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本日紹介いたしますのはこちら、「TURKEY JUNKIE(ターキージャンキー)」です。
新潮社さんのバンチコミックスにて刊行されました。

作者はにわのまこと先生。
にわの先生の紹介等は「にわのまこと」のテーマにてまとめさせて頂いておりますので、そちらもあわせてご覧くださいませ。

さて、こちらの作品は、にわの先生著作中さりげなく唯一の純プロレス漫画となっています。
「THE MOMOTROH」も当然プロレス漫画のなのですが、未来人やら海底人やら1000歳以上のロシア人やらが相手な上に飛び道具やら武器防具やらをガッチリ使っていましたので「純プロレス」ではないかなぁと……

主人公はプロレスリング・エイジアの前座を勤めるデビュー3年勝ち星なしのお笑いレスラー、滝念五郎。
彼は勝敗というものを超越してお客さんを楽しませることができるエンターテイメントとしてのプロレスを誰よりも愛する男です。
ですが所属するエイジアは、柔道金メダリストの小山田を獲得し、エンターテイメント性を排除してリアルファイト路線に進めていくという発表をします。
そうはさせまいと記者会見に七面鳥のマスクを被り「ターキー・カブキチョウストリート(後に『ターキー・アミューズメントパーク』に改名)」を名乗って乱入する滝。
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彼は思惑通り記者会見をぶち壊し、リアルファイト路線をうやむやにし、その挙句小山田と勝負させろとエイジアの社長、アトラス冴木にかけあいます。
滝が勝ったら小山田は滝の弟子に、滝が負ければ団体を去る、と言う条件を出して。
こういった暴走を幾度となく繰り返す滝は団体にとって邪魔な存在、と考えていた冴木は道場マッチでの勝負を了承。
金メダリストがよもや前座レスラーに負けることはありえないとたかを括り、これで邪魔者を排除できるとほくそえんでいたわけです。

そして道場マッチは始まります。
予想に反して勝負はなんと滝の圧勝に終わりました。
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滝は素晴らしい身体能力を持ち、影では猛練習をしていたものの自分はプロレス興行の場を暖める前座としての役割を全うしたいと考え、今までコミカルなキャラを演じていたのです。
小山田を自分の弟子とし、「クラブ・ターキー」と言う新勢力を作ることにした滝。
人気の低迷に歯止めのかからないプロレスリング・エイジアを、滝の求める真のエンターテイメントとして復興させる戦いが始まります!
しかしやはり冴木はそんな滝を気に入らないようで、様々な妨害を……

といった感じのお話になっております。
なんと言っても感じられるのはにわの先生のプロレスLOVE。
柔道金メダリストを翻弄するプロレスラーは本当は強いんです的描写はその最たるもので、同好の士として思わずにわの先生お好きですなぁと呟いてしまいます。
作中ではエンターテイメント=台本ありという日本プロレスのタブーを描写していますが、そういう描写があるにもかかわらず試合はガチンコ!
滝だけでなく、対戦相手にも負けられない理由、背負った運命をもってのプロレス内真剣勝負を繰り広げているのです。
にわの先生の他作品では見られない、迫力満点の現実的範囲内での熱いプロレスを存分に味わえますよ!
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また、滝が何故こんなに必死にプロレスを盛り上げようとしているのか、そしてなぜ実力はありながらも最初は前座レスラーに甘んじていたのか、と言う理由もしっかり明かされ、その滝の悲しい過去も要注目です!

……と、持ち上げては見たものの連載時は今ひとつ人気が振るわなかったようで、創刊当時「安易に打ち切り漫画は出さないよ!」と言うスタンスを取っていたコミックバンチ連載作品史上初の打ち切り作品となってしまいます。
(厳密に言うとこの作品以前に1本打ち切り作品はありましたが、他国で連載されていた作品の邦訳連載でしたので例外扱いしてもいいのではないかと思います……)
プロレスファンには(中だるみは確かにありましたが……)なかなか楽しめた作品でしたので、正直ショックでした。
連載時期が02年ごろと、最も日本のプロレスが駄目だった時期の連載というのもあったんでしょうか……

にわの先生現状最後のプロレス漫画、「ターキージャンキー」は全3巻で発売されています。
いまや数少ないプロレス好きなら間違いなく楽しめるさりげない良作ですよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!

それにしても
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「第一部 完」の表記は切なすぎるので勘弁して欲しいもんです……



ターキージャンキー 1 (1) (BUNCH COMICS)
新潮社
にわの まこと

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