3階の者だ!!

DEBがお送りするネタバレありのコミックス紹介ブログです。 短編物では一話にスポットを当てて、長編物ではこの後どうなるの?と言うところまで紹介しているつもりです! ※作品記事につきまして、権利者様が問題があると感じられた場合はご一報ください。対応いたします。

2012年10月

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本日紹介いたしますのはこちら、「孔雀王ライジング」第1巻です。
小学館さんのビッグコミックスより刊行、月刊!スピリッツにて連載されています。

作者は荻野真先生。
色々物議を醸し出しまくった「孔雀王 曲神紀」の紹介などは、「孔雀王」のテーマにてまとめております。
よろしければあわせてご覧くださいませ。

さて、85年から連載が始まった「孔雀王」。
瞬く間に大人気となり、度重なるOVA化や映画化、ゲーム化などを果たしました。
ですが完結後に続編として連載開始された「孔雀王 退魔聖伝」では、「孔雀王」をさらに超えた超ハードな展開でファンをグイグイ引き込んで行った所で連載中断になっれしまいます。
その後14年ほどの時を経て待望の新シリーズとして始まった「孔雀王 曲神紀」は、一転してなんだか軽い糊で物語が始まったかと思いきや、なんだかすごい終わり方をしてしまったのです!!
悲しみにくれるファン(と荻野先生)でしたが、12年より今まで連載していた集英社さんを離れ、講談社さんのスオイリッツでこの「ライジング」の連載を開始!
ファンにとっては嬉しい復活となったのでした!

そんな感じではじまった本作はその後の物語といったものではなく、本シリーズの主人公の孔雀の少年時代を描いた過去編となります。
俺の記憶が確かなら、子供のころの孔雀って色々あったせいでものすごく暗い感じだったような気がしますが……
ともかく、修行僧としての日常の始まりから孔雀の子供時代を描く作品になっているのです!!

仏教グッズの犇くとあるお店。
そこで買い物に悩む人物がおりました。
本物の水晶の数珠だとか、金メッキの独鈷杵やら、なんだか高そうなものばかりでどうしようかまよっている恒例の僧侶……慈空。
ですがこの買い物は、慈空が自分のために買うものではないのです。
彼の弟子が、今日から一生に一度の入門修行をすることになり、その門出を祝う意味もこめてのお買い物なのでした。
その弟子……明が慈空を呼びます。
このお店に飾ってある仏像はみんな中身が空っぽだし、こっちの高いやつは狸や狐やいたちにゴキブリなんかの目つきの悪いのばかりがついている、と。
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挙句の果てには仏像を購入しようとしていた別のお客さんを捕まえ、その像には鮭ばかり飲んでる汚いおっさんが中に入っている、と告げてしまい……
怒った店員に追い出されてしまったのでした。

明はチベットの山奥で飛行機事故にあい、同乗していた父と姉を失ってしまいました。
自分の弟子である明の父を探しに向かった慈空は、そこで明だけは保護することが出来たのです。
そのまま明は慈空の弟子となりました。
その最大の理由は、明に「へんなものが見える力」があったため。
本来そういった力は、かなりの修行を積んだ高僧にしか備わらないものなのですが、明や明の父には生まれつきその力が備わっていたと言うのです。

今この世の中には、悪しき魔仏や疑仏が溢れていて、それが呼び水となって「大魔王仏」がこの世に現われてしまいそうなのだとか。
大魔王仏とは、第六天魔王とも呼ばれる最大の仏敵。
その力を前にしては、経文も親交も何一つ役に立たず、対抗できるのは仏教世界最強の戦闘仏である「明王」だけなんだとか。
孔雀もまた修行を積み、一刻も早く明王の力を借りられる退魔僧にならなければならない!
慈空がそう明に告げると、明は「うん、わかった!」と物凄いいい返事で返すのでした。

が。
ここから入門する裏高野までは1人で行かなければならない、と慈空と別れた直後に明は道に迷ってしまいます。
しかも本来迷いようもないはずの一本道で……
日は暮れはじめ、山は夜の帳が下りてきています。
すっかり迷ってしまった明はもう半泣きですが、向かう先に僧侶らしき人影が見えて一安心。
道に迷ってしまった、一緒に裏高野までつれてってくれ、と僧侶に駆け寄っていきました。
ですが振り向いたその僧侶は
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見るからに生きた人ではありません。
しかも気がつくと周りには怨霊のようなものたちで囲まれています!!
慌ててダッシュで逃げる明!!
ですが足場の悪い山道ですから、すぐ躓いて転んでしまうのです!!
あたりを埋め尽くす怨霊に、明は印と真言をもって攻撃!!……しようとするのですが、流石に何の修行模せずそんなことが出来るはずもないわけで。
明は泣き言を言って縮こまることしか出来ないのでした。
……ところがこの霊たち、明を攻撃してきたりはしません。
よくよく見れば、何かを訴えかけたいような目をしています。
目を凝らし、耳をすまして霊の声に耳を傾けると……
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「ホトケニアイタイ」、そう言っているようなのです。

どれだけ探し回ったでしょうか。
霊たちをつれて散々歩き回った後、草むらの中で傾いた小さな岩のようなものが見つかりました。
これが仏だと言う明に、霊たちは怪訝な表情を浮かべるのですが、明が表面を覆っているコケをむしっていくとそこには梵字のようなものがほられていました。
するとそこから、美しい姿の仏様が出現。
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千年振りにこの石碑から私を見つけたものがいる。
そういうと仏様はお経を唱えながら、さまよえる霊たちを天上へといざなって言ったのでした。

迷える霊は助けたものの、明はまだ迷子。
そんな彼の元に、今度こそ生きた人間の僧がやってきてくれました。
時空から心配だから迎えに行ってやってくれと言われたらしいその僧は、裏高野の女人房の修行僧頭、嵐(らん)。
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明は彼女に連れられて、ようやく裏高野へとたどり着くのです。
こうして始まる修行の日々。
そこで明は、新たな人生の始まりとして法名をもらうこととなります。
その名こそ、孔雀。
一体明……孔雀にはどんな試練が待っているのでしょうか?

というわけで、孔雀の幼少時代が描かれる本作。
皆さんのよく知るエロス大好きな孔雀はどこへやら、この少年時代の孔雀はひたすら天然のハラペコキャラ道を突き進んでおります!!
荻野先生作品では結構珍しい感じの、孔雀と同じような立場の新米少年少女の修行僧数名とともに生活を過ごしていく、いわば学園モノのような方式がとられているのが目に付くところ。
聖邪様々な大人たちに囲まれ、修行僧としての訓練に励む様子が描かれるのです!!
その修行はなんと言いますか、今までの孔雀王の超能力バトルに近いものとはうって変わっていまして……それぞれの守り本尊である仏様が具現化して攻撃したりする、「スタンドバトル」に近いものになってます。
と言うのもその具現化した本物の仏様と、魔に落ちた魔仏、疑仏との戦いと言うのがキーワードになっていくようで。
孔雀明王そのものにも迫っていく感じのお話になっていくようです!!

そして意外と言っては失礼かもしれませんが、荻野先生が「少類人(ちゃいるど)」以来な気がする子供キャラがしっくりきているのも注目です!
少年孔雀や修行仲間の少女達には燃えられる人がでるのも不自然じゃないくらいに……!!

少年孔雀の活躍を描く、「孔雀王ライジング」第1巻は全国書店にて発売中です!!
少年時代の孔雀が描きたいから小学館さんにうつったと言ういわくつき(?)の本作。
子供さんによませられる漫画にしたいとのことで、荻野先生作品としては非常にエロス要素が控えめとなっておりますよ!!
……冒頭以外は……!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


……ファンとしましては、今度こそいい感じに物語を進めて言っていただきまして、ゆくゆくは孔雀王の完結編に繋げて行っていただければなー、と思わずにいられません……!!


孔雀王ライジング 1 (ビッグ コミックス)
小学館
2012-10-30
荻野 真

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本日紹介いたしますのはこちら、「あやかしコンビニエンス」第2巻です。
ホビージャパンさんのダンガンコミックスより刊行、コミック・ダンガンにて連載されています。

作者はヒライユキオ先生。
本作第1巻の紹介は、12年4月30日の記事にて記載しておりますので、あわせてご覧くださいませ。

さて、亡くなってしまったおばあちゃんのあとを継ぐかのような形で、家業のコンビニのアルバイトをすることになったあかり。
そのコンビニ、コンビニエンスあやはしは、田舎にもかかわらず24時間営業しています。
その理由はただひとつ。深夜はこのあたりで暮らす妖怪達が客としてやってくるから!!
もうすっかり妖怪たちと打ち解けたあかりは、おばあちゃんの飼い猫で、年を経て人間に変化できるようになった環とともに今日もバイトに精を出すのでした。

ある夜、あやはしはインチキ商品ばかり売るかむさび堂の店主が大騒動を起こしていました。
そのトラブルから当人である店主が逃げ出したため、慌ててあかりは後を追いかけます。
店主が逃げたのは山の中。
園山の中に聳え立つ、一本の木の本であかりはある妖怪に出会うのです。

この地を追放されたはずのお前がなぜここにいる?
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半ば枯れかけているようにも見える木の上で、そうあかりにいいはなつ女性。
その言葉を聞いたあかりは、大きな木から落下した記憶を思い出しそうになるのですが……
それは、女性のなぜそなたがここにおるのじゃ、アキは何をしておる?と言う言葉と、大きく鳴り響いたあかりの腹の音によって妨げられてしまうのでした。

すっかり興がそがれてしまった女性は、アホと話しても疲れるだけだからさっさと帰れとそっぽを向いてしまいました。
そんな扱いをされれば、文句の一つもいってやりたくなるのも無理はありません。
ずいと足を踏み出したのですが、その瞬間女性の顔色が急変したではないですか!
根を踏むでない!!
そうは言われても踏み出した足を止まりません。
あかりが根を踏んでしまうと、何や話周りがざわざわとざわめきたちはじめます。
そしてまずい、と女性が呟くと同時に、あかりの足元から真っ黒い蛇のような奇妙な何かがのびてくるではないですか!!
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その黒い蛇が牙を向こうとした瞬間、女性は手にしていたヤツデのようなうちわをすばやく扇ぎます。
すると突風が巻き起こり、あかりの周りを取り囲んでいた黒い蛇が蹴散らされました。
ですが黒い蛇はまだまだ残っています。
女性の走れ、と言う声にようやく正気に戻ったあかりは、奪取してその場から離れようとするのですが、あえなく黒い蛇に捕らえられてしまうのです!
大ピンチ、と思われたその時助けの手が差し伸べられました。
牛鬼です!
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あかりの足元を照らす灯り役で同行していた鬼火、彼の助けを呼ぶ超えに導かれてやってきてくれた
のです!!
流石の牛鬼、黒い蛇を次々と蹴散らしていってくれました。
これで一安心といったところですが、先ほどの女性はさっさと山を降りろと高圧的な態度をくずしません。
さらにあかりに二度とここに来るな、そのときは命を落すことになる、と警告するのです。
そんな無礼な立ち振る舞い……というか、自分のことを牛丼太郎などといい加減な名前で呼ぶことにブチ切れた牛鬼、金棒を振りかざして女性に襲い掛かりました。
大木を叩いて落下させようとしたのでしょう、思い切り金棒を鬼へと振り下ろすのですが、その金棒は木の手前で止まってしまいました。
まるでヤツデのような形のバリア的なものに妨げられて!
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「この樹は倒させぬ」。
そういう女性の目的はどうやらこの木を守ること。
ですがそうしている間にも、再び黒い蛇が姿を現すのです。
この黒い蛇が狙っているのはどうやらあかりの様子。
牛鬼が必死で黒い蛇をひきつけてくれたおかげで、あかりは何とか逃げのびることが出来たのですが……
一体なぜこの木はあかりを狙うのでしょうか?

その後、あの女性はあの山、伊吹山に住んでいる天狗の風子という妖であることがわかります。
すごい強さを持っているんだそうで、この当たりいったいを締めてる親分的な存在なんだそうです。
そしてやはりあの大木を守っているんだそうで、そこに近づくと酷い眼に合わされるんだとか。
しかしあの木がなんなのか、と言うことまでは誰も知らないのです。
明らかにあかりを狙っていたあの木。
そして間の木を守りながらも自分を逃がそうとしてくれた風子。
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一体何がどうなっているのか?
それがわかるのは、どうやらもう少し後のことのようです……

と言うわけで、新たな謎の人物(妖怪ですけど)が登場する今巻。
どうやら妖怪との日常だけでなく、この大木にまつわるアレコレも物語の軸となっていくようです。
ですがシリアスな物語がすぐに展開すると言うわけでもなく、とりあえずこの後はいつものドタバタ日常パートが繰り広げられていくことに。
個性豊かな妖怪たちが暴れまわる愉快な日常が楽しめますよ!!
今回はなんと喧嘩友達的な関係だったハズのあかりと環が
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なぜか百合百合な関係になってみたり……!?
日常パートも必見です!!!

お得意様は妖怪、「あやかしコンビニエンス」第2巻は全国書店にて発売中です!!
コミカルな日常にくわえ、物語の本筋も形が見えてきた本作。
今巻のラストのほうでその本筋もすすみはじめてきますよ!!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


あやかしコンビニエンス 2 (ダンガンコミック)
ホビージャパン
2012-10-27
ヒライ ユキオ

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本日紹介致しますのはこちら、「パジャマな彼女。」第3巻です。
集英社さんのジャンプ・コミックスより刊行されました。

作者は濱田浩輔先生。
本作第1巻の紹介は12年6月7日、第2巻の紹介は12年8月5日の記事にて紹介しています。
よろしければあわせてご覧くださいませ。

さて、雪姫の実家へと向かった計佑たち。
様々な事件にも見舞われましたが、キスがまくらの目を覚まさせるかもしれないと言う手がかりにたどり着きます。
ですがその旅先で雪姫といい感じになってしまう計佑を見て、まくらは自分の存在が計佑の足かせになっていると思い込んでしまいます。
そしてまくらは、たとえ元に戻れなかったとしてもこれで計佑を卒業するといいながら、計佑にキスをしてきたのでした。

そのキス、本当に効果があったのでしょうか。
まくらは目を覚まし、日常生活へと戻ってきました。
ですがまくらはどうやら幽霊だった時の記憶がないようで、ここ最近に起きたことはまるで覚えていないようで。
まるであの出来事がウソだったかのように日常に戻っていったのです。

まくらの一言から、自分の好きなことを生かして天文部を作った計佑。
ソフトボール部と掛け持ちのまくら、その友人である硝子、そして雪姫の親戚で妹的ポジションのありすとそのお友達二人を加え、顧問の先生も見つかって無事活動を開始。
さらにその部活の仲間達で行う交換日記のような「星座ダイアリー」をつくります。
そんな中、硝子もまた密かに計佑を好いていることが判明。
ですが彼女は恵介とまくらの本当の気持ちを知っており、そっと見守り続けているのです。

そんなある日のこと。
計佑たち天文部の面々は、まくらの試合の観戦にやってきました。
まくらの試合を観戦するのは小学生のころ以来かもしれない。
そんなことを考えながら試合を見ていると、まくらの姿に慶介は仰天することになるのです。
立派にソフトボール部のエースとして活躍するまくら。
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その凛々しい姿に計佑は息を呑むのです。
計佑の中にある彼女のイメージは、まだソフトボールを始めたばかりの小学生のころのもの。
自分の知らない間に、自分の道を一歩一歩すすんでいたまくら。
自分もまた天文部設立で頑張り、自分の世界をひろげたと思っていたものの、まくらはずっと先に言っていたのです。
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子供のころから、ずっと同じ場所にいたと思っていたまくらが。

試合も終わった後、そんなことを考えながら沈んだ表情を浮かべていた計佑。
硝子はその顔にいち早く気がつき、どうしたのかと尋ねてくるのです。
計佑はみんな今までずっと部活とか習い事とかで頑張っていたのに、自分はここ数週間の天文部設立でガンバ滝になっていた、レベルが低すぎた、と思っていることをそのまま吐露したのです。
そんな時間やレベルなんかの問題じゃない、とフォローする硝子は、星座ダイアリーを取り出して今度は計佑の番だと話題をそらそうとします。
ですが計佑はそのくらいテンションのまま、どうだっていいじゃないか、たかが交換日記じゃないかと口走ってしまったのです。
その言葉を聞いた硝子は珍しく感情をあらわにして怒ります。
何年も続けてきたまくらの部活と、始まったばかりの天文部の活動を比べようとしているのか?
そんなの比べられるわけない、次巻や密度なんて関係無い、優劣なんてつきっこない!
どんなに近かろうとも同じじゃない、計佑は計佑、まくらはまくらだ。
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そう言って、計佑に星座ダイアリーを渡してきたのでした。

学校の屋上で花火をしているみんなの姿を見ながら、星座ダイアリーを眺める計佑。
そうしているうちに、だんだんと色々な思い出がよみがえってきました。
思えば、まくらが幽霊だったときが最後の「二人だけの世界」だったのかもしれない。
だけど元に戻ると、まくらには自分が知らなかったまくらの世界があって、自分もまた何かを始めようとして変わっていっている。
そして今日、初めてまくらを遠くに感じた時に気がついた。
子供のころからずっと、まくらのことばかり見ていた……
花火に照らされるまくらの笑顔。
その顔を見て、計佑はその核心を強めるのです。
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まくらが、好きだ。

自分の気持ちにようやく気がついた計佑。
ですがその時、計佑の前にとんでもない現実が叩きつけられたのです。
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……まくらが、父の勤める遠方へと引っ越してしまう……
いままで離れて暮らしていたことなんてなかった二人。
気持ちに気がついたその時、別れがやって来てしまいました。
果たして計佑とまくらはどうなってしまうのでしょうか?
雪姫との関係は?
物語はついに完結となるのです!!

というわけで、完結となってしまった本作。
この第3巻に入ってからも新キャラクターが登場したり、硝子ともフラグを立てはじめたりもしたのですが、あえなく終了となってしまいました。
計佑とまくら、そして雪姫の三角関係がメインと思われていた本作ですが、この第3巻では雪姫の存在感がやや薄くなり、まくらと計佑、そして硝子に祥天があてられています。
計佑と三人の女性たちは、それぞれどんな結末を迎えるのでしょうか?
切なさと暖かさが織り交ぜられたエンディングが待っているのです!!

完結となる「パジャマな彼女。」最終第3巻は全国書店にて発売中です。
元の姿に戻ったまくらと、計佑の恋の行方が描かれた本作。
番外編も収録し、お色気要素もバッチリです!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


パジャマな彼女。 3 (ジャンプコミックス)
集英社
2012-10-04
濱田 浩輔

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本日紹介いたしますのはこちら、「妹のジンテーゼ」第2巻です。
集英社さんのヤングジャンプ・コミックスGJより刊行、グランドジャンプにて連載されています。

作者は原作が十全文博先生、漫画が紺野比奈子先生。
本作第1巻の紹介は12年6月19日の記事にて記載しております。
よろしければあわせてご覧くださいませ。

さて、英明女学院に入学した三人の女生徒、智恵、夕香、古都音。
彼女たちは問題解決部、通称もんかいに入部して活動を行うことになりそうになったのですが、その前にある戦いを制する必要がでてきてしまいます。
衰退するもんかいから部室を奪った形になる、クイズ研究会、通称くいけん。
部室の使用権を賭け、彼女達とクイズ勝負をすることになってしまったのでした!

基本的に学力の高い古都音ですが、昨今は今までのように勉強に身が入らず、困っていました。
それは今までの勉強などで蓄えていた記憶が増えすぎたことが原因となり、琴音の頭の中で「記憶の断片化」がすすんでしまったためだと言うのです。
その改善にまず行ったのが、古都音の部屋の掃除。
部屋は心の鏡、とのことで、部屋の整理で心の整理もついた様子。
ある程度古都音の頭脳の不調は回復したのです。

さらに智恵はこんなことを言い出します。
幻の記憶術がある、と。
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人間と言うものは、たとえ話や語呂あわせなどの連想を使うと理解が進む。
人間が持つこういった優れた連想力を生かすのがその幻の記憶術なのです。

記憶と言うのは、「憶える」だけでなく、「思い出す」事も大事です。
そこで数多くの記憶に他のものを結びつけることで記憶の出し入れを容易にすると言うのがこのまばろしの記憶術。
ここで智恵は図書館を例えに出して説明を始めます。
図書館で蔵書を管理するステップは、大まかに4つ。
「収集」「分類」「整理」「収納」です。
まず収集。
これは何でもかんでも憶えるのではなく、必要なものを必要なだけ憶える、「取捨選択」と言い換えられます。
分類はその本がどんなジャンルなのかわける「カテゴライズ」。
これを整理するのが、どこにどんな本をおくのかと言うことを考える「レイアウト」。
そして収納、それらをきっちりと「片づけ」る。
これが記憶の手順なのです。

幻の記憶術で最も重要なのは、その憶えた情報を何に連想させるか、と言うこと。
なんでも人間の記憶と言うのは場所を記憶するのに長けているそうで。
方向音痴であろうとなんであろうと、頭の中で自分の家の中に玄関から入っていき、そこから今に入り、自分の部屋に行ってみる……そのくらいならば難なくできるはず。
実際夕香と古都音も想像できない箇所などなくあっさりと頭の中の自分の部屋にたどり着きました。
智恵はそれこそが人間の空間認識力なのだ、人間の「場所を記憶する力」は非常に強力で、自分の好きだったりなじみのある場所ならばその精度はさらに上がる、といいます。
そこで、その場所に自分の記憶を関連付けていく。
いうなれば自分の脳内に、「空想の図書館を作る」ことこそが幻の記憶術だ、と!!
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クイズ対決までの時間は2週間。
三人は圧倒的な知識量を誇る古都音の記憶の整理、「記憶の宮殿」を作るために奮闘します。
幸い決戦の暇では部室が使用可能になったとのことで、整理に励むのですが……
交渉をした夕香が、代わりに負けたら一生部活使用不能+全員丸坊主、と言う余計な約束まで取り付けてしまっていました。
ますます負けられなくなってしまったところで始まる記憶の宮殿製作。
まずしなくてはならないのは、何の建物にするか決めると言うことです。
古都音は考えた末、「ルーブル」にすると言い出します!
記憶の宮殿と言うくらいだから、宮殿がいいのかな、だったらいっそのこと世界一有名な宮殿がいいんじゃないかなと思ったんだそうです。
智恵は慌ててその考えは理解できるが、この方法は自分がよく知っている場所で無ければ意味がないと却下します。
新しい記憶を配置していくためには、目をつぶれば思い浮かべられるほど馴染み深い場所がいいんだそうで。
だからそういう建物にしてはどうか、と言うのですが、古都音からは意外な返事が返ってくるのです。
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それなら大丈夫、父が洋画家をやっている関係で中学までずっとパリにすんでいた、ルーブルは毎日のように通っていたから、自分の庭のように知っている、と!

ルーブルの地図を広げる古都音。
ルーブル最大の特徴は、建物が三つの棟から構成されていること。
東側に位置するのがシュリー翼。
ここは古代美術とフランスの芸術が陳列されている、ルーブルの根幹ともいえる場所です。
南側はドゥノン翼。
この棟はルネッサンスの絵画が主として陳列されていまして、かのモナリザなんかもあるルーブルで最も華やかな場所です。
そして最後がリシュリュー翼。
ここは古代の遺跡や彫刻、ルネッサンス以外の外国絵画などがその他もろもろが展示されている、最も新しい部分だそうです。
その説明を聞いて、智恵はビックリ。
アリストテレスが分野分けしたと言う学問のカテゴリーは、大きく分けると三つに分かれると言うのです!
まずその根幹を成すのが「人文科学」。
「哲学」「詩学」「演劇学」といった、彼が追求した「知」の取っ掛かりの部分にあたる基本なのだとか。
続いて研究を深めたのが「自然科学」。
これは「物理学」「生物学」「天文学」などの自然界から得られ、文明の進歩を齎した華やかな学問といえるのです。
そして最後が「社会科学」。
「政治学」「経済学」などのその他の興味ある研究対象なのだとか。
この三つ、まさに基本の「人文科学」と「基本」のシュリー翼、「自然科学」と「華やか」のドゥノン翼、「社会科学」と「その他」のリシュリュー翼と、ピッタリ当てはまるではありませんか!!
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さらに基本を基礎教養、華やかを理系、その他を文系と当てはめるとより一層わかりやすくなりました。
この方向で記憶の配置を考えていこう、いいかな?と古都音を振り返ってみると、
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古都音は面白いと目を輝かせているのです!!
自分の記憶のコレクションを飾っていく、美術館作りのような作業。
それに目を輝かせる古都音はもうやる気まんまん、ワクワクモード。
知とは本来ワクワクするものなのだから、古都音がそう感じているならばもう成功はほとんど間違いないと智恵は断言しました!!
一気にもりあがってきたもんかい三人娘。
智恵の独特の知識、古都音の広く深い教養、そして夕香の鋭い直感と閃き。
この三つがあわされば、くいけんとの戦いを制することも無理ではありますまい!!
果たして三人は波に乗って勝利することが出来るのでしょうか!?
戦いの日はやってきます!!

というわけで、幻の記憶術を掘り下げる今巻。
この上さらに智恵は、クイズ対決のルールの盲点をついた秘策を引っさげて戦いに挑むのです!!
今巻もまた、さまざまな薀蓄が満載!!
本記事ではさっくりと幻の記憶術に関しての紹介をさせていただきましたが、良くも悪くも本作中では脱線しまくり!
様々な脱線先での薀蓄がこれでもかと披露されるのです。
それもまた間違いなく本作の魅力。
こういった生きていくうえでどうでもいい(失礼!)知識を収集するのが楽しくてしかたのない方ならば確実に楽しめますよ!!
そしてその薀蓄ゆえなかなか物語がすすまなかった本作もいよいよクイズ対決に。
このクイズ対決で順調だったもんかい三人娘の1人にトラブルが……!?
いよいよ物語のほうも盛り上がってくるのです!!

薀蓄満載女子高生日常物、「妹のジンテーゼ」第2巻は全国書店にて発売中です!!
クイズ漫画ともまた一味違う独特の味を持つ本作。
タイトルにあるような「妹」要素はガンガンへっておりますが……気にしない気にしない!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


妹のジンテーゼ 2 (ヤングジャンプコミックス)
集英社
2012-10-19
紺野 比奈子

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本日紹介いたしますのはこちら、「BLACK JACK ~青き未来~」です。
秋田書店さんの少年チャンピオンコミックスエクストラより刊行されました。

作者は原作が手塚治虫先生、脚本が山石日月先生、漫画が中山昌亮先生。
手塚先生に関してはもはや説明不要でしょう。
山石先生は本作がデビューとなる方ですが……山と石、そして日と月を合体させると別名義の漫画家さんが正体であることがわかると思います!
そして中山先生の作品は「中山昌亮」のテーマでまとめましたので。あわせてご覧くださいませ。

さて、73年に生み出されてから今に至るまで、名作として高い評価を受けている「ブラック・ジャック」。
手塚先生が鬼籍に入られた後も、何度となくリメイクなどが繰り返されてきました。
そんな中で本作はその著作が高い評価を受けている岩明……山石先生と、丁寧な筆致に定評のある中山先生の強力タッグによって紡がれるのです!

西暦20XX年。
どこかの難民キャンプにある医療施設で、数名の医師たちが噂話に興じていました。
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60近い年齢になると言うブラックジャックを襲っていると言う奇病の話を。
いきなり昏睡が襲ってくる、原因不明の難病。
その病気と闘いながらも、彼は今も例の超高額報酬と引き換えの手術を行っていると言うのです。

医師たちが噂話をしているキャンプには、行き場を失った難民たちが次々とやってきます。
その理由はひとえに、「隣国」にあるのです。
クロエと言う女医を中心に語られていたブラックジャックの噂話。
奇しくもその「隣国」にブラックジャックはやってくることになるのです。

ブラックジャックが助手のグエンとともにやってきたその国は、独裁国家ハロイ。
全時代的な絶対専制国家であり、絶大なカリスマであるムタリロが統治をしていました。
いくらカリスマといえど、独裁国家がきちんと完全なる平和の元に統治されることなど稀です。
このハロイもご他聞に漏れず、国の金は軍備につぎ込まれ、民衆は貧困にあえいでいます。
そんな危うい均衡の元に成り立っていたハロイに思いがけないトラブルが。
ムタリロが、重病に倒れてしまったのです。
どんな形にしろ、独裁国家と言うのは1人の求心力を持つ人物がいてこそ成る物な訳で。
残念ながらムタリロの後釜が務まるほどのカリスマはハロイにはおらず……
政権維持の為に、ムタリロの延命をしなければならない。
現在、実質政権を逃げ言っているソルニ参謀長はそう判断したのでした。

やってきたブラックジャックを迎えたのは、大勢の銃口でした。
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あまりにも物々しい出迎えですが、ソルニのムタリロを救う高名なる意思とその助手である、という言葉を聞くや否や、謝罪の言葉とともに一斉に道を開けたのです。
その様子に思わずため息が漏れるブラックジャック。
手術が成功するにしろ失敗するにしろ、いや、そもそも手術するかしないか。
そのどれを選んだとしても、厄介なことになることだけは間違いなさそうです。

ムタリロはそれはもう物凄い医療器具の真っ只中で眠っています。
ブラックジャックはとりあえずその状態を見てみることに。
結果としては、たって走り回るまでは行かないまでも、8年くらいは寿命を持たせることは出来そう、と言う具合のようで。
それを聞いたソルニはありがたい、と喜びを表すのですが、問題はこの後です。
ブラックジャックといえば有名なのは、神業ともいえるそのオペレーション技術。
……そして、超高額な報酬です。
今回ブラックジャックが要求した額はなんと
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2億ドル!!
法外なんてもんじゃありません!!
思わず気色ばむソルニを差し置き、ブラックジャックは余裕さえ感じさせる表情で、細かな内訳をグエンに明かさせます。
手付金が4000万ドル、手術終了時に8000万ドル、術後の経過確認後に8000万ドルの3回払い。
それが出来なければ帰る。
ですがソルニがそれを受け入れるわけもありません。
気がつけば再び
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ブラックジャックは複数の銃口に囲まれています。
従わないなら力づく。わかりやすいもんです。
ですがそんな状況に陥ってもまだまだブラックジャックは余裕綽々。
自分の病気のことを話し始めました。
急にコンセントを引き抜かれたかのようにその場に倒れてしまい、、30時間プラスマイナス4時間は眠り続けてしまう。
もし手術中にそんなことがおきれば、もうどうしようもないでしょう。
ですがある特別な強壮剤があれば、ある程度その昏睡を抑えることが出来る。
だがその薬はデリケートで、人間の手で作るのは無理と言ってもいいほど配合が困難なのです。
しかも日持ちもしないため、そのつど作るほかありません。
じゃあどうやって手術をするのか?もともとしないつもりで来たのか?
怒りを露わにするソルニを押さえ、ブラックジャックは続けます。
グエンに持たせていたバッグの中に、、調合してくれる機械と材料が入れられている。
だがその機械には解除不可能なある細工がしてある。
指定の銀行の口座に、特定の額が振り込まれると作動する仕掛けが!!
手術するもしないもお前さんしだいだ。
手付けを送金してみてくれたらわかりますぜ。
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ブラックジャックはにやりと笑ってソルニにそう告げるのでした!!

と言うわけで、アレから何十年後かの物語を描く本作。
本来のブラックジャックの形式である短編型ではなく、300ページに近いこの単行本まるまる一冊を使って一つのエピソードを繰り広げてくれます。
本作の目玉となる要素は、ブラックジャックの病気との闘い、独裁国家のこれから、そして意外にも冒頭にでた女医のクロエです。
巨大権力と、自身の病気と闘うブラックジャックが要求している莫大な金額は何のためなのか?
わざと手術を失敗するようなことはしないはずのブラックジャックは、なぜこの独裁者の治療を引き受けたのか?
そんなストーリーにくわえ、どうやらブラックジャックと直接あったことがあるらしい女医のクロエの物語が絡み合っていくことになるのです!!
そして迎えるエンディングは、原作ファンならば思わずにやりとしてしまうような、ホンワカしてしまうようなものに。
現在に至るまでのブラックジャックに何があったのか?
そんなことを思わず考えてしまうラストになっているのです!!

ブラックジャックの今を描く、「BLACK JACK ~青き未来~」は全国書店にて発売中です!
すっかり歳をとってしまいながら、未だその腕と度胸は健在なブラックジャック。
そんな彼の活躍と、あの子の今も見られる作品となっていますよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!





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