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本日紹介いたしますのはこちら、「のりりん」第6巻です。
作者は鬼頭莫宏先生。
講談社さんのイブニングKCより刊行、イブニングにて連載されています。

さて、もうすっかり自転車に魅入られつつあるノリ。
最初の自転車乗りを嫌悪していた彼はどこへやら、自転車がきっかけで知り合った面子や、同じタイミングで自転車を始めた友人達と一緒にツーリングに行くことになりました。
初心者と経験者が混合したツーリングと言うことで、両方が満足するのは難しそうに感じてしまいます。
が、メンバー最年長の老松は全員が楽しめる方式があると自信満々。
早速その方式でのツーリングが始まるのでした。

快調に進んでいく経験者組み、ウサギチーム。
等々力、輪、ノリは何の問題もなく道中を行くのですが、一人遅れだしているものがいました。
ノリの悪友、ドマチです。
そもそもドマチ、まだまだ自転車をはじめてまもなくで、まだまだ経験者と言いいづらいレベルでして。
ただただノリには負けたくない、という意地だけでウサギチームに半ば強引に参加したのです。
となればガチの経験者である二人+体力バカとまでいわれるノリのチームから遅れるなと言うほうが無理と言うもの。
そんな彼の様子に気がついたノリは、等々力に先頭を変わってもらい、ドマチのすぐ後ろにまで後退。
無理せず初心者組みのカメチームで行け、とアドバイスするのでした。

ドマチはといいますと、一月前にはじめただけのノリがなんでこんなに走れるんだと毒づき始めます。
自転車はもちろんのこと、自動車のほうの趣味も後からはじめたノリのほうがうまくなった、と理不尽な怒りを噴出し続けるのです。
早くなりたいんだったら練習すればいい、俺も付き合ってやるよとノリが声をかけてあげても、ドマチはそれじゃお前がもっと速くなっちゃうだろうといって取り付く島もなく。
とりあえず水でも飲んで落ち着けよ、とクールダウンを進めることしか出来ません。
ところがドマチ、ここで「水なんかない」と言い出すではありませんか!
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取り付けられているボトルは、なんかプロっぽくてかっこいいから、と言うもどうしようもない理由でつけた飾りでして……
ノリはそれを知ってチクリとやってあげました。
俺がお前の悪いところだ。
表層をなぞるだけで本質を理解しようとしない!
もちろん怒りまくるドマチですが、ここでノリは理論的に畳み掛けるのです。
基本は15分おきでいいから少しずつでも水を飲め、のどが渇いてからじゃ遅いらしい。
昭和の体育会系じゃないんだから……
実はもうのどがからからだと言うドマチですが、ノリは次のコンビにまでガマンしろとピシャリ。
ですがそこでドマチは引き下がらず、昭和の体育会系じゃないなら分けてくれよ、とささやかな反撃をするのでした。

水を飲んですこし調子が戻ってきたのか、ドマチも徐々にスピードアップ。
水を分けてもっらていた時に追い抜かれてしまったカメチームも追い抜き返し、ようやくウサギチームも見えてきました。
が、丁度休憩予定地点のコンビニに丁度ついたところでして。
追いつくことこそかなわなかったものの、とりあえずようやく休憩できると安堵するドマチ。
ですがふらふらと
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自転車ごと転んでしまうではないですか!
体力が限界……と言うことではなく、単にペダルとシューズを固定する器具、苦リートをつけていたことを忘れて降りようとしたためバランスを崩したようです。
確かにこちらのほうが速く走れるのでしょうが、それで転んでしまっていれば世話はありません……

なんにせよ、これでカメチームが来るまで休めれば何とかなるだろう、とドマチは一安心していました。
が、ほかの三人は「んじゃ行くか」と早速出発しようとしているではありませんか!
どういうことだと一人慌てるドマチですが、もちろんこれは予定通り。
これこそ老松が行っていた、経験者も初心者も各人の脚力にあわせて楽しめるツーリング方式、マスタング方式と言うやつだったのです!!

コンビにまであと2キロ、といった地点までやってきていたカメチーム。
そこへ対向車線から、ノリたち3人がやってきました。
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そしてそのまま横断歩道なんかを使ってぐるっとUターンをしてきまして、カメチームの後ろにつきます。
そうやってカメチームに加わり、再びコンビニを目指す……と言う、ポイントを決めて到着したチームは皇族のチームのところまで戻って、またポイントを目指すと言う方式がマスタング方式。
ドマチのように、先頭組がポイントにたどり着いたら後続が来るまで休むと言う方式だと、速い人ほどたっぷり休め、遅い人ほど休めないと言う状況になってしまいます。
本来遅い人ほど休みたいはずですから、その本来望む形にするために速いものが遅いもののスピードに合わせるための方式なのです!
一人コンビニで休みながら待っていたドマチは、自分の実力を思い知らされることになってしまいました。
……が、それでもドマチはへこたれません!
ウサギチームマスタング抜きで、残り10キロくらい根性で走ってやる!と宣言したのでした!!
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……帰りもあるんですけどね!!

というわけで、マスタング方式でツーリングを楽しむ今巻。
ですがいくらなんでもドマチのわがままだけで漫画が成立するわけもありません!
この後一人はぐれてしまう人物がでてしまうのですが、なんとその人物は自転車に慣れ親しんでいるはずのあの人物!!
慣れているはずのあの人が、なぜ一人だけはぐれてしまうハメになるのでしょうか?
一部をのぞいて楽しく追われるはずのツーリングに、急に暗雲が立ち込めることになってしまうのです!!
楽しいツーリングから一転、事件が起こってしまう本作。
ですがその中でも恒例の(?)自転車薀蓄はふんだんに盛り込まれております!
マスタング方式はもちろんのこと、軽量化や防寒、栄養補給なんかに関してのネタが満載!
そっち方面のお楽しみもバッチリです!!

ツーリングで事件発生?「のりりん」第6巻は全国書店にて発売中です!!
初ツーリングからトラブルに見舞われる本作。
最近影の薄かったあの人も久々に登場しますよ!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!