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本日紹介いたしますのはこちら、「てんむす」第9巻です。
作者は稲山覚也先生。
秋田書店さんの少年チャンピオンコミックスより刊行、週刊少年チャンピオンにて連載されています。

さて、天食祭決勝大会への切符をかけた中部予選大会準決勝戦。
初戦の部長の敗北をバネに、次鋒の二子、副将の遊と相次いで勝利をおさめます。
ですがチームごとの総食事量の差があり、決勝戦に進むには大将に抜擢された天子が勝つほかありません!
大将戦の食べ物は、わんこそば。
そばを入れてくれるおばあちゃんとリズムが合わず、天子は苦しむのですが……?

本来は、作り手への感謝の気持ちとともにそばの汁に至るまできっちりと飲む天子。
ですがそばだけを食べれば一杯完食と認められるこの戦いで汁を飲むと言うことは、その分お腹の容量を消費してしまうことにもなります。
本音を言えば汁まで飲みたい。
でも、みんなの気持ちを背負って立っているこの戦いの場では、何よりも勝利を手に入れたい。
そんな葛藤の中、ついに汁を捨てることを選んだのでした。

勝つために汁を捨てた。
では次はなにが出来るのか?
そう考えた天子は、どうにもかみ合わないおばあちゃんとのリズムの調和を狙いはじめます。
リズムが合わないと嘆くのではなく、自分がリズムを負わせなければならない。
そうすれば、もっと早く食べられるかもしれない……!
今現在、天子は78杯、相手の紫之は90杯。
グラムにすれば120グラムと壊滅的な差ではありませんが、わんこそばと言うのは自分だけのリズムでスパートをかけたりできる食べ物ではありませんから、この差は大きいと言わざるを得ません。
紫之はさらにスピードを上げ、まだ動きのぎこちない天子を引き離しにかかります。
紫之はもう完全にそばを食べるリズムを掴んだ、と手ごたえを感じています。
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後はこのリズムを保ちつつ、より早く食べれば負けは無い。
……ところが、天子の考えは違いました。
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まだ相手の人もリズムをつかめていないようだ。
自分が完璧にリズムを掴めば、逆転できるかもしれない!
そう考えていたのです!!

もっと早く食べておばあちゃんのリズムに合わせなければならない。
天子は少しでも早く食べるために工夫を凝らします。
おわんが空になったらすぐそばが入る。
それならば食べた後おわんを口元に置いたままにすれば、おわんを移動する手間が省けて早くなるのではないか?
その考えは確かに正しいのですが、天子は目の前でおわんの中にそばが叩き込まれる迫力に恐怖を感じてしまいます。
ですがそんな恐怖など、今の勝利のためにはかまっていられません。
相手は既に100杯に突入、天子は86杯で14杯差に拡がっていたのですから!!
部員のみんなの声援を受け、次に天子が考えたのはより早く動くこと。
ではこれ以上どうすれば早くなると言うのか?
そこで気がついたのは、箸を持つ右手の動きです。
ひょっとしたらこの右手は、そばを掴んで口に入れる、手首の半回転だけでいいんじゃないだろうか?
手が止まらないように口をそばで一杯にしつつ、飲むように食べる。
汁は極力飲まない……
そのすべてがうまくかみ合った時、天子は言いようのない手応えのようなものを感じます。
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そばを食べる、そばが入る。
食べる、入る、食べる、入る……
天子の食べるスピードは、みるみると上がっていったのです!!

そう感じていたのは紫之も同じでした。
最初は5杯ごと手が止まっていたが、今は12杯連続で食べられる!
ペースをあげられている今、20杯差は確実!
残り時間は10分、勝利は目前!!
そう思っていたはずなのですが、その時聞こえてきたのは「差が縮まっている」と言うアナウンスだったのです!!
何が起きたのかと天子を振り返ってみれば、そこには
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まるで花が咲き誇っているかのように感じてしまうほど美しく、静かな食べ姿を披露する天子の姿が!!
驚愕する紫之ですが、ここで手を止めるわけにはいきません!
引き離すために再び食べはじめるのですが、差は縮まるばかりなのです!!
リズムを掴んだとしても、同じ速さになるだけ、その差が縮まることは無いはず。
それなのになぜ天子は自分よりも早く食べられるのか?
答えはひとつしかありません。
紫之はリズムが合ったつもりになっていただけ。
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天子の今の食べ姿こそが、本当にリズムの合った姿なのだ……!!
それならばと紫之は天子の食べ方のマネをしようとしますが、今まで右手を酷使してきたせいなのか天子のようにスムーズに右手首を回転させることが出来ません。
とは言えまだ紫之の方がリードをしています。
残り時間の間、このリードを守りきれば……!!

試合終了の太鼓の音が鳴り響きます。
その時、より多く食べていたのは……!?

と言うわけで、ついに準決勝の戦いが決着する今巻。
これに勝利をおさめれば晴れて決勝大会に進出!
全国の猛者と戦い、天娘の座をかけた戦いに挑むことが出来ると言うわけです。
ですがその前にこの中部大会の決勝が待っています。
既に決勝大会の切符を手に入れたもの同士の戦いですから、消化試合といってしまえば消化試合である戦い。
ですがやはり「優勝」の二文字を掴みたくなってしまうのも無理は無いでしょう!!
準決勝に駒を進めた面々は気合充実状態で決勝に挑むのですが、そこでこの中部地区の絶対王者、龍聖学園の底知れなさを味わうことになるのです……!!

いよいよ全国大会が始まる、「てんむす」第9巻は全国書店にて発売中です!
天子の真価が発揮される今巻。
この実力が更なる大舞台で発揮されるのか否か?興味は尽きませんね!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!