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本日紹介いたしますのはこちら、「GANTZ(ガンツ)」第36巻です。
作者は奥浩哉先生。
集英社さんのヤングジャンプ・コミックスより刊行、週刊ヤングジャンプにて連載されています。


さて、とうとう多恵の奪還を成功させた玄野。
と同時に、各国のガンツメンバーの働きもあり、あの強大だった異星人の撃退に成功したと言うニュースも飛び込んできます。
多くの犠牲は払うことになりましたが……これですべては終わったのでしょうか?

加藤やコピー玄野たちは、最後の詰めが行われていると言う異星人の巨大宇宙船へと転送されてきました。
そこでは勝者が敗者を蹂躙する、残虐な蹂躙が繰り広げられていました。
あまりにも非道な行いをする、各国のガンツチームたちに怒りを禁じえない加藤たちは、たまらず彼らを殴りつけてその行為をやめさせるのです。
ですがそういった行為はすでにこの船内に蔓延しており、いちいち止めていてはキリがありません。
何よりもいくべきところがあるそうで、加藤たちは唯一生き残っていると言うガンツの元へと急ぎます。
ガンツである場所へと転送する。
その場所で、すべての謎が解ける。
きっと、人生観が変わる。
一体この後に待ち受けているその場所とはなんだと言うのでしょうか……?

加藤達が転送された場所。
そこはただただ広く、何もない真っ白な部屋でした。
そこには何十人……いや、もっとでしょうか、とにかく大勢のガンツメンバー達がいます。
彼らが見つめているのは、
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中央に立っている人型の何か、です。
顔と胸部がバックリと口を開け、その空間から様々な人物や動物の顔がかわるがわる入れ代わって現われる、奇妙な人型が、背中合わせに二人立っている。
そんな奇妙な存在でした。
一体これはなんなのでしょう。
そして不可解なことに、その存在を確認した直後から、加藤たち全員の瞳から血の涙のようなものが滴り落ちてきたのです!
戸惑っているところに、以前玄野と接触したフリーライターの菊池が現われました。
とは言えコピー玄野のほうはそのことは記憶にないわけですが……
ともかく彼によると、この血涙は5分ほどで止まるとのこと。
そして彼は言うのです。
ここは、真理の部屋、だと!

どうやらこの部屋にいままでいたガンツメンバーたちは、あの謎の人型に次々と質問を投げかけているようです。
そしてそのありとあらゆる質問に、あの人形はすべて答えてくれると言うのです。
となれば、どうしても聞かなければならないことがあるでしょう。
いままでオレたちは何のために戦わされてきたのか!!
投げかけられた言葉と同じ言語で、すぐさまその人型は答えを返してきました。
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ある惑星系が消滅の危機にあり、その移住先に地球が選ばれ、三十年以上前から少しずつ移住が始まっていた。
最後に来たあの巨大異星人が一番強力な種族だ。
私たちは地球以前に移住先に選ばれた惑星の住人で、彼らは我々に撃退され、次に地球を選んだ。
そして地球に彼らを撃退しうる軍事技術の信号を送った、と。
やはりあのガンツのもつオーバーテクノロジーは宇宙人のものだったのです。
ガンツを得点形式にしたり、世界中にばら撒いたりしたのは、その信号をキャッチした富豪が儲かるだろうと考えてしたのだろう、と菊池。
ともかくなんにせよ、この人型の宇宙人は地球を救ってくれた恩人といえるでしょう!
各国のガンツメンバーは、次々にその人型宇宙人に感謝の言葉を述べるのでした!

ですがその後、人型宇宙人の口からはとんでもない事実が語られるのです。
私たちは地球人に同情して情報を送ったのではない、ある程度の秩序を守るために過ぎない。
人類は自分達を地球上で特別な存在だと思っているが、我々から見ればごく微小な昆虫と変わらない。
ありの命と人間の命の重さが違うと言う考えは、とても傲慢な考え方だ。
君たちがすがる神などと言うものは存在しない、人間の命は塵やゴミと変わらない。
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目の前に現われた全知全能、人類から見れば神にも等しい存在といえる人型宇宙人。
その宇宙人がキッパリと、人間の命など何の価値もない、と言い切られてしまい、その場にいた者たちは皆言い知れない絶望に打ちひしがれ、涙します。
そんな中コピー玄野は一人、絶対違う!人間の命は価値があるんだ!と絶叫。
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しかし、死んでいった仲間達は皆すばらしいんだ、とへたり込んでしまうのです。
加藤は芸術を見て感動したり、成長したり、愛し愛されたり、自己犠牲をいとわなかったりと、人生の奥深さを語ってコピー玄野を支持しました。
2人の搾り出すような思いを聞いた人型宇宙人。
彼はこんなことを言い出しました。
では、人間は只のモノに過ぎないとことをわかりやすく見せてやろう。
すると、コピー玄野たちの前に、何か細かな物質が寄り集り始めました。
それは徐々に大きな塊になっていき、やがて人間の内臓であることがわかります。
みるみると大きく、そして生きた人間の形になっていくそれ……
やがて出来上がります。
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4人の人間が……!!

現われたのは、桜丘、岸本、レイカ、そしておっちゃんの4人でした。
彼らはガンツで再生したのと同じように、生き返ったのです!
再会を望んでやまなかった者達との再会に、涙を流して喜びを表すコピー玄野たち。
ですが、人型宇宙人の「証明」はこれからが本番だったのです。
証明しよう、人間が只のモノであることを。
コピー玄野の、加藤の……いや、その場にいたほとんど人間の背すじに、怖気が走りました。
レイカをギュッと抱きしめ、愛してると連呼するコピー玄野。
ですが無情にも、4人はコピー玄野たちの目の前で……
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あまりにも無残で、冷酷で、非情。
もうコピー玄野のあたまには、怒りしか残されていません。
理解しただろう、残虐な行為をしたにもかかわらずに声色1つ代えない人型宇宙人に……
コピー玄野はしゃにむに飛び掛っていくのです!!

というわけで、いよいよ佳境に入った感のある本作。
これでガンツに秘められた謎はほぼ解き明かされたといっても過言ではないでしょう。
おそらくこれでもう新たな異星人との戦いはない、と考えていいはず。
となれば物語も完結……といいたいところですが、まだもう一山残されているようです!
もはや敗戦処理ともいえる、巨大異星人との戦い。
その戦いの中に、玄野と交戦して決着がついていないつわものがいました。
彼がこの戦いの、最後の壁となるのです!!

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決着の予感が漂う今巻。
順調に行けば(?)次巻あたりで完結となりそうですが、まさかの新展開があったりもしちゃったりするのでしょうか!?
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!