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本日紹介いたしますのはこちら、「地獄恋(じごくれん) LOVE in the HELL」第3巻です。
作者は鈴丸れいじ先生。
双葉社さんのアクションコミックスより刊行されました。

さて、地獄で罰を受ける凛太郎と、新人鬼こよりの日常を描く本作。
あくまで咎人と罰を与える鬼としての関係であるはずの彼らですが、なんだか最近は徐々にいい感じになってきてしまっています。
痛い目にあってお金をもらい、それで生活する、と言う日々にもなれてきてしまっていた凛太郎ですが、そんな彼に突然声をかけてくる女性の咎人が現われました。
イマイチ見覚えのない女性ですが、一体何のために冴えない凛太郎なんかに声をかけたのでしょう?

その女性、なぜか半ば強引に凛太郎に3000怨(円)を押し付けるように私、立ち去っていきました。
よくわからないものの、そのときは臨時収入だと喜んでいた凛太郎。
ですが女性がその3000怨がないことで、すごく痛そうな責め苦を受けているのを見て、、凛太郎は絶対お金を返そうと決意するのでした。

本来ある一定量以上お金を稼いだ後にアルバイトなどをして給料をもらうことは禁じられています。
ですが凛太郎は、地獄に住まう鬼達のちょっと人(鬼?)にはいえない困りごとを解決し、こっそりお金をもらうと言う仕事にありつくことが出来たのです。
そのおかげでちょこちょこと小銭を稼ぐことの出来た凛太郎、よりよい地獄ライフのために働きまくるのでした。

とある日、凛太郎は郵便配達の仕事を請け負いました。
一箇所だけ遠いところに届け物があり、そこによっていると他の荷物を届けるのが遅くなってしまうとのことで、凛太郎は快く荷物を引き受けたのです。
問題の配送先は、高台というには高すぎる気がする高台のうえ。
そのあまりの高さ、なるほどまともに配送したら時間の消費が激しくなってしまいそうです。
今日中につけるかな、と不安を感じながらもと高台の周りをぐるっと取り囲むらせん状の道を進んでいく凛太郎。
途中道が崩落したり、道なき道を進むためのレンタル階段を借りたらぼったくられたり、つま先しか乗らない狭すぎる足場をすすんだりと危ないところもありましたが、何とか高台の頂上に辿り着くことが出来たのでした。

凛太郎の持ってきた荷物とは……なんかエロスな雑誌でした。
高台のてっぺんに住まう御老人、俗世を離れて何もない空間で心清く過ごす……といっていたのですが、そんな本を読んでいてはどうもあやしさを感じさせるってもんです!
ひとしきりその本を読んで楽しんだ後、ご老人は一旦家に戻り、なんか動いてる孫の手のようなものをもってきました。
その道具は、人間の「意識の補完」ができるんだとか。
何も頼んでいないのにこの老人はなぜそんなことを……?
戸惑う凛太郎の額に、その孫の手がずぶずぶと埋まっていき……
気がつけば凛太郎は幽霊のようなスケスケの姿になって、どこか現世の公園にでていたのです!!

この公園の砂場で、一人の少年が棒倒しの練習をしておりました。
何を隠そう、この少年こそ凛太郎の幼少時代!
どうやらこの公園、と言うかこの世界、凛太郎の子供時代のときの光景そのもの!
タイムスリップ、してきたと言うことなのでしょうか……?
どれだけ叫んで話しかけてみても、幽体となった凛太郎の声は届かないようで。
とりあえず凛太郎は傍観する他ありませんでした。
少年凛太郎が必死に棒倒しを練習していると、一人の少女が姿を現します。
凛太郎の行為がなんなのかわからずずっと見ていたのですが、ついに彼女のほうから声をかけてきてくれたのです!
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少女の名前はミサ。
凛太郎と同い年くらいですが、どうも学校にいっていない様子。
せっかくなので凛太郎は彼女と一緒に棒倒しの練習をするのでした。

毎日のようにミサと親しげに遊んでいる少年凛太郎。
ですが凛太郎は、これだけ仲がよければ印象に残らないはずがない彼女の存在をまったくおぼえていないのです!
ところが、ミサが口ずさんだわらべ歌に聞き覚えがありました。
このわらべ歌、あの謎の3000怨くれた女性も歌っていたような……
ここで凛太郎はようやく気がつくのです。
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このミサが、あの3000怨の女性だと言うことを。
そして思い出すのです。
なぜ自分がミサのことを覚えていなかったのか、を。

ある日、ミサと別れた後のこと。
そこに「いつもうちのミサと遊んでくれてありがとう」と言いながら、男性が現われたのです。
ですがそう言いながら、その男性はギュッと凛太郎の体を掴み、ギリギリとその力を強めていくではないですか!
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そしてなんとも言いようのない、鬼気迫る表情を浮かべながら、もうミサとは遊ばなくていいから!と威圧!
凛太郎を突き飛ばしたかと思うと、恐怖に怯える彼を見下ろしながら言うのです。
つぎ遊んでるとこ見つけたら、お前の耳を引きちぎって喰っちまうぞ!と!!

そんなことを言われてしまっては、次の日にミサが来ても冷たく明日って逃げ出してしまっても、凛太郎を攻めることはできないでしょう。
ですがそんな行動を子供心に酷過ぎると後悔した凛太郎。
翌日になって正直に話して誤ろうと思い立ち、彼女に家へと直接出向くことにしたのです。
確かこの辺のアパートだって言ってたけど。
そんなことを呟きながら、あの男性に見つからないことを祈りながら家を探します。
程なくして、ミサの家は見つかりました。
ですがそこで目に飛び込んできた光景は……ミサの髪の毛を掴んで引き摺り、部屋の中に乱暴に連れ込むミサの父親の姿だったのです!
ですがそれで恐ろしい光景は終わりではなく。
恐る恐るカーテンの隙間から、中の様子を窺うと……
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全裸にされてしまったミサが、父親に竹刀で叩かれているではないですか!!
口答えばっかりしやがってと容赦なく振るわれる懲罰。
これだけでも虐待と言っていい酷い仕打ちですが、その行動はさらにエスカレート。
徐々にその虐待は、性的なものへと変わっていき……

あまりにもその光景がショックだったのでしょう。
凛太郎は嘔吐して逃げ出しただけではなく、翌日何事も無かったかのように、お菓子をいっぱい持って凛太郎と遊びにやってきたミサに言い放ってしまったのです。
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きたねーんだよ!
自分のおやじと変なことしてるやつなんかとは、もう遊ばねーよ!!と……
走り去る凛太郎。
取り残されたミサは……
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おやつ全部あげるから、ミサと仲良くしてください。
そう言ってなきながらへたり込むのでした……

これが、凛太郎の罪。
子供だから彼女を助けることなんてできなかった、といえばそうでしょう。
ですがあそこでミサを罵る言葉を吐いたことは……
全てを思い出した凛太郎。
そんな凛太郎が取るべき行動は……?
物語は、とうとうクライマックスを迎えるのです!!

というわけで、最終巻となる今巻。
今まで謎だった凛太郎が地獄に落ちた理由が明かされ、その罪のきっかけとなった女性と再会。
これで一層贖罪にも力が入る……と思いきや、予想だにしなかったとんでもない事態が巻き起こることになってしまうのです!!
待ち受けていたトラブルとは?
凛太郎の長いような短いような咎人生活はついに終わりを迎えます。
そこで待っている驚きの結末やいかに!?

完結を迎える、「地獄恋(じごくれん) LOVE in the HELL」最終第3巻は全国書店にて発売中です!
長い地獄生活、その終着点とは!?
凛太郎とこよりの迎える感動のエンディングが待っております!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!