本日紹介いたしますのはこちら、「アイアムアヒーロー」第9巻です。
小学館さんのビッグコミックスより刊行、ビッグコミックスピリッツにて連載されています。
作者は花沢健吾先生。
本作は「アイアムアヒーロー」のテーマにて紹介をまとめておりますので、よろしければあわせてご覧ください。
さて、安住の地かと思われたショッピングモールも崩壊し、すんでのところで命からがら逃げ出すことに成功した英雄。
その際、比呂美がこのZQM騒動から人類をすくう鍵になるかもしれないと考えた看護師、薮こと小田とともに脱出したのでした。
小田が運転する車の後部座席で、散弾銃を抱えたまま眠る英雄。
そんな彼に、小田が声をかけてきました。
慌てて飛び起きる英雄。
起こしてごめんと言う小田ですが、わざわざあやまってまで起こしたのには当然理由があるのです。
それは、行く手に病院の看板が見えたから。
比呂美の頭には釘が刺さったままな訳でして、出来ればしっかりとした設備のある施設で、しかるべき処置をしたいところ。
ですが、懸念されるのはその病院が一番危険かもしれない、と言うことです。
何せ病院ですから、噛み付かれたりして観戦した患者が真っ先に集まるわけで……
小田はたまたま非番だったため難を逃れたそうですが、恐らく自分の勤めていた病院もダメだろうと考えているようです。
とはいえ、このまま素通りすると言うのも勿体ありません。
ゆっくり近寄り、外観を見てみると……なにやら火事でもあったような痕跡が見て取れます。
既にもう望み薄な気もしますが、それでももう少し近づいて確認したいところ。
車で近づこうとする小田ですが、車が囲まれてしまってはどうにもならないから、と英雄が一人で行って様子を見てみると提言するのです。
ちょっとでも変だったらすぐ戻って来いよという気遣いの言葉に送り出され、慎重に歩みを進める英雄。
何か自分はたよられてる、と言う事実を実感し、なんだか今まで感じたことのない気持ちを胸に入り口の前までやってきました。
するとなにやら扉に張り紙がされています。
ざっくり言うと、例のZQN騒動によって外来が閉鎖されていると言うようなことが書いてありました。
よく読んでみようと顔を近づけたその時、手にしていた散弾銃が扉にぶつかって音を立ててしまいます。
その音に自分でビックリしてしまう英雄ですが……その音に引き寄せられたのでしょう。
やはり病院の中で、ZQNとしか思えない複数の影が蠢き、英雄のほうへと向かってきて……!!
慌てて車のほうに逃げ帰り、病院を離れるしかないのでした。
そのあと個人病院のような、小さなところを探すしかないかもしれないと話しながら車を走らせる一同。
そんな時、道端に自動販売機を発見します。
道端にドンとおいてあるためDQNの潜むもの陰もなく、辺りに自動車が止まっている様子もない。
これは久しぶりに飲み物を手に入れるチャンスだと車を止めるのです!
……が、英雄も小田もお金がもうありません。
銃で打ち壊せば中身を取り出すことが出来るかもしれませんが、ZQNをおびき寄せてしまう恐れがあるためそれは避けたいところ。
車にETCをつけてから小銭も置かなくなったし……と苛立ちを見せる小田。
ですが英雄が、小田の足元に光るものを発見!!
念願の500円玉を手に入れることが出来たのです!!
水を三本買い、比呂美の釘の刺さった部分の血を流すことも出来ました。
のども潤い、ようやく人心地ついたところで、改めて状況を確認することにしました。
今までは携帯の充電が切れていたせいで情報を仕入れることが出来ませんでしたが、幸い小田の車にはカーナビがついています。
カーナビについているラジオを付けてみても、テレビをつけてみても……どの局の電波もキャッチすることが出来ません。
電波の届かない地域にいるだけと言う可能性もなくはないのですが……
もう少し状況がつかめるまで、安全そうな場所に隠れると言う手もあります。
ですが、比呂美の頭に釘が刺さったまま放置していては、髄膜炎や脳炎を発症してしまう恐れもあるとのことで。
やはり出来れば病院に連れて行きたいものです。
隠れるか、病院を探してさまようか。
さまようにしても隠れる場所を探すにしても、人が多い都会に行くか、人の少ない田舎に行くか……
難しい選択ですが、その選択を小田は英雄に委ねることにしました。
現状、銃を持った英雄は非常にたよりになる存在。
英雄と一緒にいるのが一番安全そうだから、英雄の判断に任せると言うのです。
小田が数日間あのショッピングモールにいた時、一度も警察は来なかったし、パトカーのサイレンの音すらしなかった。
あまり想像したくありませんが、今の日本は……そういう状況なんでしょう。
選択を強いられた英雄は、小田に突然どこから来たのかと尋ねだします。
埼玉だと言う答えを聞いた英雄は、決断します。
英雄は練馬で、比呂美も東京から来たといっていた。
……自分が必ず無事送り届けるから、東京方面に行こう、と!!
人が多いと言うことは、ZQNも多いはず。
リスクの高い行動ではありますが、病院等の医療施設が多く、自衛隊やらの施設もあるため、うまくいけば安全が確保できるかもしれません。
英雄の判断に従い、一同は一路東京方面へと向かうのです……!
というわけで、英雄達の行動指針の決まった今巻。
今巻の前半では、主人公を変えてのいわば番外編が展開します。
その主人公とは、第1巻で英雄に辛らつな言葉を投げかけた漫画編集者、佐田。
取材旅行と称して、新人女性漫画家と台湾に不倫旅行としゃれ込んだのですが……
そこでもZQNの脅威は爆発的に拡がっており……
もはやパニックは日本ばかりではなく、ひょっとすると世界全体に広がっているかもしれない、と言う恐怖が描かれているのです!!
そんな状況を知ることも出来ず、病院を求めてさまようことになる英雄。
この状況を潜り抜けることは出来るのか、未曾有の大惨事は収束するのでしょうか……?
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引き続き壮絶な展開が待っている今巻。
英雄達の行く手には何が待っているのでしょうか!?
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!