3階の者だ!!

DEBがお送りするネタバレありのコミックス紹介ブログです。 短編物では一話にスポットを当てて、長編物ではこの後どうなるの?と言うところまで紹介しているつもりです!

2012年02月

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本日紹介いたしますのはこちら、「焔の目(ほむらのめ)」第1巻です。
双葉社さんのアクションコミックスより刊行、漫画アクションにて連載されています。

作者は押切蓮介先生。
押切先生の他作品等の紹介は、「押切蓮介」のテーマにてまとております。
お時間などございましたら併せてご覧いただけますと幸いです。

さて、本作は架空の世界観における日本を描く作品です。
押切先生の作品は、自伝的漫画やゲームを扱った漫画でない場合、オカルト、サスペンスなどのホラー要素を強く打ち出しているものがほとんどです。
ですが本作では、ホラー要素はほぼカット!
陰鬱な世界観と、アクション要素が主成分となっているのです!!

1929年。
中央アジアに位置する小国、「ショルゴール」は、突如として世界50カ国に宣戦布告します。
歴史の裏側で、密かに戦力を蓄え続けていたショルゴールは、圧倒的な武力で各国を次々に撃破。
その敗戦国に「自由な服従」か、「無残な死」を迫り、多くの国家を手中に収めてきたのです。
日本とも1941年に開戦を迎えたのですが、健闘むなしく1945年に敗北。
多くの国々と同じ末路をたどるかと思われましたが、ほかの国と違ったのは

時の指導者が服従でなく、自ら死を選んだことでした!
日本人の誇りを見せ付けたものの、それは同時に日本国全体を滅びへと導くことになってしまうのです。

そんな日本では、みな生きるために必死になっています。
女達もその例に漏れず……ここ、「花見月」でも新たに一人の女性が雇用を求めてやってきました。
ですが彼女は、この店が何をしているか知らず、衣食住と月三万円の収入があることだけを聞いてきていたのです。
花見月があるのは、赤線地帯。
政府公認で慰安業務が行われている土地……
すなわち、公式の売春宿なのです!
と言っても相手はもっぱらショルゴールの兵達。
我が物顔で日本を闊歩する彼らを相手に収入を得ているのです。
それだけに、ショルゴールの兵達は相当高圧的な態度を取ってきて、辛い日々を強いられているようです。

仕事の内容を知り、物怖じする女性を応対していたのはこの宿の主、恭子。
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今の時代、鬼だろうが蛇だろうが媚を売らなければ生きていけないよ、と恭子は冷たく言い放ちます。
ですがそんな時、その鬼であるショルゴールの兵がやって来てしまいました。
恭子は女性にもう帰りなと促し、女性もそそくさと走り去ろうとします。
ですがその兵、ガレントは女性の髪をつかみ、私の国の女性は貞操観念が低い。それに比べて日本の女性はいい……と、丁寧な言葉とは裏腹にその欲望をむき出しにするのです!
そんなガレントの行動に水を差すかのように、新たにそこへ一人の人物が姿を現しました。
ショルゴールの民のような赤い瞳を持った、まだ年端も行かぬ少女。
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沙羅と呼ばれたその少女にガレントの興味は移ったようです。
彼女は孤児で、恭子が面倒を見ていおり、ここの雑用として使っているんだそうで。
あくまで雑用であり、彼女は商品ではないと恭子は言いいます。
……が、ガレントはまだ興味を失っておりません。
埋め合わせはする、と恭子はフォローし、沙羅はそのまま立ち去っていくのですが……

沙羅は自分の寝床となっている、海辺の小さな物置小屋に戻りました。
座り込んで何か物思いに耽っていたようですが、そんな彼女の平穏を崩す人物が現われます。
……そう、
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ガレントです。
私は執念深いんです、と語るガレントは、わざわざ沙羅のあとをつけてこの場を探り当てたんだとか。
そして彼はその異常性を隠しもせずに語り始めます。
長い間この国と戦ってきたが、時が経つにつれて命をかけて勝ち取った勝利の余韻も薄れていく。
ならば生涯残る思い出を自分で作ればいい。
母国に戻るまでに、百人の初めてを奪う!
これくらいは神だって許すはずだ!
あまりに身勝手な告白に、恐怖して逃げ出す沙羅。
進駐軍に逆らえばどうなるかわからない。
そんなことは解っていても、こうなっては抵抗せざるを得ないでしょう!
ガレントの左手に噛み付いて暴れる沙羅ですが、それはガレントに怒りの火を灯すだけに終わってしまうのです。
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容赦なく沙羅に拳を振り下ろし、まだ日本人はショルゴール人と対等だと思っているのか、貴方達の地獄はこれからだ、やがて日本人はショルゴール人相手に商売すら出来なくなる……
ボコボコに殴られ、髪の毛も引きちぎられてぐったりとする沙羅。
それでもガレントは手を休めず、ボロ雑巾にしてやる、と野獣のような笑顔を浮かべるのです。
が、その瞬間!!
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ガレントの顔が大きく歪み、絶命!!
そしていつの間にかその傍らに大柄な胴着の男が立っており、このような男達に日本は敗れたのか!と言い放ったのです!!
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突如として現れた胴着の男。
彼が放ったのは、一撃必滅拳なる名の必殺拳でした。
彼との出会いが沙羅の運命を大きく変えることになるのですが……
同時に日本とショルゴールの関係性も大きく変化。
沙羅だけでなく、日本中が大きな変革の時を迎えるのです!
それも、絶望への変革の時を!!

と言うわけで、沙羅と胴着の男、クロの物語を描く本作、
記事では書いていませんが、冒頭では一撃必滅拳を振るう謎の少女が日本を変えるために戦っている6年後のシーンが描かれています。
素直に考えればその少女は、沙羅が成長した姿でしょう。
まだ押さなく、無力な少女である沙羅が、クロと出会いどうやってその姿に変わっていくのか?
そのあたりを描く物語になることはおそらく確実と言えるでしょう!
どんな物語が紡がれていくのかが気になるところですが、今巻ではクロの常軌を逸した強さと、ショルゴール人の非道さ、そして荒れ果てた国でのすさんだ人々の醜さが中心に描かれているのです!
激動に次ぐ激動が予想される本作、6年後に姿のないクロの行く末も含め、先の展開が楽しみですね!!

押切先生の挑む新境地、「焔の目」第1巻は好評発売中です!
ホラー要素なしとは言え、押切先生がやはり得意とするどろどろした人間の悪意とアクション要素をふんだんに取り入れている本作。
得意分野も取り入れたオリジナルの世界観とは言え、戦後と言う難しい次代に挑んでいる、押切先生の意欲作は今後も要注目です!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


焔の眼(1) (アクションコミックス)
双葉社
2012-02-28
押切 蓮介

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本日紹介いたしますのはこちら、「藤子・F・不二雄大全集 ウメ星デンカ」第3巻です。
小学館さんより刊行されました。

大好評の藤子・F・不二雄大全集の各巻の紹介は、「藤子・F・不二雄」のテーマにてまとめております。
よろしければそちらも併せてご覧くださいませ。

さて、母星「ウメ星」の爆発から逃れ、地球へと流れ着いてきたデンカたち一家。
太郎の家に居候しながら、なれない地球のルールに四苦八苦しつつウメ星再建のための費用をためるのです!

突然地球にやってきた、デンカ一家の従者ベニショーガの娘、ナラ子。
遠い星から父を尋ねてはるばるやってきた……といえば聞こえはいいのですが、その道のりは特殊な航行方法により30分程度のもの。
しかもわざわざやってきた大きな理由として挙げられたのが、「おかあさまが勉強しろ勉強しろとうるさくて」と言う……なんていいますか、プチ家出のようなてきとうなものなんです。
人の言うことは素直に聞かず、むしろ逆の行動を取るようなへそ曲がりで、地球にいじめっ子達なんか蹴飛ばして歩き、デンカにいたずらし放題。
でも、遠く離れた地球で暮らす父親と一緒に暮らしたい、という家族思いな一面もあったりする……なんていいますか、根がいい子だけになお厄介、といえなくもないような難しい子。
基本的には母親と一緒にプロシキマ星なるところで暮らしているのですが、初来日以来、ちょこちょこと地球にやってくるようになりまして。
デンカたちはその来訪に戦々恐々とする毎日を送っていたのです。

で、再びナラ子がやってくるとの一報を受けたある日。
太郎は慌てて家中の壊れやすいものを隠そうと走り回り、デンカはつぼの中に退避。
王様達は歓迎してやろうと言うのですが……そんな寛大な態度を取ってくれる王様に対し、ナラ子は姿を見せる前からベニショーガの体を浮かせて王様の肩に乗せるといういたずらをしちゃうのです!
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ベニショーガはいきなりの無礼に平謝り。
王様にあの態度、もう許せぬ!と怒り狂い、うんとアブラを絞って追い返すといきり立つのでした。

そんなベニショーガを上手くやり過ごして家の外を探し回らせるように仕向けたナラ子。
早速王様達の元へと戻ってくるのですが、デンカはつぼの中に隠れて居留守中。
かわりに太郎がナラ子と遊ぶことになってしまうのです。

太郎の部屋に入るなり、なんか面白いことはないかときょろきょろやりだすナラ子。
何にもないよとなだめようとする太郎に、ナラ子はおもちゃの銃を構えて「かくすとためにならないぜ」と空恐ろしい発言を発するのです!
そして部屋中をひっくりかえし、遂には太郎がかくしていた作ったばかりの船の模型を発見!
よく出来てるじゃないか、とほめたナラ子は、こんなの壊すの大好き!と船をおもちゃの銃で射撃して遊びだすのです!
大変な事態がデンカの居留守によって引き起こされてしまい、もう我慢できなくなった太郎。
すぐデンカの元へと戻り、隠れるなんてずるい!と怒ったのです。
王様達もそれには同意し、ナラ子だって優しくしてあげれば優しい子になるはずだ、とデンカに遊んであげるよう諭しました。
やむなく重い腰をあげるデンカですが、ニコニコ応対しても思いっきりアカンベーで返してくるナラ子にいきなり怒り爆発……は寸前でなんとか我慢。
いい子だから散歩しようか、と持ちかけると、ナラ子はつまんないと言いながらも、行きたいならついていってやるよと同意してくれたのでした。

その道行きでも、いじめっ子は逃げて通るわ、怒鳴りつけてきた乱暴なタクシーをひっくり返しちゃうわ、もうデンカは気が気じゃありません。
人気の無いところに行くしかない、とデンカはつぼにナラ子を乗せ郊外の野原にナラ子を連れて行きました。
昼寝してるからその辺を走り回ってな、とデンカは投げやりな応対をして横になるのですが……
ナラ子はガラじゃなく花輪なんかを作ってる様子。
女の子らしいところもあるんだなぁ、とデンカ」は笑っていたのですが……なんとそれは花輪ではなく、
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手綱だったのです!
デンカの顔に引っ掛け、馬にして遊びだすナラ子!
度重なるバイオレンスにデンカはもう我慢の限界!
慌ててナラ子を置いて、家に逃げ帰ってしまったのです。

デンカの付き合いきれないと言う報告を聞き、今度はお后がしつけてみると言う流れになりました。
おきさきはナラ子と二人っきりでじっくりお話をし始めます。
これでナラ子は生まれ変わったようになって出てくるだろう、とニコニコ顔の王様達。
ですが、生まれ変わったようになって出てきたのはお后のほう!
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「ぼく、もういやだ!」とナラ子の影響を受けまくり、足を踏み鳴らしながら立ち去っていってしまうのでした!

言ったことの逆のことをやりたがると言うナラ子の性格を逆手に取り、なんでもあべこべに言えば言うことを聞く、と操縦法を考えた王様。
ですがそれも、ナラ子の都合のいいことはそのまま聞いちゃったりすると判明し、あえなく轟沈。
デンカはたまら、再びず逃げ出すのです。
そこへようやく帰ってきたベニショーガ。
ナラ子の暴れっぷりに申し訳ない思いでいっぱいではあるものの、皆が散々ナラ子の悪口を言うとそこまで酷くない!と怒ってみたり、アレでいいところもあると泣いてみたりする、立場と親心が入り混じる複雑な状況に追い込まれてしまうのです。
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ベニショーガはすっかりしょぼくれ、ナラ子も可哀想なヤツだ、自分が甘やかしすぎてああなってしまったんだ……と肩を落としながらナラ子を捜し歩きます。
やがて道端で立ち尽くすナラ子を見つけることに成功するのですが、ナラ子はデンカがどこかに隠れちゃった、とこちらも落ち込んでいるようで。
デンカはぼくが嫌いなのかしら、と寂しそうな顔をするのです。
ベニショーガもここはあえてストレートに、アレだけ意地悪されれば誰だって逃げ出すだろう、と返しました。
するとどうでしょう。
ナラ子は大泣きをし始め、ほんとはデンカが好きなんだよ!と言い始めるではないですか!
でも顔を見るとついいたずらしたくなっちゃう、と男子小学生のような言い訳を始めるナラ子。
ですがデンカが以外に近くに隠れており、その告白に「そんなのあるかい」と突っ込んでしまったのが大失敗!
今の聞いてたの!?とナラ子はびっくり仰天し、キャーと叫んでつぼに乗って空高く飛んでいってしまい……
あまりの恥ずかしさに雲の中で大暴れをはじめてしまったのでした!!
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というわけで、ナラ子が大活躍する今巻。
69年の時点で描かれていた、ぼくっ子のツンデレキャラであるナラ子。
あの「三つ目がとおる」の和登さんですら登場が74年ですから、この時代の先取りっぷりはさすがF先生というほかありますまい!!
デンカには今のところその気がなさそうなのがちょっぴり可哀想なところではありますが、ようやく本作にもヒロインらしいヒロインが現れたと言ってもいいのかもしれません!!
なにせ今までただ一人しずかちゃんポジションで奮闘してきたみよちゃんに、一番惚れているキャラがゴンスケなんですから……
で、そのゴンスケですが、F先生は相当お気に入りのようで、今巻では出番がそりゃもう多目。
彼が主役となるエピソードが多数用意されており、最初は内職用に作られた彼が、しまいにはある会社の社長にまで昇り詰めてしまうんだから驚きです!!
これだけ愛を見せ付けてくだされば、様々な作品にカメオ出演しているのも納得せざるを得ないってもんですね!

ゴンスケやナラ子が大暴れ、「藤子・F・不二雄大全集 ウメ星デンカ」第3巻は全国書店にて好評発売中です!!
時代を感じさせる過激な匂いも味わわせてくれる本作。
ナラ子に萌えるもヨシ、ゴンスケの横暴ぶりにあきれるもヨシ、王様達のとぼけっぷりを笑うもヨシの楽しい作品となっています!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


藤子・F・不二雄大全集 ウメ星デンカ 3 (藤子・F・不二雄大全集 第3期)
小学館
2012-02-24
藤子・F・ 不二雄

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本日紹介いたしますのはこちら、「ASURA'S WRATH ~廻KAI~(アスラズラース カイ)」第1巻です。
角川書店さんの角川コミックス・エースより刊行、ニュータイプエースにて連載されています。

作者は原作がカプコンさんとサイバーコネクトツーさん、脚本が岡田邦彦先生、作画が一文字蛍先生。
カプコンさんとサイバーコネクトツーさんは本作の原作となるゲームの発売元と開発元の会社。
岡田先生は、アニメの脚本を本業としている方のようです。
そして一文字先生と、最終巻刊行中止と言う非業の最期を遂げた作品「転生神機メロウガイン」の紹介は、「一文字蛍」のテーマにてまとめておりますので、よろしければあわせてご覧くださいませ。

さて、本作は12年2月に発売された、「アスラズラース」と言うゲームを原作とした、所謂コミカライズ作品と言うやつです。
ですが本作は、原作のストーリーをそのままなぞるわけではなく、オリジナルキャラの登場や設定の微妙な変更を加え、ポイントを抑えつつもオリジナルのストーリーとなっているのです!!

遥か未来か、遠い昔かわからない、今とは違ういつか。
人と神が共に暮らすその土地に、一柱の神が眠っていました。
底知れぬ憤怒を秘めたその神は……

人間の暮らす村に、「神民」と呼ばれる、神の側の少女ウパラがやってきました。
姿を現した神民に、人々はすがりつきます。
どうかこの村にもご利益を与えてください。
ウパラはそんな懇願に笑顔で答え、早速病で苦しむ人々に薬を与えるなどの施しを行うのでした。

ウパラがこの地に来たのは、ある人物の命によってでした。
神の中でもトップクラスの地位を持つ「七星天」。
そのうちの一人、カルロによって「全ての地を浄土にする」ため、神の英知で無知蒙昧な人間を導け……と伝えられたのです。
ですが、その地に向かうにあたってひとつの警告があるそうで。
そこには邪神が眠っている。
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大儀に仇為し、世を乱した悪逆の大罪者がいる……と。

その村に響き渡る、大きな音。
村人によれば、これはその邪神のうなり声なんだとか。
遥か昔、村人がこの地に村を築くずっと昔から邪神は谷底にあり、時折地鳴りのような唸り声を上げているのだそうです。
地鳴りのような唸り声どころか、本当に大地が揺れている気さえする。
そんな言葉を口にしたその時、村人達がにわかに騒ぎ始めました。
「ゴーマ」が出たと言うのです!
ゴーマとは、大地にたまった穢れが噴出すとき現われる怪物。
それは村人達の生活を、命を、無慈悲に破壊していきます。
ウパラは手に持っていた銃でゴーマを撃ち、この隙に村人達に逃げるよう指示!
ですがその逃げる先にもゴーマが大挙して押し寄せてきてしまい、もはや村人達に逃げ場などありません!
するとどうでしょう。
村人達は大地に突っ伏し、「奉魂」させてくれと懇願してきたのです!
奉魂とは……村人の言動から察するに、神の手によって死を迎えることの様子。
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それも神民の責務なのですが……まだ経験が浅く、心根の優しいウパラにはどうしてもその引き鉄を引くことが出来ないのです。
どちらにしても、村人に待っているのは死。
そんな絶望ゆえでしょう、恐怖に耐え切れなくなった一人の子供が大声で泣き喚き始めました。
神民様に救済いただけるのに何を泣いているんだ、と子供を黙らせようとする父親。
ですが、その泣き声は思わぬ出来事の引き鉄となったのです!
「その泣き声を止めろ!」。
その咆哮と共に、石造と貸していた邪神が石の殻を砕き、復活したではありませんか!!
ゴーマにくわえ、邪神まで復活したとあっては村人達ももう固まるより他なし。
目覚めた邪神は、どうやら記憶がいまひとつハッキリしない様子です。
そんな彼がまずしたことは……
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怒ること!!
ゴーマに視線をやり、お前らが泣かせているのか!と叫ぶや否や、ゴーマたちに猛烈な勢いで襲い掛かったのです!!

何もわからないが、こそ共の泣き声にはなぜか無性に腹がたつ。
その思いだけでゴーマを砕いていく邪神。
ウパラは邪神と恐れられるはずの彼がこうしてゴーマを倒してくれていると言う事実を見て、どうしても邪神が忌み嫌われる存在だとは思えないようです。
ですがそんなウパラを戒める人物が現われます。
現われるなり人間達を踏み潰すその巨体の主は七星天のワイゼン!
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ゴーマが人間を食う前に、我らが人の魂を召し上げて浄化するのだ!と、ワイゼンはひれ伏す人々を次々と踏み潰し続けます!
その暴虐が子供まで及んだその時。
邪神はその泣き声を上げさせたワイゼンに怒りの矛先を変えました!
ゴーマを一撃で屠るその攻撃を、張り手で難なく防ぐワイゼン。
どうやらワイゼンは邪神の正体を知っているようで、こう話しかけました。
企画現世に迷い出るであろうと聞き及んでいたが、思いのほか早かったな。
裏切り者「アスラ」よ、と!
邪神の名はアスラ。
アスラは己の名前と共に、忘れてはならないはずの記憶を思い出しました。
自分の愛する妻が殺され、泣き叫ぶ娘を連れて行かれ、反逆者の汚名をかぶされて奈落に落された……ウランでも恨みきれない、怒りの源泉を!!
憤怒と言う言葉すら生易しい、激しすぎる怒りを滾らせるアスラはワイゼンに猛然と攻撃を仕掛けます。
怒りなど、我らの大義には勝ることなし、と突進するアスラを殴り飛ばすワイゼン。
それでもアスラは、燃え尽きることのない怒りのままに再び立ち上がり、攻撃を始めるのです。
そんなアスラを矮小だと笑うワイゼンは、力の差を見せ付けるように笑いながら体を巨大化させていきます。
どんどん、どんどんとその体は大きくなり、やがてそのサイズは
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この星と同じほどの超々巨体にまで膨れ上がったではないですか!!
今やそのサイズ差は、象とアリ以上!!
ワイゼンは天空より、アスラをひねり潰そうと人差し指を突き出してきました!!
大きさが違うなどと言うレベルではないこの大きさの違い。
それでもアスラの怒りはまったく陰りを見せないのです!
大きさなど関係無い、貴様らが娘を!
アスラは怒りのままに拳を連打するのですが、
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相手にとっては文字通り蚊が刺すほどにも感じないわけで……
アスラは、この怒りでワイゼンを打ちのめすことが出来るのでしょうか!?
彼が怒り狂う、妻と娘に行われた仕打ちとは!?
彼の前に立ちはだかる七星天の力とは!?
宇宙にまで轟きわたるアスラの復讐劇は、まだこれからが本番です!!

というわけで、アスラの復讐劇を描く本作。
誰と戦ってどうなるか、というような重要なところは原作に沿っているものの、独自の味付けがなされていうるのがやはり本作の特徴でしょう。
一番大きな変更点は、ゲーム版にはいないウパラというオリジナルキャラクター。
彼女の存在により、アスラ以外には疑うもののいない神の非道ぶりが強調されており、その非道に憤るアスラと、神の行動に疑問を感じ始めるウパラという二人の主人公が生まれるかたちとなって、感情移入がより深まっているのです!
そして、この原作ゲームのテーマともなっている怒り。
怒りに伴って生まれる激しさ、荒々しさがまた一文字先生の筆致にぴたりと合致しており、宇宙規模の大バトルにふさわしい迫力を生み出すことに成功しているのです!

ほとばしる怒り、「アスラズラース~廻KAI~」第1巻は好評発売中です!
話題作に一味加えた圧巻のバトル漫画となっている本作。
内容的に考えるとおそらく次巻で完結しそうです!!
一瞬も見逃せないドは苦慮句バトル、クライマックス絵は更に過熱すること間違いなしですね!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


ASURA’S WRATH?廻KAI? (1) (角川コミックス・エース 367-1)
角川書店(角川グループパブリッシング)
2012-02-23
一文字 蛍

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本日紹介いたしますのはこちら、「ハイスコアガール」第1巻です。
スクウェア・エニックスさんのビッグガンガンコミックスSUPERより刊行、月刊ビッグガンガンにて連載されています。

作者は押切蓮介先生。
押切先生の作品は、「押切蓮介」のテーマにてまとておりますので、ご興味等ございましたらそちらもご覧ください。

さて、本作は押切先生が得意とするジャンルのひとつ、90年代のゲーム少年を主役にした作品です。
以前押切先生が描いて来た、「ピコピコ少年」などは、自伝的側面の強い作品でした。
本作でもゲームと共にすごしてきた少年時代の経験は多分に含まれているのでしょうが、今回はそれだけではありません!
先生作品としては珍しく(?)きっちりとしたヒロインを作り、主人公とのラブコメディ的な要素の強い作品になっているのです!!

湾岸戦争勃発、雲仙普賢岳噴火。
日本国内外を問わず大きな事件があった91年ですが、当時の少年達には下手をすればそれよりも大きいかもしれないあるゲームが登場しました。
日本各地に点在する、ゲームセンターをインベーダーブーム以来かもしれない大熱狂に巻き込んだそのゲーム葉…・・・
そう、「ストリートファイター2」が!!

その大ブームは、ハルオのよく行くゲームセンター、マルミヤも例外ではなく巻き起こっていました。
いつものように対戦に没頭するハルオですが、その日はちょっぴり様子が違います。
怒涛の27連勝をおさめる猛者が現われ、ハルオもまたその人物に7勝を謙譲してしまっていたのですから……!!
そんな強敵がどんな顔をしているのかが気になってしまうのはいたしかたのないこと。
体を傾け、対戦相手の顔をのぞいてみれば、そこにいたのは
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なんとも可愛らしい美少女ではありませんか!!
しかもその少女、ハルオと同じ6年2組のクラスメイトなのです!!

彼女の名は大野晶。
美少女なだけでなく、成績優秀で運動も出来る上、クラスの皆にも慕われる金持ちの娘……という、クラスのヒエラルキーの頂点に座っていると言っても過言ではない存在です。
そんな彼女が、タバコの臭いが漂うゲームセンターでゲームに没頭しているなんて。
にわかには信じがたいことですが、今まさに喫してしまった8敗目が彼にその現実をまざまざと思い知らせるのです!
後ろで待っていたプレイヤーに席を譲り、ハルオは考えます。
稼動当初からプレイし、「豪指のハルオ」を自称するほど自信のあったスト2。
そのスト2を、いわゆる勝ち組であるはずの大野が、28連勝と言う大勝をおさめている。
それも、玄人好みの難しいキャラクターである、ザンギエフを使って!!
「盛り場に行ってはいけない」と言う学校の目をかいくぐるため、わざわざ隣町まで言って探し当てたこのゲーセン。
学校ではこれ以上ないくらいにくすぶっているハルオの、憩いの場に乗り込んで荒らし放題の大野……
これはこのまま負けを認めて引き下がるわけにはいかない!!
そう考えたハルオは、残された最後のワンプレイで大野を打ち砕く最終手段に出ることにしました。
選ぶキャラクターは……押しも押されぬスト2最強キャラ、ガイル。
研究が進んだ今でこそ、ダルシムのほうが強い説もありますが、稼動から間もない状態ではガイルの圧倒的な、それもわかりやすく使いやすい強さは多くのプレイヤーに最強と認められていまして。
その最強と囁かれていた理由はひとえに、近距離ではしゃがみ中キックで相手を追い払い、一定の距離が取れたらソニックブーム、ジャンプしてきたらサマーソルトキックで撃墜するだけの対応型戦術……「待ちガイル」ゆえ!
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現在の格闘ゲームではプレイヤー層も熟成が進み、出来る戦法はどんな戦法をとっても文句を言われる筋合いなどない、ストロングスタイルが浸透しています。
ですがこの時代では、暗黙の了解で取ってはいけない戦法や、使ってはいけないキャラなどが決められているローカルルールのようなものがごく当たり前に存在していました。
その最もメジャーなものがこの待ちガイル。
相手に近寄らなくては話にならない投げキャラであるザンギエフにとっては、100パーセント無理……とまではいかないものの、かなり厳しい戦法です!!
実際、一ラウンド目は難なくハルオが奪取。
2ラウンド目は調子に乗ったハルオが片手プレイをしたために会えなく負けてしまうものの、3ラウンド目は再び両手プレイに切り替えて気を取り直します。
一本ずつ取った状態で迎えるファイナルラウンド。
ここでハルオは、なんとザンギエフにグイグイ近寄っていくではないですか!
最終ラウンドは正攻法で行くのか?と周囲のギャラリーは固唾を呑んで見守りますが、ここでハルオがとった戦法は、相手に隙の小さい業をガードさせ、その直後に投げを仕掛けると言う、
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「投げハメ」でした!!
……正直近づいてきてくれる分には待ちガイルを徹底されるよりザンギにとってはまだマシな気がしますが……
それでも初代スト2では完璧なタイミングで投げを仕掛けられると運以外では逃げられない、脱出困難な連携であることは確か。
周囲のどよめきと、対戦相手とのトラブルの危険性をを無視し、ハルオはその戦法を徹底!
見事なドラゴンスープレックスが炸裂し、勝利をおさめた……と思ったその瞬間!!
あの完璧な美少女であると思われていた大野が、思い切り筐体をキック!!
あまりの勢いで大きく動いた筐体で腹を強打したハルオにつかつかと歩み寄り、強力な右フックを叩き込んできたのでした!!
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これがハルオと大野、同じクラスの一員なのに交わることはなさそうだった二人の、長くて短い因縁の始まりとなるのです……!

というわけで、スト2をきっかけに親交(?)を持つようになる二人。
基本的に大野はハルオに話しかけることはなく、ハルオはスト2だけでなくファイナルファイトも高いレベルでハイスコア狙いプレイをする大野をやっかんだりしながらも協力プレイやら対戦やらをしていくのです。
当初は大野を単なるにくき相手としか見ていないハルオですが、だんだんとその距離は近づいていきまして。
二人の距離はとある事件と、あるゲーム機……ぶっちゃけますとPCエンジンをきっかけに結構大きく縮まり、なんだか一挙にラブコメ風味を増すのです!!
そして二人がなんだかいい感じになってきたようなこないようなところで、物語は急展開!
まさかの感動のフィナーレが待っているのです!!
……といっても完結と言うわけではありません。
物語は第2巻から中学生編に突入!
装いも新たに、「スト2以降」のゲームのお話を交えた治夫の日常が描かれていくようです!

30歳前後のゲームっ子ならば打ち震えること必至の「ハイスコアガール」第1巻は好評発売中です!
多くのゲームメーカーさんの協力を得て、当時の香りをリアルに漂わせてくれている本作。
前述どおりおさまりのいいところで終わっておりますので、本作が描く年代になじみのない方も試しにと買って見るのもよろしいのではないでしょうか!
大野さんに萌えることも出来ますしね!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


ハイスコアガール(1) (ビッグガンガンコミックススーパー)
スクウェア・エニックス
2012-02-25
押切 蓮介

amazon.co.jpで買う
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本日紹介いたしますのはこちら、「藤子・F・不二雄大全集 中年スーパーマン左江内氏/未来の想い出」です。
小学館さんより刊行されました。

好評刊行中の本大全集は、「藤子・F・不二雄」のテーマにて紹介をまとめております。
他作品の紹介にもご興味がございましたら、ご一緒にご覧くださいませ。

さて、本作は77~78年に「週刊漫画アクション」にて連載した「中年スーパーマン左江内氏」、91年に「ビッグコミック」にて連載された「未来の想い出」、2作を収録しています。
F先生としては非常に珍しい、青年誌での連載作品を、一気読みできる贅沢な一冊なのです!
で、今回は「左江内氏」にスポットを当てて紹介したいと思います。

週末、とある会社でのみにも遊びにも行かず、まっしぐらに帰宅する人物がいました。
係長を務める左江内です。
土曜の夜は何を言ってもまっしぐらに帰宅、そしてどんなときでも基本的に部下を飲みに誘ったりしない。
誰しもがそんな左江内の人となりを知っていまして、帰宅を急ぐ彼に何も言わず見送るばかり。
左江内はまわりの諦めめいた視線には一切気がつかず、まっすぐ帰るのですが……
なぜか帰宅している道々で、同じ人物と何度も何度もすれ違うのです。
しかも最初は社内ですれ違ったのに、電車に揺られて帰り着いた駅にも、果ては自宅のすぐ近くにもいるのですから驚くしかありません!
とうとう最後には左江内も我慢できず、その男に質問を投げかけます。
ところがその言葉を待っていたかのように、男の方から左江内をつけていた理由を言い出すではないですか!
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自分はスーパーマンだ。そして、左江内をスーパーマンにするため付け回してるんだ、と!!
もちろんそんな言葉を信じられるわけもありません。
ですがその男もその反応は予想済み。
駅前で一杯やりながら話しません?と食い下がってくるのですが、左江内は土曜日はまっすぐ帰ると決めているんだそうで。
男を無視して帰宅するのです。
が、自宅はもぬけの殻。
何でも義母が突然来たようで、奥さんは家に鍵をして買い物だか食事だかに出て行った様子。
しかも家の鍵を置いていき忘れている上、子供たちも遅くなるとか。
家に入ることも出来ず、やむなく先ほどの男とでも飲んで時間を潰すことにしたのでした。

男は愚痴り始めました。
亭主なんて今みたいにぞんざいに扱われるもんだ。
自分はスーパーマンの仕事にかまけすぎて本業がおろそかになり、かみさんに逃げられてしまった。
そのスーパーマンの仕事も、縁の下の力持ちに過ぎず、誰かに褒められたりもてはやされたりすることなんてナイ。
隙でなきゃできない仕事だが、年だしそろそろ引退したい……
そんな心境から、次代のスーパーマンを探しており、そこで左江内に白羽の矢が立てられたんだそうです。
とは言え左江内も宮仕えの身。
スーパーマンにかまけて首になっても困るというものです。
ですが男はなおも続けます。
スーパーマンが一人で頑張ってもこの世の悪が根絶できるはずはない。
昼休みとかトイレのついでとか、空いた時間で出来る範囲でやればいいんだよ、と。
そして男は一枚のハンカチを取り出しました。
ですがそのハンカチ、
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パッと広げてみればあのスーパーマンが着ているタイツ&マントに早変わりするのです!
スーパーマンの正体は秘密なのに、そんなにいろいろ話したり見せたりしてもいいの?と店のおやっさんまで参加して話は盛り上がりますが、所詮は酒の席。
冗談としか思ってないだろ?と男は語り……事実、そのまま冗談として受け止めつつ、左江内は別れて帰宅するのでした。

家に帰ると、奥さんは左江内にご飯食べてこなかったのかとぶつくさ。
長男のもや夫は夜中にもかかわらず大音量で音楽鑑賞、と、左江内にはいまひとつ面白くない環境が待ち構えています。
長女のはね子はというと、もう遅いのにまだ帰っていないようです。
女の子がこんな遅くまで!と怒りつつも、心配になった左江内は娘を迎えに行くことに。
すると先ほどの男が現われ、急いだ方がいいといつも娘が通る道とは違う道に案内をし始めます。
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遅いからと近道したのがまずかったんだと導いた先には、バイクに乗った男に強引に連れて行かれてしまいそうになっているはね子の姿が!
慌てて左江内が飛び掛りますが、敢え無く返り討ちに……
息も絶え絶えになりながら、誰か娘をと助けを求める左江内。
するとその顔を例の男が見下ろし、スーパーマンになりたいか?と問いかけてくるではないですか!
ここで断る人などそうはいないでしょう。
男の差し出すスーパーマンの服に身を包むと、左江内はなんと空に浮かび上がります!!
戸惑いはするものの、今は娘を助ける方が先。
男のバイクの行く先に先回りし……
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パンチ一閃!!
その一撃でバイクはばらばら、はね子は無傷で助かるのでした!!

はね子は無事家に逃げ帰ったそうで。
これで娘は親父を見直すかな?と笑う左江内ですが、このスーツからはなんか知らない光線が出ていて、スーパーマン関連の記憶を消してしまうんだとか。
残念ではありますが、男の先代からそう伝えられており、これはそういうものと諦めるしかないようです。
男との別れ際、左江内はどうしても自分がスーパーマンに選ばれた基準が知りたくなってしまい、思い切ってたずねてみました。
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「最大公約数的常識家」。
「力を持っても大それた悪事の出来ない小心さ」。
「ちょっと見、パッとしない目立たなさ」。
その三条件が、これまた先代から伝えられたものなんだそうで……
結局のところ、自分がどうと言うことのない人だと言うことで選ばれたと言うことで。
なんだか狐につままれたような面持ちで家に帰ると、家では娘が暴漢から逃げてきた話題で持ちきりでした。
ですがその内容は、バイクが電柱にぶつかって事故り、それで帰ってきたんだと言う記憶に改ざんされておりました。
あのことは夢だったんじゃあるまいか?
そう思い悩んでも、朝目が覚めたら枕元に例の変身スーツがあるわけで。
信じられないなぁと考えていると、奥さんがまだ寝てたの?会社は?と声をかけてきました。
日曜ではありますが、どうやら左江内は今日出勤だったようで……
今から電車に乗っていては到底出勤に間に合いません!
頭を抱えた末、左江内は
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スーパーマンスーツに身を包み、超人力を私用に使うことにいいわけをしながら会社に向かうのでしたとさ……

というわけで、突然スーパーマンになってしまった左江内の日常を描く本作。
完全に縁の下の力持ちであるスーパーマンになり、いまひとつパッとしない日常にくわえ、いつでもかかる呼び出しに煩わされながら頑張るおじさんの活躍が描かれています。
大事件もあるにはあるものの、基本的には周りの小さな出来事を解決していくのですが、スーパーマンの活動だけでなく、会社の方でもいろいろいざこざも絶えませんで。
左江内は様々なことに頭を悩ませ、苦悩しながらも日常に、非日常に頑張っていくのです!
そんなストーリーも十分以上に面白いのですが、やはりびっくり仰天するのはその際周回ではないでしょうか。
思いもよらないゲストキャラが登場し、左江内を思いも寄らない方向に導くことに!!
びっくり仰天の最終回は、必見と言う他ありません!!

そして同時収録の「未来の想い出」もかなりの面白さです。
かつて大ヒット作を生み出したものの、今はすっかり落ち目の漫画家が主人公が送る日常、と言った雰囲気で物語は始まるのですが、あることがきっかけで物語は彼の過去にさかのぼります。
若き漫画家の奮闘を描く物語になるのか?と思いきや、またまた物語は違う方向に!
二転三転する物語構成に、読者は引き込まれること必至でしょう!
そしてこちらもそんなストーリー展開はもちろんのこと、興味深い点が他にもあるのです。
なんと言ってもこちらの目玉は、F先生の実体験も多分にあろう、70年代、80年代の漫画家たちの生活風景ではないでしょうか!
貧しくも充実していた漫画家たちの、楽しく、切ない日常。
そんな毎日にくわえ、物語に用意された大きな仕掛け、そしてリアリティを感じさせる数々の描写。
F先生ファンならずとも、引き込まれざるを得ない物語になっているのです!!

珍しい、F先生による青年誌連載作品が2作収録された「藤子・F・不二雄大全集 中年スーパーマン左江内氏/未来の想い出」は全国書店にて発売中です!
F先生の児童漫画とは一味違う、大人の生活の寂しさと楽しさを描いた作品を収録した本作。
児童漫画も大変よろしいのですが、いつもと違うF先生が味わえる本作も是非体験していただきたいところです!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!





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