本日紹介いたしますのはこちら、「藤子・F・不二雄大全集 キテレル大百科」第2巻です。
小学館さんより刊行されました。
作者は当然藤子・F・不二雄先生。
一連の本大全集は「藤子・F・不二雄」のテーマにて紹介をまとめておりますので、よろしければごらんくださいませ。
さて、「キテレツ大百科」は8年半と言う長期間放送していたアニメ版とは違い、原作は3年強(十分長いですが)の全40話。
1話16Pということもあり、この第2巻で完結となっています。
この第2巻でもさまざまな発明品が登場する本作。
アニメ版ではやたらと出番の多かった気がする「唐倶利武者」が最終回直前の話で登場したり、他にも「如意光」などのアニメでおなじみの発明品が登場します。
また、透明人間になれるビードロ丹を使い、全裸で美代ちゃんを追い掛け回す(誇張ナシ!)
「ネパール・オパール」、
末端価格5億円の白い粉に包まれてはしゃぎまわると言うある意味タイムリーな
「海底の五億円」などなど注目の作品も多数収録されております!
そんななかやはり一番気になるのは最終話ではないでしょうか。
この最終話だけキテレツのパパの顔が全然違うのです!!!!
左が他のお話、右が最終話のパパ!
まるで違う人!!!!一体パパの身に何が……
……というのはまあ置いておきまして。
「さらば大百科」とタイトルのついた最終話ですが、内容的にはかなりあっさりしたお話になっています。
冒頭でいきなり母親にゴミと勘違いされて大百科を捨てられてしまうキテレツ。
ですが偶然一枚だけ手に入ったページに記載されていた動物のなかに入り込んで自由に操る道具、「操縦座(大百科内では操獣座と記述)」をつくり、かすかに残った臭いをたどって探そうとします。
さまざまなトラブルをさまざまな動物に乗り移って潜り抜け、大百科を拾った子供の自宅までたどり着くキテレツ。
ですがちょうどそのとき大百科を空き地で燃やそうと言う状況になっていました!
あわてて空き地に急ぐキテレツですが、更なるトラブルや見過ごせない出来事に遭遇してしまい……
すっぱり時間を飛ばされ、「結局間に合わなかった」とあっさり一言で片付けられてしまうのでした。
ドライだよコロちゃん!
しかしキテレツはもう気を取り直しており、キテレツ斎に負けない発明品を自力で作るため勉強を頑張る決意を固めていたのでした。
めでたしめでたし。
……というアニメ版とはまったく違うエンディングを迎えます。
コロ助とは別れず、失ったのは大百科だけ、ひきかえに大きな目標を手に入れて終わると言う見事なハッピーエンド。
その辺の感動部分が1Pにまとまっており、やはりあっさり感は否定できませんが……こういったF先生の日常物連載漫画で別れを伴わない(大百科とは別れますけど……)最終回は珍しい気もしますので、これもまた新鮮でよろしいのではないでしょうか!
大全集独自のおまけとしては、まずおなじみの各種カットやカラー口絵。
今回カラー口絵には大竹宏さん所蔵の色紙に描かれたイラストという珍しいものが収録されています!
そしてF先生直筆によるアニメ用キャラクター集が掲載されており、見ごたえは十分です!
F先生ならではの味が堪能できる、「藤子・F・不二雄大全集 キテレツ大百科」第2巻は好評発売中です!
早期から単行本で全話が読め、珍しさには乏しい本作ですが面白さにはそんなこと関係ありません!
他の作品に比べて話数がやや少なめなだけにさくっと読み終えられる、お手軽且つ楽しい作品ですよ!
さぁ、本屋さんにいそぎましょう!!