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本日紹介いたしますのはこちら、「それだけでうれしい」です。
芳文社さんのまんがタイムコミックスにて刊行されました。

作者は松田円先生。
松田先生は98年ごろから活躍をはじめた漫画家で、主に4コマ漫画を執筆。
現在も複数の連載を同時進行されているようで、精力的にお仕事をされています。

さて、本作は4コマ漫画をメインに描かれている松田先生には珍しい4コマではない普通の漫画作品。
幼馴染の二人の間に起こる出来事を描いたほんわかした物語になっています。

主人公の夕子は和菓子屋の一人娘。
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彼女には子供の頃からいつも喧嘩したり励ましあったりしている幼馴染がいます。
幼馴染の名前は将一。
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彼は夕子の和菓子屋と同じ商店街にある喫茶店のマスターです。
将一は非常に惚れっぽく、様々な女性に肩入れしては振られて落ち込むという毎日を送っており、その度に夕子は将一の好物である自分の店のぼた餅を差し入れて慰めてあげるという関係が続いていました。
夕子は将一のことを完全に異性として好きになっているのですが、将一はそんなことに気づかずに恋多き毎日を過ごしています。
ですが夕子は自分が動くことによって今までの関係が崩れてしまうのではないかと考え、告白をすることができません。
いまはこうしてぼた餅を届け、そばで支えとなってあげられる……それだけで幸せを感じているのです。

そんなある日、夕子の前に一人の男性が現れます。
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三好というその男性はやさしく気のきいた人物で、駅前にある高級和菓子屋の息子です。
彼は当初夕子と見合いをする予定だったのですが、夕子は顔すら見ずに断った為自分自身で会いに来たのです。
三好は夕子のことを気に入ったようなのですが、将一の店の常連でもあったため夕子が将一のことを好いている事も知っていました。
その為結果をすぐに求めず、同じ片思いの身としてあきらめずにじっくりと関係を深めていくことを決めたのでした。

将一は夕子と三好がお見合い、という話を聞くとあせるどころかいい話だし、和菓子屋同士で話も合うだろうからおにあいだと能天気に進めてくる始末。
そんな自分に大して何も思っていないようなそぶりを取られた夕子は流石に落ち込み、そばで支えてくれている三好との付き合いをはじめてしまいます。
デートなどを重ねていく夕子と三好。
この時点でようやく将一は自分でもなんだかわからないもやもやした感情を抱き始めるのです。
ですがそんな気持ちなどお構いなしに三好から婚約指輪を買った、という連絡が入るのでした!
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本作は片思いを続けている主人公の切なくもやさしい感情の動きを繊細に描いた作品です。
夕子の行動や考えは周囲を励ましたり和ましたりしてくれ、同時に読み手を暖かな気持ちにしてくれます。
ですが中盤から始まる三好を交えた恋の行方はそれまでの流れを大きく変え、今までの完全には満たされないながらも幸せを感じることのできた関係が崩れていき、どうしてこうなるのかと読者をやきもきさせます。
かわいらしい絵柄と切なさの相乗効果で効果は抜群ですよ!

幼き日から続く片思いの行方が気になる「それだけでうれしい」は全国書店にて発売中です。
好きだからこそ近寄れない、そんな切ない思いが詰め込まれている本作。
癖のない読みやすい作品に仕上がっています!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


それだけでうれしい (まんがタイムコミックス)
芳文社
松田 円

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よくわからない・・・ ...
表紙の雰囲気とよく合 ...
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