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本日紹介いたしますのはこちら、「惨殺半島 赤目村」第1巻です。
作者は武富健治先生。
泰文堂さんのアース・スターコミックスより刊行、月刊コミックアース・スターにて連載されています。

武富先生は91年にデビュー後、空白期間を挟みつつも様々な出版社で作品を発表してきた漫画家さんです。
05年に発表した「鈴木先生」が人気を博し、11年にドラマ化。
そのドラマが更なる評判を呼び、映画化を果たしました。

さて、本作はホラー色の強いサスペンスモノです。
サスペンスモノでは鉄板ともいえる、閉鎖的な風習が残る陸の孤島的村で起こる事件。
それを独自のタッチでじっくりと描いていくのです!

岬をぐるりと回りこむ、一艘の船。
そこに乗っていたのは数名の男女です。
ですがその中で一人だけ、これから向かう赤目村の地元住民ではないものがいました。
東京からこの村に赴任してきた、三沢医師です。
村の神社の関係者だと言う秋奈に、船から見え隠れするアレコレを説明してもらっていると、やがて船は岬を回り終え、開けた波止場のほうへとたどり着きました。
そこで見えた風景は、今までのいわゆる自然いっぱいの田舎の情景とはまったく違う、
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朽ちかけた派手なリゾートホテルと観覧車だったのでした!

派手なことを好まない三沢を、尊重はそれはもう盛大に出迎えてくれました。
その行き過ぎた歓迎にゲンナリするミサワでしたが、そんな彼の目に留まったのは大歓迎してくれる村人ではなく、離れたところで一人佇む、物憂げな表情の少女でした。
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なぜか彼女が気になってしまう三沢ですが、そんなことに注意を払う余裕なんてありません。
盛大な歓迎、そしてこういった地方にありがちなよそ者への排他的な態度。
その両方とも喜べるものではありませんが、ある程度は覚悟していたこと。
三沢は何とかそれを受け止めようとするのですが……

村は西側と東側で大きく雰囲気を変えています。
東側は学校やら役場などもある、農業地帯。
昔から変わらない風景を残す地方です。
そして西側は、先ほどの観覧車やホテルからもわかるような、観光用に開発したリゾートゾーンです。
残念ながら大失敗に終わり、観覧車を有する遊園地もつぶれ、リゾートホテルもとっくに営業を終えてしまっています。
残ったのは、広大なポピー畑。
昔のこの村の中心産業であった、生薬作りをお花の出荷に変更した結果の産物です。
この村の赤目神社には、生薬の栽培や調薬についての秘法が伝わっていたとかで、奈良平安の時代には中央からも珍重されていたんだとか。
ですがそれは神社の古文書に記されているだけですので、世間的には偽書として無視されてしまっているんだそうです。
ちなみにこのことを教えてくれた秋奈は、その神社の神宮家である閼伽目(あかめ)家のおよめさん、だったのだとか。
結婚してすぐだんなさんが事故で死んでしまい、この村のならわしで籍を抜いてしまったんだそうです。

次にたどり着いたのは、分校でした。
大勢の子供たちと、三沢に似た境遇……よそ者の先輩、とも言える教師の丹沢などと親交を暖めるのですが、そんな輪の中にはいってこない生徒の兄妹がいることに気がつきました。
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その不自然さにたまらず周囲に問おうとする三沢なのですが、そこに「乙女組」なる若い女性の集団がやってきて騒ぎ始めてしまったのでタイミングを逸してしまいました!
さらによそ者への手厚い「歓迎」をしてくれた若い衆もやってきて、完全にムードが変わってしまいます。
リーダー格の逢坂のとりなしもあり、その場は一緒にタバコをすったりしてほんのすこし打ち解けるのですが、やはりその心の奥底までは打ち解け切れてはおらず。
秋奈のだんなが死んだがけ崩れの事故は、今の村長の開発によって引き起こされた人災だ、だと言うのに秋奈はそれも感じさせず村長とも付き合っている菩薩のような存在だ。
そう言って村長への憎しみを憎々しげに語る逢坂たちは、村長によってこの村に呼ばれた三沢を信用していない、とはっきり言い切るのでした。
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そんな中で気になることがありました。
言うことを聞かない子供たちを諌めるために言う、「赤目様が夜来る」と言う脅し文句。
昨今の子供はそういった迷信的なものなんて信じないのが普通でしょうが、この村の子供たちは以上と言ってもいいくらいその言葉を恐れていて……
この村に深く根付く風習をまざまざと見せ付けられるのでした。

その後、間もなく開業する診療所と住居に案内される三沢。
三沢が求めていた、癒される古民家風の住居……ではなく、あの潰れたリゾートホテルのスイートルームを改装したもの。
そのギャップにがっかりはするものの、よくしてくれようとしていることはわかります。
色々合って体にたまった疲れを、シャワーで洗い流す三沢。
そんな彼には、1つ後ろめたいことが残っておりました。
三沢の右手につねにはめられている、指を出す形のグローブ。
それは何だと子供に聞かれたとき、三沢は焼けど跡を隠すものだと説明しました。
ですが手袋からでてきたその手は、実に綺麗なもので……
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一体彼はなぜウソをついてまで、手袋をしているのでしょうか……?

その後、リゾートホテルの1階に位置する秋奈の経営する飲食店に向かう三沢。
夕食を取ろうと暖簾をくぐりますと、奥の席に比較的気安く接することのできる丹沢や、村長派である八蔵がすわっているのが見えました。
手前にいた逢坂達青年団は気になりますが、いきなり喧嘩を吹っかけてくることもないでしょう。
どうも、と軽く挨拶を済ませておくに向かおうとしたところ、青年団は三沢に足をかけて転ばせてきたではないですか!
新参者が、どうもで素通りか。
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早くも三沢は、田舎の風習の洗礼を受けることになるのです……!

と言うわけで、閉鎖的な空気漂う村にやってきた三沢。
このあと、物語はゆっくりと進んで行き、徐々にこの村の異様さを暴いていくことになります。
クラスで孤立しているらしいあの兄妹、事件性もあると考えられる事故をあっさり事故として片付けようとする人々、奇妙な集落、見たことのない奇妙な物体、乙女組……
どんどんと、この村が単なる閉鎖的な村ではない、と言うことがわかるのです!!
持ち前の正義感からこのあやしげな村をしらべていく事になる三沢。
そんな彼にも、実は普通ではない秘密があって……
根幹では、これから始まるであろう陰惨な事件の序章までしか収録されていません。
果たしてこのあと、どのような恐ろしい事件が起こっていくのか?
底知れないこの村の暗部に、三沢はどう対応していばいいのか?
恐怖はゆっくりと、ですが確実に進行していくのです!!

陸の孤島で起こる恐怖、「惨殺半島赤目村」第1巻のは全国書店にて発売中です!!
今巻では様々な種がまかれる本作。
様々登場人物や鍵となりそうな土地の解説なんかも掲載されており、色々想像を膨らまさせてくれますよ!
それらが組み合わさり、どうなっていくのかが非常に楽しみですね!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!