3階の者だ!!

DEBがお送りするネタバレありのコミックス紹介ブログです。 短編物では一話にスポットを当てて、長編物ではこの後どうなるの?と言うところまで紹介しているつもりです!

2011年07月

画像

本日紹介いたしますのはこちら、「まほう少女トメ」第1巻です。
エンターブレインさんのビームコミックスより刊行、コミックビームにて連載されています。

作者は原作が武内優樹先生、漫画がおおひなたごう先生。
武内先生は本作がデビューとなるようで、本作がデビュー作で初単行本となります。
デビュー仕方も特殊で、どうやらおおひなた先生が担当編集さんにいきなりこの作品のネームを持って行って見初められた様子。
なかなか得体の知れない、注目すべき作家さんです!
おおひなた先生は、91年のデビュー後「おやつ」「犬のジュース屋さん」「特殊能力アビル」など、様々な雑誌でショートギャグをメインに発表してきた漫画家です。
一見すると児童向け漫画のような絵柄ながら、シュールとブラックジョークにあふれた作風が印象的。
近年ではギャグ漫画かを一堂に集めて大喜利を行う企画、「ギャグ漫画家大喜利バトル」を主催するなど、意欲的に活動されています。

さて、本作はある程度の制限はあるものの、基本的に何でも願い事を叶えてくれるまほう少女のトメと出会った人物がさまざまな恐怖体験をしていく作品となっています。
タイトルになっているものの、トメは基本的に願い事を叶える以外ほとんど物語には介入せず、各話のゲストキャラが主役となる方式。
続々巻き起こる惨劇の中で、今回紹介したいのは、今巻の中でもひときわおぞましい「指輪」というエピソードです!

ホテルのレストランで、セレブなイケメンとオサレなデートを楽しむ玉美。
車で来ているのにワインを楽しんでいる彼を見て、このままお泊りになるんじゃないか?などと期待に胸を躍らせます。
ですがそのイケメンはどうも玉美が左手人差し指にしている、大粒のダイヤの指輪が気になるようです。
イケメンはその豪華すぎる指輪の出所がどうも気になってしまっているようですが、どうも玉美はそのことについて話したくないようです。
ですが追求を逃れるためには仕方ありません。
彼女は「母の指輪」でありながら、「形見といえば形見だが、単なる形見とはいえない」その指輪について語り始めたのでした。

玉美が高校三年生の冬。
弟の正太郎が全教科のテストで100点満点を取った、と喜び勇んで帰ってきました。
正太郎はいつもせいぜい60点くらいの微妙な成績のはず。
不正でもしたのかと尋ねる玉美ですが、正太郎はしてないと余裕の表情で返答。
100点ひとつでお小遣いがもらえるから、これでがっぽりだとばかりに鼻息を荒くして大蔵大臣の母の帰宅を待つのでした。

程なくして帰ってくる母。
ですがその姿は見るも無残な姿になっていました!
画像

トラックにひかれたとのことで、折れた肋骨は飛び出し、首は折れ、顔面の半分は潰れていて……
大慌てで救急車を呼び、病院へ急行。
しかしどう考えても助かるとは思えず、絶望しながら駆けつけてきた父親と三人で手術室の前で待つのでした。

手術中のランプは意外なほど早く消えてしまいました。
これはすなわち手術が早々と終わった=手の施しようがなかった、と考えるのが自然です。
出てきた医師もその予想を裏付けるかのように、先ほど心停止が確認されたと打ち明けるのでした。
突然ふって湧いた絶望に、これは夢に違いない、と崩れ落ちる父。
するとどうでしょう。
医師も「そうなんです!これは夢なんですよ!」と言い出すじゃありませんか!
それもそのはず、後ろを振り返り、震える指で医師が指したそこには
画像

心停止が確認されたにもかかわらず、立って歩く母の姿があったのですから!!

母はまるでゾンビのように動き続けました。
医学的には間違いなく死んでいるものの、自宅に帰り今までどおり生活しようとする母。
あまりにも不思議で、あまりにも不安なこの出来事に戸惑うばかりの家族ですが、母には心当たりがあったようです。
先月、正太郎と母で祖母の様子を見に老人ホームに行ったときのこと。
祖母は元気ではあったものの、すっかりボケが進んでしまっておりました。
そんな姿を見た母は寂しさを感じながらも、自分は体は不自由になっても自意識は保っていたいなともらすのです。
その帰り道、通りがかった談話室で老人達に混じって一人だけ少女が習字をしているのが見えました。
少女は墨で全身汚れていたのですが、ちょっと目を放した隙にその汚れがきれいさっぱり消えているではないですか。
不思議に思っていると、いつの間にかその少女が近寄ってきていて、母の服のすそを掴んでいました。
そしてこういうのです。
画像

「アタシはまほう少女トメ」「あなたたちの願い なんデモひとつ叶えてアゲル」。
子供のごっこ遊びだろうと軽く考えた二人は、付き合ってあげることにして願い事をしてみました。
正太郎は「テストで満点取れるようになりたい」。
そして母は「ボケずに不死身でいたい」……!
トメは「とぐろめからもい」と不思議な呪文を唱え、去っていきました。
その時発したすごい光は不思議そのものでしたが、今のおもちゃにはそういうのもあるんだろう、と納得して二人は帰って行ったのです。

この母の不思議な体は、そのときのまほうが原因だったのでしょう。
母は喜んでいつものように家事をこなすのですが、体は死体ですから細かい動きができず、指を落としてしまいその縫合を玉美に頼んだり、体が腐り始めてきたりと今までどおりの生活などできようはずも無いのです。
やがて家族は母にこれからはこれ以上からだが崩れないようにしてもらおうと、業務用の大きな冷蔵庫を買って、その中で好きな推理小説でも読んですごしてもらおうと言うことになりました。
ですがその腐敗はもう止めることはできません。
画像

体はどんどんと崩れ落ち、家族からは疎まれていきます。
父は腐り果てた母を見捨てて不倫に走り、正太郎は母があんな体にもかかわらず参観日に来てしまったことで完全に切れてしまいました。
ただ一人最後まで味方でいようとした玉美ですが、母もとうとう我慢の限界を迎えてしまい、「火葬されてやる!」と言い出したのです!
ですが母はただ焼かれるだけでは終わりません。
死者の遺灰を加工し、人工ダイヤにしてくれるサービス。
それを実行し、今は二目と見られないほど醜い自分を、死後はせめて美しいダイヤの指輪にしてくれと玉美に懇願したのでした……

そうして生み出されたのがこのダイヤの指輪。
画像

現実とは到底思えないそんな話を聞かされては、基本的にそれほど人格者ではなかったらしいイケメンはドン引きするしかありません。
ましてやそれが本当の話だなどと必死で主張してくるのですから、まあ引いてもしょうがないかも……
手切れ金だと金をばら撒いて、逃げるようにタクシーを呼んで自宅へ帰るイケメン。
タクシー代を払おうとポケットをまさぐると、なにやら指が締め付けられるような感触がありました。
手を出してみると、その左手薬指にあの指輪が!!
先ほど玉美にすがりつかれたときに紛れ込み、偶然指にはまってしまったのか?
画像

……そんなはずはないじゃありませんか。
その指輪は紛れもなく、「不死身でボケない」母で……

と言うわけで、あまりにも理不尽でおぞましいエピソードを収録した本作。
腐り行く母の気味悪さと、それでも家族のためになりたいと言う思い、そして離れていく家族の心は、気味悪くもあり、切なくもある不思議な恐ろしさを感じさせてくれます!
なにより望みがかなったにもかかわらず、不幸にしかならないこのやりきれなさは相当!
その望みがかなったにもかかわらず不幸になってしまう、と言うのは本作の基本形ともなっておりまして、別にそういうことを狙っているわけでもないのに悲劇を招いてしまうトメの掴みどころのなさもまた恐ろしいところ。
さらにこの願いはどんな悲劇を招くのか?あるいは、この悲劇はどんな願いが引き金となって起こったのか?そこを探りながら読むと言う楽しみ方もできるのです!
その上叙述トリック的な仕掛けも施されており、ホラー的な要素だけでない様々な方向から読者を驚かせくれる本作。
ホラーでありサスペンスであり、ブラックジョークも盛り込んだ、贅沢な作品になっているのです!!

新鋭の意欲作にしておおひなた先生の新境地、「まほう少女トメ」第1巻は好評発売中です!
オカルト要素をふんだんに盛り込みながらも人の恐ろしさをしっかり描写している本作。
あの手この手で襲い繰る狂気を体感しませんか!?
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


まほう少女トメ 1 (ビームコミックス)
エンターブレイン
武内 優樹

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by まほう少女トメ 1 (ビームコミックス) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



画像

本日紹介いたしますのはこちら、「鬼の作左」第2巻です。
メディアファクトリーさんのMFコミックスフラッパーシリーズより刊行されています。

作者は西条真二先生。
本作第1巻の紹介等は「西条真二」のテーマにてまとめておりますので、よろしければそちらもご覧くださいませ。

さて、徳川家康の忠臣であった、本多作左衛門重次を主役に据え、その破天荒な生き様を描いている本作。
前巻では秀吉だろうと主君だろうと、圧倒する忠義を見せ、あの信長ですら一目置かざるを得ない豪気ぶりを見せ付けました。
今巻ではどんな活躍を見せてくれるのでしょうか?

まだまだ幼い少年ながら、並ならぬ頭脳を見せ、自分を殿に推挙しないか?と作左に提案してきた大久保平助。
作左もまた平助の才能を見抜き、次の三河を背負う人材として育てる決意をしました。
全三河を統一するための戦に借り出された平助は、口では強がりながらもそこはまだ六歳の子供。
戦果として部下達が持ってくる生首に恐怖を禁じえず、思わず戻してしまうのです。
ですがそこで作左の教育が始まるわけで。
画像

勝ち負け関係なく死人が出るのが戦。
「文」でなく、「武」での奉公を目指すと言う平助だが、どちらだろうと戦場には出てもらう。
自分は平和など見たことは無いが、きっと世で一番戦を憎んでいるであろう家康がきっと招いてくれるはずだ。
その為に戦って戦って戦い抜き、主君の望みを叶える。
それこそが奉公である!
作左の熱のこもった弁に、平助も負けじと対抗。
6歳の身でありながら、生首など屁でもない、奉公なら誰にも負けないとはっきり意思表示をしたのです。
その平助の表情を見た作左はにやりと笑い、そうでなくてはいけないと平助を認めるのですが、同時にこの三河を統一する戦が終わったら新たな強敵が現れるから、生首に驚いている暇はないと釘を刺しました。
その強大な敵とは誰なのか?
次に戦わねばならないその強敵とは……
画像

戦国の巨獣、武田信玄です!!

武田信玄と言うと、現在の調査では鎧の大きさからって150センチ強だとか、肖像画の扇子から考えて160センチ強だとか、諸説あるものの大体160センチくらいと言うことになっているようです。
ですがこの「鬼の作左」で出てくる信玄は、なんと身長七尺!ざっくりいって210センチ!!
しかも趣味が
画像

釜茹でにした絶命寸前の断末魔の叫び声を聞くこと……とのことで、今まで様々な作品に出てきた信玄像の中でもトップクラスの「怪物」として描かれています!!
そして三河の主が家康になったと言う話を聞くと、
画像

釜茹でにしてみたい、と鬼の形相で高笑いする見事なヒールぶり!!
その上、家康陣営が攻め落とすことになっていた遠江に、約束を破って進行を始める信玄さん。
その目的は、領土の拡大とかの普通の理由ではないのです。
真意を明かしてくれたのは、なんとその信玄の狂い振りを恐れてそっと抜け出してきた部下!
残虐な殺戮を強いてくる信玄はもはや病気。
「骨の砕ける音を聞きながら眠りたい」「馬のひづめで敵将の頭を踏み砕くのが趣き深い」などと日ごろ漏らしている信玄は、とにかく「戦がしたい」から約束を破って遠江に侵攻をしたんだと言うのです!!
無残な犠牲を生まないためにも、戦わずして傘下に入ってくれ、と遠江に来た信玄の部隊を追い払いに来ていた作左に訴える部下達。
それも決して相手をなめていっているわけでなく、本気で心から言っていることに流石の作左も戸惑います。
ともかくあの鬼作左が戦わずして降伏を選ぶことなどありえないわけで。
当然申し出を断る……前に、その場に現れたものがいました。
画像

巨獣、信玄その人です!!
敵の総大将が何故こんな最前線に来ているのか?
いうまでもなく、戦がしたいからでしょう!
戦いに飢えた、羆を超える巨躯を持つ信玄はまさに化け物以外の何の形容詞も浮かばない化け物!!
振り下ろした刀は、それを防いだ刀をやすやすとへし折る常識はずれの威力を持っています!!
果たして作左はこの化け物に一矢報いることができるのでしょうか!?
巨獣信玄と、戦国最強の呼び声も高い武田軍を相手に、作左決死の戦が幕を開けることとなるのです!!
画像


というわけで、あの武田信玄との戦いが描かれる今巻。
で、この武田信玄、本作のラスボスとなります。
つまりこの第2巻で完結!
鬼作左を語る上で避けて通れない、焼き殺すも残念ながら文章で描かれるのみなのです!!
本作の信玄は、ラスボスにふさわしい超強キャラ&ヒール振りを見せてくれているのですが、ここでの終了は残念としか言い様がありません……!
それでも、作左の忠義、豪放さは西条先生らしいエネルギッシュな描写でバッチリ描かれており、見所は十分。
化け物信玄も強烈なキャラを持ってまして、楽しめることは確実ですよ!!

作左の型破りな活躍が描かれる、「鬼の作左」最終第2巻は全国書店にて発売中です!
西条先生による作左の大暴れもこれで見納め。
物語全体にあふれる、パワフルな勢いを堪能すべしです!!
さ、本屋さんに急ぎましょう!!



第2巻であえなく終了となってしまった本作。
くしくも先日、西条先生の「キガタガキタ!」も終了となってしまいましたが、そちらは最終第5巻の発売予定が消えてしまっています。
本作と間を空けず最終巻が出る予定だったのに……超不安!!
秋田書店さん、マジお願いしますよ!!


鬼の作左2 (MFコミックス フラッパーシリーズ)
メディアファクトリー
2011-07-23
西条真二

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 鬼の作左2 (MFコミックス フラッパーシリーズ) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



画像

本日紹介いたしますのはこちら、「少女ファイト」第8巻です。
講談社さんのイブニングKCより刊行、イブニングにて月イチで連載されています。

作者は日本橋ヨヲコ先生。
本作の紹介は「日本橋ヨヲコ」のテーマにてまとめておりますので、よろしければあわせてご覧くださいませ。

さて、練の移籍をかけた新人戦も無事完勝をおさめた黒曜谷。
ですがキャプテンを取り巻く状況はどんどんとのっぴきならない状況になっており、千石との関係は難しく。
それでも練は、バレーでどんな嫌な思い出も殺して、いい思い出に生き返らせる……と訴えるのでした。

白雲山の1年生は、朱雀高等学校の1年生と練習試合をしていました。
1年生とはいえ本命と言える強豪の白雲山ですが、この朱雀には大分苦戦しているようです。
苦戦するのならば明確な理由があるはずですが、どうもいつのまにか追いつかれている……と言うような、つかみどころの無い強さなのです。
気分屋の唯が本気を出せば事情も違ってくるのでしょうが、唯は朱雀の選手が
画像

「何も考えないでバレーをやっている」からつまらないと、一向にやる気を見せないのです。
実はそれこそが朱雀の育成方針。
あえて選手に個性を作らず、選手のパワーバランスをそろえて安定感を出す。
それこそがこの朱雀の突出した点の無い=攻略の難しい強さを生み出す秘訣なのです!

途中、白雲山の攻撃を真似するかのように同じ攻撃で点を取ってきたときに唯がやる気を出すのですが、朱雀の選手の一人に家族らしき人物から応援の声が飛んだことで一気にやる気喪失。
唯を欠いたも同然の白雲山は、負けこそしなかったものの、ぎりぎりの辛勝をおさめるのがやっと。
ですが唯は悪びれず、模擬試験で満点をとっても意味が無い……などと言うばかりなのでした。

この白雲山VS朱雀の練習試合ですが、キャプテンが偵察しに来ていました。
その様子を窺いに千石も来ていたのですが、2人はまたそこで口論することになってしまいます。
それもキャプテンの朱雀に対するある感情のせいなのです。
朱雀高校の監督、槌家はサラの父親。
度重なる家庭内暴力のせいで、サラとサラの母親を路頭に迷わせた、憎むべき相手!
幼き日のキャプテンが、いつかバレーで強くなって倒し、大手を振ってサラと一緒にいる、と決意し、バレーを始めるきっかけともなった相手なのです!

千石は槌家に復讐するつもりで朱雀と試合をするのならやめておけと忠告したため、キャプテンは千石には関係ないと反発。
ですが千石は関係あると反論し、ついにこういうのです。
画像

父にキャプテンと本気で付き合うと告げる、と!
そんなことをすれば千石の父は責任をとるといって仕事をやめるだけだろう、もう戻る、とその後の会話を切り捨てて走り去っていくキャプテン。
今日の夜は親の決めた婚約者である三國と会食があるから……とその後の連絡もシャットアウトしてしまったキャプテンですが……
画像

その顔には抑えきれない涙と笑みが漏れていたのでした。

やがてキャプテンは、メンバー全員の前で堂々と朱雀の槌家はサラの父親で、絶対に倒したい相手だと宣言。
画像

しかしここで発表したのは意思表明だけでなく、サラが本当はどう思っているかを確認したいと言うこともあったようです。
ですがサラはそれにはっきりとした返事をすることができません。
周囲は思い空気に包まれたまま解散。
それぞれはそれぞれの想いを胸に帰宅するのです。

おそらくこれからの黒曜谷の指揮を左右するだろうこの事件。
ですがキャプテンを揺るがす事件はまだ続きます。
サラのことを含め、自分以外の人に迷惑をかけないからと言う理由で千石をあきらめ、三國と結婚することを決めたキャプテン。
が、キャプテンと三國の結婚に反対している広之が、前巻の千石とキャプテンのホテルでの密会を撮影したムービーを手に入れてしまったのです!
画像

このままではせっかくの決意も水泡に帰してしまいますし、避けたかった千石の父の失職も招いてしまいかねません。
本作の味方側(一応)の中でも飛びぬけて厄介な広之。
彼の思惑にキャプテンははまってしまうのでしょうか?
この事件、意外な方向に転がっていくのです!!

というわけで、サラとキャプテンを忠臣とした過去が明かされた本作。
これで主要キャラのバックボーン話は一回りし、これでいよいよ未来を見据えた話になっていくのでしょうか!
……ユカだけそういう話はありませんが、彼女の過去やら背景やらはないような気がします……
ともかくこのあと、物語はVS朱雀と、学の弟、明の引きこもり克服に焦点を当てて展開していきます。
前者はともかく、どうやって後者の流れに話を持っていくのか?
そのあたりはある人物の機転のおかげ。
いろいろな方向から、積まれている問題を一つ一つ解決していく流れはさすがといえましょう!!

そして今巻も好評の特装版が同時発売。
今回のオマケは明の描いた読切漫画の複製原稿(と言う体の漫画)です!
画像

入っている封筒も劇中の「少年ファイト」のものになっていたり、その原稿用紙も漫画用原稿用紙だったりと、細かいところにも行き届いた心配りが憎いブツになっているのです!
内容のほうは16Pと言うこともあり、かなりざっくりしたお話になっていますが、明の生い立ちなんかを考えるとなかなか深い感じがします!
なにより中学生なのにこれだけ描けるってすごすぎるよ!明君!!!

キャプテンとサラの過去が明かされる、「少女ファイト」第8巻は好評発売中です!
キャプテンがバレーを始め、サラがキャプテンの家の住み込み使用人のような存在になったきっかけとなる槌家が登場する今巻。
この壁との激突で、それぞれの絆がより強まるのか、ほころびるのか。
注目したいところですね!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


少女ファイト(8) (イブニングKCDX)
講談社
2011-07-22
日本橋 ヨヲコ

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 少女ファイト(8) (イブニングKCDX) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



少女ファイト(8)特装版
講談社
2011-07-22
日本橋 ヨヲコ

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 少女ファイト(8)特装版 の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



画像

本日紹介いたしますのはこちら、「イコン」第1巻です。
講談社さんのアフタヌーンKCより刊行、アフタヌーンにて連載されています。

作者は田中一行先生。
田中先生はあの四季賞で06年に佳作、07年に準入選を受賞した漫画家です。
本作が初連載の初単行本でいらっしゃるようで、今後ますますの活躍が期待されます!

さて、本作はふとしたことから特殊な力を持ってしまい、それがきっかけとなって様々な事件が起こる……といったような作品となっています。
期せずして過ぎた力を手に入れた彼に降りかかる、数奇な運命とは……?

とある山中にある、鳥居の立ち並ぶ奇妙な場所。
そこに一人の大学生が侵入していました。
彼は民俗学を専攻している金子直也。
彼がこの遺跡に忍び込んだのは、ちょっとした心当たりから、この遺跡らしきところにあるモノが金になるのではないかと思ったからです。
ここに安置してある奇妙な石版。
もしこれが歴史的な発見ならば、大金持ちとまでは行かないまでも、生活に困らないくらいになり、民俗学の調査も新幹線とかでいけるようになるんじゃないか?という浅はかな考えからその手を伸ばしたのです。
立ち入り禁止と表示してある奇妙な遺跡に侵入し、その中のものを勝手に持ち出す。
そんな誰が考えても悪いことに手を伸ばした彼ですが、もともと研究やらが大好きでそこまで考えが及ばない性格の様子。
さっさと家に帰ってちゃんと調べてみよう、とその石版をもって安置されていた洞窟から這い出るのでした。

するとその瞬間、いきなり奇妙な仮面をかぶった男に襲われてしまいます!
必死に抵抗するものの、仮面の男の手は完全に直也の首に食い込み、外すことができません。
明らかな殺意を感じさせる男。
このままでは死んでしまう!そう感じた直也は、視界の隅に入った先ほどの石版で相手を殴りつけて脱出しようと画策。
その瞬間、仮面が取れた男の体に奇妙な文字が浮かび上がりました。
画像

その文字が何のかは一切わかりませんが、とにかく感じたのは圧倒的な殺意!!
もはや直也にできるのは「放せ」と叫ぶことぐらい……
もはやどうにもならないと思われたその時、本当にその男は手を放すではありませんか!
しかもその顔には先ほどの奇妙な文字が、「放せ」という文字に変わって!!
とにかく間近に迫った死から逃れた直也は丸太で男を殴りつけ、窮地を脱出。
ですがその男の仲間らしい人々の声が聞こえてきたため、何もわからないままその場を逃げ出すことになったのでした。

家に帰りついた直也は、同棲している彼女、室井沙也に事情を説明します。
小さい頃秘密基地として遊んでいた場所がある民話の舞台になっていて、そこを調査に行ったら変な石版を見つけた、と。
大事なことは隠したまま、喜んでそんなことをかたる直也に対し、沙也は冷静に勝手に持ってきちゃ駄目じゃないと突っ込みを入れるのですが……
突っ込みを入れたらすね始める直也に対して強く責めることができないままうやむやになってしまうのです。
で、落ち着いたところで直也は、沙也に「上にまたがって首を絞めてくれ」と頼みました。
そういうプレイ……ではなく、先ほどの出来事を再現してみようとしたのです。
実際やってみると、先ほどと同じく石版を手にしたところで沙也の体に文字が浮かび上がります。
そして「放せ」とつぶやくと、その文字は「放せ」に変化し、沙也は放心したような表情でその手を放したのでした。
沙也は手を放したことを覚えていない様子。
その状況を改めてみたとき、直也は先ほど言っていたある民話の一説を思い出しました。
画像

「山奥に物の怪あり その手に触れし者 たちまち心透かされ その声に抗う術なし」。
まさに今、直也はその物の怪になり始めていたのです……!

この石版が歴史的に価値があるのかはともかく、「金になる」と考えた直也。
街に出た彼は、奇抜なファッションに身を包んだ女性に目をつけます。
経験上、ああいった服は高価だと確信している直也は、イコール彼女は裕福であると考えたのです。
画像

おもむろに声をかけると、彼女はナンパか?と大はしゃぎ。
カッコだけでなく、性格まで変わってるのか……という考えは胸にとどめ、彼女の腕を掴む直也。
すると彼女の顔に文字が現れるのですが、その内容は「触るな」と「殺すぞ」でいっぱい。
こりゃおっかない子だと思いつつ、直也は次のような命令を下すのです。
○×公園の男子トイレに行き、掃除用具入れの中にある紙袋に所持金を全部入れてこの場に戻ってきて、俺のことを全て忘れろ、と。

せめて光熱費くらいになれば。
そう思って直也は掃除用具入れの紙袋を見ました。
とてもじゃないが褒められたことではありませんが、まあそのときの所持金を失うくらいなら「どこかに落としちゃっ
た」程度で済むでしょうし、能力の万能具合からすればまだ優しい悪事と言えるのかもしれません。
ですが用具質の扉を開けた瞬間、直也は凍りつくことになります。
中に入っていたのは……
画像

500万!!
あまりにも高額すぎる金額ですが、置いていくわけにも行きませんし、警察に届けるにしてもどう説明していいものか。
何とか返したい、とは思うものの、それきりバイバイの予定だっただけに相手の情報は何もわかりません。
自宅に帰り、どうしようと思案に暮れているとそこに沙也が帰ってきました。
帰ってくるなり沙也がいうのは、向かいのアパートからこの部屋のをじっと見ている変な人がいる、ということ。
覗き穴からそっと様子を伺ってみれば、
画像

明らかに怪しすぎるオーラをまとう人物がじっとこちらをねめつけているのです!!
異常すぎる何かを感じた直也は、咄嗟に山奥で自分を襲った仮面の男関係か、あるいはあの500万円の女の関係かと敏感に反応。
気分が悪くなって外の空気を吸おうとまどにもたれかからうのですが、そとにあの仮面の集団が練り歩いているではありませんか!!
画像

慌てて沙也に戸締りさせ、警察に電話をする直也。
ですが、なぜか警察に電話がつながらないのです!
家は完全にばれており、相手は多人数。
自分だけならあの力で何とかなるかもしれませんが、沙也もいる今そう簡単に脱出は……
いきなり降りかかったこの窮地、直也は脱出することができるのでしょうか!?

というわけで、奇妙な力を手に入れた直也の捻じ曲がってしまった運命を描く本作。
このあとは勿論この怪しげな団体から逃げようとする展開となるわけですが、敵はそれだけではありません。
あの500万円持っていた女性は意外すぎる厄介な素性の持ち主でして、そちら方面の魔の手も伸びてくるのです。
更に、人の心を読める上、あやつれると言う力は恐怖の対象そのもの。
勿論それは味方であるものにとっても同じなわけで、直也が守ろうと必死になる沙也も例外でなく。
その上、その力をもつ直也自身も、沙也は自分のことを信じてくれているのかわからなくなり……
襲い繰る敵だけでない、疑心暗鬼などにも苦しめられることになるのです!

過ぎた力を得た男の運命は?「イコン」第1巻は全国書店にて発売中です!
渦巻く周囲の思惑に翻弄されていく本作。
数々のただならぬ雰囲気をまとう人物も登場し、物語はどう転がっていくのかが気になるばかりですよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


イコン(1) (アフタヌーンKC)
講談社
2011-07-22
田中 一行

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by イコン(1) (アフタヌーンKC) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



画像

本日紹介いたしますのはこちら、「フランケン・ふらん」第7巻です。
秋田書店さんのチャンピオンREDコミックスより刊行、チャンピオンREDにて連載されています。

作者は木々津克久先生。
今までの紹介は「木々津克久」のテーマにてまとめておりますので、よろしければそちらもご覧ください。

さて、漫画史上最高の医療スプラッタホラーコメディ漫画である本作も既に7巻目。
他にこのジャンルが存在するのかは置いておきまして、本作が独特の味わいがあるハイクオリティな作品であることだけは確かです!
あの手この手で襲い来る病気や事件の中、今回紹介したいのはゾンビ物の新たな解釈を描く「LIVING DEAD」です!

迫り来るゾンビたち。
手にした銃などで迎え撃つ人々の中に、ふらんもいました。
画像

ふらんは相変わらず、死体に見えるものが動き出して人を食べたりしているが、ゾンビと定義するのはどうか……などと冷静とものん気ともつかない発言をしていますが、見た感じではもう疑いようの無いゾンビっぷりのゾンビたち。
一体何故こんなことになったのか?
時間は少しさかのぼります。

南米はハイチに近い、難解に浮かぶヴァーゼシア島。
この島に最近流行し始めた、ヴァーゼル熱なる奇病の調査と治療にふらんはやってきていました。
かつてこの島には森に住むモワポゼと会うと死んでしまうと言う言い伝えがあり、人々はそれを恐れ敬ってきました。
ですが現在は開発が進み、森も切り開かれてしまっています。
たいていこういったアウトブレイク的なネタはこういう未開の地を開いてしまったことが発端なわけですが、今回はどうなのか?
ふらんはじきじきに現地で調査に向かったと言うわけなのです。

現地でふらんは以前にも何度か出会い、その度にトラブルに遭遇しているジャーナリストの伊集院と再会します。
いつもトラブルに巻き込まれるためか、伊集院は物凄い勢いでおびえるのですが……なんだかんだと二人は一緒に調査することになりました。
件の言い伝え、モワポゼについて原住の老人達に話を聞いていくと、モワポゼに襲われたものもモワポゼになり、目に付くものを何でも食い尽くす、と言うことがわかります。
一見すると良くあるホラーな言い伝え。
ですがふらんは行動パターンがあるということは物理的な要因があるはずだと考え、何かに似ている気がする……と思案をめぐらせるのでした。

一旦町へ戻ろうと、伊集院とともに車に乗り込むふらん。
ですがちょうどその少し前にヴァーゼル熱で亡くなったと思われてきた人たちがむくむくと起き上がって人々を襲い始めていまして、その勢力を拡大していたのです。
気が付けば相当な数になっていたようで、ふらんたちの車もゾンビたちに囲まれてしまいました。
画像

しかし幸運なことに武装して戦っていた人々に出会い、なんとか近く似合ったショッピングモールに逃げ込むことができたのです。
ゾンビから逃げ、ショッピングモールに立てこもる……まるでゾンビ映画そのものの状況を迎えたのでした!!

当然そのショッピングモールも絶対安全なわけじゃありません。
やっぱりゾンビ映画よろしく招かれざる訪問者……地元のマフィア達やゾンビが押し寄せ、混乱の渦に巻き込まれるのです。
そんな騒動の中、ふらんもゾンビに腕を噛まれてしまいます。
噛まれればゾンビの仲間入りをしてしまう。
主人公の感染は普通なら絶望そのものですが、体の取り外しも容易なふらんならばむしろこれで病気の調査がしやすくなるともいえるのです!
そろそろこのショッピングモールも限界だし、と伊集院はふらんに研究所に行こうと提案。
その一瞬の油断が命取り!
伊集院もまたゾンビの毒牙にかかってしまいました!!

ふと意識を取り戻した伊集院。
ゾンビに襲われたはずなのに……とモヤにかかったような頭で考えるのですが、あたりの状況を確認して恐ろしい事実がわかってしまうのです。
うつろな表情で、動かしづらそうに体を動かしてふらふらと歩き回っている自分。
……そう、伊集院は例のゾンビになってしまっているのです!
画像

ですが心臓は動いていますし。意識はちゃんとあります。
吐き気が止まらず、全身が痛み、猛烈な空腹に襲われて肉を求めてしまう……
今まで散々その手にかけてきたゾンビたちは、ヴァーゼル熱のそれらの第2症状に犯され、死んだように見えただけの生きた病人だったのです!!

その頃ふらんは無事(?)逃げ延び、頭部をパージして自身の体にメスを入れて病気の正体をつかんでいました。
病気の正体は、
画像

延髄に寄生する寄生虫の所業だったのです!
何らかの経路で人間に寄生し、繁殖の時期が来れば円錐に移動して人間を操作、栄養を摂取して繁殖地へ戻る……
ちょうどカタツムリに寄生し、カタツムリを鳥に食べさせて繁殖する寄生虫のレウコクロリディウムのような修正を持っているその寄生虫。
映画のゾンビとは違い、きちんと治療すればおそらく回復する病気なのですが、あまりにもその罹患姿が映画のゾンビのそれに近すぎたがために「殺す」ことに抵抗を生まなくなってしまったのです!!
そもそもゾンビ映画には「人間狩り」「略奪」と言うタブーを抵抗なく、あるいは少なく楽しめる……と言う側面もあるわけで。
ふらんは早いところ治療してこれ以上被害者を出さないようにしなきゃと憂うと同時に、この病気の発覚で「ゾンビが現れたら喜んで虐殺してしまうから」などとゾンビ映画が規制されなきゃいいけど……と心配するのでしたとさ。

と言うわけで、ゾンビ映画の新しい切り口を描いたエピソードを収録した今巻。
このテーマは先日刊行された「アーサー・ピューティーは夜の魔女」でもまた別のアングルで描いており、木々津先生のあふれ出るゾンビ愛が感じ取れるのです!
この他、あのガブリールがなぜか生徒に大人気の教師になるお話や、
画像

少し前に流行(?)した死亡届未提出による超高齢者が戸籍上で続出事件をネタに取った風刺調の物語、着々とその人数を増やしていく「センチネル」シリーズなどなど、注目のお話が多数収録!!
更に本作と平行して掲載された読切作品、「Phase20」も同時収録!
画像

ホラーではない探偵モノではありますが、「ふらん」にも劣らない木々津先生らしさが盛り込まれた作品でして、こちらも見逃せない作品となっています!!
恒例の作品解説もバッチリ収録。
更にカバー下本体のオマケ漫画も健在で、本記事で紹介したお話の後日談が楽しめるのです!!

メディカルホラーコミックの決定版、「フランケン・ふらん」第7巻は全国書店にて発売中です!
いままで事件に巻き込まれながらも基本的に無事だった伊集院さん。
今回はついにその毒牙にかかってしまったわけですが、その後どうなってしまったのか!?
そのあたりも描かれてますので、ご安心ください!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


フランケン・ふらん 7 (チャンピオンREDコミックス)
秋田書店
2011-07-20
木々津 克久

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by フランケン・ふらん 7 (チャンピオンREDコミックス) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



このページのトップヘ