本日紹介いたしますはこちら、「ざんねんなこ、のんちゃん。」です。
秋田書店さんのヤングチャンピオンコミックスより刊行されています。

作者の吉沢緑時先生は、ビジネスジャンプで「だめ人間タカギ」を連載していた漫画家で、ふなつ一輝先生や栗原正尚先生のアシスタントをなされていたこともあるようです。
どうやら単行本は本作が初。
……頑張ってください!

さてこの「ざんねんなこ、のんちゃん。」ですが、ジャンルで分けるなら日常ギャグ漫画になると思われます。
ですがそこは連載誌がヤングチャンピオンということもあり、単なる日常ギャグ漫画ではありません。
何気ない日常に潜む、「知らない方が良かった」とまで思えるトラウマの元を掘り起こしていく……そんな作品なのです!
まず言っておきましょう。
潔癖症の人は読まないほうがいいです!

ではどんなお話が収録されているのか。
12話収録されているこの単行本より1話、例に出していきましょうか。
主人公である竹ノ内のん(たけのうち のん)は、母親と電話しながら洗い物をしていました。
洗ったあと水気をとった箸を5~6膳、箸立てに突っ込んで洗い物を続けます。
適当に突っ込んだ為か、バランスを崩して床に落下しぶちまけられてしまう箸。
音で気付いて箸を拾い上げると、なんだか結構汚れています。
特に気にも留めずにもう一回流し、箸立てに立てるのんちゃん。
ふと何かに気付いたかのようにもう一度箸を取り出します。
再び箸にこびりついている汚れ。
これは箸立てに埃か何かが入り込んでしまっているに違いない、と推理し、箸立てを覗きこむものの自分の頭の影でよく見えません。
そんな時先ほどまで電話していた携帯を利用し、ライトで照らしてみればいい、と思いつきます。
何の気なしにひっくり返して頭上に持ち上げ、ライトで照らして中を見ると……
箸立ての中からのんちゃんの顔にポロポロと細かい何かが落ちてきます。
そしてその何かのうち半分はもぞもぞと動いていて……
もうなにかおわかりですよね……?
その正体に気がついたのんちゃんは驚愕し、絶叫しながら暴れまわるのでした……
場面は変わり、冒頭での電話で母親と食べにいく約束をしていたラーメン屋に移ります。
先ほどの事件がすでにトラウマになっているのんちゃんは目はうつろでしきりに箸を気にしてブツブツと何かを言っています。
……もう駄目だ……コイツ何とかしないと……!
そんなのんちゃんのおかしな様子を知ってか知らずか、割り箸を取って手渡そうとする母。
のんちゃんは涙を流しながら半狂乱でそれを拒み、母はそれを困惑しながら見つめるしかありません。
結局その割り箸を根元から折り、4分の1ほどしかなくなった箸を持ってほとんど指でラーメンを食べるのんちゃんでした……

ちなみに箸立てから出てきたソレは作中では結構はっきり描かれていますので気をつけてください!!
苦手な人は絶対「ヒラタチャタテ」で画像検索しないように!!「ヒラタチャタテ」でくれぐれもしないようにしてね!!

とまぁこんな不潔系の話やグロ系の話や物理的に痛い話、そして精神的に痛い話などを数々取り揃えてお贈りするトラウマ製造話が12話もたっぷり収録されております。
1話と2話は非常に絵が荒く、うわぁ……ざんねんなのはこの漫画の絵だなぁ……などと考えているとじつはそれすらもざんねんさを表現する為の演出!!すごい!徹底してる!!
ただ評判が悪かったのか3話からは丁寧に描かれていますのでいろんな意味で安心です!
下手なホラー漫画よりもよっぽど精神的にくるのでそういう漫画を求めている方、今までの日常ギャグ漫画に飽き飽きしている方、かわいそうな人を見ると嬉しくなってしまう方などにオススメです!!
ちなみに最終話では本格的にかわいそうになってしまいますよ……
くじけんじゃないよ、のんちゃん……

さあこの隠れた迷作を見逃す手はありませんよ!!
吉沢緑時先生待望の初単行本、「ざんねんなこ、のんちゃん。」は好評発売中!!
多分出荷数が少ないので今すぐ本屋さんにダッシュです!!

ざんねんなこ、のんちゃん。 (ヤングチャンピオンコミックス)
秋田書店
吉沢 緑時

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新しいタイプのホラー ...
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