本日紹介いたしますのはこちら、「真マジンガーZERO」第4巻です。
秋田書店さんのチャンピオンREDコミックスより刊行、チャンピオンREDより刊行されました。
作者は原作が永井豪先生、脚本・作画が田畑由秋、余湖結輝の両先生です。
本作は「田畑由秋・余湖結輝」のテーマにて今までの紹介をまとめておりますので、そちらもお暇などございましたらご覧ください。
過酷な戦いの歴史がまとめられた「マジン大戦」。
そこに映し出された真実は、ミネルバが最良だと思っていたこの世界からは予想もしていない壮絶なものでした。
50億の人間が無残にも殺され、量産型マジンガーとともに挑んだ最終決戦もほぼ全滅。
ですがマジンガーZの活躍のおかげで最大の恐怖であった機械獣は何とか全機撃破に成功し、甲児はDrヘルとの一騎打ちに持ち込みます。
しかしその戦いで甲児はヘルの攻撃をまともに食らってしまい、その命を落としてしまっていたのです!!
今際の際に、「俺たちの勝ちだ」と言い残して死んでいった甲児。
この決戦はジリ貧になった人類が逆転勝利を狙ったものではなく、時間を稼ぐことが最大の目的だったのです。
その目的とは、光子力による巨大電磁ネットの展開のためのエネルギー充填!
ギリギリのところでネット展開が間に合い、世界はヘルの支配する地球と、半径200kmのごく小さな人類の砦とに分けられたのです。
時は戻って現在、苛烈な事実が記録されたマジン大戦の上映中にヘルの機械獣がやってきたと言う警報が鳴らされました。
命がけで展開されたこの電磁ネットは、機械獣のような巨大な物体の通過は阻むものの、対電磁装備を固めた人間サイズのものならば難なく隙間から通り抜けることができてしまいます。
しかもその機械獣ですら、ヘルは1週間かけて押し広げると言う方法を編み出して侵入を許してしまっているのです!
そのおかげで機械獣は週1と言うルールができていたわけですが……今回の機械獣はいつもとは雰囲気が違います。
突入してきた機械獣は、なんとあしゅら男爵が自身を改造してもらってと生まれ変わった、
機械獣あしゅら男爵!!
このあしゅら男爵は今までの機械獣とは比較できないほど強力なのですが、それはあしゅら男爵のヘルに対しての愛……だけの強さではありませんでした。
マジンガーの超合金Zの装甲もやすやすと貫くバロンニードル、ロケットパンチをも耐え切る強力な装甲。
なんとこのあしゅら男爵、先だってのマジン大戦のさい散っていった量産型マジンガーに施されていた超合金Zメッキを剥ぎ取って精製し、ボディの50%を超合金Z製にしているのです!
50%とはいえ、超合金Zは超合金Z。
あしゅら男爵の執念もあいまって、マジンガーは一気に劣勢へと追いやられてしまうのでした!!
その戦いの前、あしゅら男爵は甲児にこんなことを言っていました。
お前はヘルに殺されて死んだはず。だが戦わせるために無理やり兵器として生き返らされたのだろう?と。
甲児は仲間が呼ぶならば、腕をちぎられようが死のうが機械の体になろうが俺はいつでもやってくる!と返したのです、が……
死んだ甲児はなぜこうして当たり前のように生きているのでしょうか?
その事実も、読者と同様にこの世界にとっての来訪者であるミネルバが、光子力研究所にアクセスして情報をダウンロードしたことによって明かされたのです。
マジン大戦の激闘の末致命傷を負った甲児。
泣き叫ぶさやかですが、甲児の完全な死亡が確認されてしまいます。
やがてお別れを決意したのか、そっと甲児のなきがらに口づけをするさやか。
ですがその時、明らかな異常を感じました。
死後何時間もたっているのにまだ暖かく、
そしてなぜか甲児の体がブレて見えたのです!
どうやらそれは目の錯覚ではなく、弓教授もその事実を確認。
そこでもう一度詳しく検査してみると、死後8時間以上がたっているのに死後硬直などの変化が一切見受けられず、その上脳細胞はほぼ劣化がないと言う事実が明らかに。
いうなれば、時間が止まっている、とでも言うような事実が。
この状況がまだ続くならもしかしたら甲児は甦れるかもしれない、と弓教授は言います。
ですがその手段とは、全身をサイボーグ化するという衝撃的なもの。
施術すると言うことは、人間かどうかも怪しい手術を施してまで戦わせるということで……このまま死なせてあげたほうが甲児にとっては幸せなのかもしれません。
しかしそれでも、さやかがえらんだのは……
甲児は目を覚ましました。
死んでいた時も幽体離脱のような感じで周囲の状況がわかっていたと言う甲児、自分の体がどうなったのかも理解はしているようです。
自分を生き返らせてくれたことに対してか、彼女の涙に対してか、さやかに礼を言った後、甲児は勇気を振り絞って自分の体を確認。
そして起き上がります。
甲児の体は
生きていた時とは似ても似つかない、それこそロボット化サイボーグのような姿へと変貌していました。
普通の人間ならばこの姿を見てしまっては精神の均衡が取れなくいでしょう。
脳とわずかな神経系以外は機械の体となった甲児。
鉄の精神力で何事もないかのように振舞ってはいますが、「これこそが本当の自分だ」と言う実感を保てなければアイデンティティが崩壊してしまいかねません。
そんな苦労まで背負わせることはできないと考えた弓教授達は、ある仕掛けを施したのです。
ですがそれを使うには、生前の自分を詳細にイメージできなければなりません。
甲児自身が納得行くまでいくらでも待つと言う弓教授ですが、甲児はそれならば今だときっぱり宣言!
そして弓教授の指示通り、両手の拳を合わせて「マジンフラッシュ」と叫びました!!
すると大気中の元素を合成し新たな物質が作り出され、それが甲児の血となり、肉となり……
瞬く間に元の体を取り戻したのです!
この装置は「空中元素固定装置」!
そう、キューティーハニーでおなじみの装置です!
元通りの体となった甲児に泣きながら縋りつくさやか。
彼女は涙を流しながら、自分のわがままと言われても甲児がどんな姿だろうと生きていて欲しかった、一緒じゃないと戦えないと胸のうちを明かします。
甲児もそれを聞きながらそっとさやかの頭を抱き寄せ、みんなが、さやかが呼ぶならいつでも俺はやってくると応えたのでした。
そんな甲児の衝撃的な復活劇が明かされた今巻。
このあとはあしゅら男爵とのマジンガーの決戦、そして侵入してきた兵士と人間達の戦いが描かれていきます、
この侵入してきた兵士はヘルによって改造された罪もない人々。
顔見知りなども含まれており、ボス達も戸惑いを隠せません。
あしゅら男爵の力も強力そのもので、どんどんと追い込まれていってしまうマジンガー。
この絶望の世界でなおも襲い掛かってくる絶望。
果たして逆転はありうるのでしょうか!?
そんな新事実と手に汗握る戦いのほか、まだまだ注目の要素は多数用意されています。
空中元素固定装置の登場を皮切りに、様々な永井豪先生作品のキャラクターまでもが登場するのです!
さらに新ロボットのアルテミスAや、そのとんでもないパイロットスーツ&コネクト具合
などのロボット面、エロス面も充実!
あらゆる面で楽しませてくれますよ!!
壮絶な事実が明かされた「真マジンガーZERO」第4巻は好評発売中です。
立て続けに巻き起こされていく戦いや謎の解明に心躍る本作。
ヘルとの最終決戦や、どうも平行世界の記憶のフラッシュバックや干渉を受けているらしい甲児など、残された要素も期待できますね!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!