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本日紹介いたしますのはこちら、「軍鶏」第29巻です。
作者はたなか亜希夫先生。
講談社さんのイブニングKCより刊行、イブニングにて連載されています。

さて、長かったチームトーマとの戦いを終えたリョウ。
結果として、トーマもリョウの闇に飲まれてしまった形になりました。
ですがそんなことはリョウにとってどうでもいいいいこと。
当座の資金を獲得し、再び日常に戻って行ったのでした。

数少ない知人も、それなりの幸せな日常を手に入れたことを知り、あえて声をかけることはしなかったリョウ。
あてどもなく町を歩いていると、道端でふと目に留まるものがありました。
一枚の紙に、ただ一本だけ引かれた線。
それはなんと言いますか、書のような、そうでもないような……
一見すると唯の棒にしか見えないものでしたが、どうにもそれが気になって仕方ないのです。
その紙を並べ、一枚300円で売っているらしい人物がその場に腰をかけていました。
まだ年若そうな女性です。
気になったリョウはその女性に、「これは何?」と尋ねて見るのですが、女性にはどうも声が届いていないようで。
すこし声を強くして聞こえてんのか?と聞いて見ると、ようやく彼女は顔をあげるのですが……リョウの顔を見るなり、すみません、すぐ片付けますから、すぐ消えますから、と謝り倒し始めるのです!
その対応を見て、びびられなれしているリョウはため息混じりにもう一回質問。
そうじゃなくて、これはなんだと聞いてる。
書なのか、絵なのか?
すると彼女はこんな答えを返してくるのです。
書での絵でも、どちらでもなくて、なんと言っていいのか……
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私が見た、人です、と!

この「人」をなんとなく影筆と名づけた彼女。
その影筆に、リョウは素直に驚きます。
街にごった返す人の波が、この少女にとってはひしめき合う棒に見えているのか。
一層興味を強めたリョウは、300円を渡して自分を書いてくれと依頼します。
最初はもう帰ります、とリョウに恐れをなして帰ろうとする彼女ですが、商売なんだからちゃんとしろ、と軽く一喝したら怯えながらも彼女は筆を取ってくれました。
すると彼女は今までとはまた違う、真剣な表情でしばらくリョウを見つめたかと思うと……
倒れこむように四つんばいになり、ザッと一本の線を引いたのです!!
それを書き上げた女性は、なぜか泣き始めます。
書いていたら自然と涙が……という彼女が描いたその「人」は、
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今にも消え入りそうな、かすれかけた棒で…・・・
太字でただで書き直しますか?と尋ねてくる彼女に、いらんと断った後にリョウは呟くのです。
確かに「人」は突き詰めれば「棒」だ。
腕も足も、すべて棒の付属品だ。
あんたの目はすごいな、と。
その言葉を聞いた少女は、今までシュウし続けてきたおどおどした表情と態度を一変させ、笑顔を浮かべます。
今まで褒められたり認められたりしたことの無かった自分の影筆を、初めてすごいといってくれたことが嬉しくて仕方がないと言った風に!
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ですがその笑顔はすぐ実曇ることになってしまいます。
のしのしと現れた3人組の男。
彼らは街の景観を守ろうとする自警団的な人々。
ここではものを売ったりしちゃダメだ、荷物をまとめて消えろ!と高圧的に言い放ちます。
またもおどおどとし始めた彼女は、謝り、息を荒げながら荷物を片付け始めました。
その行動に精一杯になってしまい、自警団たちの声が聞こえないほど怯えて……
棒一本で300円なんて詐欺だな、家出してきたんじゃないか?
必死な彼女は、そんなこころない言葉の数々を無視するような形になってしまったわけで。
非協力的だなと警察に連絡をはじめ、さらには彼女の腕を掴み、逃げるな、街のみんなはおまえらみたいに遊びじゃなくて税金を払ってまじめに仕事してるんだ、ゴミは徹底的に掃除しないと金を落とす客が集まらないんだとまくし立てるのです!
……そこで、今まで沈黙を守ってきたリョウが口を出します。
それは理不尽ともいえる弱者への圧力を見せ付けられたからというのもありましょうが……その後に続けた彼らの言葉に、ひっかかるものを感じたからです。
オレたちの街から出て行け、と言う言葉に!
いつからここはてめえらの街になったんだ?
物凄いさっきとともに自警団を睨みつけるリョウ。
自警団のリーダー格は、この男が何度も巷を騒がせたあのナルシマリョウであることにまったく気がつかず、消えろ、大人をなめるな、とリョウの胸倉に掴みかかったのです!
もちろんこんなことをされて黙っていられるリョウではないわけで。
さっと相手の帽子のつばを下げてやって視界を奪い、股座に腕を差し込んで担ぎ上げ
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デスバレーボムのような体勢で地面に叩きつけたのでした!!

そのままその場をそそくさと離れたリョウ。
ですがなんと言うことなのでしょうか。
リョウの部屋に、その女性がやってくることになってしまうのです。
行くところがないと言う彼女は、半ば強引にリョウについて来てしまい……
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その後なし崩し的にその女性、ワクイサキコとともに暮らすことになる……と思われた矢先、トラブルに見舞われることになります。
この後現われるある人物によって、リョウを「どぶ組」なる2人組が付けねらうことになるのです!!
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危険なムードをプンプンとにおわすどぶ組。
リョウは、サキコはこの後どんなトラブルに巻き込まれることになってしまうのでしょうか!?

というわけで、新展開を迎える事になる本作。
本作の主人公でありながら、最大のヒールでもあったリョウ。
そんなリョウに引けを取らないかもしれない、バイオレンスな敵の登場となりそうです!!
ですが本作、こういった何でもアリ系な敵は案外あっさり倒されてしまうことが多いわけで。
今度こそはバイオレンスな「強敵」の登場となるのでしょうか!?
そして今巻でようやく登場したヒロイン的キャラ、サキコの動向も注目したいところ。
打算無しでリョウに心を開く女性キャラは、リョウと心通わす仲になるのでしょうか!?
本作の傾向からすると、非情な別れが待っているような臭いがしてくるわけですが……

新シリーズも危ない展開を予感させる、「軍鶏」第29巻は全国書店にて発売中です!!
新キャラクターが招くトラブルから始まる新展開。
リョウとサキコの今後や、どぶ組の実力など、気になる要素が盛り沢山ですよ!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!