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本日紹介いたしますのはこちら、「シンクロ~入りこむ罪悪感~」第1巻です。
作者は坂辺周一先生。
実業之日本社さんのマンサンコミックスより刊行、漫画サンデーにて連載されています。

坂辺先生は92年ごろデビューしたベテランの漫画家さんです。
初連載作品となる「ウナ・セラ・ディ・東京」こそあっさりとした小奇麗な絵柄のラブコメディでしたが、その後は現在まで引き継がれているリアル路線の絵柄に変更。
同時にエロス要素の多いギャグ作品を描くようになっていきました。
さらに99年ごろから現在の坂辺先生の十八番ともいえるサスペンス色の強い路線の漫画を描き始めます。
そして00年「ティッシュ。」が話題となり、「レイプ」「ドメスティック」「インモラル」と言ったドラマ化、映画化される作品を次々に生み出されたのです。

さて、本作はその坂辺先生が得意とするサスペンス色の強い漫画です。
いつものように人の心の闇を描いていくわけですが、本作ならではの大きな要素が目を惹く作品となっているのです!

双子の姉妹、六花(リッカ)と冱花(イツカ)。
彼女達は、子供のころ物凄い怖がりでよく泣き、外出を嫌がってまわりの大人を困らせていました。
ですがそれは、ただ臆病なだけではなかったのです。
彼女達には、いつもなにか得体の知れない「こわいモノ」が見えていたのですから……!
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それはいわゆるオバケだったり、幽霊だったり、死人だったり、そのたびに変わっています。
ですがなぜか人ごみの中にいることが多く、彼女達は保育園児の頃から引きこもりがちになってしまっていました。
そんな窮屈な生活をしていたものの、自宅と、保育園だけはそういった「こわいモノ」を見たことがなく、その二ヶ所だけは出かけることが出来たのです。
ところがある日のこと。
とうとう保育園で見てしまったのです。
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保育園の先生の頭上で、溺れているような子供の姿を……!
純真な彼女達は怖がりながらも、そのことをその先生に告げます。
せんせい、その子お水怖いって、お水に入れないで、もうしませんって言ってる。
その言葉を聞いた先生は、青ざめた表情を二人に向けて言うのです。
なに言ってるのあなたたち、どうしてあなた達が。
同時に手が伸ばされ、その手は二人の首へとかかっていきます。
二人の命を奪おうかと言うその手は、偶然そこへやってきた別の先生が声をかけたおかげですぐに離されたのですが……
どうやらその先生は新しくその保育園に赴任してきた先生で、「前の園で辛い事故があった」と言うのです。
その時彼女達はその関連性にまで気づきませんでした。
ですが見えているものを人に話してはいけないことは学ぶことが出来たのです。

時が流れるにつれ、学校などの他の場所に外出しなければならなくなっていくわけで。
その生活の中で彼女達は、自分達には俗に言う「霊感」見たいなモノが強いんだと思うようになっていきました。
ですが14歳になったとき、彼女たちは突然理解してしまったのです。
今まで見てきた「こわいモノ」は、オバケでも幽霊でもないことを。
今まで何度も何度も見ていたこわいモノ。
その全ての状況があるひとつの真実を示していました。
今まで見てきたものは「人間のこころ」。
人間の罪悪感が見せる幻覚や幻聴。
その人が見ている恐怖が、自分たちにも見えてしまっていただけだったんだ、と言う真実を。
彼女達の持っている能力は、霊感なんかではなかったのです。
近くにいる、幻覚を見てしまうほど罪悪感に苛まれてしまっている人に、シンクロしてしまう能力だったのです……!

成長し、OLになった今でも彼女達はシンクロ能力に苦しめられてしまっています。
テレビなんかでも話題になっているとある食堂に朝早く並び、整理券をもらってやっと食べるぞ!というそのときのことでした。
美味しいはずのスープの中に、

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ごろりとした眼球や毛髪の生えた皮膚が入り込んでいるビジョンが見えてしまったのです!
こういったシチュエーションもリッカにとってはもうなれたもの。
叫び声をあげたり、といった取り乱すことはありません。
とは言えこんな光景を見せられては食欲がでるわけもなく。
散々楽しみにしていた食事をろくに食べず残すことになってしまうのです。
その幻覚を見たと思しき女性が、慌ててトイレへと駆け込んでいくのを見送りながら。

その女性はなぜこんな幻覚を見ていたのでしょうか。
それはやはりそれなりの原因が会ったのです。
長年交際してきた暴力男を、痛めつけられたはずみでカッとなり撲殺してしまった彼女。
その男性関係意外では順調に生きていた彼女が、こんなことで人生をぶち壊しにされたくないと考えてしまうのも無理は無いかもしれません。
彼女は死体を保存し、毎日少しずつ処理しながら生ゴミに混ぜて捨てていたのです……
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ある夜、リッカに比べてアグレッシブで、男性関係にも積極的なところがあるイツカは、狙っている男性と高級レストランでディナーを楽しんでいました。
かなりいい雰囲気になっていたのですが、その時突然率かが戻してしまったのです!
いい雰囲気だったのに何の前触れもなくリバースしたイツカにビックリして、もらいリバースしてしまいそうになる男性ですが、イツカの視線はそこにはもう向いていません。
カツカツと音を立てながら歩き出し、とあるテーブルにバンと手を突いて叫んだのです!
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アンタいい加減にして!死体こねくり回して何が楽しいのよ!と!!
その声が注がれたのは……あの女性だったのです……!!

と言うわけで、不思議な能力に悩まされる双子を描く本作。
こうして彼女達は他人の罪悪感とシンクロすることで様々な事件に巻き込まれてしまうことになるのです。
こういった殺人事件のことを知ったとしても、残念ながら「超能力で突き止めた」と言うことを警察なんかが信じてくれるわけもなく。
警察にたよることもできず、かといってか弱い女性でしかない二人の力だけでどうにかできるわけもなく。
今までは泣き寝入りするしかなかったのでしょうが、この後登場する新キャラクターのおかげでこの作品の方向性が決まることになるのです!

もちろんそんな能力が招く様々な事件も見所ですが、それ以外にも注目したい要素もたっぷり!
ホラー漫画もかくやというシンクロ能力が見せるおぞましい幻覚の描写、醜悪な犯罪者の独りよがりな内面と言った恐怖関係の要素はもちろんのこと、双子のサービスシーンを固めてぶち込んでいる自室パートなどのエロス要素も用意されております!!
絵柄こそ現在の主流ではありませんが、リアル路線がお好きな方ならいけるはずです!!

能力を持つ双子の悩み多き日常を描く、「シンクロ~入りこむ罪悪感~」第1巻は全国書店にて発売中です!!
生々しい人の苦悩を描いていく本作。
その劇画調の絵柄ゆえ、手にとるのをためらってしまう方もいるかもしれませんが、それで読まないのはもったいない作品になっております!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!