本日紹介いたしますのはこちら、「黄昏乙女×アムネジア」第8巻です。
作者はめいびい先生。
スクウェア・エニックスさんのガンガンコミックスJOKERより刊行、ガンガンJOKERにて連載されています。
さて、霧江の祖母であり夕子の妹である紫子に夕子の姿が見えていることがわかった前巻。
ですが夕子の死について何か知っている節のある紫子が見えているのは、夕子の捨てた黒い感情が形となった影夕子だけだったのです。
こうなれば紫子に直接聞いてみるしかない。
貞一は霧江の自宅を尋ねることになりました。
門構えも立派な、いかにもと言ったお屋敷。
それが霧江と、紫子の家だったのです。
紫子は霧江の祖母、夕子の妹であると同時に、貞一達の通う学校の理事長でもあります。
もともとこの学校の敷地は庚家のもので、紫子の父がこの学園の設立者なんだそうです。
その彼女が決めたこと……旧校舎の取り壊し。
一月後に実行されると言うその噂話は、真実なのか?
その質問が、挨拶の後最初に貞一から投げかけられた紫子への言葉でした。
ですがその質問への回答は、貞一の予想外のものでした。
あの校舎は古いから仕方ない。
勝手に入った生徒が怪我をすることもある、今年階段で転んで骨を折ったのはあなたでしょう?
確かにその通り、怪我を下生徒がいて、それが貞一本人なのですから、大丈夫危なくないといえるわけがありません。
仮に貞一が完全に自分の不注意のせいだと主張したとしても、学校の責任が問われてしまうのは間違いないでしょう。
いきなり厳しいことを言われてしまった貞一はうつむくしかありません。
霧江さんのすっごく心配そうなうろたえた視線が注がれる中、もう謝ることしか出来ない貞一。
ですが紫子はといいますと、そのことは貴方のせいじゃない、仕方ないとなだめた上に、怪異調査部で何をしているのかと話をふってくれたのです!!
貞一は話しました。
学園に伝わる七不思議を調査していて、「旧校舎の幽霊」「隠れ鬼」「神隠し」「呪い石」「アカヒトさん」「異次元十三階段」について調べた。
そしてそれは全て「夕子の死」に繋がっていることがわかった。
今日尋ねた理由は取り壊しの件だけでなく、過去夕子に何があったのかを知りたいと言う目的もあったんだ。
真っ直ぐに紫子を見つめながらそう語る貞一ですが、紫子は力のこもった言葉で返してきました。
知ってどうするか、夕子が十五で死んだ事実は変えようも無い、死者が救われること無い。
死者の心など生きているものにわかるはずも無い。
それとも貴方にはわかるとでも言うのか?
……夕子の気持ちがわかるのか。
それは、夕子と今までふれあい続けてきた貞一にとっても、最大の疑問かもしれません。
ですが貞一は言うのです。
紫子にはわかっているんじゃないのか?と!
以前美術室で見つけた黒い絵。
そこにはおぞましい姿の黒い人影が描かれていたのですが、それこそ紫子が見た夕子の姿を描いたものなのではないか?
つまり紫子には、苦しんでいる夕子の姿がわかっていると言う証明なのではないか?
そこまで言うと、今までの毅然とした態度とは打って変わって、紫子はうつむき加減のまま呟くように言葉を搾り出しました。
これ以上話せることは無い、もう帰りなさい。
貞一の帰った後、紫子は霧江に平手打ちをします。
姉さまのことは誰も知らなくていい。
あなたも彼も、二度と触れてはならない。
紫子はそう告げるのですが、霧江も黙っていられません。
だったらそんな顔をしないで!
そう避けんで部屋から走り去っていく霧江。
それを見送る紫子の顔には、深々と悲しみが刻み込まれているのがありありと見て取れるのでした。
貞一は考えていました。
別れ際に、紫子がこんなことを言っていたからです。
この学園に伝わる七不思議は、あなたが知っているので全て。
七不思議は元から六つ。
七つ目は存在しない……
その言葉が意味するものは何なのでしょう。
そして、紫子が七不思議のことをなぜ知っているのか?
貞一の中で渦巻く疑問に終止符を打つ答えは見つかりません。
ですがだからと言って、七不思議の捜索をやめるわけにはいかないのです。
一月後に迫った旧校舎の取り壊し。
旧校舎が取り壊されれば、おそらく夕子の遺体も。
そしてそうなれば、今の夕子の存在がどうなってしまうか、それすらもわからないのですから。
貞一はそれまでの間に、夕子を、そして影夕子を全て受け入れて見せると誓います。
存在しないかもしれない、最後の七不思議を求めて。
毎日夕子とともにあれやこれやと聞いて回りながら、様々なうわさが空振りであることを確かめ続ける。
そんな貞一の様子を見かねて、霧江はあるときついに思いの丈をぶちまけてしまうのです。
いつまでこんな茶番を続けているんだ、さっさと夕子に過去を受け入れさせるべきだ。
ですが貞一は言うのです。
だからこそ、僕は続けなくちゃならないんです。
過去を受け入れないといけないのは、夕子さん自身なんですから、と。
時は流れ続けます。
いつの間にか時間は流れ、2学期も終わりを迎えました。
冬休みに突入し、旧校舎の取り壊しは3日後にまで迫ります。
最後の暇で、貞一は夕子のいる学校に来る。
貞一はそういうのですが……
と言うわけで、物語もいよいよ佳境に入ってきた本作。
迫ってくるタイムリミットはもういかんともし難いところまで迫ってきました。
この物語に終止符を打つ鍵は貞一と夕子、そして紫子の三人にあることはもうゆるぎないでしょう。
夕子は自分の過去を受け入れられるのか。
何か迷っているような表情も窺える紫子は、どうしたいのが本音なのか?
その彼女達の行動を決めるのは、貞一の行動しだいと言っても過言ではないでしょう!!
そして物語はいよいよ謎の確信に迫っていきそうなシリーズへ。
生前の夕子に何があったのか?
紫子との間にどんなことがおきたのか?
そのすべてが明かされるであろう、過去編へと突入するのです!!
そんなシリアス一辺倒にもかかわらず、恒例のサービスシーンは健在です!
わざわざ(?)特別編と銘打って身体測定をしてみたり、ひょんなことから夕子と貞一がこれ以上無いくらい密着して個室の中で二人っきりになってみたり……
そっち方面のお楽しみもバッチリです!!
今度こそ物語は佳境へ!?「黄昏乙女×アムネジア」第8巻は全国書店にて好評発売中です!!
様々な謎が明らかになろうとしていく今巻。
夕子さんの座高まで明かされますよ!!
ちなみに同日には公式ガイドブックも発売。
初期設定やアニメ用の設定、氷川へきる先生と言ったスクエニさん色の強い作家さんたちのトリビュートイラスト、アニメスタッフやキャストさん達のインタビューなど充実の内容となっておりまして、こちらもファンならば見逃せない内容になっております!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!
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