3階の者だ!!

DEBがお送りするネタバレありのコミックス紹介ブログです。 短編物では一話にスポットを当てて、長編物ではこの後どうなるの?と言うところまで紹介しているつもりです! ※作品記事につきまして、権利者様が問題があると感じられた場合はご一報ください。対応いたします。

2009年12月

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本日紹介いたしますのはこちら、「キン肉マン2世 究極の超人タッグ編」第20巻です。
集英社さんの週刊プレイボーイ・コミックスより刊行、週刊プレイボーイにて連載中です。

作者はゆでたまご先生。
本作の過去の紹介等は「キン肉マン」のテーマにてまとめておりますので、そちらも合わせてごらんいただけますと幸いです。

さて、前巻から繰り広げられているスグル&テリーVSマンタ&カオス。
当面の不安要素であった魔の砂時計の呪いも完全打破!
いよいよ真っ向勝負が始まるのです!

呪いが解け憂いはなくなったとはいえ、今までの試合時間のほとんどを1人で戦ってきたスグル。
流石に疲れが見て取れ、万太郎はここぞとばかりに投げを打ってかかります。
ですが投げ捨てられる直前に
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万太郎のマスクをガッチリと掴み、それを阻止しました!
……いや、なんかもう投げ捨てられてる気もしますけど!!
マスク取られる=死というキン肉王家のさだめを考えるとあんまりにも酷い防御法ですが、スグルは超人同士のマスク剥ぎマッチは試合中にマスク剥いでしまえばその時点で決着なんだ!とマスカラコントラマスカラという試合形式の根底が揺らいでしまうような気がする主張をします!
そういわれれば最初のウォーズマン戦ではマスク剥がされまくってましたね……
そんな主張を聞いて怒り心頭なのがカオス。
幼少のころより正々堂々と戦う正義超人に憧れをいがいていた彼は、いざ戦うと卑怯な手段も辞さないスグルたちに激しい憤りを感じたのです!
スグルは一見クリーンに見えても実際は見えないところで悪行超人以上のあくどいことをしていたんだよ、勝利を確実にするためにはどんな手も躊躇しちゃいけないんだよ、とまったく悪びれません!
……初代キン肉マンとほんとに同じ人なのこれ……という突っ込みはともかく、万太郎をロメロスペシャルの形に捕えると思いっきり万太郎のマスクの紐をほどき始めました!!
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うおおい!!思いっきり見切れちゃってますよ!!
ともかくすんでのところでカオスとのタッチが成立し、万太郎は窮地を逃れます。
怒りのカオスは激情に任せて暴れまわりますが、相手はあのマシンガンズ。
なんと地面に落ちていた魔の砂時計の砂鉄を左腕になすりつけ、即席クロスボンバーを炸裂させてきたのです!!
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……磁力帯びた砂鉄があれば誰でも出来るんですね……クロスボンバー……
カオスがダウンした隙をついてスグルはエプロンサイドに降り立ち、今度は万太郎をマグネットパワーの範囲内におさめました!
これでマスクを剥いで一気に決着を!!と言う魂胆です!
炸裂直前に蘇生したカオスがクロスボンバーを防ぐのですが、マシンガンズの流れるようなコンビネーションはまだまだ続きます!
初公開のビルディング解体落としというツープラトンを決め、さらに今度はテリーが往年のダーティーファイト+老獪なテクニックでカオスを翻弄!
20代中盤くらいなのに老獪扱いされるテリーは正直可愛そうですが、そのテクは確かでカオスは関節技を決められてしまいます。
強引に振り払ってもまっているのはマシンガンズの絶妙なタッチワークから始まる
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強烈なダブルキン肉バスターでした!

朦朧とした意識の中、カオスは夢のようなものを見ます。
そこに現れたのはラーメンマンで、今のカオスにあるのは復讐心だけ、スグルとテリーにある愛に気づけばより強くなれる……とアドバイスして消えました。
その白昼夢は一瞬の出来事で、現実世界ではまだカウントが継続中。
なんとかカウントナインで立ち上がったカオスはアクシデントで怪我を負いながらも必死に応援してくれる凛子や見世物プロレスの仲間達、孤児院の子供達の励ましを受けて愛の力を(あっさり)実感!
カオスの表情から憑き物が落ちたように険が取れ、別人のように落ち着きを取り戻したのでした!

カオスは万太郎と交代し、再度始まった親子対決。
なぜか万太郎も吹っ切れており、レジェンドとしての父への怯えは一切取れて、一人のライバル超人として戦う覚悟を決めていました。
スグルのお株を奪うダーティーなファイトも繰り出し、互角の戦いを繰り広げます。
スグルも試合会場から転落しそうになった万太郎を助け、アクシデントによる棚ボタ勝利を良しとせずリング上で堂々と相手を屈服させることこそが正義超人の定義する勝利なのだと宣言!
お互いを認め合った一個の超人としてのバトルとなったのです!
そんななかやはりタッグとしては一日の長があるマシンガンズ。
激しい戦闘の最中に万太郎とカオスを捉え、とうとうあの
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マッスルドッキングを決めたのでした!!!

当時のヘル・ミッショネルズすらもリングに沈めたマッスルドッキングを食らってしまった万太郎とカオス。
果たして立ち上がることは出来るのでしょうか!?
注目の勝負には更なるどんでん返しが待っているのです!!

と言うわけで親子対決もクライマックス。
前半はあまりにも砂歩時計を引っ張りすぎてどうなることかとも思いましたが、今巻ではまっとうにバトルが行われて一安心です。
とはいってもスグルの実際は正義超人も裏技駆使してたよ発言は色々と過去との整合性上問題な気もしますけどね!!
……いや、ゆで先生の辞書に整合性という言葉など載っていないのかもしれませんけど……
そんな中でも後半では久々に正当な盛り上がりを見せる技の応酬を見ることが出来、小細工なしの肉弾戦はやっぱり興奮もの!
ゆで先生らしい細かいことは良いんだよバトルに血湧き肉踊ることでしょう!!

宿命の親子対決が佳境を向かえる「キン肉マン2世 究極の超人タッグ編」第20巻は好評発売中です!
まさかの1シリーズ20冊と言う長丁場となり、無印2世の29巻を超えてしまう状況すら見えてきました!
ゆで先生、気合入れすぎだぜ!!
そんな気合満点で描かれる真っ向親子バトルは読み応え十分!決着も間近ですよ!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!





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本日紹介いたしますのはこちら、「ヤンデレ彼女」第2巻です。
スクウェア・エニックスさんのガンガンコミックスJOKERより刊行、ガンガンJOKERとガンガンオンラインにて同時連載されています。

作者は忍先生。
本作第1巻は09年8月23日の記事にて紹介させていただいております。
お時間などございましたらご覧くださいませ。

さて、08年6月の初出から1年以上たって刊行された第1巻からわずか4ヶ月で発売された第2巻。
かと言って内容が薄いわけではなく、大変であろうダブル連載の賜物だけあって面白さはよりパワーアップしています!

相変わらずメインは田中とレイナの噛みあわないような噛みあっているようなどたばたラブコメ劇です。
それに加えて今回は新キャラも多数登場!
ただでさえにぎやか過ぎるこの作品がよりにぎやかになっています!

まさかのオカルト要素担当、幽霊の黒子(仮)、
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黒星学園という学校の番長でレイナたちと敵対することになるもののなんだかかわいらしいナナミ
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などの女子の多い本作に更なる華(?)を添える女性キャラも十分魅力的なのですが、やはり今回一番重要と思われる新キャラは新しい担任教諭、紅一郎でしょう!
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常にしかめっ面で授業はその日の分を一気に黒板に書いて写させるだけ、しかも担任になると言うのに自己紹介は名前と担当教科を告げるだけ……と、あからさまにとっつきにくい彼ですが、実はなんとレイナの父親!
しかも不機嫌そうな顔つきは生まれ持ってのもので、独特の授業形態や自己紹介はは対人恐怖症ゆえの苦肉の策……という徹底的なシャイボーイだったのです!
そんな気難しい彼ですが、田中には心を開きます。
授業中目が合っても怖がったりせず、目線をそらさなかったからいい人、と認識したのだそうです。
見詰め合った時間、実に10分……!
見る方も見る方ですが、目をそらさない田中もよっぽどと言わざるを得ませんね!!!
そんなわけで波長が合ったのか、紅一郎が家族意外の数少ない打ち解けられる人間となった田中。
これならもしかして勢いで二人が付き合っていることを明かしても大丈夫なのでは……?とやんわりと探りを入れるのですが
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もし彼氏がいたら、という段階でアイキャンフライしそうになるパパ。
なかなか上手くはいかないようです!

ともかく授業をしやすいように先生はいい人だよ、とクラスメイト達にあらかじめフォローする田中。
紅一郎はその間に自分が授業しやすい環境を作るために生徒達への要望などをまとめることになりました。
田中の説得もあり本当はいい人なのかとも思い始めるクラスの面々ですが、考えに考え抜いた紅一郎の発言で
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全部ぶち壊しです!!

前述の2人や紅一郎のほかにも某ド○クエのカン○タっぽい武器屋の主や、常にガスマスクをした怪しげなケーキ屋の店長などの強烈なキャラがとにかく印象に残る第2巻。
ですが新キャラのパワーに頼るだけでなく、大きなイベントも用意されています。
学園ものには欠かせないプール、レイナの浴衣姿が披露されつつちょっといい話で終わる夏祭り、レイナが初めての体験するバイトなどなど盛りだくさん。
更に吉本と白鳥と言う脇キャラ同士が絡む珍しいエピソードも収録され、少なくないであろう吉本ファンも安心ですね!!

単行本描き下ろしも充実しており、キャラ紹介やカットなど多数収録!
さらにカバー下本体のパロディは今回なんとネットで大人気の孤独なアレがモチーフです!!

新キャラ続々登場の「ヤンデレ彼女」第2巻は好評発売中です!!
勿論田中とレイナのコミカルでほほえましいやり取りもたっぷり堪能できますよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


ヤンデレ彼女 2 (ガンガンコミックスJOKER)
スクウェア・エニックス


ユーザレビュー:
かわゆ…('・ω・` ...
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本日紹介いたしますのはこちら、「ホリィさんが通る」第1巻です。
角川書店さんの角川コミックス・エースより刊行、月刊少年エースにて連載されています。

作者は原作が岩井恭平先生、漫画が大庭下門先生。
岩井先生は02年にデビューした小説家で、03年より発表している「ムシウタ」はアニメ化もする人気作品となりました。
大庭先生はどうやら本作が初連載で初単行本となるご様子。
細い線で柔らかな絵柄が印象的な漫画家です。

さて、本作は主人公の周囲に起こるトラブルを解決していく事件解決ものとなっています。
そのトラブルが「妄想の具現化」という特殊なもので、妄想らしいエロスをほとばしらせているのです!

主人公のアキラは演劇部に所属する中学二年生。
演劇部とは言ってもアキラは脚本担当。
その日も部長からオリジナルの脚本を書くように催促されていたのですが、生まれ持って妄想が苦手なアキラは完全オリジナルの脚本がまったく書けずに徹夜してしまうのでした。

イライラを募らせながら登校するアキラ。
すると突然1人の少女が躓いてバランスを崩し、アキラの体へと倒れこんできました。
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突然の衝撃にうずくまるアキラと少女ですが、通りがかった同じ学校のヒロイン的少女の小嶋桜が落としたものを拾ってくれるなどの手助けをしてくれました。
桜は颯爽と去っていくのですが、その少女は起き上がるなりアキラにぺたぺたとさわりまくり、今自分に触ったけど何か変化は無いか、と問いかけてきます。
別に何もなさそうであることを確認するとその少女は「妄想力が弱い人でよかった」「もしこの後ヘンなことが起きても自分のせいではない」と妙な言葉を残して街へ消えていくのでした。

学校に着き、普段の一日が始まりました。
アキラは進路調査票を係のクラスメイトに渡しそびれ、自分で教員室へともって行くことになります。
進路は未定と書いた紙を手渡し、教師と非常にドライな会話を交わすアキラ。
ちょうどそのとき教員室に桜も呼び出されており、アキラは教員達にまでもてはやされる彼女にかけられている期待を感じ、素直に大変そうだなと感じるのでした。
帰り際、ふとしたきっかけで2人はぶつかってアキラが上にのしかかる形となってしまいます。
照れと焦りであわててその場から逃げ出すアキラですが、桜はなにやら様子がおかしく座り込んだまま。
近づいてきた教師に大丈夫かと声をかけられるのですが、その際にさりげなくセクハラをされました!
その時桜が身につけていたキーホルダーが動き出し、
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桜の怒号とともに巨大化したのです!!

ひとりジュースを飲みつつ歩いていたアキラですが、携帯にありえない時間が表示されていることに気がつきます。
同時に妙な気配を感じ、空を見上げると巨大な先ほどのキーホルダーが聳え立っているではないですか!
驚きのあまりもう一度見直すと既にそこには何もありません。
ですがそれとは別の変化……
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生徒達が全員水着になっていると言う変化がおきていたのです!!

どうやら学校では水着が当たり前、と言うように常識が改ざんされているようで、アキラは1人周囲から奇異の目で見られてしまいます。
わけもわからず頭を悩ませていると、校庭に朝出会った少女がうろついている姿を確認しました。
あわてて教室を飛び出してその少女の元に向かうアキラ。
とっつかまえて事情を説明させようとすると、自分のせいだからすぐ治す、といきなりビンタをかましてきました。
これで治るはずと少女は周囲を見ますが、やっぱり生徒は水着のまま。
アキラが説明を求めると、ホリィと名乗るその少女は自分が触るとその人間の妄想が具現化してしまうのだと答えます。
ですがアキラは妄想が出来ない「現実主義者(クッキークランブル)」と呼ばれる稀有な存在で、その能力の影響外であるらしいのです。
そこで今回の妄想の元である人物を探すのですが、該当するのはおそらく桜しかいません。
桜はこんなエロスな妄想をするような人物ではないと反論するアキラですが、ちょうどその時学年集会が行われると呼び出され、その内容が「小嶋会長のピンク大作戦」だと告げられるのでした。

そこにいた桜は
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とても楽しそうに今の学校こそ理想の世界と高笑いする別人のような桜でした。
とりあえず立ち向かうアキラとホリィですが、桜は周囲の作った勝手なイメージを押し付けられ、みんなのようにエロスな話とかが出来ない現状に抱いていたストレスを吐露します。
さらに妄想が大好きで四六時中しているとまで明かした桜は、人の妄想を覗いて無事に済むと思うなと巨大ストラップを襲い掛からせたのです!
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なんだか大ピンチの状況ですが、原因となったホリィはこそこそと隠れるばかりで頼りにならず。
このままアキラは巨大ストラップの餌食となってしまうのでしょうか!
そしてなまじ助かっても散々ヘンなことをした桜はどの顔下げて生活を続けるのか!!!
トラブルはとにかく収束し、新たな長い事件の始まりを告げます!!

と言うわけで妄想を具現化するという気になる要素をはらむ今作。
学校の制服が水着だったら、というわりと健康的(?)な妄想が早速行われ、更にこの巻ではもう一遍のストーリー……妄想が披露されています。
そちらもやっぱりエロスというか、カラダがらみの妄想でして、あふれるリビドーを感じさせるもの。
そういった特殊な、急激な肉体変化やら常識の改ざんなどと言ったものをここまでしっかりと組み込んだ少年漫画というのは今までなかなか無かったのではないでしょうか!
そんなエロスな要素だけでなく、ホリィが関わっていないと言うのに妄想が具現化したり、妄想の具現化が終われば動かなくなると言う「微熱時計」が事件解決後も動いていたりと今後に関わってくる重要な要素もしっかり収録。
ストーリー面でも見所たっぷりです!


誰しもが一度は考えた(?)妄想が形になる「ホリィさんが通る」第1巻は好評発売中です!
いや、公式発売日は12月26日のようですが通販やら本屋さんやらでもう普通においてあるっぽいです!
エロスな妄想が具現化、と言う言葉や常識改ざんなどと言った特殊ジャンルにピンと来た方なら満足できること間違いなし!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


ホリィさんが通る (1) (角川コミックス・エース 255-1)
角川書店(角川グループパブリッシング)
大庭 下門

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『古本屋の戯言』さんが主催し、各所で話題となった『このマンガが凄いから読め!(仮称)γ版・2009』。
当サイトも恥ずかしながら参加させていただきました。
なんだか良くわからないランキングを披露してしまいましたが、あきれることなく今年もお声をかけていただきまして、

『このマンガが凄いから読め!(仮称)γ版・2010』

に引き続き参加させていただくことに!
うちのような木っ端サイトにまで忘れず声をかけてくださるとは嬉しい限り……
そんなわけで早速09年に俺が興奮した漫画たちをランキング形式で発表したいと思います。

前年は08年に1巻が発売された漫画、と言うくくりを個人的に作って紹介してみましたが、今回はアル程度著期連載されている作品も含めて09年発売の単行本で「盛り上がった」物をあげてみたいと思います。


それでは早速行きましょう!
ちなみに各タイトルから張られているのは当ブログのそれぞれのタイトル最新(最終)巻のリンクとなっていますので、よろしかったらそちらもご覧ください!!


第5位!
「ブラック・ジョーク」
作者・田口雅之 小池倫太郎 発行・秋田書店 第3巻まで刊行
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08年から連載を開始した作品ですが、俺が出会ったのが今年と言うことでランクインさせていただきました。
とにかく個性の強い面子が大暴れする単純娯楽作品で、何も考えずにそのバイオレンスでバカらしい滅茶苦茶なトラブルの数々を楽しむことができます!
その暴れっぷりの爽快さを更に引き出しているのが田口先生の確かな画力。
醜悪な顔つきの悪人や癖のあるイケメンに愛嬌のあるブサメンを見事に描き分け、スピード感や重量感を感じさせる迫力のアクションシーンは見事としか言いようがありません!
吉良と小玉の主役コンビの硬軟取り混ぜた活躍や、ランオーバーのすごすぎる身体能力にきっとあなたも仰天間違いなしですよ!


第4位!
「ちぇんじ123」
作者・岩澤紫麗 坂口いく 発行・秋田書店 第11巻まで刊行
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05年から連載を開始し、REDの中堅どころとして地味ながらも着実に連載している本作。
多重人格少女の日常をコミカルでアクションとお色気たっぷりに描いています。
最初のうちはお色気がメインのストーリーとなっていましたが、連載が続くにつれて顕現している以外の人格の調査や、少女を狙う謎の集団などが現れてストーリーも充実。
お色気はそのままにより激しいバトルも次々と繰り広げられ、物語・バトル・エロスの各方面が高いレベルで融合した作品になりました!
特に第10巻で明かされた少女の過去は衝撃的で、初読の時は思わず声が出ちゃいましたよ!
RED連載作品にしてはエロスもバイオレンスもまとも(?)で、比較的読みやすい作品になっている点もよろしいのではないかと思います!


第3位!
「らいでん」
作者・塚脇永久 発行・秋田書店 全3巻
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伝説の力士、雷電の活躍を描いたアクション漫画となっているこちらの作品。
掲載誌が月刊少年チャンピオンと言うことで、あまりにも知名度がありません。
単行本も全3巻と、「あぁ打ち切られたんだな」と思ってしまわれてもしょうがありません。
ですがその中身は相当完成度が高い力作なのです!
後の雷電となる主人公とは別に存在する白髪の巨人である雷電、その雷電と関係のある異国の少女、そしてその時代とリンクする現代の格闘家……
様々な要素が絡みつつもスピーディーに物語は展開し、わずか3巻にして数々の伏線やらをしっかり回収した非常に奇麗なフィナーレを迎えるのです!
肉感的に描かれた筋骨隆々の戦士達がぶつかり合うバトルシーンも迫力満点に描かれており、雷電と言う題材にぴったり合った絵柄も魅力を引き立て、巻数以上のボリュームを感じさせてくれること間違いなしですよ!


第2位!!
「CLOTH ROAD」
作者・okama 倉田英之 発行・集英社 第8巻まで刊行
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こちらは03年からウルトラジャンプで連載されている、「服」で戦うアクション漫画。
生活のほとんど全てに様々な機能がついている服が利用されており、世界自体も服で覆われているおかげで人が暮らしていける……という設定がまず目を引きます。
主人公は生き別れになっていた双子の姉弟で、当初は手がかりとなる布一枚を持って両親を探すことが目的のたびをしていたのですが、その両親の正体とはあまりにも意外すぎる存在でした。
母と衝撃の再会を果たした後、父がその姿を現し物語は急展開。
世界の命運をかけた大決戦の幕が開けることになるのです!
主人公の2人はそれぞれ実直で慎重な弟と大胆で楽観的な姉、とまったく違う性格をしていながらも信念を持ってまっすぐ進んでいると言う点は同じ。
そんな好感の持てる(時々イラッと来ることはありますけど!)主人公たちに加え、かっこよすぎるサブキャラクターも非常に魅力的。
特に国同士の威信をかけて、服を使って戦う「モデル」たちの頂点を決める大会でかつて優勝したトップモデル、ジューン・メイのかっこよさは異常です!
いちいち絵になるステキなドレスと自信にあふれた台詞に奔放な性格、そしてブッちぎりの実力は惚れざるをえません!!
ここ2~3冊、6~8巻くらいの盛り上がりは相当なもので、その面白さたるやもしかしたら今俺が一番先の気になる作品かもしれないくらいです!
……完全な主観で申し訳ないですけど!


第1位!!!
「シャグラッド神紀」
作者・祭丘ヒデユキ 発行・秋田書店 全1巻
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トップを飾るのはこちら、人間が神と戦いを繰り広げると言う中2心がギンギン刺激されるバトル漫画です!
普段描いている漫画がアレな作品が多いだけに、とくに祭丘先生を知っている人こそ「しりあす?大丈夫?」と思ってしまうかもしれません。
ですが中身は相当しっかりした世界観や設定を構築した本格バトル漫画になっています!
元が元だけにエロスや脱力ギャグも入ってはいるのですが、それより目を惹くのは気合の入りまくった迫力の作画と決め台詞!
全編みっしり描き込まれたバトルシーンはド迫力と言う言葉では足りないくらいの壮絶さで、思わずまじまじ見てしまうこと必至!
決め台詞もやっぱり中2的なワクワクを掻き立てられる切れたものばかり!
台詞作画ともにかっこいい仕上がりとなっています!
設定も「同じ神でも時や場所が違えば違う姿や名で呼ばれる」といったものや、使った武器がいつの間にか元に戻っているといったご都合主義の排除など、行き当たりばったり感を感じさせないものばかり。
そんな重厚な作品である本作ですが、お話は決着せず全1巻で完結。
単行本が売れれば続きもあり得ると言うので……ご興味の湧いた方!いかがでしょう!!



と言うわけでこんな感じでランキングをしめさせていただきたいと思います。
好き嫌いこそあると思いますが、どれをとってもお勧めできるすばらしい作品ばかり!
もしここを読んでほんの少しでも興味を持っていただけたなら、是非とも読んでいただきたいものです!
それでは来年もすばらしい漫画との出会いがあるように祈りつつ終わりたいと思います。
最後まで読んでいただいた方、お誘いいただいたヒロ様、本当にありがとうございました!



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本日紹介いたしますのはこちら、「友達100人できるかな」第2巻です。
講談社さんのアフタヌーンKCより刊行、アフタヌーンにて連載されています。

作者はとよ田みのる先生。
とよ田先生の紹介などは「とよ田みのる」のテーマにてまとめておりますので、よろしければそちらもご覧くださいませ。

さて、子供時代に戻って人類の存亡をかけて友達作りに挑むことになった直行。
順調かどうかは比較するものが無いのでわかりませんが、ともかく6人の友人を作ることが出来ました。
ところがそんな時直行と同じ境遇だと語る少女、ユカリが現れたのです!

突然現れたユカリとその監視役、ヒカル。
直行は宇宙人に選ばれて子供の姿になって地球を救う……そんなありえない体験をしている自分と同じ境遇の人物に出会え、思わず感極まってしまいます。
同士なんだから協力しよう!と熱く語りかける直行ですが、ユカリは協力どころか構わないでくれと突き放してきました。
話を聞いてみるとどうやらユカリは直行と同じでありながら違う場所……いわゆるパラレルワールドの関係にある世界から来た様子。
まったくと言って良いほど同じ世界で、08年の日本シリーズ覇者が違う……といった極細かな違いがある程度の差異に過ぎないのですが、小さな違いでも両世界には確実な隔たりがあるのです。
要するにユカリが友達100人作れなくても直行の世界には何の影響も無く、逆もまた然りということ。
助け合ってもお互いの利益にはならないので不干渉で行こうとユカリは去ってしまうのでした。

ですが直行は納得できません。
チラッと見えてしまったユカリの友達カウンターには出来た友達の数を示す光点が一つしかついていなかったこともあり、ユカリも苦労しているはずだから自分も何かしたいと考えます。
翌日早速隣のクラスにいたユカリの元へ出向き、友達になろうと宣言する直行。
そんな直行を、自分はかたくななタイプだから友達にはなりづらい、不合理だとまたも突き放します。
ですがそんな言葉を一切無視し、
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直行はあっさりと友達カウンターをセットしてしまうのです!

理屈ではない、直行の突発的で勝手な行動に怒るユカリですが、自分とは関係ないとはいえ世界の命運がかかっていることは十分理解しています。
そこで自分からはセットしないが、翌日の日曜日に一日付き合ってあげるから自分の心を開かせてみろと提案をしてくれました。
自宅に帰り日曜日に何かイベントは無いかと母親に聞いてみる直行ですが、子供向けのお楽しみ会があると返答が帰ってきます。
いつもならばこれでいいのですが、今回の相手は中身が37歳のかたくなな女性。
これではダメだと無難に動物園に誘うのでした。

ところがユカリは動物が苦手で、これまた上手いこと物事が運びません。
仕方なく東屋で世間話をするのですが、意見が衝突してしまいます。
時間の無駄とばかりに深いため息をついて去ろうとするユカリをあわてて呼び止める直行が次に誘ったのは結局お楽しみ会でした。

子供達がわいわいと楽しく過ごしているお楽しみ会。
ですがそんな場所でもやっぱりユカリはむっつりとしたまま。
取り付く島も無くただ時間だけが過ぎていくなか、たまたま走り回っていた子供が近くで転んでしまいました。
泣き叫ぶ子供にあせる直行ですが、ユカリは手馴れた様子であやします。
やってきた母親に抱かれるその子を見てユカリは、自分にもあのくらいの子供がいる……とても利口な子で、自分が離婚したときも泣き言ひとつ言わなかった、と自らの境遇を語りました。
その言葉を聞いた直行は思わず涙を流します。
何故関係ない話で無くのか、とユカリに問われると直行は自分も妻ともうすぐ生まれる子を残してやって、夢の中出まで彼女達を思って過ごしている……と答えました。
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ユカリも同じような気持ちなのかと思うと……と涙する直行を見たユカリは直行のグラスにジュースを注ぎ、直行の差し出すジュースも受け取ります。
話し合える仲間がいるのも良いかもしれない、とユカリから直行にセットすると
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カウンターが光り、二人は晴れて友達となったのです!

協力者もでき、その後も順調に友達を作っていった直行。
その人数が10人になったとき、直行に宇宙人からプレゼントが2つ贈られました。
それは1時間だけではあるものの元の時代に戻れること。
もうひとつは意外にも程がある、直行が世界中にヒーローとして認知される(?)ことになる、まさかの権利でした!


着々と人類滅亡回避のための道を進んでいる直行。
第2巻でその数は12人を数え、まだまだ先は長いながらも光明が見えています。
協力者の登場や現代に戻るという大き目のイベントもこなし、マンネリも未然に防止!
とはいえ友達を作る通常のお話自体もしっかりと読ませる物語となっており、考えさせられるテーマ性のようなものやそこかしこに取り入れられたギャグによってマンネリなど微塵も感じさせないんですけどね!
更にある程度年齢のいった方なら思わず興奮してしまう小物も要注目!
さりげなく背景にあるコスモス(2~30年前に一世を風靡したおもちゃの自販機)とか、
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俺の地元ではけが人が出たせいでガンガン撤去されていった球上のまわる遊具など、
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懐かしいものがそこかしこに描かれています!
この要素のために単行本描き下ろしオマケ漫画で楽しそうに資料を買いあさっている様が描かれており、仕事熱心さ&うらやましさを感じることでしょう!!
そのオマケ以外にもキャラクター解説&設定資料やカバー下本体にも描き下ろしが収録されており、大満足間違いなしのクオリティとボリューム!!
大充実の内容となっております!!

友達100人、出来なければ即終了(人類が)!!「友達100人できるかな」第2巻は好評発売中です!!
設定の面白さだけでなく、一つ一つのエピソードも実に完成度が高い良作ですよ!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


友達100人できるかな 2 (アフタヌーンKC)
講談社
とよ田 みのる

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