本日紹介いたしますのはこちら、「少年リーダム~友情・努力・勝利の詩~」第3・4巻です。
新潮社さんのバンチコミックスより刊行されました。
作者は次原隆二先生。
本作の紹介は09年9月14日、09年12月12日の記事にて記載しておりますので、そちらもよろしければご覧になってくださいませ。
第2巻では初めて連載作品の担当を受け持つことになった純平。
いろいろと問題もありましたが、作品の人気も上昇してまずまずの結果を収めることに成功しました。
ですが肝心のリーダムの発行部数はいまだ伸び悩み、大手を振って喜ぶわけにもいかない状況が続いているのでした。
リーダムの作家達が新作読みきりで競い合う愛読者大賞。
この企画から生まれた大ヒット作品も多く、編集者達もよりよい作品を作ろうと東奔西走します。
そんななか純平の先輩である小出の悩みは愛読者大賞だけではなく、とりわけ困っている様子です。
並ならぬ才能を感じさせる新人漫画家原島。
彼に自分が押して連載させたモトクロスの漫画が打ち切りという結果になってしまったこともあり、とにかく今回は原島の好きなジャンルの作品でリーダムを引っ張るような作品を作りたいと思っていたのです。
拳法を扱った作品にするということは決まったものの。少年漫画に欠かせないわかりやすい売り、「必殺技」がどうにも思い浮かびません。
頭を悩ませながら立ち寄った書店で恋での目にとまったのは東洋医学に関する本でした。
「目に良いつぼを押しすぎて失明した」などと書いてある所から何かを閃いた小出は、わざわざおともさせていた純平を置いて1人走り去ってしまうのでした。
やがてリーダムの増刊号に掲載された「北斗神拳」。
先ほどの本からインスピレーションを与えられて生み出した必殺技がこの作品に活かされていると言うわけです。
勿論モチーフは言うまでもなく「北斗の拳」!
このツボ押し、秘孔を付いて敵を殺すと言うかつてない技に原島がプラスしたのは秘孔を付いてからしばらくした後相手が絶命すると言う時間差。
これによってバイオレンスなこの作品に、ただのバイオレンスでは終わらないインパクトを加えることに成功したのです!
アンケートの結果は並み居る強豪を抑えて一位。
ヒットの予感を感じさせる作品ではあるのですが、バイオレンスなインパクトによる色物的人気かもしれないと同僚に突っ込まれます。
間違いなく本物の面白さであると激昂する小出ですが、編集長もその可能性は捨てきれないと踏んだようで、
もう一度読みきりでチャレンジし、再び一位を取れたら連載にしようと言う方向で進むことになったのでした。
その2度目の読みきりでも見事一位を獲得した「北斗神拳」。
ですがいざ連載となると問題が発生します。
それは作者の原島の作画が緻密であると言うこと。
決して悪いことではないのですが、話を考えてから執筆にかかる事を考えるとどうしても週刊連載は難しいようなのです。
そこで原作を立てることにしたのは良いものの、大御所漫画原作者に手がけられた第1話のネームがイマイチピンと来ません。
どうやら「北斗神拳」の求める方向性とはずれているようなのですが、頼んだのが大御所と言うことで今更断るのも難しい状況になってしまいました。
げ、小出がこの作品にかける情熱は本物。
この作品を面白くするためには、見栄や世間体を捨てたとえ土下座しようとも大御所に降りてもらい、しっくりくる原作者を探すことにしたのです!
白羽の矢が立ったのはヒット作を生み出した経験はあるものの、昨今はなかずとばずが続いていた漫画原作者、義武尊。
当初はあまりいい顔をしていなかったものの、彼が作り上げた原作はまさに小出が求めていた理想のものでした!
それを使って原島が描き上げたネームも出色の出来で、小出は喜び勇んで編集部にもっていきます!
が、ページ数が普通の新連載第1話の物の1.5倍もの分量があるのです。
仕方なくきりよいところで分割して2話分にすることも考えますが、それではすばらしい完成度を誇るこの第1話の味が薄まってしまう恐れもありまして……
連載前から続く「北斗神拳」を巡るトラブル。
この第1話に引き続き第2話でも様々な問題が浮上するのですが、それも乗り越えてリーダムのトップへと成長していきます。
同時にアニメ化などを展開していた作品も好調で、調子が上向きとなるリーダム。
ここで純平が編集者としてのステップを踏むためにしなければならないのが新連載の、それもヒット作の立ち上げです!
果たして純平は見事ヒット作を生み出せるのでしょうか!
一筋縄ではいかない漫画界の、リーダムの厳しさに直面するのです!!
本作はこの第4巻で完結となります。
純平が編集者としての階段を上がり始めたところでやってくる突然のラスト。
正直言って「マジで?」とつぶやくしかない驚くばかりの結末となります。
ぶっちゃけてしまうと打ち切りっぽいと言いますか……
そのあまりにも突然すぎるラストは衝撃的。心の準備をして読むことをお勧めします!
様々な裏話的要素も楽しめる、「少年リーダム~友情・努力・勝利の詩~」第3・4巻は全国書店にて発売中です。
江口先生をモデルにしたと思われる、江上の原稿の遅らせっぷりなど
漫画好きには興味深い内容がたっぷり!
衝撃のラストもありますし、必見の内容となっていますよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!