本日紹介いたしますのはこちら、「ねじまきカギュー」第8巻です。
作者は中山敦支先生。
集英社さんのヤングジャンプ・コミックスより刊行、週刊ヤングジャンプにて連載されています。
さて、生徒会、マブルゥ、鉤生たちの三つ巴の戦いが激化して行く本作。
生徒会に潜入した窈の活躍もあって、鴨は無事生徒会から救出に成功しました。
ですがその道中で、生徒会の追っ手と鉤生の仲間達が次々と交戦状態に!
一人その戦いの渦から抜け出した窈ですが、無事医務室に鴨を連れて行くことが出来るのでしょうか?
鴨が目を覚ますと、そこは医務室ではなく、風車の見える草原でした。
そこには窈が1人立ち尽くしています。
そして彼は、鴨のほうを向き直り、いきなりこう告げてきたのです。
「俺は鉤生十兵衛が好きです」と。
窈はとうとうと語ります。
以前の自分は自信がもてず、絵を描くだけが喜びの日々を送っていた。
だが鉤生と初めてしゃべった時、自分の絵を好きだと言ってくれた。
鉤生に美しさ、かわいさ、真っ直ぐさ……「ありがとう」に救われたんだ。
そこまでしゃべった後から、窈の表情は変わっていきます。
小刻みに震え、歯を食いしばって続けられる言葉。
でもあの一番輝いている笑顔は、オレには向けられない。
鴨にしか向けられないのが許せない。
鴨はずるい、はじめからいい場所にいて、やさしくて意思が強くてみんなに好かれている。
自分が悪役だってことはわかっているが、どうしようもない。
はじめから何ももっていない人間は、何を希望に生きていけばいいんだ。
教えてくれよ!!
そして窈は、鴨を殴りつけるのです!
なぜなにもいわないんだ、命をかけて自分と取り合え!
怒りと悲しみを迸らせながら、拳を振るい続ける窈。
そんな彼に対する鴨の答えは、
窈を抱きしめると言う行為でした!!
窈の声が聞こえた、ありがとう。
その言葉に握ったこぶしを自然とおろしてしまう窈に、鴨は彼の求める答えを返します。
僕は……
そういいかけた瞬間!
いつの間にか鴨のすぐ後ろにマブルゥが立っており、必殺の威力を秘める膝が背中に押し付けられていたのです!!
続けろ、だが用心深くだ。
窈の表明を上回ってみせろ、できなければここで死ね。
この行動は、何を意味しているのでしょうか……?
鴨を認めていなかったハズのマブルゥですが、ここで窈を上回るような決意を見せることが出来れば、鴨を認めざるを得ない。
そして認められない存在ならばここで消してしまえばいい。
そんな考えだとでも言うのでしょうか?
ですが、鴨からすればマブルゥの思惑など関係無いのです。
鴨はその脅迫に一切動じることなく、こう言ってのけるのです。
「君こそカギューちゃんの家族失格だ」と!!
いきなりのその言葉に、マブルゥの顔には音を立てて青筋が浮かび上がりました!!
しかしそれでも鴨は怯みません。
教育は痛みを与えてあげることだ、と僕の嫌いな人は言った。
それは否定できないことだが、行き過ぎればただの体罰やいじめと変わらない。
だがマブルゥはまるで逆。
鉤生を溺愛するあまり、過保護になりすぎている。
それがどれだか毒になるかわからずに……
更に続けようとする鴨に、マブルゥは言いようの無い威圧感を孕ませながら語りかけます。
言ったはずだ、用心深くだと。
急だったからパニクッたんだろう、今すぐ撤回すればギリ許してやる。
お前は落ち着いて物を考えられる人間だよな。
しかし、その言葉とともに頭をなでていたマブルゥの手を、鴨は振り払うのです。
いくら肉親でも、あの子の自由を奪う権利は無い!
あの子の恋する権利は君のものじゃない!!
そして今度は窈に言葉を投げかけます。
君が鉤生を想う気持ちは疚しい物なのか?
それを決めるのは他の誰でもない自分自身じゃないのか……?
その言葉は、マブルゥの言葉にいつの間にか縛られていた窈の心を動かします。
ですが先に動いたのはマブルゥだったのです!
殺気を漲らせて、足を振りかぶるマブルゥ!!
容赦なく降りかかる殺意に、鴨は!?
揺れ動く窈はどうするのでしょうか!?
その頃、朱羽VS小鹿、富江VS走の戦いも激化していました。
はっきり言って単純な身体能力、戦闘技術では劣っていると言わざるを得ない朱羽&富江。
いくら織筆たちと特訓したとは言え、短期間で見違えるほどパワーやテクニックがあがるはずもないのですから。
ですが、それは織筆も充分承知。
その上でどうやって強くなるのか?
それは、自分の中にこびりついた考え方、戦い方、悪癖を変える事……!
そこで朱羽に与えられたのは、自分に自信があるゆえにおろそかになっていた「相手を知ること」と言う教え。
そして富江に教えられたのは、極限の戦闘下で勝敗を分けるものは「想いの強さ」だけ、自分が打ち込んできたものは決してウソをつかない、と言う教えでした。
教えを元に、二人の新戦法が繰り出されるのです!!
と言うわけで、対生徒会、対マブルゥが進展していく本作。
この長きにわたる巴戦も、今巻でいよいよクライマックスに突入を始めます!
窈の鉤生への想いの行方は?
マブルゥの怪しげな行動の真意は?
修行を終えた鉤生は?
そして、今まで謎のヴェールに包まれてきていた生徒会長の実力は?
その様々な要素が、いよいよ解決していくことになりそうです!!
今巻はバトル要素がメインとなっていますが、前述した鴨の男気のほかにも本作ならではの要素がおさめられています。
特に今巻のラストに待っている、鉤生の衝撃的な一言は破壊力満点!!
新生鉤生の魅力は、是非ともその目でご確認ください!!
鴨と、朱羽&富江それぞれのバトルが収録された「ねじまきカギュー」第8巻は全国書店にて発売中です!!
熱いバトルと熱い主張、熱い愛がたんまりおさめられた本作。
巻末に描き下ろしのおまけ漫画が4Pも収録され、お楽しみ要素もバッチリです!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!
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