3階の者だ!!

DEBがお送りするネタバレありのコミックス紹介ブログです。 短編物では一話にスポットを当てて、長編物ではこの後どうなるの?と言うところまで紹介しているつもりです!

2010年06月

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本日紹介いたしますのはこちら、「シュセンドー」です。
集英社さんのヤングジャンプ・コミックスBJより刊行されました。

作者は原作が金成陽三郎先生、漫画が安達哲先生。
金成先生といえばかの「金田一少年の事件簿」の原作が有名な漫画原作者です。
ですが98年ごろから金田一の原作を外れ、集英社を主な活動の場所に移しました。
その後も「ミステリー民俗学者 八雲樹」などのヒット作を生み出していらっしゃいます。
安達先生に関しては09年5月18日、「キラキラ」の記事にて簡単に紹介させていただいておりますので、そちらもよろしければご覧ください。

さて、本作は詐欺に引っかかった青年がある人物と知り合い、アドバイスを受けながら金を取り戻すため奮闘するという物語です。
金成先生らしい騙しあいと、安達先生らしいコミカルとシリアスの交じり合った作風が融合した作品となっています。

主人公の航太は記帳した通帳を見つめて喜びに小躍りしていました。
田舎のおばあちゃんにお願いして振り込んでもらった300万が確かに入金されていたからです。
それもこれもすべて航太のもとへ突然一通の手紙が来た為。
高校時代、片思いの末たった一度だけデートをしてもらった少女、麗子。
その時冗談交じりで語り合った、
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麗子が上京してスターになり航太が映画監督になるという夢を実現したら、主演をしてあそこを撮らせてあげるというやりとり。
彼女だけはそれを実現し、芸能人になったという知らせが届いたのです。
ならば約束を果たさねばと映画のシナリオを猛烈な勢いで書き上げ、祖母から300万を借りて映画制作に取り掛かることにした航太。
その映画がいきなり高評価を得てスターダムにのし上がり、やがては麗子と結婚……そんな成功の青写真を脳裏に描きながら、麗子との待ち合わせ場所につっ立ちます。
そこへスポーツカーを駆って颯爽と現れた麗子は
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当時のみつあみ眼鏡な面影は欠片もない、派手派手な女性へと変貌していました。

同乗してお互いの身の上なんかを語っているうち、映画制作には300万じゃ足りるわけがないという方向へと変わっていきます。
芸能界は金のスケールが違うと落ち込む航太に、簡単にお金を増やせる方法があると切り出す麗子。
簡単にお金が儲かる、と言う売り文句はほぼ9割9分9厘9毛詐欺なわけですが、純真かついっぱいいっぱいな航太はあっさりと騙され、導かれるまま付いていきました。
その行く先はCOMファンドなどという簡素な看板が張られたマンションの一室。
この会社に300万ぶち込み、株式投資で増やそうというわけです。
流石に最初はそんなギャンブルじみたことにはお金をかけられないとためらう航太。
ですが担当の雨宮という男の丁寧な対応やら麗子の成功例なんかを聞き、
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とうとうお金を渡してしまうのでした。

しばらくたち、その後お金がどうなったのかと期待を隠せない顔でマンションを訪ねる航太。
ところがその部屋はもぬけの殻。
オマケに麗子にすら連絡が付かなくなり、マンションの前にある公園のベンチで途方にくれていました。
するとそこへふらりとホームレス風の男が現れ、
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あなたもやられたのか、COMファンドの雨宮という男は詐欺の常習者だと言い出すではないですか。
おそらく麗子もグルだったのだろうと教えられ、金を取り返さなきゃと慌てて警察へと駆け込もうとする航太。
ですが男は警察に行っても「金は全部使ってしまった」と開き直られたらお金が返ってくることはないとまで告げてきます。
両親が離婚したあと自分を引き取って育ててくれた、大事なおばあちゃんに借りた300万。
詐欺師に騙し取られたなどといったらショックで寝込んでしまうかも、と泣き叫ぶ航太。
そんな航太に男は自分も昔詐欺にあって会社を潰してしまった、人事とは思えないから自分の知っている弱者に優しい弁護士に相談してみる……そういって航太から相談料の一万円を受け取り、にこやかにそのビルへと消えていったのです。
彼は航太の元へは帰ってこず、裏口から出て行ってしまったのですが……

ですが航太は運良く近くのスーパーで酒を買い込む先ほどの男を発見します。
追いすがってとっつかまえ、詐欺にあったばかりの自分を騙すなんてヒドいと責め立てます。
ですが男は詐欺にあったばかりだから、つまり騙されやすい体質だから騙したんだと開き直るではないですか!
さすがにブチ切れた航太、どこからともなくナイフを取り出して大暴れ。
すっかり怯えきった男を警察へ突き出してやると追いつめるのです。
警察は勘弁してくれと後ずさる男に、じゃあお前を殺して代わりに自分が殺人罪で刑務所に入る、などとむちゃくちゃなことを行って襲い掛かる航太。
ですがその時、
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男は「詐欺師から金を取り戻す方法を教えてやる」と口走ったのです!

奇妙な出会いから協力して詐欺師から金を取り戻すことになった航太とホームレス風の男、原。
ですが雨宮と麗子は更なる詐欺を仕掛け、小唄の祖母からも直接金をふんだくってきます。
そんな彼らから金を取り返すには騙してふんだくり返すしかないと語る原。
驚きの知識を持った原と、祖母の為になりふり構わない行動を起こす航太、そして雨宮に騙され大金を騙し取られた美女の百合子を加え、詐欺師を騙すというアウトローにも程がある心理戦が始まるのです!!

というわけで、なにやらそこかしこで聞く詐欺事件の被害者となった航太がプロの騙し手を騙すというストーリーが展開する本作。
謎過ぎるおっさん、原のもちいる様々な裏技や、雨宮も簡単には騙し返されない、ワルの駆け引きが最大の見所です。
出てくるキャラも無駄のない配置で、ストーリーの流れ自体もだらだらした部分はなく見事に1巻で纏め上げられたストーリーはさすが。
更に騙しあいの中ひとり正義感(?)を持つ航太が、時には金がすべてじゃないといったような熱い主張を振りかざすのですが、作中のほとんどの人物が全然とりあわないというある意味でのリアルさも注目です。
それでいて漫画でなくてはなかなかありえないハッピーエンドを迎えるというのも、こういった作品には付き物の後味の悪さがなくてステキなのです!

詐欺師との騙しあいを描く「シュセンドー」は全国書店にて発売中です。
安達先生久々のリアル路線(?)作品の単行本である本作。
題材からしても地味さは否めませんが、地味でも楽しめるしっかりとした作品に仕上がっていますよ!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


シュセンドー (ヤングジャンプコミックス BJ)
集英社
安達 哲

ユーザレビュー:
新境地を開いています ...
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本日紹介いたしますのはこちら、「藤子・F・不二雄大全集 パーマン」第8巻です。
小学館さんより刊行されました。

第1期の刊行も無事終了した本大全集は「藤子・F・不二雄」のテーマで紹介をまとめておりますので、そちらもよろしければご覧くださいませ。

さて、アニメ第2期の放映にあわせて、第7巻より設定を微修正しての再スタートを切った本作。
終了もアニメに併せたのか、この巻で完結です!

最終巻、といっても実は本作、連載時に最終回最終回したお話は描かれておらず、いつもどおりのお話が展開します。
今巻では全日本悪者連盟の科学者がなんかやたらすごいドラえもんレベルの発明品を作り出すお話が数話収録されているのですが、今回はその中でも更に一風変わったエピソードを紹介したいと思います。
その名も「パーマンが悪者になった!!」です!!

雷鳴響く豪雨の中、不気味にたたずむ薄汚れた洋館。
その中で暴れているのは一匹の兎でした。
それを見せ付けて自慢げにしている悪者連合の科学者言うには、この兎には新しい発明品の「性格逆転液」を飲ませたのだそうです。
善人は悪人に、悪人は善人になってしまうというこの薬。
その効果でどうやってパーマンを倒すのかと訊ねる悪者連合の親分に、科学者は倒すのではなく飲ませるのだと答えます!
正義の味方のパーマンを悪の味方にする、というシチュエーションに興奮を隠せない親分。
早速パーマンに薬を飲ませる作戦を実行に移しました!

どこかの会社がパーマンへの日ごろのお礼として新製品の栄養ドリンクを贈った、という設定で宅配便を装ってミツ夫の家に薬を届けます。
受け取ったのはコピーロボット。
パーマンの正体のコピーの自分も一応パーマンだろう、中を見るくらいいいかと覗いてみるコピー。
縁も所縁もない会社から新製品がもらえるなんて怪しい、などとはこれっぽっちも思わず、パーマンは良いなあと羨ましがるコピーですが、勝手に飲んじゃうほど意地汚くはないよと我慢します。
が、ここで配達員を装った悪者連合の下っ端がわざわざ家の外からパーマン意外絶対飲むな、飲んだらひどいよと大声で念押ししたのがまずかった……
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「勉強しようと想っていたところにお母さんから勉強しろといわれてやる気なくす現象」がおこり、コピーは逆にグビッとやってしまうのでした!!

メラメラと悪事を働きたい欲が湧き上がるコピー。
銀行を襲おうか、ジャンボジェットを爆破しようかといきなりスケールでかすぎる悪事に思いを馳せます!
そこへガン子がたまたまやってきて、唸りながらグルグル部屋をうろつく兄にどうしたのかと聞いてきました。
一応心配してくれた(?)ガン子を有無を言わさず殴りつけるコピー!
ですがガン子もそんなことで泣いちゃったりする様な子ではありません。
転がっていた性格逆転液のビンをコピーの顔面に投げつけ、嫌いだと言い残して怒りながら去っていってしまうのでした。
その顔面に直撃したビンは美味いこと鼻にぶつかっており、みるみる人形形態に戻ってしまうコピー。
そこへちょうどパーマンの仕事を終えたリアルミツ夫が帰ってきました。
人形に戻っている上、なにやらおいしそうなドリンクの空き瓶が転がっている様を見て、転んで鼻を打ったうえに勝手に1人でドリンクのみやがった、そういうやつだよコピーは!とぷんすか怒るミツ夫。
……自分のコピーだから自分を否定してることになるのに……!

ともかく計画は頓挫。
誰かに飲まれたりという同じ失敗をしないよう、今度は薬をソフトカプセルに作り変えて飲ませることにしました。
ですがこれは少量ですので、効き目が一時間しかありません。
短い時間ですが、一時間あればパーマンなら相当な大悪事が出来るはず。
今度こそしっかり本人に飲ませようと1号を付け回し、最終的には昼寝している1号の口に薬を放り込むことに成功します!
目覚めた1号は早速悪事を働きたくてうずうずしだしました。
そこへ悪者連合は1号に「時限爆弾を東京タワーにしかけろ」と指示!
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ご丁寧に時限爆弾は1号の足元に用意されており、それを掴んだ1号は面白そうだとその指示通り東京タワーへ向かうのでした!!
なんか悪者連合の構成員がやったほうが目立たず成功しそうな悪事ですが、科学者の狙いはあくまで1号が大惨事をおこすということ。
それだけの悪事を働けば周囲に憎まれ、イヤでも悪者連合の仲間になるしかないだろうという算段です!
本当にそんなことになったらバードマンが飛んできて一瞬でどうぶつにされて終わりな気もしますが、そんな事情を知らない悪者の皆さんが夢を見るのは仕方ないですね……

ゲハハと笑いながら東京タワーへ飛ぶ1号。
たまたま通りがかったパー子とブービーは、猛スピードで一直線に東京タワーへ向かう1号の様子を訝しんで落ち着けと取り押さえようとします。
1号はそんなパー子の
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スカートをむしりとり、2人……1人と1匹を振り切って東京タワーへ到達。
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爆弾を仕掛けて笑いながら飛び去るのでした!!
パー子とブービーを持ってしても食い止められなかった1号の暴走!
このままでは東京がパニックです!!
ああ、1号はこのまま大悪人のレッテルを貼り付けられ、世を憂えて悪の尖兵となってしまうのでしょうか!
あわれ1号の運命は……なんていう展開には勿論なりません!
F先生らしいオチがつく愉快な結末を迎えますのでご安心ください!!

というわけで悪パーマンというレアなシーンが見られる本巻。
更に最後には当時の単行本刊行の際に最終話として掲載されたエピソードも収録されています。
基本的には大全集2巻に収録されたサンデー版最終回なのですが、新設定にあわせてチョコチョコと描き足しや描き直しが散見されます。
新設定ではパー子=スミレが読者におおぴらにされたことにあわせ、初出版にはなかった
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1号にだけ素顔を明かすシーンなどが追加され、その他様々なシーンが描きなおしや再構成されています。
そしてパー坊の存在が奇麗に抹消!!
せつない、せつないよパー坊!!

その他にもF先生自身によって描かれたアニメ用設定資料やカラーイラストも多数収録。
ブービーが主役となるお話や、やっぱりスペック高すぎるパーやんの活躍などの目を引くお話もまだまだたっぷりあり、最後の最後まで読者を楽しませてくれますよ!

新シリーズもいよいよ完結、「藤子・F・不二雄大全集 パーマン」第8巻は好評発売中です!
F先生のドラえもんやオバQに並ぶ代表作である本作。
いつ読んでも、誰が読んでも変わらぬ面白さが堪能できますよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!



パーマン 8 (藤子・F・不二雄大全集)
小学館
藤子・F・不二雄

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本日紹介いたしますのはこちら、「ウワガキ」第1巻です。
エンターブレインさんのビームコミックスより刊行、Fellows!にて連載されています。

作者は八十八良(やそはち りょう)先生。
八十八先生は06年ごろから活動をしている漫画家で、主に成年向け漫画を描いていらっしゃいます。
本作は先生初の年齢制限無しの単行本となっているようです。

さて、本作は分類するならば日常漫画に当たると思われます。
ですがその設定がかなり変わっており、SF的要素や一捻りされた恋愛要素が盛り込まれ、導入から目を惹く内容になっています!

あたしに惚れても無駄だから諦めろ。
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気配りだけが売りの冴えない高校生、安治川は友人の千秋にそう告げられました。
その通り安治川は千秋のことが好きなわけでして、2人きりの掃除の最中出し抜けにそんなことを言われてはどぎまぎするばかり。
そんな微妙な空気を打ち破ったのは、これまた出し抜けに現れた教師、山田でした。

山田はいきなり仲が良いねとふたりを茶化します。
更に先ほどの会話も聞いていたようで、安治川は千秋が好きなのかと質問してきました。
解りやすい反応をする安治川からは返事を聞くまでもなく、そのままの流れ(?)で千秋は安治川をどう思っているか聞くと彼氏がいるから無理、と速攻で否定する安治川。
彼氏の存在も初耳だったらしい安治川は更にショックを受けて魂が抜けたようになってしまうのでした……
そんな2人をみていた山田はにやりと笑い、研究に協力して欲しいと言い出します。
「人間の恋愛感情について」というテーマの実験に手を貸してくれれば2人が課されている放課後の罰掃除を免除してくれるとのこと。
バイトをしている千秋からすれば魅力的な提案です。
悩む千秋を尻目に安治川は具体的に何をやるのかと聞くと、
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なんと「安治川と千秋が相思相愛になって欲しい」というもの!
今までの会話の流れをばっさり無視した実験内容で、千秋は慌てて彼氏がいるし、二股など絶対に無理だと断りを入れてきます。
ですが山田は余裕の笑みを崩さず、背後から千秋の方に手を置いたかと思うと
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千秋を2人に増やしてしまいました!!
そりゃもうビックリする安治川と千秋×2。
顔を見合わせて固まる千秋の片方の額に指をつけてなにやら施した山田は、そのあとおもむろに黒板に向かって説明を始めます。
記憶も体も完全に同一の千秋のコピーを作ったが、彼氏に関しての記憶だけはすっぽりと消した。
その彼氏無しのコピー千秋を安治川に口説いてもらう、と。
オリジナル千秋にはこのまま彼氏と愛を深めて行って貰い、コピー千秋は安治川と付きあう……かどうかは本人しだいですが、とにかく口説き続けて貰う、というこの実験。
山田は実験期間の数ヶ月を終えれば、最終的に二人を融合して元に戻すと語るのですが、その時にこの実験の最大のキモというか問題が発生するようで。
その融合の際、コピーから安治川の恋愛感情の大きさが、オリジナルから彼氏への恋愛感情の大きさを上回っていれば、
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「好き」は上書きされるというのです!!

そうなれば要するに千秋は彼氏のことを忘れてしまうということ。
冗談じゃないと怒るオリジナル千秋ですが、彼氏の記憶がないコピー千秋は全然その大変さが実感できず、むしろその自分が付き合っているはずの彼氏がどんな人なのかニヤニヤしながら聞いてくる始末。
それでも罰掃除抜きは魅力的なようで、そもそもどうやってその愛情の大きさを測るのかと問います。
それも山田の開発したラブラブチェッカーなる機械で測定できるそうで、一切抜かりなし!
更に彼氏とラブラブなら問題ないよね?と美味いこと丸め込むのでした。
千秋はもう割とやる気になっているようですが、山田は安治川にもキャンセルするなら今のうちだがどうするかと聞いてきます。
考える安治川ですが、実断れば消すだけと言われてしまったコピーの気持ちを何も言わず汲み取り、実験の協力を承諾するのでした。

山田の差し金によってコピー千秋は安治川の家に住むことになります。
千秋を増やしたり、記憶の一部だけを奇麗に消したり、友人とはいえあっさり異性の家に住む事を受け入れさせるように感情を操作したりととにかく怪しげな山田。
あんまりにも怪しげですが、奇妙な実験が始まってしまったからにはやるしかありません。
ありえない、わけ解らないと呟きながらバイト先に急ぐオリジナル千秋。
バイト先の店につくと、そこには件の彼氏、和也がちょうどシフトを終えて帰るところでした。
簡単な会話を交わしたあと、彼はなんと
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別れてくれないか、と言い出すではないですか!!
よりによってこのタイミングで持ち上がった別れ話!
更にコピーのほうも遊んでいるわけには行かず、千秋の双子の妹の小秋としてクラスに潜り込む(?)ことに。
いきなり持ち上がる様々なトラブル、一体これからどうなっちゃうんでしょうか!?

というわけでビックリな設定で始まる本作。
安治川と小秋ことコピー千秋の間には徐々にではありますが、なんだかんだいって悪くない雰囲気が作られていくコとになります。
フった本人ではあるものの、安治川は根本的にいい人なので、恋人無しで一緒に時間を過ごせば惹かれるのも無理ありません。
そのナイスな気配りと思いやりは読者も応援したくなること必至ですよ!
そしてオリジナル千秋とその彼氏、和也の間の物語も同時進行。
開幕からひと悶着あるこの2人、千秋は確実に和也を好いているのですが、和也本人の気持ちは正直現段階では謎。
何か裏があるのか、本当に千秋のことを想っているのか……そのアタリがこれからの鍵になるはず。
ひょっとすれば主人公同士である安治川と小秋の関係よりも気になるこの2人の行く末、目が離せません!
その千秋と小秋、本人同士という不思議な関係の二人にも様々なやり取りがあり、ここにもまたドラマが発生。
気になる要素が2重3重にも重なり、読者のハートをガッチリキャッチするのです!

八十八先生が成年向け漫画畑からやってきたこともあり、女の子が非常にかわいらしく描かれているところも要注目です。
メインである千秋子秋に関しては言うまでも無く、安治川の妹や女性教師などのサブキャラも個性豊かに、もちろん可愛く描かれます。
それでいて直接的なエロス描写は無し!
エロス抜きで可愛く、それだけではない悩み思い悩むキャラを魅力的に描いていらっしゃるのです!
良い悪いは置いておいて、そういったものを売りにする作品が多い昨今。
美少女モノでありながら、その上成年向け漫画も描いてらっしゃる漫画家さんの作品にもかかわらず、お色気要素抜きで勝負するというのは思い切った選択といえるのではないでしょうか!!

好きの想いを本人同士で比べあう、「ウワガキ」第1巻は好評発売中です!
奇抜な設定だけでない、先が気になるドラマに魅力的なキャラ群も取り揃えた本作。
表紙で単なる美少女モノかと敬遠するにはもったいない作品ですよ!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


ウワガキ 1巻 (ビームコミックス) (BEAM COMIX)
エンターブレイン
八十八 良

ユーザレビュー:
目の付け所が面白い作 ...
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本日紹介いたしますのはこちら、「藤子・F・不二雄大全集 エスパー魔美」第5巻です。
小学館さんより刊行されました。

本題全集の紹介は「藤子・F・不二雄」のテーマにてまとめておりますので、ご興味などございましたらご覧くださいませ。

さて、突如超能力に目覚めた少女、魔美が持ち前の正義感(おせっかい?)を発揮して大小さまざまな事件を解決していく本作。
今回刊行の第5巻にていよいよ完結となります!!

最終回目前といってもやっていることはいつもと変わりません。
世界的名画を巡るいざこざを解決したり、彗星を見つけようと観測を続けるおばさんを詐欺から助けようとしたり……
そんないつもどおりの中、最終回自体もそれほど特別な話ではないのですが、読後感の良いホンワカしたエピソードで地味でも心に残る結末になっているのです。

街の画廊にて個展を開いている魔美パパ。
魔美は1人で受付をしているのですが、お客さんがちっともやってきません。
とうとうやってきた、と思えば高畑でした。
高畑といえどもお客には間違いない、と一緒について回って簡単な絵の紹介なんかをする魔美。
ですが高畑は芸術関係にトンと疎く、良いと思う、くらいしか感想がでてきません。
とはいえ心から良いと思っているのは確かなようなので、魔美もとりあえずはニコニコ顔。
そんな良い絵なのになんで客が来ないのかとブツクサ言っていると、とうとうお客さんがやってきたようです!
やってきた客は魔美パパの古い友人だそうで、水上と名乗ります。
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その名前を聞くと魔美はそりゃもうビックリ。
なんでも有名な画伯だそうで、彼が描く絵は絵の具が乾く前に売れてしまうといわれるほどなんだそうで。
魔美パパがこの場にはいないことを聞くと、水上は絵を見だします。
足を止めたのは魔美の絵の前。
しばらく眺めたあと、魔美がモデルであることを確認したあと魔美パパによろしくと言い残して去っていきました。

入れ替わるようにやってきた魔美パパは水上の突然の来訪に驚いた様子。
自宅への帰り途中、大学時代の彼はどんなタッチでも美味いことまねて描く「うまい絵」を描くやつだったが、ここまで成功するとは誰にも想像できなかったと思い出話を語るのでした。

その夜。
麻美の家に一本の電話がかかってきました。
その電話主は件の水上画伯。
なんと彼が魔美にモデルを頼みたいと言い出したのです!
裸体モデルということで、いやならば断ってもいいということになるのですが、大家が自分を書くとどうなるのかといった興味に加え、結構なモデル料がもらえるということで引き受けてしまう魔美。
高畑は赤の他人に真っ裸を見せるのかと顔色を変えて驚くやら慌てるやらするのですが、そういわれると気が重くなるといいつつも仕事に向かいます。
水上の屋敷に着くとなにやら相当忙しいようで、奥さんにアトリエで待っているように言われます。
大人しく待っていると、やがてやってくる水上。
失礼のないよう挨拶をする魔美ですが、水上はそれをさえぎってまだ服を脱いでいないのか、非能率的なことは嫌いだといきなり不機嫌に。
魔美は戸惑いながらも服を脱ぎ始めるのですが、ついでに父の絵はどうだったかと質問を投げかけてみました。
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水上は嘘はつきたくないし、本当の感想は言いたくないからその質問はしないでくれとシャットアウト。
なんだか釈然としないまま魔美はポーズをとるのでした。

絵を描いている最中、水上に取材が入っていたらしく作業が中断します。
そのマスコミ、なんだか無礼なヤツで水上の今の地位は絵の実力ではなく政治力によるものではないかと囁かれていると言い出しました。
売れない画家の僻みだと怒鳴りつける水上ですが、マスコミの口から美術商の伊笠という人物を知っているかと聞かれるとその様子が一変します。
そんな名前など聞いたこともないととぼけるのですが、今までの剣幕からすると明らかに動揺していることがわかります。
ですが当人が否定している上、知っているという証拠もないのではどうしようもなく、マスコミは別ルートから調べてみると言い残して消えるのでした。

魔美は水上がそのやり取りですごいショックを受けていることを感じ取ります。
そんななか、奥さんから呼び出しを受けてまたも仕事を中断する水上。
なんでも探していた絵が見付かったとのことで、それを聞くと麻美のことなどうっちゃらかしてそちらへ飛んでいってしまうのでした。

翌日、仕事の最中にもよおしてしまいトイレに向かった魔美。
玄関前を通りがかった時ちょうど誰かが訪ねてきます。
その怪しげな人物こそが伊笠という男。
細かい事情など知らない魔美はあっさり水上の元へと連れて行ってしまいました。
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2人の会話からすると、どうやら水上は伊笠に弱みを握られてゆすられている様子。
その日はそのままモデルの仕事もうやむやとなり自宅へ帰るのですが、夜になると水上の家からSOSの念波を感じとります。
テレポーテーションで急行し、そっと様子を窺うと、どうやら先ほど話題に出ていた購入し保管していた「探していた絵」がすべて盗まれてしまったようです。
その様子からすると単なる金の問題などではないでしょう。
果たして水上と、胡散臭いにも程がある伊笠の間には何があったというのでしょうか?
その絵に隠された真実とは?
そして画伯がわざわざ魔美をモデルに選んだ理由とは?
父の絵の世間的評価に対しての、いけ好かない水上に対しての、胸に渦巻く魔美のもやもやがスカッと晴れ渡る、感動のラストが待っています!!

というわけで今巻で完結となる本作。
大きな事件は起こりませんが、魔美パパの絵を一つの軸に据え、より魔美に身近な事件にすることで一層感情移入をしやすくなっています。
なぜ魔美が突然超能力を使えるようになったのか、みたいな物語の真相といったようなものは一切明かされませんが、それもまたF先生らしさ。
奥深いストーリー無しでも面白いドラマは作れるということを証明していらっしゃいます!
そんなささやかな感動が暖かく胸に残る最終回の他、様々な注目のエピソードが収録。
魔美パパが疎開先で米兵と知り合った思い出の場所を探るという時代を感じさせるエピソードのほか、
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自殺をしようとする青年を救うために体を捧げようと決意するという、説明だけ見ると成年向け漫画と間違ってしまうエピソード
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などなど、様々な方向に注目のエピソードが満載!
温泉に行ったり暑さのために下着姿で寝転んだり、レアな魔美以外の裸体も描かれてお色気シーンもたっぷりでございます!

身近ないざこざから重大事件、当時の少年読者のエロス欲まで解決した「藤子・F・不二雄大全集 エスパー魔美」最終第5巻は好評発売中です!
彼女の活躍(と裸体)もこれで見納め。
最後まできっちり面白く、きっちりサービスしてくれる、いわずと知れた傑作です!
アニメしか知らない方も大全集での刊行&完結を機に読んでみるのもよろしいのではないでしょうか!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


エスパー魔美 5 (藤子・F・不二雄大全集)
小学館
藤子・F・不二雄

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魔美の笑顔漫画版の魔 ...
エスパー魔美の基礎知 ...
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本日紹介いたしますのはこちら、「んぐるわ会報」第4巻です。
スクウェア・エニックスさんのヤングガンガンコミックスより刊行されました。

作者は高尾じんぐ先生。
今までの紹介は「んぐるわ会報」のテーマにてまとめましたので、よろしければご覧ください。

日々雑務をこなしたりこなさなかったりする生徒会の活動を描いた本作。
会長の留年やら、文化祭やら体育祭やらと色々と様々な出来事が起こってきた本作ですが、伊予湖の第4巻で完結!
とうとう見納めです!!

この第4巻、老人ホームでのボランティア活動や雪かき、バレンタインデーなんかの数々のイベントが収録されています。
ですがやはり目玉はなんと言っても三年生の卒業でしょう!

いつものように登校をする松戸。
すると下駄箱のところでなにやら会長が友人と雑談しています。
聞き耳を立てていたわけではありませんが、その会話内容はどうしても松戸の耳に入ってきてしまうわけで。
ところがその会話の内容は会長の叔父がヨーロッパに単身赴任しており、高校卒業を機に一緒に暮らすという衝撃的なものだったのです!!
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あまりのショックに生徒会室の片隅で体育座る松戸。
そんな様子を心配する生徒会一同ですが、松戸はふさぎこみっぱなしです。
そこへ会長が遅れてやってきて、その妙な空気について質問しました。
すると松戸、正直にヨーロッパの件を切り出します。
会長はイタリアに引っ越すことになったが、別にみんなには関係ないとあっけらかんと返答。
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更なる大ショックを受けた松戸は、たまたまやってきた先生に連れられて白くなったまま雑務に向かっていくのでした。

残されたメンバーでよく話を聞いてみると、イタリアに引っ越すのは会長の従姉妹一家だということが判明しました。
もうベッタベタなオチですが、とりあえずお別れということではないようで一同はほっと胸をなでおろすのでした。
……本当の事情を知らない松戸は落ち込みっぱなしですが……

翌日、1人図書室で勉強をしている松戸のもとへ会長がやってきました。
放している途中でうやむやになったが、松戸は何で悩んでいたのかを改めて問う会長。
松戸は「関係ない」という会長の言葉を思い出し、あえてぼやかして悩みを伝えます。
遠くに引っ越す知人が卒業する先輩に思いを伝えたいが胴切り出せばいいか悩んでいる、と。
ぼやかして言うにも色々葛藤している様子の松戸ですが、会長は特に気がつくこともなくさっさと告白するように勧めてきます。
ですが知人はその先輩にとってそういった対象にはとらえられておらず、告白はしないつもりらしいと自分の状況をそのまま当てはめて説明。
会長はそんなウジウジぶりに半切れ状態で、
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どうせ引っ越すんだからダメでも告白してみればいい、告白することで相手の気持ちも変わるかもしれないし、悔いを残してもしょうがないといつものいい加減ぶりからは想像しづらいまともな意見で返してきます!
そして
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相手の人もきっと待っている、とも!
ここまでならば割といい話で終わったところですが、会長はその知人のための晴れの舞台を生徒会が整えてあげようと言い出すではないですか!
そんな知人など当然いないわけで……どうする、松戸!!

というわけで卒業式を目前に控え、色々大変なことになっている本作。
松戸の気が気でない毎日は置いておき、現在の面子での生徒会活動も残り僅かという現状をかみ締める感動のシチュエーションもたっぷりと盛り込まれております。
更に次期生徒会員なんぞも登場し、漫画は終わってもまだまだ生徒会のバトンは渡され続いていくというこちらも感慨深いイベントも収録。
いつものドタバタに加え、卒業という学校ならではのイベントを大事に取り扱っているのです!

感動のお別れを迎える「んぐるわ会報」最終第4巻は好評発売中です!
全4巻で、レギュラーメンバーが欠けることになる卒業までをコンパクトでありつつも丁寧に描いた本作。
本作のメインテーマだったかもしれない、会長に対して松戸が告白するのかどうかも一応決着!!
その結末は是非あなたの目で確認を!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


んぐるわ会報 4 (ヤングガンガンコミックス)
スクウェア・エニックス
高尾 じんぐ

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