうとしてしまい目が覚めると朝4時。
そして目の前の布団はもぬけのからになってるではないですか。
逃げたと思い込んだ親方の娘ですが、鯉太郎は1人稽古場で四股を踏んでいました。
その目を見張るほどの四股に心を奪われ、親方の娘も一応入門を認めるのでした。

動けるのならば、と早速はじめられる朝稽古。
それは空流部屋に所属する4人の力士とかわるがわる立ち会って根性を確かめるという、この部屋特有の適正試験のようなものでした。
鯉太郎は手始めに一番番付が下……序の口である白水を得意のぶちかましでふっ飛ばします。
画像

この程度の相手では話にならない、ならば昨日の雪辱をはらさんと阿形を呼びつける鯉太郎ですが、白水はすぐさま立ち上がり鯉太郎の顔面に頭突きを放ってくるではないですか!
一番弱い白水でもこの根性。
空流部屋の面々は一筋縄では行かない者ばかりなようです!

そのまま他の力士、吽形や川口、そして阿形と幾度となく立ち会い続ける鯉太郎。
全体の自信を持つぶちかましのみで勝負を挑むのですが、叩き潰されてしまいます。
何度も何度も立ち上がり、そのたびに張り倒され、投げつけられ……
画像

負け続けることで鯉太郎の心にあった自身の強さへのうぬぼれが流れ落ち、自分の位置を知らされた鯉太郎。
そして残ったのは更なる強さへの純粋な渇望。
こうして鯉太郎は空流部屋の新たな一員、家族として相撲道を邁進して行く事になったのでした!

厳しい稽古にくわえて雑用の数々とつらいながらも充実した日々を送っていた鯉太郎。
あっという間に3週間が経ち、新弟子検査の日がやってきました。
激しい稽古の繰り返しで規定の体重に4キロ足りなくなってしまった鯉太郎ですが、そこは何とか腹に食べ物や水やらを詰め込んでクリア。
ですが新弟子検査ではあまりにも重大な、相撲界全体をも巻き込む衝撃の出会いが待っていたのです!

親方とともに検査の会場に来た鯉太郎。
そこでまずであったのがあや方と現役時代何度も激闘を繰り広げてきた元横綱、虎城でした。
彼は鯉太郎を見るなり火竜の息子を角界に入れるなどとんでもないと激昂!
火竜などという下種な人間の記憶は消し去ったのだから、また汚点になるようなことをするな、と叫んだのです。
それを聞いた鯉太郎は考える暇もなく拳を振りかぶっていました。
止めるまもなくその拳が炸裂!!
画像

……ですがその着弾先は虎城ではなく、その息子でやはり新弟子検査を受けに来ていた期待の星、王虎でした。
とっさに父をかばって拳を受けたのですが、その衝撃で倒れ込み、その際床についた手を傷めてしまった様子。
これは大問題になる、と騒然とする周囲ですが、王虎は鯉太郎に責任を求めることは一切しないと宣言します。
自分が父をバカにされたら同じようなことをしたかも知れないし、そもそも父の弟弟子だった火竜の凶行を止められなかったことが鯉太郎を荒れさせたのだから自分達にも責任がある、というのです。
さらに王虎は手首は骨折しているが10日後のデビュー戦、前相撲には必ず出る、そこで鯉太郎に相撲と暴力は違うということを土俵の上で教えることこそが自分の役目だと宣言したのでした!

一躍スターになる王虎。
ですが手首の骨折は真っ赤な嘘で、今までの発言などはすべて火竜の息子である鯉太郎を完全に抹殺し、特別な存在である自分を一気に押し上げるための演出だったのです!!
画像

しかしその実力だけは本物である王虎。
その本性を知り、荒れ狂う鯉太郎ですが部屋のみんなに諭されて勝負に専念する心構えを作り上げます。
瞬く間に過ぎ去っていく時間。
前相撲のその日は瞬く間にやってきました。
二人の激突はまもなくです……!

というわけでいよいよ本格始動を始めた本作。
今後幾度となく激突するライバルになるであろう王虎が登場し、物語も早速盛り上がりを見せ始めました。
なんといってもその王虎のヒールぶりが非常に板についておりまして、とても分かりやすい「強くていやな敵」になっています。
なんだかんだいっても父を尊敬し今まで育ててくれた家族を愛している鯉太郎と、父ですらコマのひとつとして考えているような節があり先輩であり仲間であるはずの同部屋力士も思い切り見下している王虎。
更にマスコミなども完全に味方につけ、世間的には鯉太郎が完全に悪役、王虎が正義の人になってしまっています。
この見事なまでの対比が少年漫画らしい色合いを生み出し、これから来るはずの鯉太郎の逆転劇を更に楽しみにさせてくれるのです!
しかも全ての決着がつくのではないにしろ、二人の激突は間近まで迫っているわけで……
まさに出し惜しみなしのストーリー!先が楽しみでしょうがないですよ!

電車道一本、真っ向勝負の相撲漫画「バチバチ」第2巻は好評発売中です!
チャンピオン連載とは思えぬ癖の少なさと、チャンピオンらしい熱さを併せ持った読み応えのある本作。
チャンピオンだからとか、相撲だからとかで敬遠するのはもったいないですよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


バチバチ 2 (少年チャンピオン・コミックス)
秋田書店
佐藤 タカヒロ

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ウェブリブログ