本日紹介いたしますのはこちら、「藤子・F・不二雄大全集 ウメ星デンカ」第4巻です。
小学館さんより刊行されました。
本大全集の紹介は「藤子・F・不二雄」のテーマにてまとめておりますので、ご一緒にご覧くださいませ。
さて、命からがら爆発した母星から逃げ出し、太郎のうちへ居候することになったデンカたちの奮闘を描く本作。
今巻では、「小学一年生」「幼稚園」「よいこ」「小学館の絵本」などに掲載された、幼年向け作品を収録しています。
時としてドラえもん真っ青の不思議な道具を出すデンカ。
今回収録されている作品は、幼年向けということもあってか、その道具を活用したものが多い様子。
そんななかで今回はいろいろな人が妄想したであろう、透明人間になるアイテムをメインにした「とうめい太郎」を紹介したいと思います!
なんだか大きな鏡台に向かっているデンカ。
そんな姿を見て、思わず太郎は「うふっ」と漏らしてしまいます。
鏡なんて見て、おめかしかい?と百パーセント馬鹿にした表情でデンカに語りかける太郎ですが、もちろんこれがただの鏡台であるはずがありません。
ボタンを押すと、体の色を吸い取る。
色を吸い取ると……見えなくなるというのです!
早速やってみようと兄弟ににじり寄る太郎。
デンカは、それは壊れてるんだととめようとするのですが、時既に遅し。
太郎の体の色は吸い取られ、すっかり見えなくなってしまったのでした!
なんだちゃんと消えたじゃないかと喜びはしゃぐ太郎。
早速デンカの王冠を掠め取り、お母さんにひょいとかぶせるいたずらを仕掛けます。
誰にも見つからずなんでも出来るぞ!と意気込む太郎。
道すがら、様々ないたずらを仕掛けてまいります。
まず見かけたのは、小さな犬をいじめているフグ田とサンカク。
透明になっていることからか、声のボリュームを抑えず「いつもこんな弱いものいじめしてる嫌なヤツ」と感想を漏らします。
周りに他の人の姿は見えないわけですし、その悪口を言ったのがサンカクだと思い込むフグ田。
悪口を言ったなとサンカクにすごみますが、その隙を突いてさらに太郎がフグ田の頭をゴチンとやりました。
誰だ!と振り返ってもそこには誰もおらず。
もうサンカクしかいねえ!と掴みかかりました!!
ここで放っておいてもいいんでしょうが、ここで追い討ちをかけるのが太郎のすごい(?)ところ。
先ほどいじめられていた犬を抱き上げ、フグ田たちのほうへと運んでいったのです!
姿が見えていれば何のことは無い光景ですが、何せ今はその抱きかかえている人が見えないわけで。
キャッ、空飛ぶイヌ!と怯えて二人は逃げ去ってしまうのでした!!
イヌの分の意趣返しも終わり、次の獲物はみよちゃん。
ですが部屋に潜入してみると、みよちゃんは勉強の真っ最中です。
わき目もふらず勉強をしているみよちゃんにちょっかいを出すのはさすがに気が引けるようで、いたずらは断念。
ですがせっかくきたので、と本棚にたくさんしまってある面白そうな本を片っ端から読ませてもらうことにしました。
ひとしきり楽しんだ後、そのまま帰っていく太郎。
いたずらはせずじまい……だったのですが、片づけをしないまま出て行ってしまったのがまずかったです!
本が散らばり放題の部屋をお母さんに見られてしまい、みよちゃんは言われ無き咎を押し付けられてしまったのでした!!
さらに道行く人々に落書きをしたりして遊ぶ太郎でしたが、おばちゃんが捨てようとぶちまけた水を浴びせられてしまったり、車に轢かれそうになったりとピンチにも遭遇してしまいます。そういえばアウターゾーンにもそんな話が……
ここでやっぱり見えてないと危ない、と気がついた太郎は、元へ戻ろうと家に帰ります。
お茶の間にはいると、そこではちょうどお母さんがおやつコールをしているところ。
ちょうどよかったと早速それを口に放り込もうとするのですが、目の前で突然おやつが浮かび上がったのですからお母さんはびっくり仰天!!
慌てて座布団を振り下ろし、その謎のオバケに攻撃を仕掛けました!!
そこへちょうどお父さんも帰宅。
オバケが痛んだと怯えるお母さんに、真剣な顔で「ほんとか」と応対してくれる素敵なお父さん。
ですが太郎からすればオバケ扱いされるのは面白くありません。
お父さんに太郎だよと主張しつつ背中にタッチするのですが、お父さんはここかと箒で太郎をぶったたくのです!!
物凄い勢いで追いかけてくる両親から命からがら逃げ出し、鏡台の下にたどり着いた太郎。
実はデンカが壊れているといったのは、元に戻す装置のことだったのです!
いつまでもこのままかと泣く太郎を見て(見えませんけど)、王様とお妃はかわいそうだと装置の修理を開始してくれます。
ですがその間も安心できません、
ご両親が目を光らせ、太郎とも知らずお化けを打ちのめそうと狙っているのですから……!!
タイミング悪く太郎はくしゃみが止まらなくなってしまい、両親に発見されてしまいます。
もう一刻の猶予もありません!
逃げ回った挙句なんとか鏡台の前に戻ると、多分直ったと修理を終えたところでした!
早速元に戻すダイヤルを回すと……
なんか福笑いのような顔に!!
慌てたらちょっとずれちゃったんだそうで……
太郎はやり直してと泣き叫ぶしかないのでしたとさ。
というわけで、透明人間になって好き放題やると報いがある、という漫画なんかのお約束をしっかりと踏襲しているエピソードを収録した今巻。
幼年向け作品と言うことでお話はわかりやすいもの、短いものばかりですが、それでもちゃんと面白いのはさすがF先生です。
そして子供向けに目を引くようにか、大部分がカラーで描かれており、そのカラーページを完全収録しております!
タダでさえ賑やかな本作ですから、色鮮やかに絵がかれればそれはもう賑やかさは折り紙つき!
お子様でも安心して楽しめ、大人が読めば日ごろの疲れも吹っ飛ぶような楽しさがあふれているのです!
さらに「よいこ」誌の付録になっていた紙芝居なんかも収録!
レアな作品をみっちり詰め込んだ一冊となっているのです!!
不思議な便利アイテムもたっぷり登場、「藤子・F・不二雄大全集 ウメ星デンカ」第4巻は全国書店にて発売中です!
楽しさ満天でお送りする本作。
今巻もやっぱり最初から最後まで愉快都築ですよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!