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本日紹介いたしますのはこちら、「藤子・F・不二雄大全集 ユリシーズ/少年船長 ほか」です。
作者は藤子・F・不二雄先生。
小学館さんより刊行されました。

さて、F先生の作品完全網羅を目標とした本大全集。
第3期までを好調な売れ行きで刊行し、めでたく第4期の刊行が始まりました。
この第4期で、本大全集は完結。
ついに膨大な数にわたるF先生の作品が完全に単行本にまとまることとなったのです!
そしてこの第4期、刊行されるすべての作品が単行本初収録なんだそうで。
ファンのみならずとも大注目のシリーズとなりそうです!!

そしてその第4期第1作となる今巻は、「たのしい三年生」「たのしい四年生」誌で57~58年に別冊付録として付属した4作品です。
その作品群ですが、「ドラえもん」などのイメージからすると珍しいものばかり。
表題作の「ユリシーズ」はあのホメロスの「オデュッセイア」を原作にしつつ、それを映画化した「ユリシーズ」を踏襲した作品。
多くの海洋冒険モノを発表しているフレデリック・マリアットの「ミスター・ミジップマン・イージー」を原作としたと思われる「少年船長」、さらに珍しい伝記的作品となっている「しょうねんリンカーン」……
どれもが元となったもののある作品となっているのです!
そんななか今回紹介したいのは、「名犬クルーソー」。
こちらは原作のクレジットがありませんが、多分ロバート・バランタインの同名作品が原作です。……ですよね?
今のご時勢ではなかなかお目にかかることのできなさそうなストーリーが紡がれているのです!

時はアメリカの開拓時代。
ジャック少年は大きなキャベツを抱えて砦の隊長の元へ向かっていました。
あまりにも見事なキャベツが取れたから、隊長さんにもって行きなさいとお母さんに言い渡されてきたのです。
にこやかに迎えられたジャックは、滞りなくキャベツを手渡すことができました。
そんなジャックに、クーンクーンと甘えてくる声が聞こえてきます。
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どうやら生まれたばかりの子犬です。
その子犬の名前はクルーソー。
どうやらクルーソーはジャックのことが気にいった様で、ぺろぺろとジャックの顔をなめてくるのです!
そんな様子を見た隊長の娘のメリーは、なにやら隊長に耳打ち。
うんうんと頷きながら聞いていた隊長は、ジャックに犬がすきかと尋ねてきました。
クルーソーと遊びながら大好きだと答えるジャック。
そんなジャックに、クルーソーをあげるといってくれたのです!!

ジャックはクルーソーに訓練を施します。
よくある、帽子なんかを投げて取ってこさせるアレです。
ですが何度やっても、クルーソーは帽子を拾ってきてはくれず、終いには帽子で遊び始めてしまう始末。
ジャックは辛抱強く教え続け、帽子のつばをくわえてこうやって運ぶんだ、と実践してみせたりもしました。
それでもクルーソーは帽子を拾ってきてくれません。
見ていた知り合いの人は、そいつはあんまり利口じゃないらしいぜ、と笑うのですが、まだ子供だからできないだけだと言い切り、また根気強く教え始めるのです。
そんなジャックの根気を褒めながら、知り合いの人は暗くならないうちに帰れよと忠告しました。
先住民に捕まって頭の皮をはがれるぞ、と笑いながら……

ひとしきり訓練を終えたシジャックは家に帰ります。
結局最後まで投げた帽子を拾ってきてはくれずじまい。
おまけに訓練に夢中になるあまり、帽子を忘れてきちゃいました。
ところがクルーソー、その忘れた帽子をくわえてきてくれていまして!!
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ジャックはお前は僕よりよっぽど利口だ!とクルーソーをかかえあげて喜ぶのでした!!

二年の月日が流れます。
ジャックとクルーソーは友情を強めながら、たくましく成長していました。
ですがそんなある日、大事件が起きてしまうのです。
慌てた様子で砦に駆け込んでくる伝令。
なにを伝えたに来たかと思えば、
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なんとメリーが先住民に捕まってしまったと言うものでした!!
先日、東部の学校にはいるため、護衛とともに出発したメリー。
ですが300人を超えるほどの先住民の大群に襲われ、敢え無く敗北してしまったのです。
この一方は、砦をゆるがせました。
メリーの安否ももちろんですが、何より気になるのは砦の安全です。
ここにも先住民が襲撃してくるのではないか?
そんな不安がたちこめ、人々はパニック寸前になってしまうのです!

協議の結果、メリーの安全も考えて、数名で先住民に会いにいき、話し合ってみるしかないと言うことになりました。
リーダーを買って出たのは、この砦でも一目おかれているブラントです。
他の面々は命の保障なんてないその作戦に尻込みしてしまうのですが、ブラントのような勇気溢れるものもしっかりといたのです。
ちょっととぼけたところはあるものの、人並みはずれた力持ちのヘンリー。
そして他ならぬ、ジャックとクルーソーです!
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3人は狩りなどをしながら旅を続けていきます。
そんな3人が旅立って一週間後。
ようやく探していた先住民と出会うことが出来たのです。
襲撃されたらしい幌馬車の残骸。
それを調べ、祈りをささげていたところに飛んで来た一本の矢。
それが彼らとの初遭遇だったのです!!
ぐるりと三人を取り囲むように聳え立った崖。
その上に、
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数え切れないほどの先住民が……!!
話し合いを挑みたい3人。
ですが先住民は話を聞いてくれるのでしょうか。
そもそもこの先住民は、メリーを連れ去った先住民と同じとは限りません。
目的に近づきながらも、ピンチにも陥ることになる3人。
果たしてメリーを助けることはできるのでしょうか。
ジャックとクルーソーたちは無事に生還することができるのでしょうか!?

というわけで、開拓時代の冒険譚が描かれる本作。
色々と規制の厳しいこの時代に、色々問題っぽい文面なんかもそのまま掲載されているのが、原型を見たいファンからすると嬉しいところ!
そんな表現的な部分はもちろん注目したいところなのですが、お話のほうももちろん楽しめます!!
原作つきとは言え、F先生らしい読みやすくわかりやすい、それでいて子供だましにはなっていないお話は魅力的の一言!!
他の三作品でもその味わいはバッチリで、どれをとっても楽しめることうけあいですよ!!

非常に珍しいF先生初期作品群を収録した「藤子・F・不二雄大全集 ユリシーズ/少年船長 ほか」は全国書店にて大好評発売中です!!
いよいよ完全完結に向けて始動を始めた本大全集。
これからも体験したことのない作品が読めるかと思うと、心が躍りますね!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!