本日紹介いたしますのはこちら、「範馬刃牙」第28巻です。
秋田書店さんの少年チャンピオンコミックスより刊行、週刊少年チャンピオンにて連載されています。
作者は板垣恵介先生。
今までの本作は「板垣恵介」のテーマで紹介をまとめておりますので、よろしければあわせてご覧くださいませ。
さて、前巻で繰り広げられた烈VSジョー、バキVS千春。
バキは予想通り難なくにも程があるほど難なく千春をたたむのですが、千春はその不屈の闘志でまだまだ襲い掛かりなおしてくる様子です。
そして烈はと言うと、ボクシングのリングの上での技術に長けているジョーに思わぬ苦戦。
まさかのダウンを喫してしまったのです!
まずバキVS千春ですが、じつにあっさり敗れてしまったにもかかわらず千春はバキ宅へ向かい、再び戦いを挑みました。
バキはといえば余裕のよっちゃん、玄関のドアのすぐ前に千春が立っているのがわかっていながら、靴のかかとを踏んだまま扉を開こうとするのです!
千春さんによれば靴のかかとを踏んだままでは戦力は10分の1になるのだそうで、千春さんはなめんなとばかりに扉越しにバキへパンチを叩き込んだのでした!!
さすがのバキさんも戦力が10分の1ではぶっ飛ばされてしまいます。
ぶっ飛ばされながら、バキが感じていたのは単純に千春のパンチがすごい、という賛美。
のっしのっしと土足で家に上がりこんできた千春は転がっているバキを引きずり起こし、そのままスリーパーに移行。
バキも感心する力強さで締め上げたかと思うと、首を決めたままスープレックスで外へ放り投げる千春!
更に間髪いれず殴るわ蹴るわの追い討ちを叩き込み、バキを圧倒するのです!!
実際はたいしたダメージを負っていないバキ。
バキが感嘆していたのは、千春のもつ戦闘技術は非常に低いにもかかわらず、並ならぬ闘争心に引けをとらない強さを発揮していること。
これはすなわち、千春は技術や肉体だけでなく、闘志を強さにしていると言えるのです。
その事実に気がついたバキは、今までのやる気のなさから一転、テーマが出来たと構えをとったのでした!!
バキが見つけたテーマとは、もちろん闘志=戦闘力と言う己にはない千春の能力に触れることでしょう。
勇次郎と戦うには、強くなるための鍵はひとつでも多いほうがいいわけで。
バキはこの千春の能力は、彼のその戦いの美学にあると考え、思いもよらぬ方法でかたいかたい千春の闘争心をぶちおるのです!!
で、ロートルボクサーのジョーに絶賛大苦戦中の烈さん。
グローブによる打撃は脳をしたたかに揺らす効果があるようで、烈の司会はぐんにゃぐにゃに歪んだまま。
このままでは烈といえどもマズイでしょうが、烈はこの状態に陥るのは初めてではない、と過去の体験を思い起こしておりました。
それは修行時代にまでさかのぼったある日のこと。
ひも付きの砂鉄袋による痛打を受け、視界が歪みきった状態を体験する烈。
師はこういうときどうすればよいのか?ということを、おわんに入った豆腐をもって説明してくれました。
横からトンと器をたたけば、豆腐は激しく揺れてボロボロに。
これが先ほどの歪んだ視界を生んだ頭蓋骨と脳の状態であるという師匠、続けてもう一セット同じものを取り出し、こういうときの対処法を教えてくれました。
器をトンとたたいたその瞬間、師匠はそのまま思いっきりその場で大回転!
自ら回転することで横からの衝撃を打ち消したのでした!
さっそくその技術で、司会のゆがみから回復しきるまでの時間を稼ぐ烈。
うまいこと回復に成功するのですが、ジョーもそれで終わるようなタマではありません!
すさまじい勢いでそのスモーキンという異名のようにまとわりつき、烈に連打を叩き込んだのです!!
完全に回復しきっていなかったところに連打を受けてしまい、再びダウンしてしまう烈。
脳は激しく揺れ、立ち上がることもままなりません。
10カウントを聞いてしまうのかというこの状況で、再び脳裏によぎる過去の記憶。
先ほどとまったく同じ、器と豆腐で頭蓋骨と脳の状態を説明されている烈。
ですが先ほどと大きく違うところは、教えているのがあの郭海皇なのです!
郭から教えられていた、脳みそシェイクからの回復法とは?
こんなところで負けて入られない烈の反撃は始まるのでしょうか!!
というわけで、バキと烈の戦いが描かれた今巻。
両方とも実力差がある組み合わせかと思われましたが、バキも得るものがあったようですし、烈は意外なまでの大苦戦をしています。
バキが勇次郎に勝つというのはなかなか難しいことでしょう。
一ミリでも強くなれるのならばバキにはプラスですし、強くなってもらえれば千春さんも浮かばれるってもんでしょう!
で、今巻の帯にも描いてありますが、バキと勇次郎の最終決戦が間近に迫っているんだとか。
本当に戦えばその決着が本作のフィナーレとなるのでしょうが、烈のボクシングとか、戦いのことを考えるとつい喧嘩しちゃう独歩ちゃんや渋川さんの去就、病魔に蝕まれた徳川のじっちゃんが企んでいる事など、物語を締めるにはたたんでおかなければならない風呂敷がいくつかあるわけで。
板垣先生がどう物語を転がしていくのか、見逃せませんね!!
バキと烈の変り種バトルが収録された、「範馬刃牙」第28巻は好評発売中です。
確実に近づいてくるラストバトルに期待が膨らむ本作。
ですが、ちょっと前までは想像できなかった範馬親子の団欒もいろんな意味で楽しみなのは俺だけではないはず……!!
そのあたりにも期待しちゃいますよね!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!