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本日紹介いたしますのはこちら、「ぼくと姉とオバケたち」第2巻です。
竹書房さんのBAMBOO COMICSにて刊行されました。

作者は押切蓮介先生。
押切先生の各作品の紹介は「押切蓮介」のテーマにてまとめておりますのでよろしければご覧くださいませ。

さて、こちらの作品。
押切先生の4コマ漫画誌での連載作品で、現状では押切先生唯一の4コマ漫画単行本となります。
4コマ漫画だからといって押切先生の芸風は変わらず、相変わらずのホラーギャグ。
連載物の4コマ漫画、と言う題材自体に挑戦しているだけあって、「ゆうやみ」「ミスミソウ」なんかのジャンル的な挑戦は見られず、ごく普通(?)のホラーギャグが展開します。

新居に引っ越してきた主人公、マサルと姉の麗子。
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その家はそれはもうビックリするほどのいわくつきで、合戦場>墓>刑場>墓>火葬場>病院>墓>現在の家と凄まじい経歴をたどってきた物件でした。
とにかくびっくりもしないほど日常的に幽霊の出るその家で、マサルは怯え、麗子は物怖じせずに撃退しながら日常を送っていきます。
何故か住み着いていたカッパや、
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日本最恐の霊を目指す可愛い幽霊のお菊などを加え、
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おそろし和やかな物語はもはや癒し系の域にまで達しています。
……一応ホラーなのに!

そして第2巻では幽霊達と怯えながらも折り合いをつけていたマサルたちの生活を大きく変化させる出来事が起こってしまいます。
3月にやってくる幽霊達の卒業式。
この日は多くの幽霊達がマサルの家を卒業していきます。
……もう何がなにやらわかりませんが、卒業があれば当然入学、もとい入家もありまして。
なんとその入家式には妖怪たちが退去してやってきてしまったのです!
幽霊たちは自力で勝る(?)妖怪たちに押され、これではいかんとマサルたちと協力するのです!!

そんなたくましくなったマサルをみて安心したのか、カッパはマサルの家を後にして自立します。
その姿を見た妖怪たちは何故か人間界に溶け込む決心をし、続々とマサルの家をあとにしていきます。
幽霊もそれに触発されてか家をでて磁場クレイとしてやっていく決意をし、どんどんといなくなっていきます。
このままでは幽霊や妖怪無しの家になってしまうのでは……これではマンガが終わってしまうではないですか!
……そう、物語はとうとう完結するのです!
残されたのはマサルと麗子、そしてお菊。
すっかりたくましくなったマサルのもとに一人の浮遊霊が一晩の宿を借りようとやってくるのですが……
感動(?)のフィナーレを体感せよ!!

押切先生の十八番ホラーギャグと、チャレンジであった4コマ漫画の融合作、「ぼくと姉とオバケたち」最終第2巻は本日発売です。
短期集中連載を除いての初の完結作となる本作。
押切先生の物語のまとめっぷりを括目してみるべしです!
ホラーは苦手だなぁというかたも、読めばお化けが恐くなくなるどころか親近感すらわいてきそうなこの作品、ホラーが苦手だろうと得意だろうと関係ありません!
1巻からあわせて読めば「先生自身がコメントしていたとおり、本当に4コマは苦手なんだなぁ」と思ってしまう連載開始当初から徐々にしっかりとした4コマ漫画へと成長していく様まで鑑賞できてお得な気がします!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!