本日紹介いたしますのはこちら、「FLIP-FLAP(フリップフラップ)」です。
講談社さんのアフタヌーンKCにて刊行されています。

作者はとよ田みのる先生。
2000年に四季賞の佳作を受賞し、2002年「ラブロマ」で四季賞の大賞を受賞しデビュー。
同「ラブロマ」をアフタヌーンで2003年から連載し、人気を得ました。
その後再びアフタヌーンで連載したのがこちらの「FLIP-FLAP」です。

さてこちらの作品、いわゆるラブコメディです。
しかし一般的なラブコメディと一線を画すのが話の中核となる題材。
それはなんとピンボール!
単行本帯にも描いてあるとおり世にも珍しい、もしかしたら世界初のピンボールラブコメです!!

勿論この作品で注目すべきところは題材の奇抜さだけではありません。
とよ田先生の作品の特徴とも言えるさわやかですがすがしい青春ドラマこそがキモといえるのではないでしょうか。
あまりにも「普通」な自分にほんの少しだけ変化をつけようと考えた主人公、深町。
彼がその手段に選んだのは高校生活最後の日に片思いの女性、山田に告白するというものでした。
ダメモトでしてみた告白ですが、彼女はなんとあっさりOK。
ですがひとつの条件を出してきました。
それはあるピンボールの台に燦然と輝くハイスコアを塗り替えること。
そんな妙な条件の上、彼女は同じ状況の「彼氏候補生」をたくさん抱えていたのです。
深町は山田目当てにピンボールを始めることにしますが、ただひたすらに楽しんでいる山田の様子を見たり、自分自身もピンボールの不思議な魅力に取り付かれていったりと、徐々にのめりこんでいきます。
めきめきと腕が上がっていきますが、ハイスコアは依然塗り替えられず。
そんな時山田に誘われて参加したピンボール大会で優勝。
その流れで参加資格を手にしたより大きな世界大会、PINHEAD EXPOに出場することになってしまいます!!

本来地味であるピンボールを、巧みな演出と躍動感ある筆致でまるでスポーツかのように描写されており、みるものを飽きさせません。
それどころかその迫力に引き込まれ、感動や白熱すら味わえてしまいます!
そしてピンボールを通じて広がっていく世界と、近づいていく深町と山田の距離を見事に描ききっているところもすばらしいの一言。
最後にやってくる、2人の気持ちがひとつになるシーンとハイスコア踏破の瞬間にはこみ上げるものが抑えられませんでした!
ラストシーンで彼が言う、冒頭とはまったく意味合いの違う「普通」の台詞がまた秀逸ですよ!

この「FLIP-FLAP」の原型である読み切りも収録され、カバー折り返しにも書き下ろしの漫画が描かれるなど本編以外の部分も大充実。
そもそもカバー自体なんか光ってますしね!!

読後感のさわやかさでは横に並ぶものが無いと個人的には思っているとよ田みのる先生の「FLIP-FLAP」は全国書店にて好評発売中です!
前作「ラブロマ」といい、あんまり楽しくない青春時代を送っていた俺にはまぶしくてしょうがないこの作品、是非とも読んでみていただきたい!
リアルが充実してる方々もその爽やかさにはやられかねませんので注意ですぜ!!
さぁ、今すぐ本屋さんにダッシュです!!


FLIP-FLAP (アフタヌーンKC)
講談社
とよ田 みのる

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青い青臭い。だけどマ ...
独特の勢いと愛らしさ ...
ピンボール愛に溢れて ...
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