本日紹介いたしますのはこちら、「ハーメルンのバイオリン弾き~シェルクンチク~」第5巻です。
スクウェアエニックスさんのヤングガンガンコミックスより刊行、ヤングガンガンにて連載されています。
作者は渡辺道明先生。
本作の今までの紹介は「渡辺道明」のテーマにてまとめておりますので、あわせてご覧ください。
第4巻で明かされたシェルの過去。
彼は妖精武闘術(スピリットアーツ)という魔術を使いこなすための実験材料とされて体を改造されてしまっていたのです。
その技術をめぐって相棒であるピロロと喧嘩をした状態のまま、過酷な夏合宿へ向かうことになってしまいました。
寮のルームメイト同士の二人一組でチームを組み、残り十人になるまで深い森の中でサバイバルをしながら戦うというこの夏合宿。
シェルはグレートとチームを組むわけですが、開始早々アクシデントに巻き込まれてしまい、自力で魔王の力を制御したグレートに助けられました。
ですがその衝撃で衣服が破れてしまうシェル。
その下からはつぎはぎだらけの無残な体があらわになったのでした。
自分の体は呪われているのだと涙を流し、地面にうずくまります。
ですが感傷に浸る間もなく二人に襲い掛かる影がありました。
その影とは、キイとエレクトという女性二人のチーム。
魔王の血をひくグレートを倒したとなれば箔が付くと、開始早々動いたというわけです。
そんな大胆な作戦を取るだけあり、キイとエレクトはかなりの実力を持っていました。
打撃と魔法のコンビネーションで激しく攻め立ててくるその真っ当な戦闘力だけでも十分脅威だというのに、彼女たちは徹底してシェルのほうを狙ってきます。
そんなシェルを身を挺してかばい続けるグレート。
シェルは攻撃をかわすわけでも抵抗するわけでもなく、こんな役に立たない上呪われた体である自分をかばうことなどやめてくれと泣き叫ぶばかり。
そんなシェルに対してグレートが言ったのは、それをやめないか、というもの。
開始直後に起きたアクシデントを魔王化して回避したグレート。
今までは怒りを感じたときに期せずしてなってしまったことしかなかった(ギャグで変身したことはありますけど)魔王の姿。
その時始めて自分の意思で制御できたのです。
呪われ、穢れた運命は魔王の血を引くグレートもいやというほど体験してきました。
その運命を抱えながらもまだ一回だけながらその運命に抗えたグレート。
彼だからこそこの台詞に重みを含ませることができ、シェルの心を動かせることができたのでしょう。
一緒に運命を変えよう、という言葉に……
運命に抗う意思を完全に取り戻したシェル。
自分のつぎはぎだらけの体がグレートや敵チームに見られてしまうこともいとわず、自分が盾になる間に魔曲を弾いてくれと提案しました。
敵チームにその体が身持ち悪いなどと罵られてもかまわずグレートを攻撃から守り続けるシェル。
そんな決意に呼応するかのようにグレートが奏でたのは交響曲第5番……「運命」!
圧倒的な力で敵を撃破することに成功したのでした!!
戦いの代償は大きく、ほとんど瀕死ともいえる大ダメージを追ってしまったシェル。
ですが妖精のピロロが戻ってきてその癒しの力で傷を治してくれました。
そしてピロロはグレートにシェルの体に秘められた秘密を明かしてくれます。
シェルは改造された人間兵器だが失敗作で、改造によってもたらされたスピリットアーツを使えばその付加に耐え切れず、いつかばらばらになってしまう、という残酷な事実を。
ですがグレートは言います。
シェルは人形でも失敗作でもない、こいつならやれると信じている、と。
その頃、グレートの父であり前作の主人公であるハーメルの元へも異変が起こっていました。
平和な日常を過ごしていたはずのハーメルとフルートの元へ、突然何者かが襲撃してきたのです!
その何者かとは、ほかならぬシェルの幼馴染、ハーモニー。
ですが今の彼女は回想に出てきた優しげな彼女とは違い、顔色ひとつ変えずに鎌をふるって冷酷に人々を殺していく別人のような振る舞いをしています。
その無慈悲な鎌をフルートへ振り下ろすハーモニー。
しかしもちろんそう簡単に非道が許されるはずもないのです。
そう、
ハーメルがいるのですから!!
というわけで、大きく物語が動く今巻。
グレートやシェルが運命に立ち向かう決意を新たにし、激動の渦にハーメルたちも巻き込まれるという急展開を迎え、謎の多かった敵勢力の正体も徐々にあかされてきました。
ですがその敵勢力だけに集中するわけにも行きません。
サバイバル戦となっている夏合宿で、次々に襲い掛かってくる敵チーム。
その中にはあの人物も含まれていまして……
全体的な流れだけでなく、夏合宿編自体も要注目の展開を迎えています!!
また、今巻には07年に発表された本作の前日譚的なエピソードを加筆修正した「外伝 それから…」を収録。
更にオマケ漫画を8Pも描き下ろしたうえにカバー下本体にもおまけがあるという大充実振りです!!
ハーメルも物語に本格参戦を始める「ハーメルンのバイオリン弾き~シェルクンチク~」第5巻は好評発売中です!
前作の主役、ハーメルたちのバトルが描かれる本巻。
旧作ファンならば胸が熱くなること間違いなしの展開、見逃す手はありませんよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!
ハーメルンのバイオリン弾き ~シェルクンチク~ 5 (ヤングガンガンコミックス)
スクウェア・エニックス
2010-08-25
渡辺 道明
ユーザレビュー:
おもしろい相変わらず ...
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スクウェア・エニックス
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