本日紹介いたしますのはこちら、「怪獣のテイル」第3巻です。
集英社さんのヤングジャンプ・コミックス・ウルトラより刊行、ウルトラジャンプにて連載されています。
作者はF4U先生。
本作の紹介は「F4U」のテーマにてまとめておりますので、よろしければ併せてご覧くださいませ。
さて、突然ふってきた卵から生まれた女の子型怪獣、テイルの父親になってしまったマサキ。
同好の志や幼馴染、また別の怪獣なんかも加わって、騒がしいながらもたのしい日常を送るのでした。
最初は人間を敵視していた新たな怪獣のイヴとも打ち解け始め、いつもどおり、いやいつも以上に楽しそうな日常に戻ったテイルたち。
そんな町に、新たな宇宙からの来訪者がやってきました。
ですが今度はテイルのような怪獣ではありません。
全身タイツ的な見た目の、つるっとした男性型のそれ、名は「スターマン ジャスティスロウ」。
そう、いうなればM78星雲から来たアレのような、ヒーローだったのです!
自称正義の使者である彼の目的は、これまたアレのような怪獣退治!!
見た感じからしてまだ幼いようですが、それでもヒーローはヒーロー。
怪獣を倒そうとやる気まんまんで地球に降り立ってまいりました。
が、最初に降り立ったのはテイル達が愛用しているごっこバトル用のミニチュア町。
誰もいない、もしかしてもう怪獣に絶滅させられちゃった?と肩を落とすロウ。
そんな彼が最初に見つけたのは、町に新しく作られたお城を見てカッコいいと感動していたテイルだったのです!
テイルのサイズに合わせて巨大化(と言っても普通の地球人サイズですが)し、戦いを挑んでいくロウ。
ごっこバトルの撮影をしよう、とマサキが超頑張って作り上げた大阪城を破壊しながらテイルにビームを浴びせます。
とはいえテイルもセイバーなんかとごっこで鍛えているテイルにとってはたいしたダメージはありません。
今のビーム何?かっこいい!とごっこバトルの申し込みをしながらテイルはロウに駆け寄り、渾身のパワーボムを叩き込みました!!
続けて頭突きで突進攻撃を仕掛けるのですが、これはかわされてしまい、正樹がそれはもう頑張って作った姫路城に突っ込んでしまいます。
ぐったりするテイルを引き摺り、このまま宇宙に投げ飛ばして悪さできないようにしようと足をつかみあげました!
ですがテイルも力を振り絞り、思い切り火炎放射!!
凄まじい威力を誇る火炎放射ですが、それを持ってもロウを倒すことは出来ません。
ロウの必殺(?)技、
ジャスティス根性で耐え切ったのです!!
耐えたロウは改めてテイルを投げ飛ばすものの、流石にもう宇宙まで飛ばす体力は残っていませんでした。
マサキがくたくたになるまで頑張って作った熱海城にテイルを激突させるのが精一杯だったのです。
体力を使い切ったロウは、その場に駆けつけたセイバーとあづきによって捕獲されてしまったロウ。
悪い怪獣を倒さなければいけない、自分が倒れてもきっと正義の使者のスターマン一族の兄たちが駆けつけて成敗するはずだ、と強がりを見せてきます。
そんな彼の正義心も、今まで戦っていたのがミニチュアの町で、地球人たちは本物の町で平和に暮らしていると知り、その上テイル達が人間と仲よく平和に暮らしていることを知ると揺らいでしまいます。
平和なのはいいことだけど、これじゃ正義の使者たる自分の存在が危ぶまれる。
そんな思案に暮れていると、そこにイヴが現れました。
アレは人類に危害を加える恐れがある怪獣だぞ、とセイバーに指差されると、ロウは元気を取り戻してイヴに大見得を切って戦いを挑……みませんでした。
イヴの顔立ちを見るや、
その可愛さはジャスティス!と一気に態度を急変!
一転してイヴにアプローチをかけまくるようになってしまうのです!
その後、地球に滞在を始めるロウ。
地球では怪獣が人類に適応し、平和に暮らすこの星で、乱れているのは自分の純情なハートだけだとロマンチックな感想を漏らす彼。
尊敬する兄達には、怪獣は凶悪で凶暴、自分達が倒すべき存在だと教えられてきました。
ですがこの星では、災厄であるはずの怪獣が楽しく暮らしており……この星に自分の知る「正義」はないんじゃないかと彼の頭を悩ますのです。
そもそも正義とは一体何なのか?そんなレベルにまで彼の悩みが達したとき、そこにやってきたのがロウの兄達でした!!
「正義」とは、我々スターマンのことだ!とロウにきっぱりと断言するそのうちの一人、トラスト。
兄弟の中で誰より多く怪獣と戦ってきた、歴戦の勇者にしてロウ憧れの兄である彼。
彼にとって怪獣とは、どんな形やどんな適応を見せていようとも、絶対に悪なのです!!
そんな彼は、ロウにこの星の怪獣は違うんだといわれてもその信念を疑うことすらしません。
怪獣に味方するのが地球人なら、地球そのものが悪なんだろう。
トラストはアレだけのタフさや強さを持っているセイバーを一蹴し、こう断言するのです。
怪獣と、その親を殺す……!!
あづきがいままで再三行ってきたワザワイとは、どうやらトラストのことだったよう。
ロウとは比較にならない筆舌に尽くしがたい強さを持ったトラストに、テイル、あづき、再起動したセイバー、そしてイヴは立ち向かいます。
更にその凶刃はマサキにも向けられ……
にわかにやってきた、シリアスな大ピンチ。
この戦いは意外な結末を迎え、また物語もまたフィナーレを迎えます。
マサキの命まで危険に晒される、決戦の行方は!?
イヴに焦がれるロウの恋路は?
気になるマサキの将来は!?
感動のラストが貴方を待っております!!
というわけで、完結巻となる本作。
ちょっとイヴの出番が少なかったりしたのは心残りと言えば心残りですが、素晴らしくきれいにまとまったラストを迎えてくれるのです!
ラスト直前のシリアスな展開のおかげで、マドカやかなめとの恋模様はうやむやになってしまうわけですが、そこもまた本作らしいといえば本作らしいところ。
何事にもならないと言う点が、綺麗なラストの味わいをより深くしているようなしていないような気がするのですから!
オマケ漫画も4P描き下ろされており、最終和でとっても気になったあのアレの詳細が明かされたりも。
最後の最後まで読者を楽しませてくれる、充実の内容です!
感動必至のラストシーンが待っている、「怪獣のテイル」採集第3巻は好評発売中です!!
可愛い怪獣と送る日常が楽しい本作。
楽しい日々の終わりは、新しい楽しい日々の始まりでもあるのです!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!