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本日紹介いたしますのはこちら、「新ゲノム」第4巻です。
作者は古賀亮一先生。
コアマガジンさんのメガストアコミックスより刊行、コミックメガストアにて連載中です。

さて、古賀先生の初連載作にしてその人気を不動のものとした本作。
セクハライケメンロボのパクマンさんと、優しい突っ込みエルフのエルエル、その愉快な仲間達の日常を描いております。
「虫」に関するショートギャグ漫画として描き続けること実に15年超。
変わらぬクオリティで今日もはっちゃけております!!

今巻収録されているのはたっぷり20編。
相も変らぬテンションで読者をゲノムワールドに引きずりこんでくださいます。
ブレーキの壊れたチョロQのように暴れまわるパクマン、エルエルの虫コスプレ、回がわりでやってくるキテレツな虫人間達……
全話にこれでもかと詰め込まれたそれら、まさに一話余さず見所満天!
そんな中今回取り上げたいのは「ホラガイ」の回。
あのキャラのイメチェン姿が楽しめるのです!

おとなしげな印象を受ける落ち着いた装いの褐色の美少女。
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エルエルやなっちゃん、所長にまでかわいいだの似合ってるだのと誉めそやされる彼女、ありがとうとお礼をいいながらも何かに警戒している様子。
「こんなときにアレがいなくてよかった」……アレとは当然、腕白ロボットパクマンさんのこと。
ですがそういい終わるが早いか、お部屋にパクマンさん乱入!
開口一番、誰だこの女、早くパンツ見せろ!3日だけ待ってやるからそれまでに用意しとけ!と口走るのでした!
新キャラの癖に俺に挨拶もナシとはどういうことだ!と切れまくるパクマンさん。
いつものように話は脱線していき、パクマンハーレムの一員として迎え入れる方向になって行くのですが……
はしゃぎまわるパクマンにとうとうガマンできず、キックではるかかなたに蹴飛ばしてしまう褐色美少女。
その衝撃で髪のセットが乱れてしまい、ぴょんぴょんはねてしまいました。
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するとどうでしょう、この謎の褐色美少女……やっぱりダクエルでした。
女だらけの麻雀大会で最下位だった罰ゲームとして一日この格好で過ごせ、と言うことなんだそうです!
パクマンがこの日は「タロイモの仕入れにインドネシアにいってくる」と留守にする予定だったのもあったのでしょうか……?

舞い戻ってきたパクマン、再び髪をセットしたダクエルがダクエルであるとまだ気がついていません。
いつもどおり暴れまくるパクマンに、いつものように激しいツッコミを入れられても!
パクマンはこの新入りもバイオレンスタイプが、ダクエルだけでも苦労してるのに!と怒り心頭。
ダクエルが前にいるにもかかわらず、やつは凶暴で意地汚くて礼儀知らずで何より俺の敵!今度俺の邪魔をしたら叩きのめす!と大口を叩いてみたり。
ダクエルはもう許せないとブチ切れ寸前になるのですが、そこでパクマンの口から意外な言葉が出てくるでは無いですか。
実はやさしいところもあって本当はいいやつなんだ、顔も結構かわいいし実は意外ともてるんじゃないか、と!!
本人の前では流石に恥ずかしくていえない、と褒めちぎるパクマン。
史上初のパクマンによるダクエル賞賛……!
しかも実は本人がすぐそばで聞いているとあって、エルエルは私も同意だと囃したてちゃいます!
ダクエルは頬を染めて視線をそらしてみたりしてまして、まさかのパクマンXダクエル成立か!?と言うムードも漂うのですが、
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そこにゴリラ達が乱入!!
そのゴリラたちにパクマンは、噂をすれば来やがったかゴリラ野郎、丁度お前の話をしてたとこだよと言いやがりました……!
どうもほめていたのはダクエルのことではなく、最初からこのゴリラたちのことだったようです!

その後再び蹴っ飛ばされてようやくダクエルがダクエルだとわかったパクマン。
みんなで騙していたのか、ホラを吹いていたのか、とエルエルにホラガイスーツを着せまして今回の虫スーツノルマは終了です。
そんな一連の騒動を密かに窺っていた、バッタ16世。
自分の顔に怪しい顔を書いた紙を貼り付けて新キャラのフリをして、油断しているスキにエルエルを!!とたくらむのですが、
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第一印象から怪しい新キャラをやさしく迎え入れるパクマンさんではないわけで。
その陰謀はあっさりと挫かれるのです!!
ともかくこれで罰ゲームも終わりだろうと一息つくダクエルに、所長は結局パクマンにもばれたんだから約束どおり一日中やってもらうと断言!
今度は水着で撮影会なんてやらされてしまうのでした。

そんな中、もう1人イメチェンにいそしむ男が。
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強化パーツを着込んで、顔までガラリと変わったパクマンさん。
そのイメチェン振りに一堂、震えて眠ることになるのでしたとさ……

と言うわけで、ダクエルやバッタ16世、そしてパクマンまでイメチェンして見せるエピソードを収録した今巻。
このお話も十二分に愉快なのですが、この他のお話も面白いものばかり!!
20編160P以上、その全てで余すところなく読者の皆さんを楽しませてくれることもは間違いありません!!
前述したエピソードでも垣間見られる、女性キャラたちの魅力も本作の目玉の一つ。
天然ボケでガードはあまいものの、パクマンの暴走をけなげに止める(?)エルエル、絵に描いたような(絵ですけど)ツンデレのダクエル、時としてパクマン以上の暴走を見せる雌雄同体のなっちゃん、そして自分の出番が減る事に対してオニのように怒り狂う所長……
アクの強さと言う面では、パクマンをはじめとした男性キャラ陣にはかなわないかもしれませんが、そのアクをうまいこと掬い取りながらも自身も消え去ることの無い個性を保有!
本作の舵取りと、尖り過ぎたギャグにまろやかさを醸し出すことに成功しているのです!

ですが本作のすごいところは何よりもそのセリフの切れ。
古賀先生作品全てに言える事で、本ブログでも紹介するたびにあげているような気もしますが……ともかくこの溢れ迸るセンスは筆舌に尽くし難いものなんです!
古賀先生作品未体験の方は、是非とも一度このめくるめく怒濤のネームに圧倒されてみていただきたい!!!

実に4年弱ぶりの新刊刊行となる、「新ゲノム」第4巻は全国書店にて発売中です!!
恒例の古賀先生とエルエルが共演する妄想オマケ漫画とあとがき、カラー漫画もバッチリ収録した本作。
収録分が08年10月号から10年7月号掲載分とのことで、すでに第5巻分も話数がたまっている予感がします!
今回は古賀先生の負傷や「ゲノム金」「ゲノム銀」の刊行など、色々とあって4年もの次巻があいてしまいましたが、次こそは……!!と期待せずに入られませんね!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!