3階の者だ!!

DEBがお送りするネタバレありのコミックス紹介ブログです。 短編物では一話にスポットを当てて、長編物ではこの後どうなるの?と言うところまで紹介しているつもりです! ※作品記事につきまして、権利者様が問題があると感じられた場合はご一報ください。対応いたします。

2011年03月

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本日紹介いたしますのはこちら、「enigma【エニグマ】」第2巻です。
集英社さんのジャンプ・コミックスより刊行、週刊少年ジャンプにて連載されています。

作者は榊健滋先生。
榊先生と本作第1巻の紹介は、10年12月30日の記事にて記載しておりますので、そちらもよろしければごらんください。

未来を予知する「夢日記」なる能力を持つスミオ。
ある日突然彼の前にエニグマと名乗るおかしな存在が現れ、それに反応するかのように母が行方知れずとなってしまいました。
更にその次の夜、エニグマはスミオを閉鎖された学校の中でe-testというゲームに参加させます。
スミオと同じような特殊能力を持つ7人の仲間とともに挑むこのゲーム、クリアできれば願いがかなえられるらしいのですが……
クリアのためのパスワード7つのうち2つは手に入れたスミオたち。
ですが3つ目のパスワードは、焼却炉に閉じ込められたジロウかパスワードかの2択を迫られることになってしまったのです!

当初は自分はいいからパスワードがある部屋の扉をあけろと言っていたジロウ。
ですが突然豹変し、自分をさっさとここから出せと高圧的に命令をはじめたではありませんか!
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そのあまりの豹変振りにとまどうスミオですが、ジロウは自分が助かればいいのか、さっさとここから出せと口汚い言葉を吐き散らかすばかり。
閉じ込められておかしくなったのか、やはり次郎を助けたほうがいいのかと扉に手をかけるスミオですが、それをタケマルが阻止しました!
よく見ればジロウの体には奇妙な斑点ができており、何か異変が起きていることは確実。
ジロウを出したことによって異変が伝染などしたら手の施しようがない、と言うのです。
見殺しにはできない、パスワードはどうするんだと口論になるスミオとタケマル。
この調子では答えは出ようはずもありませんが、そのとき再びジロウに異変が起こります。
ここを開けろと叫び続けるジロウと、ここを開けるなと主張するジロウ、まるで二つの人格があるかのようにその態度をころころと変化させ始めたのです!!
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とりあえずいつもの状態をキープしているジロウはこう語ります。
自分はシャドーに侵食されつつある、廊下で黒いモヤに飲まれたときに伝染したと思われるが、その瞬間にもやの中に人影が見えた。
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今は抑えているものの、全身を包まれれば自分もシャドーになってしまうだろう。
シャドーは人間で、捕まった者もシャドーになる。
これは命がけの鬼ごっこだ、と!
自分はもういつシャドーになるかわからない、だからもう残りの6人で脱出しろと息を荒げながら命ずるジロウ。
スミオはそれはできないと即否定し、意外なことにタケマルも、エニグマの思惑通りの行動をするのが癪だと言う理由ではありますが……それに賛同します。
モトもその意見に同意し、3人は一丸となってジロウとパスワード、両方を手に入れることを決意。
ジロウもまた、誰かにかつて言われた「あきらめてはいけない」と言う言葉を思い出し、力を合わせて脱出とパスの入手の同時成功を狙う気力を取り戻したのでした!!

なにかジロウに考えがあるそうで、扉越しに何かを教えられたスミオ。
そうしている間にもジロウの体はシャドーに蝕まれつつあります。
ジロウの言葉を聞いたスミオはすっくと立ち上がり、迷うことなくパスワードの扉を開けてしまったではありませんか!
するとジロウの部屋はカチリと音を立てて鍵が閉まってしまいます。
慌てる二人をよそに、スミオはまっすぐパスワードの入れられている箱を手に取り、モトに渡しました。
そしてスミオはパスワードの部屋の片隅の壁をほじくり、穴を開けようとしている様子。
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ジロウのいる部屋に火が放たれるのは3分後、脱出させる穴を掘ることなど無理に決まっています。
ですがスミオは説明する暇はないから協力しろと言い、二人に部屋の片隅においてあった校庭に立っているようなポールを持ってくるように指示しました。
二人で運ぶには重過ぎるポールですが、ここでタケマルが怪力を発揮し、スミオの指示によって今開け始めていた穴のそばへ立てかけてくれます。
時間は残り30秒、ですが開いた穴はやっと手が通せるくらいの大きさ。
このままではジロウの部屋が炎に包まれてしまい、そうなれば当然……
ところが当のジロウはよくやってくれたと言いながら、その穴に腕を突っ込んでポールに手をかけます。
準備は整ったと言うジロウ、「三次減算」なる能力を発動!
するとポールに突然3桁の数字が浮き上がったではないですか!!
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「三次減算」とは一体どんな能力なのか!?
どうやってこの部屋を抜け出すのでしょうか!?
そして、シャドーに蝕まれたジロウの体は大丈夫なのでしょうか!?

というわけで、ジロウの能力が明かされる今巻。
ジロウの能力も明らかになり、これで4人の能力が明らかとなりました。
残る3人、タケマル、しげる、アルの能力はどういうものなのかが非常に気になるところ。
そしてこの後、かなり謎めいていたその水沢アルこと、気ぐるみの中の人を中心にした物語が展開します。
気ぐるみの中から出てきた人物はどういった人物なのか!?
そのあたりも今巻で明かされます!

ジロウの衝撃の過去も明かされる、「enigma【エニグマ】」第2巻は好評発売中です。
パスワード自体は順調に集まりつつあるものの、不安もまだまだ隠せない本作。
脱出云々だけでなく、エニグマの正体などなど気になる点は満載!
このあたりがいつあかされて行くのかにも注目して行きたいところですね!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


エニグマ 2 (ジャンプコミックス)
集英社
2011-03-04
榊 健滋

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本日紹介いたしますのはこちら、「範馬刃牙」第27巻です。
11年1月に秋田書店さんの少年チャンピオンコミックスより刊行、週刊少年チャンピオンにて連載されています。

作者は板垣恵介先生。
本作の紹介は「板垣恵介」のテーマでまとめておりますので、そちらもよろしければご覧くださいませ。

さて、烈がボクシングで大活躍し、勇次郎が雷に打たれても普通にお散歩を続行し、バキがゴキブリを師匠とあがめた第26巻。
はてさて、今巻では皆さんどんな予想外の行動を起こすのでしょうか!?

常にバトルにいい感じの食べ物を食べている気がするバキ。
ですがどうもそんなわけでもないようで、その日はコーヒーなどを入れておりました。
するとなんか首筋にぞわぞわ来るものが。
バキをここまでゾワらせる存在といえばあの方しかおりますまい。
来てる来てる、ヤバイヤバイといいながらバキが二つコーヒーを入れて振り返れば、もうそこには勇次郎さんがどっかりと座り込んでいたのです!!
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なんか予感したから二つ入れたんだよ!といいながら勇次郎と自分の前にコーヒーを置く勇次郎。
勇次郎はズズッと一口であらかた飲み干した後、バキにお前が望む親子関係とはこういうことか!?と問うて来ました。
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だいたいそうだよ、と答えるバキに、勇次郎は怖気づいたのかと迫ります。
すると今度は、オヤジに怖気づいてなかったことなんて1秒もない、恐れ、慄き、慕い、憧れ、尊敬し、憎悪してたよ!と返すのです。
じゃあその憎悪をなんでぶつけないのだとやる気満々な勇次郎に対し、バキは2人の間で行われるべき戦いは「試合」なんかじゃなく、日常の生活の中で自然に起こる親子喧嘩こそがそれだとキッパリ。
それを聞いた勇次郎、なるほど確かにと意外にあっさりと納得……するのですが、早速闘志をむき出しにして「この俺にまずいコーヒーを飲ませるとは何事だ」と切れはじめたのです!!!
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ところがどっこい、バキはそれに
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土下座してごめんなさいと陳謝します。
が、そのあと勇次郎にウソはダメだよと言い出すではありませんか。
なにせ勇次郎さん、コーヒーを計2口で飲み干しているんですから、そのコーヒーがまずいと言うわけがないと言うのです。
たとえ些細でも、ホントのトラブルじゃなきゃいけない。
バキの条件は妙に厳しいです!!
そんなことを聞かされて、俺にはわけわからんといった風情の勇次郎。
彼に対し、バキは今度は勇次郎がコーヒー入れてよ!と結構無茶なお願いをしました!
勇次郎、今度はなにやら嬉しそうな顔で立ち上がり、勇次郎の入れたコーヒーは飲めるよ!と言い出すのです!
その方法とは、要するに力づくで叩きのめして入れさせろ!と言うもの!
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なぜかちゃぶ台をちぎりながらその方法を教えてくれた勇次郎さん、綺麗にそのちゃぶ台を4等分したところで、そうすれば飯だって炊かせられる、と言い残して帰って行きました。
バキはその姿を見送りながら、こう考えるのです。
なんだ、そんなことでいいんだ……と。
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バキさん、「ご飯の支度」を賭けて地上最強の生物との大決戦に挑むと言うのでしょうか!!

そんなこんなでとりあえず団欒ティータイムを終えたバキさん。
そんな彼のもとに意外な人物が戦いを挑んできます。
その人物とは、あろうことか柴千春さん!!
最大トーナメントでは相当な存在感を誇ったものの、その実力と言うとちょっとハテナマークをつけるしかない彼が何故今になってバキに戦いを挑んできたのでしょうか!?
それもひとえにある人物の手回しによるものなのですが……
バキはこの戦いでなにを得ると言うのでしょうか!?
千春のど根性がバキに真っ向から襲い掛かります!!

また、ボクシング界をあっさり制覇しそうだった烈にも意外な敵が立ちはだかります。
飛びぬけた実績も強さもない、年も36とピークは完全にすぎている地味なボクサー、ジョー・クレーザー。
ですが、試合前に烈の元を訪れたマホメド・アライの予言どおり、烈は苦戦を強いられるのです!
スピードにも乏しく、決して突出したパワーがあるわけでもないジョー。
そんな相手に列はなぜ苦戦すると言うのでしょう!
久々にバトルをしている本編に負けじと、ボクシング編始まって以来の熱戦が繰り広げられるのです!

と言うわけで、すっかりおなじみ範馬家の日常が描かれる今巻。
戦うきっかけと言うか、火種のようなものこそ示唆されましたが、まだまだ二人が戦う日は遠そうです!
なんかこのまま勇次郎がおさんどんしてくれちゃうんじゃないかと妙な期待感も募ってくる、二人の親子関係に注目するしかありますまい!!
とはいえ久々にバキの戦闘も行われ、烈が強さを見せ付けるだけだったボクシング編もやっと「戦い」になってまいりました。
バキは正直負ける要素のないVS千春戦に何を見出すのか。
まさかの大苦戦を強いられる烈は、この強敵をどんな技で倒すのか。
こちらのほうも見逃せないところですね!

どんどん勇次郎が話せる人になっていく気がする「範馬刃牙」第27巻は好評発売中です!
最新第28巻は4月に刊行が予定されていますが、同時に刊行されるチャンピオンコミックス版「餓狼伝」も気になるところ。
未読の方はそちらのほうもこの機会に読んでみてはいかがでしょうか!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


範馬刃牙 27 (少年チャンピオン・コミックス)
秋田書店
2011-01-07
板垣 恵介

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本日紹介いたしますのはこちら、「藤子・F・不二雄大全集 オバケのQ太郎」第10巻です。
小学館さんより刊行されています。

ただいま刊行中の本大全集は、「藤子・F・不二雄」のテーマで紹介をまとめております。
お時間などございましたらそちらもご覧くださいませ。

さて、さまざまな雑誌で連載されてきた「オバケのQ太郎」もとうとう第10巻。
今巻では「小学五年生」誌に掲載されていたものをメインに、「マドモアゼル」「明星」「ボーイズライフ」と言う意外な雑誌に掲載された作品が収録されています。
「小学五年生」の掲載作品は普段通りのノリの、ドロンパの登場からQちゃんとのライバル関係がしっかり描かれた「ドロンパ登場編」と言えるようなお話が展開します。
こちらも大変面白く興味深いのですが、やはり今回は「マドモアゼル」誌にて連載されたQちゃんの恋を紹介したいと思います!!

お留守番中のQちゃん。
何かむしゃむしゃと食べていると、誰かが尋ねてきました。
口いっぱいに食べ物をほおばらせたまま玄関に出ると、そこには見目麗しい女性がいるではありませんか。
彼女は今度となりの神成さんちに下宿することになった青山ミドリだと名乗ると、丁寧にお辞儀をして去って行きます。
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口いっぱいの食べ物のせいで何もしゃべれないQちゃん、ミドリを見送った後すぐ食べ物を飲み込み、あわてて神成さんちへ急行!
読書するミドリの元へと一直線に向かい、顔を真っ赤にしながらこちらこそよろしくと頭を下げたのです。
するとミドリ、おりこうさんねとQちゃんをなでなでしながらお友達になってねと声をかけてくれました。
きれいなお嬢さんに優しくされたQちゃんは大はしゃぎ!
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喜び勇んでおうちへ帰るのでした!!

野球から帰ってきた正ちゃんが家に入ると、中ではなぜかQちゃんが掃除をしていました。
こりゃあ天地がひっくり返るぞと茶化してみれば、Qちゃんは正ちゃんにもっときちんとしないと恥ずかしいよと逆に指摘してくるじゃありませんか。
しかもQちゃん、屋根のペンキを塗り替えようとか、家族のみんなも行儀良くしなさいとか、いきなり襟を正そうともくろむのです。
みんなはそれをわけもわからず見守るばかりなのですが、Qちゃんの行動はエスカレート。
夕飯のメザシがおいしいからと、ミドリのもとへと渡しに行っちゃうのでした!

ミドリさんはありがとうと受け取ってくれたようですが、そんなことは逆に失礼であることは言うまでもありません。
何で突然Qちゃんがこんなことをしだしたのか不思議に思う正ちゃんと兄さんですが、二階の窓からうっとりと外を見ているQちゃんの姿を見て確信します。
Qちゃんはミドリさんのことが好きになってしまったに違いない、と!
ずばりと当てられてしまったQちゃんは恥ずかしさのあまりそんなことないと反発!
苦し紛れに窓から見えるミドリへ向かって思いっきりアッカンベーをしてしまったのです!
どうだわかったかと正ちゃんたちに怒鳴りつけるQちゃん。
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ですが内心では相当なダメージだったようで、うっすら涙を浮かべながら押し黙ってしまうのでしたとさ……

というわけで、Qちゃんがお隣のミドリさんに恋焦がれるシリーズが収録されている今巻。
もちろんQちゃんのアッカンベーなどミドリさんは気にするわけもなく、かわいい弟分としてこれからも接してくれます。
QちゃんもQちゃんなりに一生懸命アプローチを続け、ミドリのために粉骨砕身がんばるさまはいつものこっけいな様子を通り越した、いじらしいほどの献身ぶりを見せてくれるのです!!
他の作品とは違い、Qちゃんとミドリさんの二人に完全にスポットを絞ったこのシリーズ、いつもと違った味わいを楽しめるのです!!

また、「ボーイズライフ」収録作品も非常に気になるところ。
とはいっても一本だけ収録された2Pの作品のほうではなく、特別資料室のほうに収録されている1コマ漫画のほうが興味深いく読める作品になっているのです!
まるで新聞に載っている風刺漫画のような雰囲気の1コマ漫画が9本掲載。
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リアル情勢を踏まえて世界平和を口にするなど、らしくない作品はこれまた必見と言えるのではないでしょうか!

珍しい作品が収録されている「藤子・F・不二雄大全集 オバケのQ太郎」第10巻は全国書店にて発売中です!
紹介した部分以外にも、ドロンパの活躍などがたっぷり収録されている本作。
中でもあろうことか、P子ちゃんにプロポーズまでする衝撃のシーンも拝めるのです!
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ドロンパのやろう、やっぱりP子狙ってやがった!!
その衝撃のシーンの行方なんかもひっくるめ、注目度の高い一冊ですよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


藤子・F・不二雄大全集 オバケのQ太郎 10
小学館
2011-03-25
藤子不二雄A

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本日紹介いたしますのはこちら、「藤子・F・不二雄大全集 オバケのQ太郎」第9巻です。
小学館さんより刊行されています。

好評刊行中の本大全集は、「藤子・F・不二雄」のテーマで紹介しておりますので、そちらもよろしければご覧くださいませ。

さて、ドラえもんと並んでの本大全集の目玉であるオバQもはや9巻。
今巻には「小学四年生」誌にて連載された作品と、「小学館コミックス」「小学館ブック」に掲載された作品が集められています。
今巻でもQちゃんの暴れっぷりは健在。
変わらぬはっちゃけぶりを見せてくれますよ!!
そんな中今回紹介したいのは、タイトルどおり珍しい事態になるエピソード、「Qちゃんイヌになる」です!

おやつに正ちゃんと柿を食べていたQちゃん。
Qちゃんは両手を大きく広げ、こんな大きな柿が食べてみたいなぁと食いしん坊ドリームを語ります。
すると、
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出し抜けに背後から巨大な柿がQちゃんにのしかかってくるではないですか!
勿論そんな柿が普通に存在するはずもありません。
正体はいきなり兄を訪ねてきたP子ちゃんでした。
流石優秀なP子ちゃんだけあり、その化けっぷりは見事なもの。
いつもあっけらかんとしているQちゃんも、鮮やかな化けっぷりを見せられては自分が化けられないことが残念に思えてきてしまうのです。
自分もオバケの学校に行けばよかったなぁなどと呟くQちゃん。
ですがそこで一つの名案が浮かびます。
丁度今、化けるのが上手なオバケ……P子が来ているのですから、化け方を教えてもらえばいいと!
しかし、さしものP子でもそう簡単に物事は教えられません。
うまく教えられないとしぶるP子ですが、Qちゃんは一番簡単なのでいいから教えてくれと頼み込みました。
それならばとP子は簡単な変身を教え始めてくれるのですが、途中でドロンパが尋ねてきて、話があるとP子を連れて行ってしまうではありませんか!
ドロンパのやろう、P子ちゃん狙ってやがるのか……!!と言う冗談はさておき、1人置いてけぼりになってしまったQちゃん。
まだ指導は途中ですが、我慢できないQちゃんは教わったところまで1人でやってみようと変身術を試します。
すると見事に変身は成功しました!
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イヌに!!
Qちゃんは自分で自分の姿に怯え、たまらず外へ飛び出してしまうのでした!!

すると街角で野良犬に話しかけられるQちゃん。
イヌだと怯えるQちゃんですが、野良犬は冷静にお前もイヌだろうと突っ込みつつQちゃんをとっ捕まえます。
面白い顔をしてるから子分にしてやると息巻く野良犬ですが、Qちゃんは隙を見て逃げ出すことに成功。
いきなりトラブルにまきこまれるQちゃんですが、苦難はまだまだ終わりません。
小池さんには餌だといってガムのかすを食わされ、正ちゃんのパパには庭を荒らす野良犬だと勘違いされて水をかけられ、オマケに見知らぬ男の子にボケと言うイヌと間違えられ、連れて行かれてしまうのです!!
変身を解いて逃げればいいじゃん、と言いたくても、あろうことかQちゃんはまだ変身のとき方を教わっていません。
あわれQちゃんは囚われの身に!どうなっちゃうの、Qちゃん!!

正ちゃんとP子はQちゃんを必死に探していました。
探しても探しても見付からないQちゃんはその頃何をしているのかと言いますと、おおいびきをかいて眠っていたのです。
そのいびきが耳に入った正ちゃんたち、こんなおおいびきをかくのはQちゃん以外にはいるまいとその声のほうへと走り出しました!
ですがそのおおいびきでQちゃんは連れて行かれていた家を追い出されてしまっていたのです!
しかも運の悪いことに、正ちゃんたちが声に向かう途中、Qちゃんにそっくりな顔をした犬のボケ2出会ってしまい……これがQちゃんだと勘違いして連れて帰ってしまいます!
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物言わぬボケを、疲れているんだと重ねて勘違いしたP子はそのまま布団を敷いて眠らせてあげ、これが単なる犬だとは気が付かないまま。
みんなが寝静まった頃、道に迷っていたQちゃんはようやく家にたどり着くのですが、戸口を叩いても誰も出てきません。
僕のこと忘れちゃったのかな、とうなだれながらとぼとぼと町を歩いていると、夜中なのになぜかそこをタイミングよくドロンパが通りがかりました。
早速ドロンパに事情を話すと、バカだなぁと馬鹿にしながら丁寧に教えてくれました!
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流石一流のツンデレドロンパ!ひょっとしたらQちゃんが行方知れずなのをP子あたりに聞いていて、密かに探してくれていたんじゃないかと勘繰っちゃいます!
ようやくもとの姿に戻り、喜び勇んで家にはいるQちゃん。
とにかくへとへとなのでぐっすり眠ろうと思って布団をめくるとそこにはボケが眠っていて……
Qちゃんは最初から最後まで犬に悩まされるのでしたとさ。

と言うわけで、犬化したQちゃんというなかなか見られないものが拝めるエピソードを収録した今巻。
Qちゃんは今回も様々なことにチャレンジし、その全てで騒動を起こします。
相撲部屋に入門しようとしてみたり、押し売りにチャレンジしたり、病気のママのかわりに一日ママを果たしたり、郵便局を作ってみたりと実にやる気(だけ)に溢れているのです!
そのほか外伝的な西部劇や、毛がモジャモジャ生えたQちゃん、海に行ってもボートの上でラーメンを食べる小池さんなどなど、珍しいエピソード目白押しです!
そしてさりげなく今巻にはU子さんが大全集に初登場!
とはいえ初登場話はなく、ごく当たり前のように突然登場しててびっくりです!
掲載誌的な問題なのでしょうが、初登場話から読めないのはちょっぴり残念なような、逆にサプライズ的な楽しさがあるような。
ともかく本格参戦を前にして、先行体験できちゃいます!

また、特別資料室も大充実。
連載当時2掲載された企画ページに加え、けっこうガチな迷路やパラパラ漫画のサンプル、そして「20年後のオバケのQ太郎」なるものまで掲載!
Qちゃんの続編と言えば「劇画・オバQ」、「『オバケのQ太郎』あれから四年…」などが有名ですが、この20年後は企画ページだけに結構すき放題かいてます!
なにせ伸ちゃんが小型ジェットみたいなので会社通ってますし、神成さんなんて生きてる上にゴルフに行ってるみたいですしね!

元気なQちゃんが今日もハッスルする、「藤子・F・不二雄大全集 オバケのQ太郎」第9巻は好評発売中です!
Qちゃんだけでなく、ドロンパなんかも魅力を存分に発揮している今巻。
おおらかなギャグに、安心して読めるクオリティは今回も健在です!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


藤子・F・不二雄大全集 オバケのQ太郎 9
小学館
2011-02-25
藤子・F・不二雄

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本日紹介いたしますのはこちら、「藤子・F・不二雄大全集 みきおとミキオ/バウバウ大臣」です。
小学館さんより刊行されました。

好評刊行中の本大全集の紹介は「藤子・F・不二雄」のテーマでまとめておりますので、そちらもよろしければふぉ参照くださいませ。

さて、本作は74~75年に「小学四年生」「小学五年生」で連載されていた「みきおとミキオ」と、76年に「小学二年生」「小学三年生」「小学四年生」で連載されていた「バウバウ大臣」を同時収録した一冊となっています。
どちらも半年から一年足らずで連載を終えている作品ですが、どちらもそんなことを感じさせない読み応えある内容に仕上がっているのです!

まず「みきおとミキオ」から紹介したいと思います。
主人公のみきおの家では妙な出来事が頻発していました。
ちょっとした小物がちょこちょことなくなっていたのです。
物を隠す妖精の仕業だ!!というわけではもちろんなく、かといってうっかりどこかへ置き忘れてしまったりしたというわけでもない様子。
まさか真昼間からちょっとしたものばかり盗む泥棒がいるはずもなく、結局原因はわからないのです。
ですがある時、家の中をすばやく横切って行く怪しい影を見かけたみきお。
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犬かとも思いましたが、その獅子丸の亜種のようなシルエットはどうも単純に犬と決め付けるには不自然すぎる気もします。
不思議に思いながら歩いていると、その犬が通り過ぎて行った後に何かが落ちているではないですか。
パッと見ただけでは用途が一切わからないそれを拾い上げ、とりあえず枕元においたまま、みきおは夜寝床に着くことに。
枕もとの電気スタンドを点灯させたまま物思いに耽っていると、いきなり天井にみきおと両親があの犬っぽいのを抱いた写真のようなものが映し出されるではないですか!!
あまりの不思議な出来事に飛び起きて両親をたたき起こすみきおですが、両親が来たころにはすでにその映像は消えており、夢だということで片付けられてしまいました。
翌日も友達と遊んでいても、そのことが本当に夢だったのかどうかが気になってしょうがありません。
すると友達とバドミントンに興じていた最中、再びあの犬っぽいのが走って行く姿が目に入りました!
あわてて追いかけるみきお。
犬っぽいのは近所の山に掘られた防空壕後に入って行きます。
みきおがそれを追って行くと、犬っぽいのはぴょんぴょんと跳ねてにげまわり、穴なようになっているところに飛び降りたかと思うと忽然と姿を消してしまったのです!
それを見たみきおは驚きのあまりバランスを崩してしまい、自分もその穴へ転落。
そしてみきおも同じように姿を消してしまったのでした!!

みきおが目を覚ますと、そこはまるでドラえもんがすんでいるような未来都市の中の民家でした。
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冗談じゃない、どうやったら帰れるんだと慌てふためいていると、すぐ後ろに先ほどの犬っぽいのがいることに気がつきます。
お前のせいでこうなったと追い回していると、そこになんか未来人チックな服を着たままがいるではありませんか。
こんなところで何を?ときいてみれば、ママは当たり前のように何をしてるの、学習タイムが始まる時間よなどといいながらみきおをひとつの部屋へと連れて行きます。
何がなにやらわけがわからないままみきおは頭を抱えていると、そこに一人の少年が駆け込んできました。
その少年、
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どうみてもみきおじゃあありませんか!!

その未来のみきおのそっくりさん、ミキオによればこの世界はみきおのすむ世界の100年後なのだとか。
最近飼い犬のポンチが変なものを拾ってくるから妙だとは思っていたそうのですが、これでどうもみきおとミキオの時代がどこかでつながってしまったのだという事実を確信したようです。
みきおが気が着いた場所に行ってみて、エイとジャンプしてみれば、出てきた先はあの防空壕跡。
なにがきっかけかはわかりませんが、これでこの2つの世界はいつでも自由に行き来可能というわけです!
おまけに血でもつながっているのでしょう、都合いいことにみきおとミキオはそれはもうそっくり。
こりゃあ時々二人が入れ替わり、お互いにとっての異世界を楽しむしかあるまいということになるのも無理のないこと!
好奇心旺盛な二人のみきおは、こうして不思議で楽しい交換生活を送ることになったのです!

というわけで、異世界の自分との入れ替わりという題材をとった本作。
読み切りなどで近いコンセプトのお話を作っているF先生ですが、今作の目玉は二つの世界およびみきおとミキオの微妙な性能差からくる食い違いやギャップでしょう!
みきおにとっては超未来の技術でワクワク、ミキオにとっては図鑑などの知識でしか知らないナマの自然と、それぞれ体験したことのない出来事で楽しみ、未経験のことをすることで起きるトラブルが話の肝となっています。
タイムワープといういろいろ問題ありそうなことをしているにもかかわらず、ほかの作品のようなパラドックスやらタイムパトロールやら、ワープホールが消えそうになるやらのシリアスな要素は一切なく、とにかくこの境遇を満喫する様子などが描かれているだけの明るい作品であるのもまた本作の珍しいところ。
多く存在するF先生の時間移動ものの中でも、トップクラスに気楽に読める愉快な作品となっているのです!


続けて紹介するのは「バウバウ大臣」。
こちらは異世界からの同居人もので、タイプとしては「チンプイ」が近いでしょうか。

学校帰り、妙にきょろきょろしながら歩いている少年、星野大二。
ガールフレンドのウララがなぜキョロついているのかと尋ねてみれば。なんでもママに犬を飼うことを許可してもらったんだそうで、捨て犬でもいないかと探し回っていたんだそうです。
結局見つからないまま家についてしまうのですが、犬がほしくてたまらない大二は家に着くなりまた飛び出して行ってしまうのです。

町をふらふらしていると、大二はなぜか集まっていた友人たちと遭遇し、声をかけられます。
なんでも昨晩、UFOが近くの山に墜落したっぽいから探しに行くぞ!とのこと。
証拠として2つの流れ星のようなものが写っている写真を見せられるのですが、そんなことあるわけないと大二はスルー……したいところですが、相手はいわゆるガキ大将ポジション。
やむなくUFO探しに同行して山へ行くことになってしまったのです。

手分けして探そうということになり、じゃあここで犬を探しちゃおうとこっそり趣旨がえをした大二。
口笛を吹くと飛んできて、自分の後をころころとついてくるかわいい子犬。
そんな犬がいたら出ておいでとのたまいながら山を闊歩します。
すると、その呼びかけに応えるかのように
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不細工な犬とシンプルな顔の猫が現れるではないですか!
さすがにコレジャナイと判断した大二は踵を返してその場を去るのですが、その犬と猫はなんか追いかけてきます。
やばい、あんなの2匹もつれて帰ったらママが怒るよと全力ダッシュで逃げる大二ですが、あろうことかその2匹、
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空を飛んで追いかけてくるんです!
大二は驚きのあまり足を踏み外し、池に落ちてしまったのでした。

目を覚ますと大二はすっぽんぽんに向かれております。
来ていた服はきれいに干されており、目の前には先ほどの犬と猫が!
その犬と猫は当然のように人語をしゃべりだし、大二がアマンガワ星のアマンガワ王国の王子の生まれ変わりだというのです!
意味不明すぎる状況に頭がこんがらがった大二、あの二匹は頭がおかしいんだ、だから空飛べたりしゃべれたりするんだとつぶやきながらその場を離れます。
そのまま他のUFO捜索隊と合流するのですが、つい犬を探していたことをもらしてしまう大二。
そうなれば当然UFO探してなかったのかよ!とガキ大将に迫られてしまうわけで。
あわや鉄拳制裁というそのとき、先ほどの犬と猫がガキ大将の腕をつかんで食い止めてくれたのです!!
そして、自分たちを連れて行ってくれれば助けてあげるよ、というような交換条件を出してくる犬猫。
痛い目を見るのはいやですし、ペットを飼う許可は出ていますし……
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実際はそんな計算をするまもなく交換条件を受け入れる大二、2匹を連れて帰宅。
おかしな犬バウバウ、変な猫のミウミウとともにアマンガワ王子として王国の復権を目指す(?)生活の幕が開くのでした!!

というわけで、本人の生まれ変わりと見初められた人物という違いはあれど、口うるさいお世話役と超能力を持った生物が主人公を高貴な人物と崇めながらもいろいろとトラブルに巻き込むという、「チンプイ」に近い作品である本作。
そんな要素の他で本作中特に目を引くのが、連載三誌でそれぞれきちんと最終回を迎えているということでしょう
か。
話の形こそ一緒なものの、きちんと違った味わいに描きわけられている最終回は読み比べるとより楽しめます!
同じ話の形の、違った第1話を読み比べられるのはオバQなどでも楽しめますが、最終回が一気に3パターン読めるのはなかなかないはずです!
ミウミウのF先生らしからぬキモかわいいキャラデザインや、バウバウの王国再建のために金を稼ぐという第2の目的、バウバウたちから大二のお后にと勝手に見初められつつ、意外にまんざらでもなさげなウララなど、キャラクターも魅力的。
さらに大二のパパが漫画家で、その著作が「ボロえもん」で、意外なところで人気が爆発するなどの小ネタも取り入れられた、愉快な作品に仕上がっているのです!!

F先生の短めの連載作品を2作同時収録した、「藤子・F・不二雄大全集 みきおとミキオ/バウバウ大臣」は全国書店にて発売中です!
ややマイナーな2作品ですが、面白さはもちろん保障つき。
なかでも「バウバウ大臣」は一度しか単行本が刊行されておらず、注目度は非常に高いといえましょう!
同じく未収録話のあった「みきおとミキオ」とあわせて、必見の内容ですよ!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!



藤子・F・不二雄大全集 みきおとミキオ/バウバウ大臣
小学館
2011-03-25
藤子・F・不二雄

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