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本日紹介いたしますのはこちら、「おもかげ幻舞」です。
秋田書店さんの少年チャンピオンコミックスにて刊行されています。

作者はこやま基夫先生。
こやま先生の他作品の紹介は「こやま基夫」のテーマにてまとめさせて頂いておりますので、合わせてご参照くださいますと嬉しい限りでございます。

さて、こちらの作品は主人公が社会に潜む悪人達を退治していく、仕事人系の漫画……と見せかけた能力バトル漫画です。
主人公はある学校の教師をしている青年、面影蒼(おもかげ あおき)。
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物腰の柔らかい礼儀正しい美青年なのですが、感情表現を殆どせず、私生活は謎に包まれています。
そんな彼を何故だが気に入ってしまった少女、神楽マキ(かぐら まき)が彼の家に押しかけるとその家には世界格好の様々な仮面が飾られていました。
メジャーなものからマイナーなものまで様々ある仮面の中に紛れ込んでいる、人間の顔を写し取ったライフマスクとデスマスク。
この仮面は何かとマキが聞くと、蒼はそのマスクの人物を忘れない為に飾っているのだと答えまるのでした。

ライフマスクのモデルとなった人物は蒼が闇へと葬った人物のものでした。
蒼は許しがたい悪人を目にしても感情を動かすことはありません。
ですが心の奥底に眠る心が彼の仮面の姿を借りてこうささやきます。
放って置いていいのか、われわれがやるしかない、と。
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その声を聞いた蒼はその悪人にふさわしい仮面を被り、葬りに向かうのです……

という1話完結の仕事人スタイルなのですが、それは実質第1巻だけ。
第2巻で人形を操る殺し屋、呪三郎が現われてから物語の雰囲気はガラリと変わります。
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いままで味付け程度でしかなかったバトル展開が挿入され、今まで使わなかった「仮面をかぶるとそれにちなんだ攻撃ができる」という特殊能力まで発揮。
そして呪三郎とは仲間と言いづらいものの一応の協力関係となって日本を裏から牛耳る闇世界の首領、渋澤翁と戦うという大事になります。
敵もどう見てもバケモノな人や、出る漫画ちがくね?というようなサイバーな感じの人が現われ、とにかく少年漫画らしいバトル漫画へと変貌します。
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能力バトルものとしてもなかなか楽しめるのですが、最大の売りはやはり蒼の過去ではないでしょうか。
蒼は何故感情を表さないのか、自宅の特別な部屋に飾ってある女性のライフマスクはなんなのか、それらが物語にしっかりと絡んで作品のしっかりとした芯になっています。
とにかく黒幕と言うか全ての原因となったある人物の外道っぷりは特筆ものです!

また、作中に登場する仮面の詳細とかも記載されていてなんだかお得な気分になれますよ。
メキシコのモザイク仮面なんかは「孔雀王 退魔聖伝」とかでもでていましたので、興味深く読める方も多いのではないでしょうか!
……その知識があるからといってどうなるってわけでもないんですけどね……

こやま先生作品としては非常に珍しい、シリアスなバトル漫画、「おもかげ幻舞」は全4巻で発売中です!
ギャグが非常に少なく、終わり方もなんだか寂しい感じでとにかくこやま先生らしからぬ作品ではありますが、意外性がありつつテンポのよい展開やキャラクターの強い個性からはしっかりとらしさを感じさせてくれます。
特に実質のラスボスとなった呪三郎との決戦は燃えますよ!
マイナーメジャーと言えるこやま先生の作品の中でも更にマイナーなこの作品ですが、終盤の急ぎっぷりはともかくしっかりとまとめられた完成度の高い作品になっています。
能力バトルが嫌いでなければ一読してみていただきたい!
さぁ、古本屋さんとかに急ぎましょう!!


おもかげ幻舞 1 (少年チャンピオン・コミックス)
秋田書店
こやま 基夫

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