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本日紹介いたしますのはこちら、「かみさまドロップ」第1巻です。
作者はみなもと悠先生。
秋田書店さんの少年チャンピオンコミックスより刊行、月刊少年チャンピオンにて連載されています。

みなもと先生は02年にデビューした漫画家さんです。
デビューはガンガンパワードで、氷川へきる先生のアシスタントなどをしていたようですが、06年から主戦場を月刊チャンピオンに移行。
その移籍後、初連載となった「明日のよいち!」は全15巻、連載5年を数え、アニメ化も果たした人気作となりました。
その後も月刊チャンピオンでの連載をメインにしつつ、伝記漫画を描いてみたりもするなど、様々な作品を発表していらっしゃいます。

さて、本作は突然普通の人間でない存在と日常を過ごすことになる、ドラえもんタイプの作品です。
さらに言ってしまえば、タイトルからも推測されるとおり神様、それも女性の神様と過ごす……ドラえもんタイプの作品の中でもさらに限定して、某女神様タイプの作品と言ってしまっていいかもしれません!
ですがもちろんそっくりそのままなんかではなく、本作ならではの要素が楽しめる作品となっています!

ニコニコしながらパンをその手にもって歩いている少年、野分あすなろ。
限定販売の非常に手に入れづらいパンをようやく手に入れ、喜び勇んでいるようです。
ですがその直後、不良とぶつかってしまいます。
ただ因縁をつけられるだけならまだしも、輪をかけて不運なことにその不良、そのパンが大好きでして。
楽しみにしていたパンまで奪い取られてしまうのでした。

あすなろが今まで生きてきた17年間。
振り返ってみれば、つねにつきの無さに悩まされてきていました。
ほしいものは自分の目の前で売り切れ、いわれなき誤解を受けて怒られて。
その上あすなろ、妙に「困っている人」に出会うことが多く……
気の優しい彼は、見過ごしたことで両親の呵責を受け、ごはんをおいしく食べられなくなってしまうのなら……と考え、自分の都合も省みずその人を助けてしまうのです。

そんな彼には、思いを寄せている少女がいました。
同じクラスに在籍している、学校のマドンナ的存在の美少女、橋姫万里……通称バンビです。
ですがあすなろには彼女に告白するどころか、何気ない会話を交わすこと、いや、声をかける勇気すらないのです。
その日も携帯電話を落とした彼女に、それを拾い上げて返そうとするのですが、ためらっているうちに失敗してしまいます。
しかし今回の失敗の原因はあすなろの意気地のなさではありません。
突然あすなろに小柄な少女がタックルをぶちかましてきたからです!
不良にいじめられたと聞いて心配して来た、と言うその少女は、葵みこと。
幼げな外見の美少女で、幼馴染のあすなろを何かと心配してくれるいい子なのですが、なにかと魔女っ子が使うようなスティックを振りまわしてみたり、人目を気にせずあすなろにべたべたとスキンシップをはかって来るなど、彼女に対して恋愛感情をもっていないあすなろからすればありがた迷惑な存在と言っていい少女なのです。
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そんな彼女に押し倒された形になったあすなろは、クラスのみんなから公然と彼女といちゃつくなと白い目で見られてしまいます。
しかもそれだけでは終わらず、体勢をかえようと頭を上げた先には
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バンビのスカートの中身が待っていたのです!!
クラスのみんなにさらに非難されてしまいましたし、その非難の目からあすなろを守らなきゃ!と張り切ったみことがまた魔女っ子的な振る舞いをして今度はクラスのみんなを唖然とさせてしまいました。
ですが何よりあすなろがショックなのは、こんなトラブルでバンビとの距離がさらに広がってしまったかもしれないと言う事実です。
バンビの友人たちは案の定あすなろは最低だ!と言いたい放題。
やはりあすなろの不安どおり、彼女の好感度もがた落ち、と思いきや……?
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なんだかその悪口を聞いて、不満そうな表情を浮かべているではないですか。
これはひょっとして……脈ありだったりするんでしょうか?

毎日一緒に登下校したり、あすなろを守ろうとしてくれたりするみこと。
そんな彼女の感情も考えず、幼馴染だからって必要以上に相手に関わる必要なんてない、これからは登下校も別にしよう、とあすなろは提案します。
みことは昔からあすなろのツキの無さをどうにかしようといろいろ研究し、いまの魔女っ子的オカルト系不思議キャラになったわけでして。
自分のことを気にしているせいでそんな目で見られているし、彼氏でもない男と一緒に居たらいらない勘違いされてしまう。
俺ももう子供じゃないから自分のことは自分で何とかするよ。
そう言ってあすなろは、みことと距離をおこうとするのです。

一人での帰り道、あすなろは雨に降られてしまいます。
慌てて走り出すあすなろですが、その脳裏にはバンビのスカートの中の映像やら、あそこでみことが来なければ!などというアレコレを考えていましたら……なんか見知らない神社に辿り着いてしまっていました。
ここがどこかもわからず、携帯も電池切れ。
やむなく雨宿りしていると、雨に降られてしまったこともあり、あすなろは高熱を出してしまったのです!
このまま死んだらどうなるんだろう。
想像してみると、スカートをのぞかれて自分を見下げ果てているバンビが思い切り罵倒している映像が浮かび上がってきて……!!
このままじゃ死ねない!
そう思ったあすなろは賽銭箱にお賽銭を投げ込み、願いごとをするのです。
いっこだけでいい、俺の願いをかなえてくれよ。
もし俺がここから無事に帰れたら、バンビとつき合わせてくれ!
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他にどんなついてないことが起こっても我慢する、今までついてないことばかりだったんだからひとつくらい願いごとをかなえてくれ!!
……渾身の思いを込めてそう祈ったあと……冷静になって自分のしたことが恥ずかしくなってしまったあすなろ。
みことのオカルト趣味を馬鹿にしておいて、こんな神頼みなんて。
神様なんているわけが……そう思った瞬間のことです。
まばゆい光とともに、
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全裸の女性がとびだしてきたではないですか!!
その立派なお胸に目が釘付けになってしまうあすなろですが、得(エル)と名乗った彼女はさらにとんでもないことを言い出すのです。
自分は今日からこの土地を預かることになった、神だ、と!!
普通なら到底考えられないことですが、エルはあすなろの頬に軽く口付けをしただけで瞬く間に高熱を沈めてくれたり、何の器具ももたずに一瞬で電話の充電をしてくれたりと、明らかに普通ではない、いわば奇跡を起こして見せてくれます。
もしかして本当に神様なのか?
そんなことを考え始めたあすなろのことを、エルはいたく気にいったようで。自分の下僕にしてやろうと言い出します。
なんだかよくわかりませんがとりあえずそのことにお礼を言うあすなろ。
エルはあすなろにこんな褒美を与えてくれるのです。
お主はわしの下僕、ゆえに、おぬしの命だけは助けてやろう。
エルはそう言うと空高く跳び上がり、空中で右手を高く掲げます。
信心深ければ救われる、さもなくば死、あるのみ。
それをわからせる。
右手の上には、明らかに危なそうな力が集まってきています。
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さぁ、天罰の時は来た!
人間どもよ、皆このエルの力にて滅びるがよい!!
そう言ってエルは、右手に集まった力を手始めにあすなろの通う学校に放とうとします!!
まだあの学校にはクラスメイト達が、みことが……バンビがいるかもしれません。
あすなろは酷く後悔しました。
自分の前に現われた神なんかが、いい神様なわけがないじゃないか。
もしかしたらこの事態は、自分の不運が引き起こしたんじゃないか?
俺のせいで……!!
高笑いとともに、エルはその力を……!!

というわけで、いきなり人類滅亡のピンチから幕を開けることになる本作。
とんでもない状況から始まるこのお話ですが、もちろんこの後人類が滅亡してしまったりはしませんのでご安心(?)ください。
あすなろの性格やらエルの事情やらがいろいろ絡み合いまして、あすなろとエルは一緒に暮らすことになってしまうのです!
そんな中でエルは、あすなろがした「バンビと付き合いたい」と言う願いごとをかなえてあげようとします。
ですがそれもすんなりとはいきません!
バンビとの恋愛もそうですが、みことの思いや、エルの人間世界での知識のなさなど、様々な要素が絡まりりあい、ドタバタ恋愛劇を繰り広げていくのです!
が、同時にいくつかの別の軸も出来上がっていきます。
自らの不運さに、もはや諦めの境地に達しつつあったあすなろ、
彼が不運に立ち向かっていくまでを描く成長物語ともなって行くのです!

……が、それもまたこの第1巻のラスト近辺で毛色が変わってきます。
突然降って湧いた、きな臭い雰囲気……
このお話に隠された、深層のようなものを示唆する展開を迎えることとなるのでした!!

神様と暮らすラブコメ、「かみさまドロップ」第1巻は全国書店にて発売中です!
ラブコメ要素にお色気要素、不穏な展開まで完備した本作。
ツキのない男の元に神がやってきたことから生まれる運命は、果たして……?
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!