本日紹介いたしますのはこちら、「バチバチ」第8巻です。
秋田書店さんの少年チャンピオンコミックスより刊行、週刊少年チャンピオンにて連載されています。
作者は佐藤タカヒロ先生。
本作の紹介は「バチバチ」のテーマでまとめておりますので、そちらもご覧下さいませ。
勝負への、相撲への想いの差で村神に見事な勝利をおさめた鯉太郎。
ですが勝負を終えた村神も吹っ切れたようで、次からはより強大な存在となって立ちはだかってくることになりそうです。
勝利を積み上げ、序の口優勝も見えてきた鯉太郎。
しかし空流部屋にはもう1人、全勝で優勝に近づいている人物がいました、
空流部屋きっての技巧派、吽形です!
開幕から波に乗って5連勝した鯉太郎と4連勝の吽形。
幕下以下の力士は全7試合で優勝を争いますので、すでに勝ち越しを決めた二人は7戦全勝の優勝を期待される立場になるわけです。
優勝を意識してしまって硬くなる鯉太郎ですが、勝負となれば全力でぶつかるいつもの姿に戻ります。
村神を倒し、ライバルでもある石川をも倒している鯉太郎はもはや優勝候補の筆頭といっても過言ではない存在。
その対戦相手は、わりと鯉太郎と仲のいい、ほかの漫画で言えば驚き役とかお調子者ポジションに位置する渡辺でした。
実力から言えば完全に鯉太郎が上。
ですが取り組みを前に、渡辺は激励に来た石川に「何もなければ5秒で終わる」と言う言葉を漏らしていました。
わずか5秒で勝利をおさめるという予告にも取れるこの言葉ですが、その自身の下であろう作戦は2人の立会いから披露されました。
鯉太郎が王虎と戦ったときにしたような、クラウチングスタートを髣髴とさせる構えを取ったのです!
普通の構えに比較すると力は込め辛いものの、スピードが出て相手の機先を制することの出来るこの構え。
面白いとばかりに鯉太郎も同じクラウチング構えを取りました。
行司の掛け声とともに突っ込んだ……のは、鯉太郎だけ!
渡辺は後ろに引いたかと思うと、鯉太郎のぶちかましをうまく受け流して真後ろにジャンプしてダメージを無効化!
ですが後ろに飛んだため土俵際に追い詰められてしまった渡辺に、鯉太郎はとどめのブチかましを放ちます!
しかしそれこそが渡辺の狙い。
突っ込んでくる鯉太郎の後ろへ回り込み、
廻しのあたりを両手で突いて土俵外へと放り出したのでした!!
完全に渡辺の書いたシナリオどおりに料理されてしまった鯉太郎。
敗戦にショックを受け、茫然自失状態で花道を引き返します。
待っていてくれた白水とともに引き上げるのですがその最中に石川が現れ、「何やってんだよ」と呟いたと思うと壁を蹴り付け舌打ちをして去っていたったのです。
鯉太郎はふがいない負け方をした自分を責める石川に言い返すこともできず、今までの稽古は無駄だったのかと一層落ち込んでしまいました。
その様子に白水はまさかのブチ切れ!
1敗ぐらいで大げさすぎだ、自分だけが特別だと思うな、運が絡むこともあるが基本は自分が弱いから負ける、だから稽古するんじゃないのかとまくし立てたのです!
そういわれて周囲を見てみれば、当の渡辺も、名もなきモブ力士達もそれぞれ相応の覚悟を持って角界に飛び込んできたという事実が見えてきます。
鯉太郎は自分がどこか相撲をなめていたという現実を実感し、より一層のやる気をみなぎらせるのでした。
鯉太郎が一皮向けた本日、吽形も正念場を迎えることになっていました。
5勝目を賭けた5番目の対戦相手は、あの本作のザ・嫌なヤツポジションを独走する大鵠!
大鵠は吽形に故意に怪我をさせ、休場に追い込んだ張本人である上、若手の頃から何かと阿吽の2人を痛めつけてきた因縁深すぎる相手です。
そんな大鵠、入場前にたまたま白水と遭遇。
いつものように空流部屋を馬鹿にするのですが、いつもは弱腰な白水も自分の尊敬する兄弟子達を馬鹿にされては黙っていられません。
白水は黙れブタ、と思わず大鵠を罵倒するのですが、その報復はあまりにも行き過ぎたもの!
ぼこぼこにしただけでは飽き足らず、なお兄弟子を馬鹿にする大鵠を許さないと叫ぶ白水の顔面を思い切り蹴り飛ばしたのです!!
知らぬところで更なる因縁を生んでいた大鵠に対峙する吽形。
いつもは冷静な彼ですが、今回は胸のうちに激しい想いを燃やしています。
自分の長期休場の原因を作った大鵠。
やつを倒さなければ自分の時間は動き出さない……
激しい闘志を滾らせ、宿命の怨敵との戦いに挑む吽形!
いよいよ注目の一番は時間いっぱいです!!
と言うわけで、2大注目戦が繰り広げられる今巻。
鯉太郎は思わぬ伏兵に敗戦を喫してしまうことになりました。
ですが主人公が敗北→パワーアップと言うのはお約束。
そのお約束イベントが、序の口のうちに行われたのはむしろはやいくらい。
一皮向けた鯉太郎の更なる飛躍が期待されます!
その敗戦相手だった渡辺ですが、作戦勝ち!頭脳派!と褒めるべき活躍をしてくれました。
でもリアル相撲では若手が変化しちゃうのは偉い人に嫌われがち。
あのあと親方から「序の口の癖に立会いで変化すんじゃないよ」と怒られたんじゃないかとちょっと不安になってみたりします!
ただでさえ王虎や石川、村神と現状でもライバルが多い鯉太郎に、今後新たなライバルキャラが出来るであろうことは予想に難くありません。
その頭脳で準ライバルとして生き残ってくれることを祈るばかりです!!
そして吽形VS大鵠も注目しないわけには行きません。
汚くずる賢くダーティーでキモメンと言う、いかにも悪いザコといった風貌の大鵠ですが、性質が悪いことに元関取の実力は本物。
吽形も技術では決して負けていないどころか上回っているといえるのでしょうが、なにせ相手はずるい上に強いという厄介すぎる相手です。
きっちり戦っても勝てるかどうかと言う相手に、反則すれすれの悪行ファイトまで仕掛けられるのですからもう大変。
吽形が勝てるのかどうか、再び故意に怪我をさせるような取り口を取られないか……
目の離せない戦いです!
鯉太郎の敗戦に、宿命の戦いと激戦が続く「バチバチ」第8巻は好評発売中です!
主役を上回りかねないかっこよさを誇る、吽形さんの勇姿が拝める本作。
気持ちいいくらいクズな大鵠のヒールっぷりと合わせてお楽しみくださいませ!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!