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本日紹介いたしますのはこちら、「オールラウンダー廻」第11巻です。
作者は遠藤浩輝先生。
講談社さんのイブニングKCより刊行、イブニングにて連載されています。

さて、全国大会の切符を手に入れるため、関西選手権に出場した廻。
今回の大会の本命であった三ツ矢も見事に撃破して見せ、決勝戦へと出場。
相手はこの大会に引退をかけたベテラン、室井。
その老練なテクニックに廻は苦戦を強いられるのですが……

残り時間は一分という大詰めで、パンチをかいくぐってのタックルをきめた廻。
流れるようにバックを取り、グラウンドへと移行しました!
スタンドでの打撃が室井のフィールドなら、グラウンドは廻のフィールド。
ここでしっかりときめきりたいところですが……室井も負けられません。
両腕で力任せにクラッチを引き剥がし、スリーパーから逃れたのです!
すかさずうつぶせになって腰を浮かし、廻を前に落しました。
そこで廻はすかさず体を回転させ、腕狙いにスイッチ!
足をかけて腕関節を狙うのですが、室井はすかさず体を起こして腕を抜いていくのです!
が、ここで攻めが途切れないのが廻の最大の強み。
抜けられたと見るや、すぐに空いた手で室井の足を払い、片膝をつかせることに成功します。
そのまま片足タックルを敢行し、再びグラウンドを狙う体勢になったのでした!
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流れるような攻めに、観客も室井も息を呑みます。
廻の打・投・極が回りだした、と焦りを感じる室井は、テイクダウンされまいとケンケンをして逃れようとするのですが、それすらも廻は攻めの糸口にしてしまうのです!
ふわりと足を掴んでいた腕を放し、強烈な左フック!
ヒットこそしませんでしたが、避けたことで体をのけぞらせ、体勢が崩れてしまった室井。
しまった、と思ったときにはもう遅く……
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廻の鋭い右ストレートが、的確に室井の顎を捉えたのでした!!

室井にとっては運よく、あたりは浅め。
ダウンこそ逃れられなかったものの、ダメージは深刻ではありませんで、カウントフォーで立ち上がることができました。
ですがこのダウンと先ほどのグラウンドの攻防で廻が大きくポイントを稼いでいるわけで。
これで完全にポイントでは廻が上回ったことになります。
残り時間は30秒。
後はなにかやらかさない限り、時間を稼げば廻に勝利が転がり込んでくることに。
それは望んでやまなかった全国大会の切符を、喬との再戦の可能性を手中にすることを意味するのです!
逆に室井からすると、もう一か八かでノックダウンを狙うしかありません。
ガンガン前にでて、パンチを振り回す室井。
ですが廻には付き合ってやる必要もなく、それは室井も重々承知。
それでも室井は前にでるしかないのです。

あえてガードを下げ、攻撃を大振りにして隙を作る。
こうして廻に少しでも攻撃する気を生み出させようとする室井ですが、廻は……
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乗ってきたではないですか!
交錯するお互いのパンチ。
室井の繰り出すボディへのストレート、そしてショートアッパーは決定打にはならないながらも廻にヒットします。
逃げればポイントで勝てるのに、そうしないのは一体……?
とにかくこれは室井にとってはチャンスです。
しかしそんな時に限って、室井の痛めている膝が悲鳴を挙げ始め、打撃の切れが落ちてしまいます。
そこへ廻は右ボディストレートを放ち、怯ませたところをハイキックで追撃!!
思わず下がろうとする室井ですが、そこに飛んで来たライバルの檄で闘志を復活させ、逆に廻の顔面にパンチを当てて反撃して見せるのでした!!
廻は室井を首相撲に捕らえ、膝蹴りを数発叩き込みます。
思わずタオルを投げ込もうとする室井のセコンドですが、ガードの上からだ、まだやれる!と主張する代わりにアッパーを放ち、間合いを取ることに成功。
廻は打撃を放っても放っても室井を倒せないことに焦ります。
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自分の打撃では倒せないのか……?
そんな廻の脳裏によみがえる、まりあの言葉。
勝負の最後を支えるのは技術よりも、フィジカルとメンタルなの。
マキちゃんによく言うのが、パンチで来る相手に対して「自分の足が折れるか相手の腕が折れるかの勝負よ」ということ。
打撃で「倒しきる」には、そういう気持ちが必要なの。
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……残り数秒。
廻はそれでも前にでるのです。
先に進むために、「倒しきる」ために!!

というわけで、関西選手権編が決着を迎える今巻。
試合終了間際の、手に汗握る攻防がたっぷりと描かれています!
いつものような技の応酬はもちろんとして、今回勝負の決め手となるのはやはりメンタル。
負けないと言う気持ちが誰よりも大きい室井、そしてそれを乗り越えようとする廻。
2人の真っ向からの激突が迎える、激闘の結末とは!?

そしてこの後、物語は全国大会に向けての廻の練習の日々……の前に、喬の過去編に突入。
幼き日の喬の日常が描かれます。
さらにそれが終わった後、マキのエピソードが1話収録されていまして。
なんだかんだと廻と仲良しな感じになっているマキが、とうとう……!?
女性陣の動きからも目が放せないところです!!

激戦の決着、「オールラウンダー廻」第11巻は全国書店にて発売中です!
いよいよ始まる全国大会への道。
喬は、廻はその大会に向けてどう動いていくのか?
今巻で身もだえするマキちゃんの身の振り方は!?
気になる要素満載ですね!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!