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本日紹介いたしますのはこちら、「家電探偵は静かに嗤う。」第2巻です。
作者は原作が藤見泰高先生、漫画が岩澤紫麗先生。
秋田書店さんのチャンピオンREDコミックスより刊行、チャンピオンREDにて連載されています。


さて、脳筋系女性刑事アンヌと、家電の知識ならばピカイチの家山のタッグが家電にまつわる事件を次々と解決していく本作。
家電によって事件が起きたり、解決したりと言う独特の味が楽しめるこの作品、今巻もその持ち味は充分発揮されております!!

大々的に行われている、岩上不動産の創立10周年パーティー。
その壇上では、社長の息子である常務がガチガチになりながらもお礼の言葉を述べていました。
ですがその格好は、その場にはとてもそぐわないなんだか可愛らしいふりっふりのエプロン姿。
なんでもこのエプロンは奥様が選んでくれたものなんだそうで。料理が趣味の常務がお手製の料理をお客さんに振舞うと言う趣向のようです。
壇上のテーブルには、IHヒーターが設置してあり、その上では天ぷらがいい按配で揚がっております。
そのできばえはパーティーで披露するだけはある完成度で、お客さんたちは揃って舌鼓。
さらにアレだけ緊張していたのもウソのように常務は薀蓄を語りだし、その光景を社長もにこやかに見守っていたのですが……
突如として
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常務の体が炎に包まれてしまったのです!!

常務の突然の炎上死。
アンヌたち警察の現場検証の感じでは、IHヒーターのなんらかのトラブルによる事故死で片付きそうです。
エプロンも引火しやすい綿とレーヨン製でしたし、多数の目撃者がいて、不審な点も見当たらない。
簡単に解決しそうだったものの、それで収まらないのが1人息子を失った社長です!
息子はIHヒーターに殺されたんだ、事故の起きたヒーターのメーカー、タテワキエレクトロの責任者を逮捕しろ!と激高するのです!!
身内のものが落ち着いてととめる中、そのタテワキエレクトロのディベーターがやってきました。
ディベーターとは、平たく言えばクレーム処理係。
ですがクレーム対策の切り札とでも言うべきその人物、なんと
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ゴスロリルック+猫のお面と言う奇抜な格好のまだ年若い女性じゃありませんか!
番猫と名乗るその少女、「今回の事件はIHクッキングヒーターのせいではない」とキッパリ言い切ります。
家電の万人、代弁者だと言う彼女のその言葉に、社長はさらに怒りを露わに。
結局はそのIHヒーターで発火した、それは暴走なんだから言い逃れはできない!!
そう食って掛かるのですが、番猫は語り始めるのです。
当社が調べたところ、別の結果がでている。
それは、鍋の凹みだ、と。

熱感知器と鍋との間に空間が出来ると、正確な温度が判断できなくなってしまう。
温度がわからなくなった熱感知器は、安全だと認識してさらに温度を上昇させようとしてしまう。
熱せられ続けた油はやがて発火温度の360℃まで上昇し、燃え出す……
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IHヒーターによる発火事故のほとんどは、調理に適した設定をしていなかったり、IH用の鍋を使わなかったり、へこんだ鍋を使ったりした人為的ミスで起こっているとか。
事実、このIHヒーターの取扱説明書にもでかでかと「決してへこんだ鍋を使用しないでください」と記してあるのです!
ですが社長も息子さんを亡くしているわけで、そんなことを言われてはいそうですかと引き下がれない気持ちもわかります。
息子は死んだんだ、IHヒーターは危険な家電だと認めろと詰め寄っていきました。
ですが番猫は冷静に返すのです。
最新式のIHヒーターを購入していたのにもかかわらず、事故がおきたときのIHヒーターは旧式のものだった。
家電は日進月歩、その最新型には多生へ込んだ鍋を使っても発火しないセーフティー装置がついていた。
最初から新型を使っていれば、事故は確実に防げたのだ、と。
確かに当日使おうとした最新型は、なぜかその日調子が悪かったとかで急遽旧式に取り替えていました。
そして鍋の凹みにも気づいていれば、このような悲劇は起きなかった。
亡くなった常務の奥さんは、自分が気がついていれば夫は助かっていた。
客観的な事実と残酷な現実を突きつけられ、奥さんは後悔の涙にくれるばかり。
社長はそれをなぐさめることしかできなかったのです……
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去り際に番猫が残して言った言葉。
今回事故を起こした家電も、正常に命令を実行していただけ。
当方に非がある場合は素直に認めるが、非がなければ我々は戦う。
人が常に新型を求めるのは、安全や安心を買うためで、それを裏切らないためにも我々は努力し続ける。
今回の事故は旧型による人為的ミス、最新型ならば絶対に起こらない!
家山とはすこしベクトルが違う感じもしますが、彼女からもしっかりと感じられる家電への想いに、アンヌは思わず簡単の声を漏らしてしまうのでした。

で、アンヌは番猫から得た知識を家山に披露してみました。
それはもうドヤ顔でIHヒーターでも火事が起こるんだよーなどと話していると、家山に知ったかぶりするなとあっさり見抜かれてしまいました。
ですが家山、どこでその知識を手に入れたんだと珍しく突っ込んだ質問をしてきます。
そこで事件のことを家山に説明したのですが、それを聞いた家山は思わぬ言葉を口にするのです。
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「それは殺人事件ですよ」。
それも念入りに仕組まれた計画殺人だ、と!!
真犯人は確実に存在する、と手袋をはめなおす家山!!
どう見ても事故だと想われたこの一件、一体どんなからくりがあると言うのでしょうか!?

と言うわけで、家電を使ったトリックが明かされるエピソードを収録した今巻。
この他にも不法投棄から死体遺棄事件に繋がるエピソードと言った大きな事件から、エズプレッソマシンがきっかけで家族が家出、と言う小規模な事件まで様々なお話が収録されています。
一部を除いてほとんどの作品が、家電と言う身近なものを利用していまして、その意外さや豆知識的なものに驚くやら感心するやら。
その本作ならではの様々なトリックが楽しめるのです!!
そして岩澤先生の肉感的な絵柄で繰り出されるエロスもふんだんに盛り込まれているのも見逃せないところ。
家電の奥深さだけでなく、そっち方面も充実です!!

新キャラも登場する、「家電探偵は静かに嗤う。」第2巻は全国書店にて発売中です!
ゴスロリ番猫VS家山が描かれる今巻。
ですがこの番猫の正体は意外な物だったり!
彼女の今後の活躍も期待できそうですよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!