本日紹介いたしますのはこちら、「新ジャングルの王者ターちゃん」文庫版第5巻です。
集英社さんの集英社文庫コミック版より刊行されました。
作者は徳弘正也先生。
徳弘先生の作品紹介などは「徳弘正也」のテーマにてまとめておりますので、そちらもよろしければご覧ください。
さて、MAXとの戦いも決着し新たなシリーズが始まった第4巻。
ヴァンパイアとなった梁を治療できるワクチンを作ることが出来るという唯一の人物、ダン国王。
とらわれの身である国王を救うためにシーマに導かれ、ヴァンパイアの国にやってきたターちゃん一行ですが、そのためには各階に番人のいる5階建ての塔を突破せねばなりません。
いよいよ少年漫画チックな雰囲気の増してきた本作。
今回も激しい激闘が繰り広げられます!
塔で先ず戦うことになったのがサンボの達人、カラマゾフ。
サンボとは簡単に言うとロシア風柔道で、ややマイナーながらも非常に強力な武術です。
わざわざ持ってきたブーメランも使わず、不死身に近い生命力を持つヴァンパイアに徒手空拳での戦いを挑むのでした。
実際の実力では完全にターちゃんが上だと思われるこの戦い、ですが殴っても殴ってもカラマゾフはすぐに復活。
とうとうターちゃんは一瞬の油断を突かれて投げ技を食らい、
右肩を故障してしまったのです!
痛みに耐えながらもカラマゾフを振り払い、一気に攻勢にでるターちゃん。
ですが生半可な攻撃ではたいした効果があまり見込めません。
結局地面が割れるほど強烈なスープレックスで頭から叩き落すことによってようやくカラマゾフの無効化に成功するのでした。
2階に向かうターちゃん達でしたが、別れ際にカラマゾフが語った哀れな生い立ちを聞いてすっかり闘気が失せてしまいます。
不安な中2階の番人と戦うことになるターちゃん。
その相手は鎧に身を包んだ剣士でした。
容赦なく剣を振るう相手にまったく手が出せず、ターちゃんはやられるままになってしまいます。
そんな様子に自分達を哀れんでいるのかと怒りを表しながら剣士が兜を脱ぎ去ると、そこから現れたのは長髪の美女。
2階の番人である彼女、なんとシーマの実の姉であるレーアだったのです!
戦えないターちゃんに代わり、剣を取って切りかかるシーマ。
実力差は圧倒的で、あっさりとシーマの剣を叩き落してしまうレーアですが、とどめの剣はシーマの目前で止められます。
レーアは瞳に涙を溜めて実の妹を殺すことなど出来ないと剣を収め、国王は既にシーマが愛した父親である国王ではなくなっていると言い残して道を譲るのでした。
3階に急ごうとするシーマを尻目に、レーアが語る真実に耳を傾けることになる3人。
3ヶ月前にヘリの事故を装って人間の医者3人がやってきました。
彼らは自分達を助けてくれたお礼と称してながらく目を患っていた国王に手術を施すことになったのだそうです。
その際密かに脳にメスを入れ、
自分達のコントロール化に置く装置を取り付けていたのでした。
それから国王は狂い始め、3人の医者達の言うとおり動くロボットのようになっていきます。
30年以上使えていた中心たちも反対意見を唱えれば容赦なく処刑するというあまりの異常ぶり。
ですがシーマはその医者の1人であるエドガーに惹かれ、自体の異様さに気が付かないのです。
この医者達の所属する組織の名はケルベロス。
なにやらよからぬ組織であることは確実なようですが……
事情はわかったものの、こちらも梁の命がかかっているわけですから引き返せません。
3階の番人はインドの武術、カラリの使い手であるマニ。
カラリことカラリパヤットとは多彩な蹴り技をメインとした打撃から関節技、投げ技に加えて武器を用いた戦法まで網羅する歴史ある格闘技。
更に相手に捕えられ内容に全身に油を塗るという、完全に実践目的の格闘術なのです!
繊維は低いながらもマニを圧倒するターちゃん。
カラマゾフと同じように正々堂々戦うマニにターちゃんは感動すら覚えながら戦いを続けます。
ですがやはりヴァンパイア、関節を破壊してもたちどころに回復し、その治癒力を活かして
関節を決められたまま打撃を繰り出し、さすがのターちゃんも打撃をまともに食らって技から抜けられてしまうのです。
仕切りなおしとなると、ターちゃんが強敵とわかり武器を取り出すマニ。
ならばこちらもとターちゃんにブーメランを渡そうとすると、ターちゃんはそれを拒否。
更にその堂々とした態度にマニも武器を捨て、徒手空拳のままの戦いを続けるのでした!
お互い敬意を表しながら戦い続ける二人。
実力は完全にターちゃんが上なのですが、倒れた敵に追い討ちするのを良しとしないターちゃんはマニの回復を許してしまい、戦いは長引くばかり。
ターちゃんは体力を消耗し、遂にマニの攻撃をまともに食らってしまいます。
昏倒してしまうターちゃん。
あのターちゃんがまともに、更に塔の3階というまだまだ先のある地点でまさかの敗北!
ペドロたちのみならず、読者もびっくりです!
あだ討ちとばかりに突っかけていったペドロも一撃でやられ、もはや打つ手なしのターちゃん一行。
はたして梁の命はどうなるのか?
止めを刺されるのを待つばかりとなったターちゃんは?
そしてケルベロスの真の目的とは?
この後も驚きの展開が連続します!!
というわけでヴァンパイア編も盛り上がる本巻。
きな臭い雰囲気を発する国王を巡る戦い、まさかの敗北を喫してしまうターちゃん、そしてペドロの身に起きる衝撃的な事件。
単なるバトル(+下ネタ)に終わらない、驚きが連続するストーリーが展開されます!
今巻ではかなりのシリアスシーンが続くため、下ネタ自体はかなり控えめになっていますが、それでも忘れないギャグシーンの数々はさすが徳弘先生というほかないでしょう!
ヴァンパイア編もクライマックス間近、「新ジャングルの王者ターちゃん」文庫版第5巻は全国書店にて発売中です!
さりげなく当時のジャンプバトル漫画中屈指の深いドラマが展開していた本作、今見ても色あせることなく楽しめます!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!