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本日紹介いたしますのはこちら、「てんむす」第8巻です。
作者は稲山覚也先生。
秋田書店さんの少年チャンピオンコミックスより刊行、週刊少年チャンピオンにて連載されています。


さて、天娘を決める天食祭本戦へたどり着ける2枚の切符をかけて行われている中部予選大会。
天子たち結日高校は、準決勝へ駒を進めています。
そこでの対戦相手は、前年の中部地区予選覇者、尾張大付属。
相手は強敵、確実に一勝が欲しいと考えた参謀忍足は、戦法に部長を出すと言う奇策に出るのですが、なんとそれを相手が予測済み!
尾張大付属のエース、赤西をぶつけられ、熱戦の末僅かな差で敗北を喫してしまったのです!!


次鋒戦は二子の出番。
本来忍足が描いた作戦では、第1戦で部長が勝利をおさめることによって、緊張しいの二子が少しでもリラックスした状態で勝負に挑む、と言う目論見でした。
ですが結果は部長の敗北。
ガチガチの二子はなぜ自分が次鋒なのかと忍足に尋ねるのですが、当然本音を言えるわけもなく、二子だから二番目にした、と苦し紛れのダジャレで凌いだのです。

ダジャレで決めたのか、と怒り半分で勝負に挑んだ二子ですが、試合開始十数分後の段階で気がついたのです。
部長が勝って盛り上がった次の戦いこそ、一番楽なポジションだったはず。
そこに自分が選ばれていたのは、1年生の天子よりも自分が役立たずだからだ……
二子はまるで別人のように形相を変貌!!
自分の愚かさ、無力さを悔いながらも、完全に気持ちを切り替えて勝利のためだけに食べはじめたのです!!

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嵐のような激戦となった次鋒戦も決着。
勝負は副将戦へとなだれ込みました。
ここで出番となったのは遊。
そして対戦相手は、尾張大付属のブレーンであるメイ子です。

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結日のムードメーカーである遊、その実力もさるものではありますが、メイ子の実力も気になるところ。
前回優勝校の選手だけに実力はもちろんあるでしょうし、何より気になるのは部長先鋒作戦を見破った頭脳です。
そのメイの頭脳は、戦う前から既に披露されはじめていて……!

今まで小ばかにしたような態度をとってみたり、仲間の前ではやたらなハイテンションを見せていたりしたメイ子。
そんな彼女が、試合開始直前、遊と目の前で向かい合うと

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ガチガチに緊張しているかのような表情を浮かべたのです!!
遊からすればこれは思う壺、
その緊張の隙を突いて、差を広げたいところです!

やがて始まった副将戦。
今回の食材は、鳥の手羽先。
骨付き肉、それも手羽先と言うのは骨の形状なんかもあって非常に食べづらいもの。
うまく肉を食べきれず、肉を多く残した状態で完食したと皿を置けば、食べなおしを命ぜられて次巻を無駄に消費してしまうでしょう。
遊は、一本一本確実に食べ進めて行こうと心に決めたのですが

一方のメイ子はいきなりハイスパートで手羽先にむしゃぶりつき、ささっと一皿を食べ終えてしまったのです!
ところがその皿、とてもじゃありませんが綺麗に肉を食べきっているとはいえないもので……
これは審判もスルーできません。
早速メイ子は食べなおしを強制されるのでした!!

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緊張から焦り、肉を食べ残してしまったのでしょうか。
一皿目を食べなおし、早速取り掛かった二皿目も、一皿目ほどではないものの食べ残しが目立ちます。
緊張しているとは言え、これ以上のいい加減な食べ残しは許せません。
次もう一度多く食べ残したら、ペナルティとして-1皿を課されることになる、と警告されてしまうのでした!!
それでもメイ子の緊張は収まっていないように見えます。
続く三皿目も慌ててがっつき、置いた皿はやはり二皿目よりも少ないものの、ちらほらと食べ残しが見受けられます。
審判はそれを診て少し考えた後……これを完食と認定!!
辛くもメイ子はペナルティを乗り切った……ように見えました。
ですがなんと、これら一連の行動は全てメイ子の策略だったのです。
緊張していたように見えたのは、全て演技!
緊張していることをアピールすることにより、焦って食べ残しをしてしまった、と言うイメージを衆目と審判に焼付け、それによって「どれぐらい食べ残しても完食とみなされるか」という線引きをしていたのです!!

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ルールに抵触しないスレスレをぬっているといってもいい、卑怯とも取れるこの作戦。
ですが一本あたり何グラムかずつ食べる量が減ると言うことは、満腹になるまでの本数や、食べる次巻も短縮できるはず!
スピード、量、両方の面で優位に立ったといえるでしょう!!
そして何より、メイ子には卑怯な手を使っても勝ちたいと言う執念があると言うのもみのがせないでしょう!
遊対メイ子、その戦いの結末は……!?


というわけで、準決勝戦もいよいよもって佳境!
次鋒戦、副将戦の注目の二戦が決着!!
そしてその後に控える運命の戦いも開幕するのです!!
この戦い、結日も尾張大付属も負けられないのは同じ。
実力以上に、ナカマタチへの重いがその勝負を左右することになるのでしょうか!?
とにもかくにも、決勝戦への道のり=全国大会への切符は間もなく与えられることになるのです。
どちらかしかなりえない、勝者に!!


準決勝も熱戦の連続、「てんむす」第8巻は全国書店にて発売中です!!
いよいよ全国大会も射程に入ってきた今巻。
ですがその前に超えなければいけない山は険しいようです……!!
そんな注目の一線が収録される第9巻は、12年11月発売予定ですよ!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!