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本日紹介いたしますのはこちら、「シグルイ」第13巻です。
秋田書店さんのチャンピオンREDコミックスより刊行、チャンピオンREDにて連載されています。

作者は山口貴由先生。
山口先生とその著作の紹介は「山口貴由」のテーマにてまとめておりますので、御時間など余裕がございましたらごらんください。

第12巻でその身と心に力を取り戻した藤木。
運命の御前試合はすぐそこまで迫ってきています……

第13巻ではいきなり藤木と三重が月岡の家を出ることになります。
同じ屋根の下に住む伊良子たちとの確執がトラブルを招いたためです。
藤木たちが預けられることとなったのは槍術の使い手、笹原修三郎の屋敷でした。
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笹原は駿河に集う武芸者たちを一時的に預かり、人格や技を見極めて推挙するか否かを決定する立場についている者です。
笹原に導かれてとりあえずの住処となった庵についた数時間後、さっそく藤木を訪ねるものが現れました。
笹原の門下である槍の使い手、猪又という人物でした。
彼は藤木に手合わせを申し込みますが藤木は気が進まない様子。
しかし口をついてでた伊良子の名を聞くや藤木は木剣をもって構えたのです。
猪又は槍と剣の間合いの差、そして藤木が隻腕であり、刺突をいなすこともできないと考え、負けることはありえないと槍を放ちます。
……が、藤木は槍を持つ手に向かって剣を振るいました。
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猪又の左手を砕かれ、もはや勝負は決したも同然。
ですが虎眼流にすべてをささげて来た藤木は虎眼流の流儀に従い、伊達にするための2撃目を放ちます!
が、その剣が猪又に届くことはありませんでした。
笹原が駆けつけ、その長い腕で木剣を掴み止めたのです。

一方その頃、伊良子は忠長の戯れで人食いの狒々をしとめていました。
冷たく硬い石牢にあっても放つことが可能となった無明逆流れにもはや死角がないも同然。
しかし勝利の後、伊良子は忠長の機嫌を損ねる発言をしてしまいます。
刀を抜けと指示され、避けねばもちろん死亡、刀を抜けば護衛に切り殺され、よければ無礼として手打ちという詰み状態に追い込まれてしまう伊良子。
ですが、目の見えない自分には普通のものが見えないものが見え、そのまぶたには忠長は将軍として映る、将軍に対して刀は抜けない……と発言することによって九死に一生を得るのでした。

剣術も話術も、すべてにおいて藤木を上回っている伊良子。
先ほど指を飛ばした猪又の親に対しても空気の読めない、いや空気の読まない発言をして憤慨させてしまいます。
その不遜きわまる態度に笹原も堪忍袋の尾が切れたのか、藤木に指南をつけると道場に招きました。
天下一と言っても過言ではない槍術の使い手である笹原に、さすがの藤木も一筋縄では行きません。
いきなり流れの構えをとる藤木に対し、笹原は槍先を地面スレスレに構えます。
その姿はさながら無明逆流れ!
藤木は以前の戦いを思い出して簾牙の構えへと以降し、突進します。
左の剣で相手の剣を受け、そのまま右の剣で相手を切る。
無明逆流れの前では無力となってしまったこの技ですが、相手が練習用の槍ならば間違いなく威力を発揮するでしょう。
ですが悲しいかな現在の藤木には防御の左剣を持つ腕がありません。
藤木の右剣は笹原の頬にわずかな傷をつけるにとどまり、逆に腹へと痛打を受けてしまう結果に。
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敗北した藤木に笹原は伊良子にはかなわない、駿府より去れと言い放つのでした。

その後も負けたことも気に留めていないかのように無表情で訓練の毎日を送る藤木。
ですがあることをきっかけに無明逆流れ打倒の技を思いつくのです。
型破りにもほどがあるその戦法ですが、藤木の目はもはや打倒伊良子の一念を映すのみ。
無礼とされようと何があろうと、藤木にはもはや関係がないことなのです……


今回登場した笹原は原作の「駿河上御前試合」の「がま剣法」にて屈木と勝負することになる人物。
原作では当然関わらない二人が関わり合い、さらに原作から大きく逸脱して先の読めない物語となっています。
伊良子は逆流れの完成度をより高め、藤木は逆流れ対策を完成。
刻一刻と迫る対決の決着も予測不可能!
原作とは違った結末になる可能性も否定できないのではないでしょうか!

いよいよ藤木、伊良子の双方準備が整い、対決ムードの高まり始めた「シグルイ」第13巻は好評発売中です!
笹原の人物像も掘り下げられ、本気で御前試合全試合漫画化する感じがしてまいりました!
どうなるかは山口先生のさじ加減しだいですが……何年かかるんでしょうか!!
……うれしいような困るような……
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


シグルイ 13 (チャンピオンREDコミックス)
秋田書店
2009-09-18
南條 範夫

ユーザレビュー:
舌切り槍、笹原修三郎 ...
面白い…が内容は、原 ...
張り詰めたテンション ...
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