本日紹介いたしますのはこちら、「ブラックパラドクス」です。
小学館さんのビッグコミックススペシャルにて刊行されました。
作者は伊藤潤二先生。
伊藤先生の他作品の紹介は「伊藤潤二」のテーマにてまとめてありますのでよろしければご覧くださいませ。
さて、こちらの作品、つい先日発売された「よん&むー」とはガラリと変わって伊藤先生本来の芸風であるホラー漫画です。
自殺サイト「ブラックパラドクス」で知り合い、集団自殺を考え実行に移した四人。
彼らは不可解な事象に出会い、自殺を断念することになってしまいます。
しかしやはり再び集まって自殺をしようと考えるのですが、前回の不可解な出来事もあり、やはり自殺をためらってしまいます。
1人を除いては。
他の3人は自殺用の薬を飲むふりをしていたのですが、その1人だけしっかり薬を飲んでいたのです。
しかし突然その飲んだ男、ピータン(ハンドルネームです)は息を吹き返しました。
奇妙に、しかし美しく輝く丸い玉を吐き出して。
見たことも無い美しさを持つその玉は調べた結果完全に未知の鉱石でした。
美しい上に貴重となれば高く売れるのでは?豪遊した後に死んでも遅くはないし、その大金があれば自殺する理由を取り除くことも出来ます。
ですがその玉は一応ピータンが吐き出した、いわばピータンのもの。
勝手に自分のものにする前提で語っても……と話していると、ピータンはバッグいっぱいの玉を差し出すではないですか。
何でも次々とその玉は出現し、吐き出し続けていたと言うのです。
しかしそんな時突然ピータンの腹が膨れだしました。
どうやら腹の中でその玉が一気に出現してしまったようです!
あっという間にピータンの腹は破れ、大量の玉があふれ出し……
そしてその玉からは物凄い数の霊魂が現われ消えたのです……
その後、玉は「パラドナイト」と名付けられました。
美しいだけでなく、衝撃を与えると猛烈なエネルギーを発することがわかったパラドナイトは世間的にも注目されます。
しかし注目されたきっかけは都内で起きた爆発事故で、その破壊力からパラドナイトはテロ兵器ではないかと考えられてしまいます。
そしてパラドナイトに強い縁のある3人を警察が追っているとのこと。
3人は知り合いの医師の別荘に隠れ住むことになるのですが、その医師はなんとピータンの胃袋を培養し、そこからこぼれでるパラドナイトを収集、研究しだすではないですか!
ところがその胃袋からパラドナイトは出てこなくなっていました。
更に多く入手するには新たなパラドナイトの出所との扉が必要だと考える医師ですが、そんな時3人の中の1人に異常が現われます。
……そう、新たな扉が開いたのです……
ここからがこの物語の本番!
一気におぞましさを増し、最終的には地球の未来に関する鍵を握ることになるパラドナイトとそれを手に入れることの出来る主人公達。
物語はますます奇妙に、奇怪に展開します。
その行く先は輝かしく、そして絶望的で……
伊藤先生らしい、衝撃的なエンディングが貴方を待っています!
表題作のほか、都市伝説的なホラー短編「舐め女」、フルカラーで描く奇妙な未来世界の4P漫画「怪奇パビリオン」も同時収録!!
特に「舐め女」のグロテスク(モツ的なものではありません)っぷりは物凄い!!
耐性ない人はトラウマ間違いなし!!
ホラー単行本としては「新・闇の声」以来の2年半ぶり、ストーリー仕立てのホラー漫画としては「地獄星レミナ」以来の3年半ぶりという、とにかく久しぶりな伊藤先生の最新ホラー作品、「ブラックパラドクス」は大好評発売中です!
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ファンは勿論のこと、ホラーが好きな人なら読まないのは勿体無いですよ!!
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