本日紹介いたしますのはこちら、「最後の性本能と水爆戦」です。
ワニマガジン社さんのワニマガジンコミックススペシャルにて刊行されています。
成年向けマークこそ付いていないものの、どう見ても男性成年向け漫画ですのでそこのところを留意しつつご覧になってくださいませ。

作者は道満晴明先生。
先生の紹介や貴重な全年齢向け単行本、「ファントムブレイブ イヴォワール物語」の紹介は11月11日の記事にて触れておりますのでお時間ありましたらどうぞご覧になってくださいませ。

さて、こちらの単行本は基本的にワニマガジン社さんより刊行されているコミック快楽天という雑誌に掲載された先生の短編を多数収録したものです。
なんとその収録数31編。
2005年~2008年にかけての道満先生の作品がガッチリと収録されており、バラエティ豊かな味わいが楽しめます。
先生の可愛らしくもエロスな絵柄は勿論健在。
お話の内容もいつもどおりいい話系から切ない話、うすら恐ろしい話から絶望感が漂う暗いお話、果てはバカ極まりない(褒め言葉です)ギャグまで、道満先生の持ち味が存分に発揮されています。

収録作の中でも最後に収録されている「DOWMAN OF THE DEAD」の出来は特に秀逸です!
タイトルどおりDawn of the Deadのパロディ的作品で、男女がショッピングモールに立てこもるというそのものズバリなお話なのですが、道満先生ならではの調理がなされております。
立てこもり自体はかなりきっちり成功していまして、立てこもった4人は結構余裕な毎日を過ごしていました。
そこに突然謎の声が響き、人類はこの4人だけしか残っていない、お詫びにひとつだけ何でもあげるから心に思い描いてみてくれ、と言う旨を伝えてきます。
4人がそれぞれ願ったものは、大それたものではなく、それぞれの思惑を解き放つきっかけを与える程度のものでした。
一見余裕があるようであった4人も極限状態の中でどこかがおかしくなっていたのでしょう。
歯車が狂ったかのように、事件は起こってしまいます……

終末を感じさせる空気を描きつつも淡々と生活する様、そして突然崩れる4人の関係など、まさしく道満先生の持ち味がぎゅっと凝縮された良作です!
こちらはファンならずとも是非チェックしていただきたい!
小ネタとして最後まで放送をしていたテレビ局がアニメを放送している(どうみても某楽しいトロール一家)など、ギャグも忘れない先生に脱帽するしかないぜ!
単行本書下ろしこそ少ないものの、カバーに特殊な加工がされていたり、カバー裏にて各作品の解説のようなものが描いてあったりと、細かな所に力が入れられているのも要注目です。
そのカバー裏にはたった4Pの四谷怪談ネタのためにお岩稲荷にお参りに行っているという用心深い先生の実態や、「ブックオフの店員さん百円コーナーには置かないでね」というもの寂しげなお願いが書いてあり、ニヤリとせざるを得ませんよ!

エロスでいい話、略してエロいい話の第一人者、道満晴明先生の最新単行本「最後の性本能と水爆戦」は好評発売中です!
前作、前々作である「性本能と水爆戦」「続 性本能と水爆戦」を1冊にまとめた「性本能と水爆戦 征服」と言う単行本が初春に発売予定だそうですので、そちらもチェック!

エロスだけでは飽き足らなくなった変態紳士の皆さん、この作品は読まなきゃ損ですぜ!
さぁ、今すぐ本屋さんにダッシュだ!!

最後の性本能と水爆戦 (WANI MAGAZINE COMICS SPECIAL)
ワニマガジン社
道満晴明

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