本日紹介いたしますのはこちら、「墓場鬼太郎」です。
角川書店さんの角川文庫より刊行されています。

水木しげる先生の漫画人生を決定付けたとも言えるこの作品。
第1話となる「幽霊一家」はなんと1959年に生み出されました。
貸本漫画として発表したこの作品は高い人気を獲得したようで、「墓場鬼太郎」としてシリーズ化されました。

世代を超越して人気を博している「ゲゲゲの鬼太郎」の元といえるこちらの作品ですが、鬼太郎、ねずみ男、目玉の親父などの主役級以外の登場人物はほとんど出ません。
それだけでなく、鬼太郎自体も今の人間の味方で悪の妖怪と戦うヒーローと言ったキャラクター造形とはかけ離れた、自分のことを第一に考えて行動する小悪党じみた存在になっています。
もうそのわるぶりは凄いです。
生活の為の働き口として借金取りを選んだり、仮にも育ての親となっていた水木という男を平気で見捨てたりとやりたい放題。
あげく妖怪と戦う超能力も無いわひどく不細工だわで褒めるところなし状態です!
ですが「ゲゲゲ」とは別物の奇妙なムードを持つ怪奇漫画としてみれば面白いことこの上なし。
うわ、ひでぇ!とかいいながらニヤニヤして読み進めてしまうはずですよ!

今回紹介している最新の復刻版は全6巻で構成されておりまして、4巻くらいからだんだん「ゲゲゲ」の鬼太郎に近づいてきます。
ものすごい不死性を発揮したり、戦闘用ではないものの超能力(妖力?)を使ったり。
見た目も大分現代に近づいてくるのでそういった変化も楽しめますよ!
とはいえねずみ男と女の子を取り合ったり、カレーと勲章に引かれて仕事を引き受けたりと性格は別物なんですけどね!!

文庫本な為少々サイズが小さいという欠点はあるものの、台詞などの改変も無くカラーページなどをカラーで掲載している豪華仕様。
最近アニメ化されましたが、細かな表現や話の流れが違っていたり、そちらで映像化されなかった作品も収録していますのでファンならスルー不能ですよ!
もちろん水木先生特有の雰囲気はたっぷり味わえます!
当時の芸能人をモデルにしたと思われるキャラも出たりしてノスタルジー気分にも浸れますぜ!

「ゲゲゲの鬼太郎」の原点にして水木先生の出発点ともいえる「墓場鬼太郎」。
入手しやすい角川文庫版は全6巻が大好評発売中です!!
鬼太郎を見る目が変わってしまうこちらの作品、漫画好きなら一見の価値あり!
さぁ、今すぐ本屋さんに急ぎましょう!!


墓場鬼太郎 (1) (角川文庫―貸本まんが復刻版 (み18-7))
角川書店
水木 しげる

ユーザレビュー:
原点にすべてがあると ...
こっちの鬼太郎の方が ...
ついに文庫化された復 ...
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