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本日紹介いたしますのはこちら、「となりの山田さん」第1巻です。
作者は古閑裕一郎先生。
講談社さんのマガジンKCより刊行、マガジンスペシャルにて連載されています。

古閑先生は、04年にチャンピオンの新人漫画賞、08年にマガジンの新人漫画賞を受賞し、同年にマガジンスペシャルにてデビューをした新人漫画家さんです。
その後に読み切りなどを発表した後、12年に本作の連載を開始しました。

さて、本作はラブコメです。
先に言ってしまうとその導入は、意識していなかった女性が眼鏡をとったら絶世の美少女で、と言う一昔……いや二昔くらい前にはやったもの。
ですが本作の売りはそこから!
一風変わっていながらスタンダードでもあるラブコメが楽しめるのです!!
じつは
武藤頑磨は、動けなくなっていました。
体を走る衝撃。
それは、彼女の素顔を見てしまったからです。
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眼鏡の奥に隠された、麗しき瞳。
文字通りの一目惚れ。
偶然素顔を見たその女性、その場はいずこかへと逃げ去ってしまったのですが、慌てる必要はありません。
何故なら頑磨、彼女のことをずっと昔から知っていたのですから!!

実はその女性……山田花子はクラスメイトです。
それも今まさに、頑磨の隣の席に座っているというタイミングのよさ(?)!!
その上実はといいますと、彼女との付き合いは小学校にまでさかのぼれたり。
小中高と山田さんとは同じ学校で同じクラス、更に隣の席だったんです。
それだけ長い付き合いの彼女が、あんな美人だったなんて!
知らない仲でもありませんし、思いの丈を告げるのもそう難しいことではなさそうですが……ここでネックになる大きな問題点があるのです。
素顔を目撃されてからなんとなく彼女に避けられているような感じがしますし、休み時間になるたびにそそくさとどこかに消えてしまいますし、そもそも彼女は大人しくて全然しゃべらない人です。
が、問題はそこじゃありません。
この頑磨くん、女性が大の苦手!!
もちろん嫌いと言うわけじゃなく、緊張しすぎてあがってしまうから。
となると、山田さんに声をかけるのもなかなかの大仕事なのです!!

そんな彼に唯一積極的にはなしかけてくれる女子がいます。
クラス委員の、篠森若葉。
彼女もなかなか可愛らしいのですが、しゃべり方やしぐさなんかからさばさばした印象を受ける、比較的話かけやすい女子のように感じます。
が、それでも頑磨は対応不能!
頑磨が落としてしまった携帯を拾い上げてくれて渡そうとしてくれたものの、顔を真っ赤にして一言も発せなくなってしまうほどなのでした!
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そんな彼女が、教卓の前に立って話し始めました。
今日中に各委員会の人員を決めなければならないと言うのです。
締め切り間際だと言うのにまだクラス委員の若葉以外何も決まっていない状況とのことで、さくさくとその委員会の割り振りは決められていきました。
ですが頑磨は相変わらずドキドキ緊張中。
もし女子と二人きりで委員をまかされたりしたら?いや、山田さんがどこかの男子と二人きりになったりしたらどうすればいいんだ!?
そんなことに頭を悩ませているうちに、ほとんどの人の委員は決定してしまっていまして。
残ったのは体育委員だけ、と言う状況で、まだ決まってない人は立てと言う号令がかかったのです。
そこでやむなく席を立つ頑磨ですが、同時に席をたったのが山田さんだったのです!!
嬉しいやら恥ずかしいやら、複雑ではありますが、これで合法的に二人きりになるチャンスも生まれるわけで。
頑磨もなんだかんだ頑張ろうと奮起するのでした。

で、早速体育委員の出番はまわってきます。
仕事は体育倉庫の片付け。
やっぱり直接山田さんに話しかけることは出来ないのですが、せめて男らしいところを見せてアピールしよう!と、一人でボールがたっぷりつめられたカゴを運ぼうとするのですが、かごは予想外に重くて、とてもお所笹のアピールには至りません。
ところがその思いボールカゴを、山田さんはひょいと軽く持ち上げて見せたではないですか!
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山田さんは直後に思い出したように「重い」とつぶやいてかごを下ろすのですが……これは一体……?
ですがこれは山田さんを手伝うチャンス!
早速結城を振り絞って手伝うのですが、その際の衝撃で山田さんの眼鏡がポロリと落ちてしまいました。
間近で見る山田さんの眼鏡オフ顔。
そのあまりのかわいさと、そんな彼女を目の前にしても何もいえない自分にモヤモヤがたまったのか、思わず頑磨は「好きなこと二人、もっと普通に委員会活動して、一緒に帰ったり笑ったりなんて出来ないかな……」と、口に出してしまいました。
するとその言葉が山田さんの耳に入ったようで。
山田さんは、好きな人がいるの?と頑磨に話しかけてきたのです!!
さらに山田さん、緊張してしまうと言う頑磨の話を聞いて、練習してみればいいと発言。
頑磨の眼前に近寄ってきたのです!!
緊張しまくりの頑磨は、色々ドタバタしたものの、結局練習と言うこともあって「付き合ってください!」と告げることが出来ました。
それを言われた山田さんはと言いますと、練習のはずなのに顔を真っ赤にして体育倉庫の端っこに逃げ出し、ごめんなさいとあやまっちゃうではないですか!
難にせよ、山田さんが逃げちゃうような行為をしてしまったのは自分です。
頑磨はこちらこそゴメン、と謝ってから、つうか俺……と何かを告げようとしたのですが……
そのとき体育倉庫内にいかにも不良といった生徒が3人やってきたのです!
どうやら彼らは、先生の目がとどかなそうなこの部屋で、タバコを吸おうとしているようで。
いち早く彼らのての中にあったタバコの箱をもっていたことに気がついた頑磨は、俺ら体育委員なんでこれしまわないと……と、彼らを追い払おうとしました。
不良生徒はめんどくさくなったのか、いきなり頑磨を殴りつけてこようとします。
ところがそのこぶしが当たる瞬間、山田さんが身を呈してかばってくれたのです!!
いきなりのことに驚く頑磨ですが、女性にてをあげた上悪びれずさっさと消えろとのたまう彼らにふつふつと怒りが湧いてきましった!
立ち向かおうとした瞬間、山田さんはガンマの手首を押さえて大丈夫だと諌めてくれたのです!
やられたのは自分なのに俺の心配なんて、と山田さんを振り向いた頑磨ですが、不良たちはその眼鏡ブスをつれてさっさと消えろとさらに威圧。
頑磨は山田さんはブスじゃない、鏡見て言えと歯向かえば、相手は容赦なく頑磨をぶっ飛ばしてきました。
今度はそれを見た山田さんが怒りを燃やし、ぽん、と不良生徒の一人を小突くと
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その生徒はメチャクチャ吹っ飛んだじゃありませんか!!
先ほどのボールカゴといい、山田さんって一体……?
とにかく今はそんな場合じゃありません。
隙を突いて、頑磨は山田さんのてをひいて逃げ出すのでした。

その後、頑磨は練習させてくれた山田さんのおかげで自信がついた、だめもとでも好きな子に気持ちを伝えてみる、と宣言しました。
翌日頑磨は山田さんを待ち伏せし、開口一番告白することにするのですが、なかなか山田さんは姿を現しません。
それもそのはず、山田さんはその告白シーンを見届けようと、ひそかに頑磨を後ろから見守っていたのですから!
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でも、頑張れ、と呟く山田さんの表情はどこか寂しげになっていき……
ところがその頑磨の頭上に、とんでもないものが迫っていました。
昨日の不良が頑磨に思い知らせてやろうと、クレーン車を勝手に動かして、頑磨の頭上に鉄骨を振らせようとしていたのです!!
死ぬわけねえし、と呟くその不良ですが、冗談じゃありません。
むしろほぼ死んじゃいます!!
頑磨が気がついたのは、まさに頭上に鉄骨が迫ってきた瞬間でした。
もう逃げる間もありません。
半ば覚悟を決めて、両手で防ぐ格好をとるのがせいいっぱい!!
鉄骨は無情にも落下した、のですが……
頑磨はまだ生きています。
そして頑磨のすぐそばには、
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片腕で鉄骨を受け止めている山田さんがいたのです!!
いよいよ本格的にこの人、何者なんでしょうか!?

というわけで、謎めいた少女、山田さんとの日常を描く本作。
この後本作、女子更衣室に誤って入ってしまったり、誤っておっぱいを触ってしまったりと、ラブコメらしいエロストラブルが頻出!!
さらにヒロイン各が増えてみたり、そのキャラとの絡みを山田さんに見られて勘違いされてしまったりと、まさにテンプレどおりの王道の展開が待ち構えております!
こういった王道の展開と言うのもよろしいのですが、本作の肝はやはりその中で発揮される山田さんの謎能力!!
前述の様々な要素だけならば、すごいからだが丈夫とか、力が強いとかで片付けられるかもしれません。
いや、ホントは片付きませんけど漫画ですからね!!
ですがだんだんとその能力はそれだけではおさまらず、熱を発してみたり、挙句の果てには空に……!!
スタンダードなラブコメ要素と、謎の多すぎるヒロイン。
本巻収録最終話ではさらに彼女の謎を深める展開が始まっておりまして、まさに謎だらけ!!
恋の行方も彼女の正体からも目が放せません!!

スタンダード&トリッキーラブコメ、「となりの山田さん」第1巻は全国書店にて発売中です!!
ピュアなハートにミラクルパワーの山田さんの謎に迫る(?)本作。
巻末にはラフながら描き下ろしの漫画6Pも収録し、オマケ要素もバッチリですよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!