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本日紹介致しますのはこちら、「どげせんR(Returns)」第2巻です。
作者はRIN先生。
少年画報社さんのYKコミックスより刊行されました。


さて、しがない高校教師の瀬戸が、得意の土下座で世間を渡っていく本作。
RになってRIN先生単独の作品になり増したが、やることは同じ。
今巻も土下座が冴え渡ります!!

3年B組では、今まさに瀬戸が教鞭を振るっていました。
そんな様子をすこし引いた所から見ている生徒がいます。
中田舞子。
彼女はこのクラスが気に入っています。
なぜか問題児が多いこのクラスですが、舞子が警戒しているあるタイプの人種だけはいないのです。
彼女が警戒する、あるタイプとは……?

次の授業は選択科目。
簡単に言うと、いくつかの科目の中から、自分の選んだ科目を受けるだけの授業なのですが、もうひとつの特徴はクラスごとではなく、同じ科目を選んだ生徒達とクラス関係なく集まって授業を受けること。
今まで穏やかな顔だった舞子の顔が、その選択科目の時間になるとあからさまに青ざめるのです!
心配した瀬戸が声をかけるものの、舞子はちょっと食欲がないだけ、大丈夫ですとはぐらかしました。
それでも舞子の心の中は後悔でいっぱい。
自分の選択した世界史Bですが、今は取るんじゃなかったとい考えばかりに支配されてしまっているのです。
舞子の脳裏によぎるのは、数々の言葉。
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「舞ってるんだよね、あんたの菌が」「自分のこと可愛いと思ってんの既にばれてんだけど」「物欲しげなんだよ基本」……
数々の、高圧的に見下したようなそれは、いわゆるイジメのそれにしか思えません。
舞子を悩ませているのは……つまり……

意を決したのか、舞子は瀬戸に選択科目の変更を申し出ました、
理由を問われても、なんとなく、世界史Bより倫理のほうが、受験的にもいいかと思った、と差しさわりのない言葉で取り繕うのです。
とは言え、じゃあ変えましょうと言うわけにはいかないでしょう。
一週間よく考えて、と瀬戸は舞子をとりあえず帰すのです。
そんな彼女を見送った後、瀬戸は考えます。
確か舞子は1年前に名古屋から天候、今は母親と二人暮らしで、父と母は別居状態。
前の学校で問題があったのか。
瀬戸はそう呟き、何か思案しているようですが……

すべて打ち明ければよかったんだろうか、と悩みながら、世界史Bの教室に向かう舞子。
そんな舞子の脳裏には、様々な知識人の語る「イジメ」論が反芻されていました。
それをすべて、舞子は何一つわかっていない、と切り捨てます。
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イジメは「相性」の問題だ。
自分だってあのタイプにあわなければ、無事に卒業できたんだ。
そうまで舞子を悩ます存在とはなんなのか。
教室についたときその人物はいませんでした。
ホッとする舞子ですが、授業をいざ始めるぞ、と言うところで彼女はやってきたのです。
3年G組の、村瀬めぐみ。
彼女は、舞子ちゃんのとなりゲッツ、元気してた?と親しげに話しかけながら隣の席に着きました。
舞子は、この授業でめぐみに出会ってすぐ直感しました。
一目惚れのように、漫才師が相方を見つけるときのように……
自分のパートナーは、この人物だと。
前の学校でも、このタイプだった、と。
めぐみはシャーペンを落とし、最後のシャー芯が折れてしまった、となんだか落ち着かない感じのそぶりをしながらペンをいじり続けます。
舞子は、自分はシャーペン2本あるから、と一本差し出して使っていいよと進言しました。
めぐみはこのペンカワユス、どこで買ったの?と尋ね、帰りに買いに行こうかなぁなどと呟きながらカチカチとシャーペンをノックし続けるのです。
カチカチ、カチカチと……
その音は、舞子の心を揺さぶります。
そしてやがて、巨大な爆弾の導火線に火がついてしまうような、そんな怖気に襲われて……
限界だ。
そう思ったのと同時に、口からはそのシャーペンめぐみにあげる、と言う言葉を紡いでいたのでした。

翌朝。
舞子の下駄箱からは上履きが消えていました。
誰かが履き間違えただけだろう。
最初はそう思ったものの、体育の授業の前に更なる異変が襲い掛かるのです。
ざっくりと、切り裂かれた体操服……
この私が、まさか。
脂汗をしたたらせて、舞子はその事実から目をそむけようとします。
ですが極めつけは昼食の時にやってきました。
妙に軽く、縛り方もいつもと違う弁当袋。
蓋を開けると、中身は綺麗になくなっており……
「ゴチ」と書かれた紙片が入れられていたのです!!

恐怖を振り払うためか、水道でバシャバシャと顔を洗う舞子。
そんな彼女にそっと近づき、「舞ちゃん」と声をかけてくる人物が!
……めぐみです。
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彼女は、シャーペンやっぱりかえす、とペンを舞子に渡し、次の選択……楽しみね、と言い残して去っていったのです……

ついに舞子は瀬戸に打ち明けました。
1日に3回もか、イジメは怖いねー、とどこかとぼけた様子の瀬戸。
ですが瀬戸がこうまで落ち着いているのは、理由があるのです。
それもそのはず、
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その3つの事件、犯人はすべて瀬戸なんですから!!
なんで!?と舞子がうろたえるのも無理はないでしょう。
ですが瀬戸はその後、さらに驚くべき言葉を続けるのです!!
君が、村瀬めぐみを、イジメるのを予防するためだ。
……そうなのです。
舞子がイジメで悩んでいたのは……特定のタイプの人間とでああってしまうと、どうしてもいじめたくなってしまう、と言う理由だったのです!!

前の学校で彼女は、そのタイプの女生徒をイジメ、不登校にまで追い込んでしまいました。
その結果舞子は学校を追われることとなり、そのことを反省もしました。
ですが舞子は「相性」に逆らえず……
そのギリギリのところで瀬戸は、イジメの先回りをすることで思いとどまらせようとしたわけです!
舞子はイジメてはいけないとわかっているのに、イジメたくなってしまう辛さはあじわってきました。
ですがこの瀬戸のイジメの先回りで、いじめをされる側はもっと怖くて、辛いと言うことがようやくわかり……
これでやっと彼女も、完全に愚考から足が洗えそうです。
が。
瀬戸はキッパリといいます。
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それで落着か。いい気なもんだ、と。
前の学校で舞子に追い込まれた生徒やご家族はどうするんだ?
その主張は最もですが、誤りに行っても取り返しなんかつかない、今更どの面を下げていけばいいんだ?と二の足を踏む舞子。
ですが瀬戸は言うのです。
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そうだ、今さらあやまろうよ。
舞子は、その後おそらく生まれて初めて、本気で学びました。
瀬戸直伝の、指先に心を込めた土下座を……

と言うわけで、意外などんでん返しを用意したエピソードを収録した今巻。
今巻は、最近の本作の流れとはちょっぴり違い、ギャグ的要素やギャグ的土下座が少なめになっております。
いうなれば、土下座のインパクト重視の「土下座漫画」だった本作が、土下座を中心にしながらも人の心を描く「人情漫画」に変わったといった感じでしょうか!
確かにインパクトは薄れましたが、お話の完成度としては上がった感じも。
一発ねたに頼らない物語が楽しめるのです!!

とは言え、奇抜な土下座も健在です。
派手なものこそありませんが、テーブルに上半身を乗せる「中途半端土下座」、パフォーマンスと思わせておいてその実は土下座と言う「志戸下座」などを用意!
思わずにやりとさせられたり、その発想はなかった!とうならされたりすることうけあいです!!

スタンダー土下座からトリッキー土下座、挙句の果てに土下座レスのお話まで用意した「どげせんR」第2巻は全国書店にて発売中です!!
読者をめくるめく土下座世界に誘ってくれた本作。
本作はネット上などでは「完結」とされていますし、RIN先生自身もあとがきでネット上で作品を加えて全16話、とおっしゃられております。
だと言うのになぜか、帯の折り返しでは「ヤングキング どげせんR連載中!!」とかかれていたりしまして、本当に完結なのか謎が残されております!
ネット配信された、単行本未収録話(コンビニコミックに収録されたそうです)もありますし、第3巻、あるいは「どげせんS」なんかに期待したい所ですが……?
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!