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本日紹介いたしますのはこちら、「アイアムアヒーロー」第11巻です。
作者は花沢健吾先生。
小学館さんのビッグコミックスより刊行、ビッグコミックスピリッツにて連載されています。

さて、英雄編が気になるところで中断となり、来栖編の始まった前巻。
引きこもりだったがゆえに感染を逃れた江崎は、ネット上で救世主ともてはやされる来栖の一団に救い出してもらうことが出来ました。
ですがその救出も命懸けそのもの。
住宅街からの脱出には成功したものの、日の出まで野外で夜を明かすと言う恐怖の一夜を味わうことになってしまったのです!

恐怖の夜を運よく明かすことの出来た江崎。
来栖の一団である毅の自転車の後ろに乗り、アジトへの決死行を再開するのです。
夜明けはZQNの動きが鈍い。
そんないまひとつ頼りきれるとはいえない説を頼りに、まだ薄暗い街を恐る恐るすすみます。
すると、進行方向の道に、下半身を酷く損傷したドレッドヘアの人物が這いずっているのが見えました。
あいつをどう見るかと聞かれた江崎は咄嗟にわからないと答えるのですが、どう見てもZQNです。
ヤンキー風の格好だからと言うわけでもないでしょうが、もし攻撃的で、自分たちに襲い掛かってきたとしたら?
こちらに背を向けたままのろのろと這っているうちに始末しておきたいところです。
毅は江崎に俺が噛まれたら迷わず逃げろ、と言い残してジリジリとそのZQNに近寄っていきます。
そして手斧を振りかぶり、言うのです。
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元人間だと思うな。スイカ割りだと思え。
斧が振り下ろされる瞬間、江崎はそのドレッドヘアが学生時代の自分をいじめていた「オックン」なる人物に見えてどきりとしましたが、そうではないと確認してすぐその「始末」は終わっていました。
噛まれないようにプロテクターで相手の顔をふさぎ、斧を何度か振り下ろす。
そして動かなくなったZQNをいざというときの逃走の邪魔にならないよう、道からどけておく。
その始末は実に手際よく簡単におこなわれたのですが……
オックンに受けたイジメの数々を思い出すことになったのか、江崎の顔色は一団と悪くなってしまったのでした。

たどり着いた「基地」は、一見するとふさがれている玄関以外はごく普通の一軒家でした。
ですがうかつに動けばクロスボウが飛んでくる、と物騒な忠告を受けたことからもここが本当に基地であることが窺えます。
江崎の救出に向かってから、夜が明けるほどの時間経過。
これだけ時間が経っていれば基地の中のメンバーはもうやられたと思っていてもおかしくないわけで。
戻ってきた毅を前にしても、すでに感染しているかもしれないと疑って当然なのです。
そこでまず毅は、トランシーバーで中の仲間達に連絡を取り付けました。
おこなわれたのは、いまやZQN判別としてすっかり定着したしりとりです。
毅はもちろん何の問題もなくクリア。
江崎は物凄く緊張しまくってどもりまくってしまいますが、何とかクリアします。
これでようやく中に入れるのですが、すんなりいらっしゃいませと言う風には行かないのです!
まず電信柱を登って2階のベランダへ。
そこで待っていた学生の男子と、武装した学生の女子に両手を手錠で拘束されてしまいます。
さらにそのまま狭い浴室に通され、3時間そのまま軟禁されることになってしまうのです!!
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これも感染しているかどうかのチェックのためのようなのですが……

3時間後。
2人を迎えに来たのは先ほどの学生ではない、ひげを生やした眼鏡の男性でした。
これでようやく2人の未感染が証明されたと言うことのようです。
せっかくたどり着いた基地ですが、基地、といえるほど武装も人員もいないようで。
メンバーは来栖と毅、先ほどの学生の春樹とキズキ、眼鏡とひげの苫米地、「おばちゃん」で良いと名乗る中年の女性、そして江崎の救出に来ていた女性と外国人のダニエリ、基地に近づくZQNを狙撃する係が2名……といったところです。
が、そのうちのダニエリは江崎救出後、ZQNに噛み付かれてしまったとのことで。
仲間が死んだと言うのに基地のメンバーの対応は冷ややかなものですし、来栖はと言うと
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噛まれちゃったから俺が殺しといた、とにこやかに応対しますし……
江崎は自分を助けてくれたその集団にも、不安を感じてならないのでした。

その独自のセンスと、どこか人をひきつける言動やオーラからこの集団のリーダーになっている来栖。
ですがこのチームを実質動かしているのは、冷静で判断力にも優れる毅と、豊富な知識と鋭い観察眼をもつ苫米地のようです。
毅は江崎が最初に合ったときそのままの、必要なもの意外はバッサリと切り捨てられる、冷静ながらも真面目な人物と言う印象を受ける人物。
しかし苫米地はなんだかところどころおかしな印象を受けるのです。
様々に分析はしているものの、その分析は不自然なくらいに楽観的。
パニックが収まれば今までどおりになるだとか、電気もうまくすれば当分大丈夫だろうとか。
かと思えば、家族が避難した学校に行きたいと言うキズキに、もうとっくに家族は(死んでいる)……と笑顔を崩さずに語ったりと、掴みきることのできない性格をしているのです。
そんな苫米地は、2階のベランダからZQNを監視しながら江崎に嬉々として行動観測の結果を発表し始めるのです。
多くのZQNは、人間を襲っているとき意外は生前の習慣をトレースしているみたいなんだ。
そんな発表に、江崎はあの人たちは夜になると自分の家に戻るのか?と尋ねてみました。
するとそれはいい質問だ!と目の色を変えて、答えてくれたのです。
ここに落ち着いて1週間定点観測をしてみたところ、彼らの行動はいい加減で別の家にはいったり道端にじっとしていたりと、習慣をなぞりながらも正しく自宅に戻れているわけではない。
だがその観測の中で、あるすごいことに気がついた。
ZQNは一見無意味な行動をしているように見えるが、ある法則がある。
それはきわめて緩やかながらも、南に移動しているらしい、というものだ。
みんなは偶然だの一言で片付けてしまったものの、これはすごい発見なんだ。
ZQN一人一人には意思などないが、ZQN全体では何かしらの意思がある、という!
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それが何かまではまだわかりません。
それが人類を救うことになるかどうかもわかりません。
しかし彼らがどこに行くのか?その行き着く先は?
苫米地はそれに興味が湧いて仕方ないのです。
そこで苫米地は、より深く調べることにしたのです。
何をしているのでしょうか。
……飼っているのです。
ZQNを!!

屋根を伝って渡る、となりの家。
そこにそのZQNはいました。
今まではひたすら逃げる、あるいはなりふり構わず葬るしかなかったZQN。
その不可思議な生態が、これで少しは紐解かれるのでしょうか?
平然と案内する苫米地に連れられて、江崎はZQNの間近に接近することになるのですが……!!
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というわけで、来栖編が進んでいく本作。
まだまだ本格的に話が始まる前の準備段階といえる内容ではありますが、
気になる要素が数々散りばめられております。
来栖がなにをしようとしているのか。
不気味さすら感じさせる苫米地の動向は?
いまひとつ協力的な感じではない春樹は不穏分子にはならないのか?
紹介した部分でもすでにそんな要注意ポイントがあるわけでスが、この後も続々と気になる点が登場していくのです!
ZQNを狙撃する係の2人の提案。
来栖たちの一団が口々に語る、「奴ら」。
意外な人物の生存……
様々な要素が少しずつ登場し、これから始まるであろう更なる激動を予感させてくれます!!

来栖編もいよいよ本格的に始動する、「アイアムアヒーロー」第11巻は全国書店にて発売中です。
来栖は本当に救世主となるのか?
この恐怖の世界の全貌も明かされていくかもしれない新シリーズ、注目必至ですよ!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!