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本日紹介いたしますのはこちら、「BUPPA(ブッパ)なビッチーズ」第1巻です。
作者は雑君保プ先生。
秋田書店さんのヤングチャンピオン烈コミックスより刊行、ヤングチャンピオン烈にて連載されています。

さて、本作は人外の同居人がやってきてトラブルを起こす系の作品です。
主人公が女性の人外同居人に好かれて……というところまでは割とよく見る設定の本作。
ですがそこは独自の持ち味が最大の売りである雑君先生!
先生ならではのフリーダムドタバタギャグが繰り広げられるのです!!

今日も今日とて学校に向かう男子、柔木。
そんな彼に、おはようと挨拶する女子、紅井。
いつも繰り広げられる光景ですが、そんないつも繰り広げられている光景ながらも普通じゃないところが一点ありました。
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それは、柔木の体にびっしりとたかった、メスのカブトムシ。
なんだかよくわかりませんが、これが柔木の困った体質。
虫とか鳥とか小動物なんかのメスに対してのみ、なぜかモテモテになってしまうのです!

メスカブトを振り払い、カラスの大群にさらわれそうになったりしながらも、何とか学校に辿り着いた柔木と紅井。
その瞬間、学校から校長の嘆き声が響いてきました。
校長が何かウッかリをやらかすのは日常茶飯事らしく、その嘆き声を聞くのももはや恒例になっているようで。
どうやら今日から来ると言う、交換留学生の女子に関して何か嘆いているらしいのですが……?
わしゃてっきり、四国のほうの学校の人かと思ってたんじゃ!
先方の学校の好調と、こちらの校長がメル友だからと言うことで実現したこのたびの交換留学。
そんな喜ぶべきシチュエーションで、声高にあげられた校長の嘆きの意味するものは……?

自己紹介をする交換留学生。
地獄の学校から来たバリリドムだ!
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特技は爆裂、趣味は爆破、好きな風は爆風!
よろしくなニンゲンども!!
……四国じゃなくて、地獄だったわけです。
向こうの学校では成績優秀だと言う彼女。
なるほどその成績表は、ほとんどが最高評価でした。
ただその科目が、「傲慢」「怠惰」「暴食」「嫉妬」……と言った、七つのあれなんですけど。
そんな違いもバリリドムにとってはどうでもいいこと。
ほんじゃ挨拶代わりに特技でも一発、と
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いきなり教室を爆破して見せたのでした!!

凄まじい爆発がおさまるまで待つしかなかった教室の皆さん。
爆発が収まったらしい感じを受け、紅井が恐る恐る顔をあげて様子を窺ってみますと
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なんかバリリドムさん、柔木にキス顔を近づけているじゃあありませんか!
ですが彼女自身、何故こんな行動を取っているかわからないようで。
柔木は何か呟きますが、顔をむんずとつかまれてしまっているためうまく言葉にならず。
その後にょごにょと言う何かを、告白!?と顔を赤らめて過剰反応したバリリドム、思わず柔木を投げ捨てて紅井に通訳を依頼しちゃいます。
彼女の成績表には「色欲」の欄もありまして。
それも成績優秀ならば、この程度でこんなに取り乱したりしないはずですが……?
実は彼女、それ以外の6つは特Aで文句なしに地獄の学校でトップ。
ところが色欲はある理由があって赤点まっしぐらでして……
なんでもそのあたりが原因で地獄の地図を書きかえた「炎のバレンタイン事変」なる事件まで巻き起こした過去があるようで……まあとにかく色恋沙汰に関してはてんでだめなのです!

ともかく、バリリドムは柔木がわりと望んでいた、自分の体質が通用する人間(姿かたちは、ですが!)の女の子。
紅井もまた、おめでとう!メスカブトみたいな女のこのお出ましよ!と祝福(?)してくれるのです。
放っておけばどんな大惨事を巻き起こすかわからない彼女を、そのへんてこ体質で手懐けてうまいことコントロールしろ、と促される柔木。
ですが柔木は、僕はやさしい子が好みなんで、とおもむろにバリリドムにごめんなさい宣言をしてしまうのでした!
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ふられたショックで爆発するバリリドムですが、そこでへこたれないのが彼女です。
やさしいならいいんだろ?ヤワラギ!とやさしくなろうとする彼女ですが、なんということか、そもそも「ヤサシイ」ってなんなんだ?と言い出すじゃないですか!
ついには優しいってなんだ、教えろ!と爆発を巻き起こすバリリドム。
全然やさしくないバリリドムさん。
そんなバリリドムの恋をかなえるため、そしてこれ以上無駄に爆発させないため。
柔木と紅井とバリリドム、そそいて担任の干屋を顧問に部活動をおこなうことになるのです。
やさしさを学んでもらうことを目的とした、「やさし部」を!!

ということで、やさし部の活動を描いていく本作。
バリリドムの破天荒で物騒な行動と、それとは一転して乙女なもじもじっぷりが楽しい一作となっています!
この後さらにバリリドムをライバル視する地獄の女生徒、
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ヘルガが参戦してレギュラーは勢ぞろい。
この5人……と言いますか、バリリドムとヘルガの2人が暴れまくりまわることになるのです!
本巻の前半では、地獄の2人が暴れまくる様を、雑君先生らしいフリーダムなだタバタコメディで描いていきます。
ですが後半からは更なる新キャラや、ヘルガの立ち位置の確定、さらにバリリドムの過去なんかの要素も続々と加わり、物語の要素も強まってまいります!
ドタバタコメディに、一つまみの気になる物語。
雑君先生の持ち味がたっぷりと堪能できる、愉快ながらも物語性も充分な作品なのです!

雑君先生久々の新作単行本、「BUPPAなビッチーズ」第1巻は全国書店にて発売中です!
そのフリーダムな暴れっぷりは健在な本作。
巻末にはあとがき漫画に加え、道満晴明先生のゲスト寄稿も収録されていまして、最後まで楽しめますよ!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!