3階の者だ!!

DEBがお送りするネタバレありのコミックス紹介ブログです。 短編物では一話にスポットを当てて、長編物ではこの後どうなるの?と言うところまで紹介しているつもりです! ※作品記事につきまして、権利者様が問題があると感じられた場合はご一報ください。対応いたします。

2010年09月

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本日紹介いたしますのはこちら、「BERSERK(ベルセルク)」第35巻です。
白泉社さんのJETSコミックスより刊行、ヤングアニマルにて連載されています。

作者は三浦建太郎先生。
本作の今までの紹介は「ベルセルク」のテーマにてまとめておりますので、よろしければご覧下さいませ。

天を突く巨大な体躯へと生まれ変わったガニシュカと、それに真っ向から挑んだグリフィスと鷹の団。
戦いは髑髏の騎士の乱入をきっかけに意外な形で幕を閉じます。
髑髏の騎士の剣を受けたガニシュカから「風」が噴出し、世界中に物語の中にしかいないと思われていた幻獣や怪物があふれ始めたのです!!

ガッツは魔の手が届かないパックの故郷、エルフヘルムへ向かい船旅を続けていました。
何事も無く船旅は進む……わけもなく、早速人ならざるものの襲来が待ち受けています。
後ろから迫ってきたのは、第33巻であっさりと蹴散らしたはずの海賊船。
ですが海賊船はそれはもうボロボロで、結構な大船であるガッツたちの乗る船に追いつけるはずが無いのです。
近寄ってみればいかにもと言った風貌の海賊船。
とにかくまた蹴散らそうとガンガン大砲で狙い打つのですが、ありえないことに水中に潜って玉をかわすではありませんか!
そして次に海賊船がその姿を見せたのは
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ガッツたちの船のすぐ横でした!!
あっという間に白兵戦に持ち込まれてしまったガッツたちの船。
迎え撃つ準備は万端ですが、なぜか海賊は攻め込んできません。
ですがシールケは、まるで船自体が魔物であるかのような邪悪な気を感じると警戒をしているとそれに答えたのは海賊船のお頭です。
が、なんか明らかに見た目が変。
第29巻で海賊から足を洗って真っ当な仕事をしようとしたらイシドロたちにこっぴどくやられ、第33巻で海賊業に戻ったら蹴散らされ……ガッツ一向にいろいろ痛い目に合わされているお頭ですが、ついには人間まで辞めることになってしまったのだそうです。
ですがお頭、割と魔物と相性がよかったようで、
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なんかキモイのとすっかり仲良しになって襲い掛かってきました!
次々に襲われ、食い散らかされていく乗員達。
イシドロたちは何とか抵抗するのですが、何せ数が膨大でキリがありません。
ピンチか!と言うところですが、そこで登場するのは
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やはりこの男、ガッツ!
現れるなり八面六臂の大活躍、キモイのを一網打尽に!
あっさり撃退と思いきや、まだお頭には奥の手と言うか、隠していた力があったのです!
海から出てきた超巨大なキモイやつ!!
いままで乗員が食われまくっていたのは、この巨大キモイやつのひげに過ぎなかったのでした!
流石に今度こそガッツもヤバ……くはありませんでした。
久々の大砲+反動による回転切りで巨大キモイやつを一刀のもとに切り捨ててしまったのです!!
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間髪いれず、大砲を一斉に放って反撃するガッツたちの船。
輪をかけてボロボロになった海賊船に、お頭は涙目で更なる隠し玉があるようなことを言い出すのですが、残念ながら朝日が差し込んできて時間切れ。
魔物となったお頭たちは日の光の中では行動できず、すごすごと逃げ帰って行ったのでした。

魔物の撃退には成功したものの、こちらの船も多大な損害を被ってしまいました。
やむなく近くの小さな島にある漁村により、修理などをすることに。
ですがこの島、なにやら様子がおかしいのです。
村に祭られた異形の古代の神、
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村全体に漂う生臭さ、陰気で奇妙な住民達……
まるで某インスマスな感じのムード漂う村で、何かが起きることは間違いなさそう。
そしてイシドロはこの村でただ1人だけ普通な感じの少女、イスマと出会うのですが
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彼女もまた何か秘密があるようで……
ガッツたちが安らげるのはまだまだ先のようです……


というわけで、またまた本筋からちょっと外れたシリーズに入った気がする本作。
キャスカの無事が確保できるエルフヘルムにつくのにはまだ時間がかかりそうで、そうなるとその先にあるであろうガッツとグリフィスの決着がいつになるのかはもう三浦先生自身わからなくなってそうです!
お話事態はそれほど進展していない感じですが、イスマの正体や、この島でガッツに降りかかるピンチなど、気になる展開も多数あって先が楽しみなのは相変わらず。
相変わらずと言えば鬼の描きこみも顕在ですので、その壮絶な江面に感嘆するのもよろしいと思います!

どこへ行っても怪物が襲う、「ベルセルク」最新第35巻は全国書店にて発売中です!
本作では珍しい、海や海辺の村でのバトルがメインとなる今巻。
カラーピンナップなんかも付いて、絵を眺めるだけでも圧倒される内容になっていますよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


ベルセルク 35 (ジェッツコミックス)
白泉社
2010-09-29
三浦 建太郎

ユーザレビュー:
GACKTさんも絶賛 ...
日本のファンタジー系 ...
寄り道感が半端ない雑 ...
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本日紹介いたしますのはこちら、「地球の放課後」第2巻です。
秋田書店さんのチャンピオンREDコミックスより刊行、チャンピオンREDにて連載されています。

作者は吉富昭仁先生。
吉冨先生の作品は「吉富昭仁」のテーマにて紹介をまとめさせていただきましたので、あわせてご覧くださいませ。

2年前から世界のあちこちに現れ、人間を消してしまう謎の存在「ファントム」。
次々と人間はその数を減らして行き、今となってはもう誰もいなくなってしまっているのではないかと言うほど。
そんな中、たった4人であても無い日常を送っている少年少女たちがいます。
彼らは謎に包まれたファントムの正体をあばき、消えていった人々にまた会うことが出来るのでしょうか。
それても彼らもまた消えていった人々と同じ運命をたどるのでしょうか……

今となっては誰もいない八重子の実家を訪ねたり、なにやら様子のおかしい「具合の悪いファントム」とであったり、突然の雷雨で濡れ鼠になってしまったりと、様々な出来事に遭遇した正史たち。
とりあえずの冒険を終え、現在の拠点となっている家へと戻ってきました。
すっかり日も暮れてしまったので、今日はカップめんで簡単に夕食を済ませることに。
女の子たちがどれにするか吟味している中、正史は先に食べていてと言い残し、風呂の準備と畑や田んぼの様子を見てくると外に出て行きます。
手際よく風呂の準備をこなし、畑のほうへと歩き始める正史。
ですが突然足が重くなり、その場に倒れこんでしまったのです。
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雷雨に見舞われたとき、水着で遊んでいた女の子達とは違って普段の服装だったのがいけなかったのかも知れません。
どうにも体が動かず、星を見上げたまま正史は眠りについてしまうのでした。

夢の中で、正史は妹と星の監察をしていました。
その観察の最中、妹はこのまま放課後が続けば良いのになと呟き始めます。
正史は放課後が終わればまた朝が来て授業が始まるよと普通に返すのですが、妹はなにやら妙な返しをしてくるのです。
放課後が終わったら次に来るのはまっくらやみな夜であると。
そしてこう続けるのです。
無理しちゃだめだ、早苗達3人の女の子を守れるのはおにいちゃんだけなんだから……と。
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3人と出会う前に消えてしまったはずの妹がなぜその名前を知っているのかと驚く正史。
そんな疑問は無視し、星が綺麗だと空を見上げる妹。
ですがこの空、あまりにも星が多すぎる……綺麗過ぎるのです。
そして妹はおにいちゃんは一度この夜空を見ている、思い出して、と語るのでした。
すると輝き誇る星々はいっせいに降り注いで……

そんなところで正史は3人娘に起こされ目を覚ましました。
心配する一同をよそに、正史はいきなり気づいたことがあると言い出します。
ファントムの中に広がっていた星空、その中に「夏の大三角形」が見えたというのです。
つまりファントムの中の星空は、地上から見た光景だと言うこと。
そしてその星空は、夢の中で見たように星の数が増えていたのですが……
あまりにも材料不足で、これが意味することがわかるのはまだまだ先になりそうです。

翌日、まだ熱の冷め切らない正史を半ば無理やり静養させ、普段彼任せになっていた風呂掃除や田畑の手入れをすることにした3人娘。
なれない仕事に悪戦苦闘する彼女達ですが、そこへ寝ていなきゃいけない正史がふらりと姿を現します。
そして畑にいる杏南、風呂場(外ですけど)にいる八重子、田んぼにいる早苗、それぞれにありがとうとささやきながら抱きしめたのです!!
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アホの子である杏南はともかくとして、正直正史にホの字な早苗と八重子はニヤニヤが止まりません。
ですが正史って、ありがとうと優しくささやくだけならまだしも、皆を抱きしめちゃうようなキャラでしたっけ?
ともかくこの幸せを自分だけの胸のうちにしまっておこう、とは露ほども思わない杏南の発言によって皆が抱きしめられてことを知った3人は正史に詰め寄るのですが
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一歩も外に出ていないとか!
自ら女の子を抱きしめるようなキャラではない正史ですが、女の子に嘘をついて取り繕うようなキャラではもっとありません。
一体コレはどういうことなんでしょうか……?

と言うわけで、謎が謎を呼びまくる本作。
ファントムの中身の星空が、おそらく地球上から見た星空だと言うことがわかったくらいで、後はもう謎が増えただけと言うような謎っぷりです。
他のエピソードや、星が増えていると言う空から考えて、ファントムは地球の環境を改善するエコ大使なんじゃないか……と言う考えがすぐ浮かんじゃいますが、実態はまだ闇の中。
ファントムに吸い込まれた人たちはその「向こう側」にいるのかや、第1巻にも出てくる時空の歪みなど、とにかくひたすら謎だらけ。
吉冨先生によれば今巻には重大なヒントが散りばめられているのだそうで、今巻の様々な要素が後々明かされる真相へいたる複線なのであろうと考えると、より興味深く読めてしまうのではないでしょうか!

謎だらけな終末のスローライフ、「地球の放課後」第2巻は全国書店にて発売中です!
謎解きも大変結構なのですが、のんびりした日常やらお色気要素やらの散りばめられた生活パートも十二分に楽しい本作。
シリアスもゆっくりも楽しめる、1粒で2度おいしい内容ですよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


地球の放課後 2 (チャンピオンREDコミックス)
秋田書店
2010-09-17
吉富 昭仁

ユーザレビュー:
世界観 二重丸◎そう ...
まったりと進行中?  ...
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皆様つつがなくおすごしでしょうか。
このたび「世紀末オカルト学院」がめでたく無事完結いたしましたが、皆様はどのようなご感想をお持ちでしたでしょうか。
ホラー好きのオレは第1話は相当楽しませていただきまして、第2話目以降はなんか思っていたのとまったく違う方向に行ってしまいましたがそれはそれで面白く、第11話からのヒドイ超展開には度肝を抜かれ、ラストの文明の男ぶりに熱くならせていただきました。

そんなクライマックスが展開していた9月中旬、うまいことタイミングが合いまして聖地巡礼を敢行。
映像をキャプチャーする環境など無い俺は、記憶を頼りに大体こんな感じ?と言ういい加減な按配で思い当たる場所を撮影しました。
簡単な紹介と共に貼り付けて行きたいと思います。

まず、真田宝物館。
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文明が美風に案内してもらったスポットそのいちです。
真田邸の土蔵にあったお宝を展示しているそうで、解説なんかも充実したなかなかの見ごたえある施設でした。
なんか雪舟の掛け軸とかもありました。
展示内容から考えると300円の入場料は大変お安いのではないかと。
駐車場もこのあたりの施設では一番多く、駅からも近めですし隣には観光案内所もありますんで、もしお越しの際はここを拠点にすると宜しいかもしれません。

お次は真田邸。
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放映時のリアルタイムで行った方は改装中では入れなかったようですが、俺が行ったときは開いてました。
でも家紋入り提灯とかは無かったような……
連休中だったこともあり、人が多くてしっかり間近で撮影できませんでしたが、なんとなく感じはつかんでいただけるのではないかと。
中はなんか狭い和室がすごい数ある大きいお屋敷になってまして、日本庭園や土蔵なんかもありました。

で、文明と美風が一息ついたおやき屋さん。
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暖簾の内側から見たアングル。
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真田宝物館のすぐ隣と言うか、はすむかいと言うか、とにかく近くにあります。
気になるのはやはりおやきですが、こちらのおやきは皮を焼かず蒸すタイプのものでした。
ちょっと小ぶりで150円と、長野の民からするとお高めに感じてしまう値段設定は観光地仕様と言うことでご愛嬌。
スタンダードなナスや野沢菜の他、じゃがバターなんかの変り種もありました。
つい先ほど観光地仕様のお値段とは言いましたが、お茶はセルフサービスで無料でしたし、プルーンもサービスしてくれましたので非常に素敵なお店だと思います!

次は象山地下壕(ぞうざんちかごう)。
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こちらが公開されている一番先の行き止まり地点です。
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中は非常に涼しく薄暗く、ダンジョン気分が味わえます。
ヘルメット必須ですが無料で貸し出し&入場も無料なのでご安心を。
結構わかりにくいところにあるので、行くときはしっかり下調べしていくことをお勧めいたします。
駐車場から遠いのがネックなのですが、地下壕の隣にある「もうひとつの歴史館・松代」を利用(200円)すればそこに駐車できます。
駐車場云々を抜きにしても、係員の方が地下壕の様々な歴史や出来事を解説してくれますので、せっかく来たんだからどういう場所なのか知りたいと言う方にお勧めです。
ちなみに地下壕、季節とか奇行の問題なのかもしれませんが、なんか椎茸的な匂いが充満してました。
その手のにおいに弱い方は気分が悪くなる可能性がありますんで、マスクとかあると良いかもしれません。

で、アングルとかだいぶ違いますが松代駅。
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そして目の前にある長野県民の強い味方、マツヤです。
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長野ローカルな西友、みたいなイメージのお店。
と言っても長野は土地が広いんで、同じ長野でもなじみの無い地域も多いんですけど。

最後は皆神神社です。
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こちらが本殿。
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本気で山のてっぺんにありまして、すごい勢いで曲がりくねった急な細い坂道を結構登る必要があります。
徒歩とか自転車で行く場合は相当な覚悟が要るでしょう!!
かなり雰囲気のある神社なんですが、駐車場に「ここは2~3万年前に作られたピラミッドなんだよ!」「スサノオノミコトが作ったんだけど、彼はすごい知能とかを持った超人類だったんだよ!」「ここは高天原なんだよ!」というなんていいますか、ものすごい妄想革新的な説が書き綴られた看板があるのが最大の特徴……かもしれません!
スサノオノミコトの宇宙旅行用基地だったとかも書いてあるんで、そりゃぁチュパカブラの1ダースや1グロス出てもおかしくありませんね!

と言うわけで、オカルト学院も完結した今しかタイミング無いぜ!と慌ててリポートをさせていただきました。
松代にはこのほかにも松井須磨子のお墓とか、佐久間象山の記念館や重要文化財の武家屋敷なんかの観光地が点在してますので、聖地巡礼した後お時間が余っていたらいろいろ見て回るのも面白いのではないかと思います。
車が無いとしんどいスポットも数多くあるのが難なんですけど……
オカルトなんてかけらも関係ないスポットばかりですが(皆神神社以外!)、大変興味深い巡礼でした。
お時間やご興味がある方は足を運んでみるのもよろしいのではないでしょうか!


世紀末 オカルト学院 1 【完全生産限定版】 [Blu-ray]
アニプレックス
2010-09-22

ユーザレビュー:
''70年代テイスト ...
作品は面白いのですが ...
最初はすごく面白いで ...
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アニプレックス
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本日紹介いたしますのはこちら、「百舌谷さん逆上する」第5巻です。
講談社さんのアフタヌーンKCより刊行、アフタヌーンにて連載されています。

作者は篠房六郎先生。
本作のいままでの紹介は「百舌谷さん逆上する」のテーマにてまとめておりますので、宜しければそちらも見てやって下さいませ。

さて、委員長の思惑とか百舌谷さんの難しい心情とかがいろいろ絡み合って大変な事態になった運動会。
とはいえ結局のところ誰も(一生懸命打ち込んでいたモブ女子の方々意外)傷つかずに無事終わったと言う見方もできる結果はヨシとすべきところでしょう!
ですが樺島はマッスルイケメンになって百舌谷さんのハートをゲットすると言うなんだかアレな暴走を続けており、なんだかまだまだ騒動は続きそうです!

委員長は悩んでおりました。
それはツンデレという病気のため気を使っている周囲を気にもかけず、ずーっと我関せずと言った様な態度を取る百舌谷さんがどうにも許すことが出来ないということ。
そんな悩みを抱えながらふと窓から景色を眺めていると、そこには中庭で百舌谷さんの靴を池に沈めたり踏みにじったりしているいじめっ子女子トリオの姿が見えました。
本来なら注意せねばならないところですが、一度いじめ的な目に会えば懲りて態度を改めたかもなどといった大義名分を思いついた委員長はあえてスルー。
さぁどうするとばかりに普通に下校する振りをして下駄箱での百舌谷さんを監視するのでした。
で、その百舌谷さん。
靴がぐっしゃぐっしょだったことに気が付いたかと思うと、
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超迫力の笑顔を浮かべるではないですか!
その迫力に委員長は正直恐怖を感じ、どこからともなくスペアの靴を取り出して帰る彼女を見送ることしか出来ないのでした。

そんな委員長のうちに、海外の仕事から久々に帰ってきた報道記者の父親が帰ってきました。
なんでも父親はかつて百舌谷さんの取材をしたことがあるそうで、ここぞとばかりに委員長は酒を勧めてべろべろに酔わせ、そのときの様子を語ってもらうことに成功します。
するとその過去の百舌谷さん、今の百舌谷さんからはちょっと想像しづらい恐ろしいことをしでかしたのだそうです!!

取材することで同じ病気の子供達を救いたい。
そんな動機で始められたこの取材。
百舌谷さんは絵に描いたような美少女な上協力的で、取材はそりゃもうスムーズに終わりそうでした。
ですがこのままでは彼女のプロモーションビデオをとってるようなものだと納得いかない委員長の父は取材を続行し、今度は学校内の様子に密着することにしたのでした。
学校も協力的だったものの、なぜか担任教師だけ浮かない表情。
それは彼女の本性を思い知らされていたがゆえの顔だったのでしょう。
事実凄まじい大事件勃発することになってしまいました。
学校の父母参観の日。
百舌谷さんのクラスは道徳の授業で、百舌谷さんはその授業で使う学級新聞を各クラスメイトに配っていました。
ですが配り終えたかと思うと参観日だと言うのにそのままトイレだと言って教室を出て行ってしまいます。
なかなか百舌谷さんが帰ってこない中、配った学級新聞をクラスのみんなが読み終えた頃
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クラス中で大喧嘩が起こってしまったのです!
そして百舌谷さんはその様子を、教室が見える校舎の屋上で
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薄笑いのような表情を浮かべつつ眺めているではないですか!
それに気が付いた委員長父は慌てて百舌谷さんの元へダッシュ。
百舌谷さんがあの大騒動の引き金を引いたことに感づいた委員長父君がやったのかと問いかけるのですが、百舌谷さんはあっさりと認めたうえネタ晴らし。
クラスのみんなに配った学級新聞には配られた人物が読むべき場所……恐らくはクラスの誰かがやったかわからない、いやなことがわかるような部分に赤線が引いてあったこと。
そしてニードフル・シングスという、報酬をちらつかせていたずらを働かせると言うことを様々な人物に行わせ、町を崩壊させる……といった小説の存在を。
更に百舌谷さんは密かに手を回し、PTAやらのお偉方が来る学校のPRビデオを自分がいじめられている様子を録画したものにすり替え、クラスどころか学校全体を混乱に陥れたのです!!

そんな大事件も百舌谷さんの血縁である超大物の根回しで取材テープなんかも回収されて闇の中へ。
今そこにある恐怖をほかならぬ父から聞かされた委員長は驚愕するしかないのでしたとさ。

こんなドギツイ事件を聞かされては委員長も放っては置けません。
……いじめっ子のほうを、です。
人気のないところでいじめっ子リーダーに説明し、いじめんのやめといたらとアドバイスした委員長。
これで起こるべき大事件は未然に回避できた……のですが、なんだか都合いいところだけ聞いていた担任の先生がいじめ撲滅の為に動いていたと思い込み、委員長を大絶賛。
更にその絶賛を職員室に仕掛けた盗聴器で聞いてしまった百舌谷さんはまた複雑です。
委員長と2人きりになったタイミングで、敵なのか味方なのかはっきりしろと問い詰めたかと思うと、
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別にあんたがなにをしようが感謝なんてしないんだからねっ!!とテンプレのようなツンデレを発揮してどっかいっちゃうのでした。
そんな様子を見た委員長もまた妙な勘違いをしてしまいます。
百舌谷さんの弱点はむしろ、徹底して優しく親切にすることで、慣れない人の温かさに戸惑い混乱して自滅するに違いない!と考えたのです!
それから委員長とそのお友達達による、百舌谷さん超ちやほや大作戦が始まるのでした!!

と言うわけでなんだか妙な方向に進んでいく百舌谷さんVS委員長。
非常に先が気になるところですが、それはこの構図だけではありません。
なんだかモテ期が来たと勘違いして自分をイケメンだと思い込んで変のほうへつっぱしっていく樺島。
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不意に現れた妙なキャラの女に迫られてしまう竜田兄。
その女をなんか操っている、過去百舌谷さんと何かあったらしい黒い服の少女。
そして樺島の弟を救おうと株で大金を稼ごうとしている中、とある衝撃の事実に気づいてしまう百舌谷さん……
様々な事件、出来事が連続して巻き起こる本作ですが、今巻後半の急展開もまた怒涛の事件が連続!
目を離す暇もない激動の展開に、もう我慢できない状態必死ですよ!!

またまた1冊にコレでもかと内容の詰め込まれた「百舌谷さん逆上する」第5巻は好評発売中です!
シリアスと思えばギャグ、ギャグと思えばシリアス、適度に萌え要素も取り込まれた贅沢な本作。
文字数が多く、絵も丁寧に描きこまれているのでぱっと見とっつきずらそうな印象を受けがちですが、それゆえに中身の濃さはガチ!
それでいて無駄な出来事なんかはなく、読みがいのある作品になっていますよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


百舌谷さん逆上する(5) (アフタヌーンKC)
講談社
2010-09-22
篠房 六郎

ユーザレビュー:
急展開!? 百舌谷さ ...
これは・・・新展開な ...
何だか意外とふわふわ ...
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本日紹介いたしますのはこちら、「イビツ」第2巻です。
スクウェア・エニックスさんのヤングガンガンコミックスより刊行されました。

作者は了春刀先生。
本作第1巻の紹介は10年8月22日の記事にて記載しております。
そちらも宜しければご参照くださいませ。

町を騒がす都市伝説、「怪奇ロリータ」の標的にされてしまった和樹。
自分は和樹の妹だと言い張りながら異常な行動を起こすロリータですが、その狂気はとうとう和樹の本当の妹であるヒカリにまで及んでしまい……

ヒカリがロリータに襲われていたことを知らない和樹は、自分の部屋に友人を招いていました。
鍵は取り替えてひとまず勝手に入られる危険はなくなったものの1人でいるのは恐ろしすぎますし、その友人は非常に協力的で、ネットで怪奇ロリータの事をいろいろ調べてくれる眼鏡のナイスガイ。
よくある(?)都市伝説まとめサイト的なところを発見し、怪奇ロリータの体験談を開く友人。
するとそこにはいくつかの体験談というか聞いた話のようなものが書き込まれており、そのどれもが被害者は「妹、いる?」という問いに「いない」と答え、最終的には自殺と言う形で死んでいると言うものでした。
ところが和樹のように「いる」と答えたものの話は載っていません。
じゃあ一体どうなるんだと怯えていると、突然部屋が真っ暗に!
停電かと思っていると、今度はインターホンの音が。
そっと覗き窓から外を見ると……やっぱりロリータです!
ロリータはドアノブをガチャガチャやり始め、やがてそれを止めたかと思うと「どうして勝手に鍵を変えたの」などと言い出します。
友人もいることで少しばかり強気になれたのか、バットを構えつつどあに近づいていく和樹。
ですがその瞬間、家の電話と携帯電話が同時になり始めます!
しかも表示された着信相手の名前欄には「通知不可能」の文字が……!
あまりの異常事態に耐え切れない和樹、反撃してやろうとドアに走り寄ろうとするのですが、イケメン友人がそれを阻止。
ネットに載っていた被害者が全員死んでいると言うのが本当でならばきっと本当は自殺などではなくころされている、そしてこのロリータが本物の怪奇ロリータなら危なすぎると!
一向にドアを開けない和樹にロリータは怒り心頭!
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ドアは叩きまくるわドアノブはガチャガチャやるわ電話は鳴らしまくるわ、手が何本あんだよと突っ込みたくなるほど壮絶に暴れまわります。
耐え忍ぶ2人ですが、程なくして音はぴたりとやみました。
帰った……?と思った瞬間、なんかうめき声とともにびじゃびじゃと何か液体が大量に滴り落ちるような音が!!
そしてドア越しに、あんまり意地悪されるとわけがわからなくなってしまう時がある、そうなるといつも私の前からおにいちゃんが消えている……だからもう意地悪しないで。
そういい残しようやく本当にロリータは帰って行ったのでした。

恐る恐る外に出ると、そこに残されていたのはなにやら異臭を放つどす黒い液体。
それに加えて今までのショッキングな出来事に、2人は会話も出来ません。
しかしその静寂を破り、友人はひとつの情報を発見したと声をかけてきました。
とある市のつぶれた精神病院にロリータが入っていったのを見た、というネットの書き込みです。
正直あてになるか怪しい情報ですが、藁にもすがりたい2人はその精神病院へ何らかの手がかりを見つけに出かけるのでした。

お調子者の友人を加え、3人で件の精神病院にやってきた和樹。
お調子者の彼はいざと言うときに証拠になるかも、とビデオカメラで撮影しながらの探索となりました。
捜索を始めてしばらくの間は、不気味な絵が見付かったくらいで特に何もありません。
そこで探索中の雑談の話題として出てきたのがこの病院で「数年前に医師がおかしくなり、病院内の人間を次々惨殺した」という噂です。
真偽など3人にわかるはずもありませんが、和樹を震え上がらせるには十分。
思わず体を硬くする和樹ですが、お調子者の友人の何かを見つけたと言う声に動かされます。
彼が見つけたのはなんか大きな袋。
死体袋か?などと言う友人ですが、精神病院にあるの……?と言う疑問は置いておいて、中に何かが入ってる感じに膨らんでいます。
しかも
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なんか動いたような気が……
恐る恐る友人が近づいていくと、ばったんばったんと元気よく動き始めました!!
やがてノそれが載っていた台から転げ落ちたかと思うと、袋の隙間から
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じっとこちらを見つめる目が……!!
慌ててそこを逃げ出す3人ですが、気が付くと眼鏡の友人の姿がありません。
お調子者の友人を呼び止めて探しに戻る和樹ですが、そのとき
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彼も何者かに連れ去られてしまっていたことに気が付かないのでした……

1人きりになってしまったことに気づいた和樹。
心細さやロリータへの恐怖で次々と幻を見てしまい、逃げ惑います。
溜まらず逃げ込んだ病室で、今のは幻だと必死に心を落ち着ける和樹ですが、今度はその病室の壁に異常があることも見つけてしまいました。
壁にびっしりと敷き詰めるように書かれた
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「お兄ちゃん」の文字……!
ですがこの部屋ではもうひとつ、重要なものが見付かったのです。
それはとある医師らしき人物の手記。
そのノートには、ロリータ服に身を包み、兄に長期にわたって虐待を受けた挙句、その兄が起こしたおっ火山札事件の唯一の生き残りの少女の診察記録のようなものが書いてありました。
それは、彼女は兄から妹なんていらないといわれ続け、ロリータ服を着ることを強要されながら毎日のようにしつけと称した虐待をうけていたようで、すっかりトラウマが刻み込まれていたという内容です。
そして彼女を救うために自分が兄になると決心したその医師ですが、兄に対する異常な恐れと執着心は強くなるばかり。
彼女を救うには、彼女の望みを叶えてやらなければならないのかもしれない……そんな記述を和樹が読んでいたそのとき、やってきました。
ロリータの正体を掴んだ和樹は説得をしようとするのですが、やっぱり無理。
ロリータは噛み付いたり注射器を刺してきたり首絞めてきたりとヤル気満々です!
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このまま和樹は殺されてしまうのでしょうか!?
姿を消してしまった友人達やヒカリの消息は!?
物語はこの後意外な展開を迎え、そして絶望のクライマックスへと進んでいくのです!!

というわけで、今巻も縦横無尽に暴れまわるロリータが描かれています。
その狂気はとどまるところ知らずで、第1巻に輪をかけたキモ恐ろしさを発揮しているのです!
そしてその今作の柱であるキモ恐ろしさともうひとつの注目点、怪奇ロリータの謎解き。
紹介のほうでもそのさわりは触れましたが、実はこの後更なる意外な本当の正体が明らかになっていきまして……
怪奇ロリータさんマジパネェっす!と恐れ入ってしまうことでしょう!
結末もそれはもう絶望的で、最初から最後まで徹底して恐怖を味わわせてくれますよ!!
また、巻末に収録されているイビツ異聞録と題した外伝的な読み切りもなかなかステキなイヤさです!
完全に本編とは関係なく、「編集奇譚」というタイトルが現すように漫画家とその前に現れた異様な風体と行動の編集者の間に起こる奇妙な事件を描いた作品となっています。
本編とは関係ないとはいえ、こちらに登場する編集者も怪奇ロリータに負けない異常振りを見せ付けてくれ、やっぱり相当なキモ恐ろしさを楽しめちゃいます!!

怪奇ロリータ縦横無尽、「イビツ」最終第2巻は好評発売中です!
おぞましさ、恐ろしさ、気味悪さ、どれもを兼ね備えたある意味理想の妹がわがままを押し付けてくる本作。
妹萌えの方も、ヤンデレ萌えの方もお断りしたくなるような酷さを心行くまで味わいませんか?
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


イビツ(2)(完) (ヤングガンガンコミックス)
スクウェア・エニックス
2010-09-25
了 春刀

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