本日紹介するのはこちら、「海神記」です。
光文社さんのSIGNAL光文社コミック叢書にて刊行されています。

作者は諸星大二郎先生。
なんと言いますか、有名だけど知らない人も多くいる漫画家です。
1974年、「生物都市」で手塚賞入選を果たしデビュー。
いきなり余談ですが俺は子供のころこれを読んでトラウマになりました。
そしてその後「暗黒神話」などの歴史や神話をモチーフにした作品を多く生み出し、固定ファンを獲得。
「西遊妖猿伝」で第4回手塚治虫文化賞マンガ賞を受賞するなどマンガ界からも高い評価を得ています。
特徴的なのは幅広いストーリー……もそうなのですが、やはりその絵です。
これも……何といいますか……上手くないんです。
上手いか下手かで言えば下手に入ってしまうかもしれません。
しかし上手い下手では図れない独自の雰囲気を持っており、あの毒舌の手塚治虫先生をして「諸星さんの絵だけは真似できない」と言わしめたほど。
メディアミックスも多数されており、「世にも奇妙な物語」で2編ドラマ化されたり、「暗黒神話」がOVA化されたり、「生命の木」を再構成し映画にした「奇談」など3編が映画化されたり、果てはファミコンソフトやCDドラマまで発売されています。
近年では「栞と紙魚子」シリーズが連続TVドラマ化され、「栞と紙魚子の怪奇事件簿」として放送されました。
……デキはアレでしたが。

さてこの「海神記」ですが、第一回がヤングジャンプに掲載されたのはなんと1981年。
いったん連載が終了した後1990年にコミックトムに連載の場を移し、1991年まで連載が続き未完のまま終了。
その後単行本も発売されたのですが、長らく未完のままでした。
そして2007年、A5の大きな版型でカラーページ完備、連載時の扉らしき一枚絵多数収録、妙にいい紙で美麗印刷、3巻だったものを上下巻になおした完全版といえるこの単行本が発売されました。
内容は諸星先生得意の古代史を元にした創作古代人物語。
タイトルどおり海をメインにストーリーは展開します。
海から来た不思議な子をめぐって色々起きる話です!戦争とか!ザックリしすぎですが!!なにぶん未完のままですので!
一冊1905+税円とお高めで、書き足しもあるとなれば当然期待するわけですが……
残念ながらやはり未完のままです。
しかし下巻巻末には「いつか第3部を描きたい」という発言もありますので期待し過ぎない程度に期待しながら待つことにしましょう!

カバーを外した本体もカラー印刷と異様なまでに凝っている「海神記」、長らく入手困難となっていたこの作品をしっかり読み直し、いつか来る第3部へと思いを馳せませんか?
だって「西遊妖猿伝」が連載再開するらしいんですよ!
この作品だっていつかきっと再開するはず!!
そのときを待つ前にまず復習です!
そして諸星先生の作品を見たことも無いという人にも……あんまりオススメできないか。「妖怪ハンター」とかの方がとっつきやすいですね……でも、面白いことは確実です!オススメ!!
太古の人間達と海との物語、是非あなたも体験だ!!
今すぐ本屋さんにダッシュです!

海神記 上 (1) (光文社コミック叢書“シグナル” 6)
光文社
諸星 大二郎

ユーザレビュー:
最高です!!全3巻の ...
がっかり・・・。諸星 ...
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